人を守る仕事は、まず人を守る経営から。CS警備保障株式会社・浅井社長の「人を守る」流儀

公共工事や交通誘導など、社会の「安全」を守り、人々の「安心」をつくる仕事。現場で交わされる「ありがとう」の一言が、警備員の方々の原動力になっています。

その現場を支えているのが、CS警備保障株式会社 代表取締役の浅井建次様です。若い頃、人事としてリストラ制度の設計を任され、多くの人の人生に関わった経験が、現在の「人を大切にしたい」という強い信念の原点になっているといいます。

今回は、浅井様と総務部の渡邉様に、「人を守る仕事」のやりがい、そして「人を守る経営」に込めた想いを伺いました。

お話を伺った人

CS警備保障株式会社

浅井 建次 代表取締役

ホテルマンとして社会人キャリアをスタートし、人事部での勤務を経て「人を支える仕事」に魅力を感じる。リストラ制度設計の経験を通して「雇用を守る」ことの大切さを学び、以降のキャリアの軸に据える。警備業界に転じた後は、現場経験を積みながら組織運営を担い、現在はCS警備保障株式会社 代表取締役として「安全」「安心」をモットーとしながら人を守る経営を掲げている。

目次

「ありがとう」がやりがいになる仕事。現場は、楽しい。

【引用】CS警備保障株式会社|事業内容

編集部

弊社の転職エージェントには、「安定した仕事をしたいけど、自分に合う仕事がわからない」といった相談がよく届くんです。その中で、警備の仕事って興味はあるけどイメージがつかみにくいという声も多くて。実際には、どんなやりがいや魅力を感じられる仕事なんでしょうか?

浅井社長

うちは、道路や工事現場の交通誘導をメインでやっています。いわば、社会の縁の下の力持ちみたいな仕事ですね。

編集部

トラブルが起きないように支える、重要なお仕事ですよね。

浅井社長

警備って、「何も起きないこと」が成果なんですよ。大きな事故もなく、交通がスムーズに流れて、工事も安全に終わる。それを、当たり前のようにやるのが仕事です。でもね、現場で「ありがとう」って声をかけられる瞬間があるんです。その一言をもらえるだけで、「ああ、やっててよかったな」と心から思えるんです。

編集部

直接感謝されるって、やっぱり嬉しいですよね。現場でそれを感じられるのは大きいですね。

浅井社長

ええ。警備員って、ずっと立ちっぱなしで、夏は暑いし冬は寒い。決して楽ではないけど、誰かの役に立っている実感があるから続けられるんです。「自分がいなければ困る人がいる」…この感覚こそが、一番のやりがいなんですよ。

編集部

なるほど。まさに「ありがとう」に支えられている仕事なんですね。

浅井社長

そう思います。うちの社員もみんな、その言葉を励みに頑張っています。だからこそ、現場の雰囲気も明るいんですよ。お互いに声をかけ合って、助け合って。「ありがとう」が飛び交う現場って、見ていて本当に気持ちがいいです。

編集部

TikTokで拝見した動画でも、すごく社内の雰囲気が明るいですよね。あれは演出じゃなくて、本当に日常なんですか?

浅井社長

演出じゃないですよ(笑)。デスクでバリバリとポテトチップス食べてる社員に対して僕は怒らないし、逆に人間味があって親しみやすいと感じちゃいます。

編集部

総務部の渡邉さんは、実際に働いていて、この現場感についてはどう感じていますか?

本当に動画のとおりです(笑)。社長が近いというか、何でも話しやすいですね。残業してると「大丈夫?」って声をかけてくださったり。そういう小さな気づかいがすごく嬉しいです。すごく大事にされている感がありますね。

写真:オフィスで昼食をとる渡邉さん(写真左)

浅井社長

人って、感謝されたり、誰かに声をかけてもらえるだけで頑張れるものなんですよね。だから、現場が明るくなるのも自然なことなんです。僕にとっても、社員の「ありがとう」が何よりのやりがいです。

27歳、当時の浅井社長が背負った「リストラ制度」

編集部

動画でもそうですし、実際にお話ししてみて、やっぱり浅井社長の「人を大事にしたい」という気持ちがすごく伝わってきます。浅井社長が、こういったお考えをお持ちになったきっかけについても聞いてみたいです。

浅井社長

あれは、昔…。当時ホテルの人事部にいて、バブルが崩壊した直後でした。会社が経営再建を迫られて、リストラ制度を作ることになったんです。僕はまだ27歳でしたけど、その担当に抜擢されてしまったんです。

編集部

まだ20代で、人の人生を左右する立場に……。

浅井社長

そうです。対象は45歳以上の社員。もう家庭があって、子どももいる。そういう人たちをリストにして整理する…。正直、毎日胃が痛かったですね。自分の書く一枚の紙で、誰かが職を失うんですよ。

編集部

想像を絶しますね…。

浅井社長

仕事だから仕方ないとは思っても、心がついてこない。「27の小僧が、人のクビを切る制度を作るのか」と言われて。でも、言われても仕方ないと思いました。

編集部

そんな言葉まで…。

浅井社長

毎日、迷ってましたね。リストに名前を書くたびに「この人にも家族がいるのに」と思う。でも、会社の命令だからやらなきゃいけない。あの頃は、感情と職務の間でずっと揺れてました。

編集部

……。

浅井社長

結果的に、優秀な人ほど早く次の道を選んで辞めていってしまった。残ってほしい人がいなくなったんです。それを見たとき、「ああ、今後はもっと人を大事にできる仕事がしたい…」そう思ったんです。どんなに制度として正しくても、人の気持ちが置き去りになったら、何も残らない。

編集部

それが、今の経営の原点になっていると。

浅井社長

そうです。あのときの経験が、いまの自分の信念を作ってると思います。だから僕は、よほどのことがない限り、社員を辞めさせません

編集部

一人ひとりと、本気で向き合う覚悟が伝わってきます。

浅井社長

刑事事件とか、本当に社会的に問題がある場合を除いて、基本的には向き合う。話せば、わかる。何回でも話す。時間がかかってもいいんです。一度雇った人間は、最後まで面倒をみる。それが僕の信念です。

編集部

そこまで社員を信じて向き合う経営者って、なかなかいないかもしれないです…!

会社を大きくするのは、人を守るため

編集部

浅井社長は「会社を大きくしたい」という展望があるようですが、それも人を守るためというお考えに基づくものなのでしょうか。

浅井社長

そうですね。会社が小さいと、何かあったときに社員を守れない。例えば景気が悪くなったら、一番最初に影響を受けるのは従業員。でも、会社に体力があれば雇用を守れる。僕は、会社の規模を大きくする=人の安心を増やすことだと思ってます。

編集部

守る力を持つための成長、ということですね。

浅井社長

そうです。今うちはグループ全体で10社あるんですが、いろんな事業を展開していて。例えば、どれかひとつの会社がネガティブな景気の波を受けたとしても、その会社の従業員は解雇になるわけではなく、別の会社で活躍できる。

編集部

なるほど。もしもの場合でも、グループ全体で支え合える構造なんですね。

浅井社長

はい。警備業も景気の影響を受ける業種ですからね。もし工事の案件が減ったとしても、別の業種で人を受け入れられる体制があれば、誰かが職を失うことはないじゃないですか。社員が安心して働ける環境をつくるには、それが一番確実なんです。

編集部

単に事業の話じゃなくて、人の人生を支える仕組みづくり…!素晴らしいです。

浅井社長

「会社を大きくする=売上を伸ばすこと」も大事なんですけど、僕にとって大事なのはやっぱり、社員を守れる会社にすることなんです。経営が苦しくなっても、誰かの生活を犠牲にしない。そのためにグループ全体を強くしていきたいと思っています。

編集部

経営の先に、しっかり人の顔があるんですね。

浅井社長

そうありたいですね。会社って結局、人を守るための器ですから。

怒るより、話す。信じて待つ。

編集部

浅井社長にとって、会社で働く従業員がいかに大切かが伝わってきました。そんな社員さんへの教育の中で、大切にしていることを教えていただけますか?

浅井社長

怒らないこと。そして、とにかく話すこと。

編集部

確かに、TikTok動画で見ましたけど、従業員がデスクで焼肉をしていても、怒るどころか「こっちにもちょうだい」って和やかムードでしたもんね(笑)。あれ、すごい光景でした。

浅井社長

僕はあれ、全然いいと思ってるんですよ。仕事をサボってるわけじゃないし、みんなで楽しくやってるならそれでいい。職場って、ピリピリしてたら続かないじゃないですか。

編集部

でも、いじわるな質問かもしれないですけど、中には「ちょっと手を焼く社員」もいたりするんじゃないですか? たとえば、面接で話していたことと、入社後の姿勢が全然ちがうとか…。それこそ正直なところ、「もう面倒見きれません!」ってなったりしませんか…?

浅井社長

僕はこれまで、何万人という人と面接してきました。でも、面接の10分や20分で人の本質はわからないものですよ。結局、会社に入ってからどれだけ話せるか、が大事なんです。

編集部

実際には、どんなふうに話されるんですか?

浅井社長

たとえば仕事でミスした社員がいたら、怒るよりまず理由を聞きます。 「なんでそうなったの?」「何が難しかった?」って。すると、だいたい環境かコミュニケーションの問題なんですよ。だから、ただ注意するんじゃなくて、一緒に考える。自分の失敗談もよく話しますね。「俺も昔こうだったよ」って。

編集部

社長が自分の失敗を話してくれるって、すごく救われますね。

浅井社長

完璧な人間なんていませんから。叱るより、話す。話していれば、必ずどこかで心が通じるんです。実際、うちにも入社したときは本当に手を焼いた社員がいたけど、6年かけて立派に成長しました。

編集部

6年…! それだけ根気強く向き合えるのはすごいですね。

浅井社長

普通の会社なら、そんなに待ってられないかもしれません。でも僕は構わない。話して、話して、信じて待つだけです。

編集部

なるほど。「変わることを信じて、待つ」って、簡単なようでなかなかできないことですよね。

浅井社長

そうですね。怒っても人は変わらないけど、話せば変わる。うちは本当に、根気強く話す会社です(笑)。

「素直で、正直な人」と一緒に働きたい

写真:懇親会にて親睦を深める浅井社長と従業員の皆様

編集部

お話を聞いていて、本当に温かい会社だなと思いました。社員を信じてコミュニケーションをとってくれる社長がいて、そんな社長の想いに共感して働く社員がいて。会社の中にも、現場にも「ありがとう」があふれている。最後に、これからCS警備保障で働いてみたいと思っている方にメッセージをお願いします。

浅井社長

猫をかぶらず、正直な人に来てほしいと思いますね。僕は、素の自分を出せる人が一番好きなんです。格好つける必要もないし、無理に取り繕わなくていい。

編集部

ありのままで来てほしい、ということですね。

浅井社長

そう。仕事なんて、入ってから覚えればいいんですよ。最初から完璧な人なんていません。でも、素直に話を聞ける人や、わからないことを「わからない」って言える人は、絶対に伸びる。逆に、変に見栄を張ったり、嘘をついたりする人は、自分を苦しめてしまうと思います。

編集部

なるほど。スキルよりも、誠実さを大事にしているんですね。

浅井社長

そうですね。たとえば、現場で何かトラブルが起きても、正直に「困っています」って言える人のほうが、人間味があって、信頼できるじゃないですか。そういう人は、周りも自然と助けてくれる。結局、信頼ってそうやって積み重なっていくものなんです。

編集部

誠実な人はチームの雰囲気も明るくしますよね!

浅井社長

そう思います。うちは「人を守る会社」ですから、まずは働く人を大切にしたい。社員が安心して働ける環境をつくること、それが結果的にお客様の安心にもつながる。雇用を守ることは、人を守ることなんです。これからも、その考え方だけはずっと変えずにやっていきたいですね。

編集部

本当に、「人ありき」の会社ですね。きっとこの記事を読んで、「ここで働いてみたい」と思う人がたくさんいると思います。

浅井社長

そうなったら嬉しいですね。うちは、どんな人にもチャンスがありますから。まずは素直に、話をしに来てほしいです。

編集部

浅井社長、ありがとうございました。取材を通して感じたのは、会社を大きくするのも人を育てるのも、すべて誰かを守るためという一貫した想いでした。働く人を信じて、対話を重ねて、時間をかけて向き合う。そんな温かい会社があることを、多くの人に知ってもらいたいと思いました。

リンク:CS警備保障株式会社_採用ページ

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この記事を書いた人

「ビギナーズリンク」の編集部です。【スキルの余白は、伸びしろだ。】をコンセプトに、キャリアアップやスキルアップを目指す若年層が「未経験」を「武器」に変えていけるよう、転職や就職に関する有益な情報を発信します。

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