22年の現場で見た“誰かを支えるキャリア”のつくり方|株式会社さくらコミュニケーション 桑村取締役の“当事者になる一歩”

AIの進化や戦争のニュース、物価の上昇…。

将来のことを考えようとすると、なぜか不安のほうが先に浮かんでくる…。そんな20代が増えています。

変化の早い時代では、自分のキャリアだけが取り残されるような気がしてしまう瞬間もあるでしょう。そんな時代でも、“動きながらキャリアをつくれる場所”があります。

22年間、国内の現場と海外の最前線を行き来してきた株式会社さくらコミュニケーションの桑村取締役が語るのは、答えは後からついてくることと、当事者として動くことの大切さでした。

お話を伺った人

株式会社さくらコミュニケーション

桑村 時生 取締役

エンジニアとして開発現場に立ち、技術を起点にキャリアをスタート。営業や社内管理など幅広い業務を経験し、現在は新規ビジネスを担当する取締役として事業づくりに携わる。東京・小平と静岡の拠点を起点に、ウクライナや台湾、ルーマニアなど海外パートナーとの国際連携にも長年取り組み、現場とグローバルの両面からIT領域を牽引している。

目次

22年間同じ会社で見つけた「自分の役割」と地方オフィスの意味

編集部

桑村取締役は、もともとエンジニアとしてコードを書かれていた時期があったと伺いました。そこから今の新規ビジネスまで担当されるようになるまで、どんな歩みだったのでしょうか。

桑村取締役

そうですね。私は今、株式会社さくらコミュニケーションで、役員として新しい事業づくりを担当しています。会社は2003年に立ち上がって、私はその創業メンバーなんですよ。だから、もう22年間ずっとこの会社にいます。最初はエンジニアで、毎日コードを書いていました。そのうち営業をやるようになって、社内の管理にも少しずつ関わるようになって…気がついたら経営寄りの役割に移ってきた、という感じですね。

編集部

エンジニアから始まって、営業や管理にも広がっていったんですね。22年間、創業からずっと関わってこられたからこそ見えてきたものも多そうです。

桑村取締役

「将来は経営をやろう」と決めて入社したわけではなく、目の前の役割をやりきっていたら、少しずつ任される範囲が広がっていった感じですね。

編集部

会社の拠点についても伺いたいです。東京の小平市と、静岡にサテライトオフィスがあるんですよね。

桑村取締役

はい。小平は都心から少し外れた場所で、静かな環境です。静岡のオフィスは、ご縁があって出した拠点ですね。静岡に行ってみたら、とても住みやすい場所で、「ここなら人生やキャリアを落ち着いて考えられる」と感じました。

編集部

UターンやIターンとも相性が良さそうですね。

桑村取締役

そうなんです。例えば静岡で生まれ育った若者が、一度東京で修行して、将来は地元に戻って働く。そんなキャリアプランを一緒に描けたらいいなと思って、サテライトオフィスを作りました。

編集部

20代で「地元に戻るか、都会に残るか」を悩む人は多いので、選択肢が広がる場所があるのは心強いです。

桑村取締役

コロナ以降、リモートで仕事ができる時代になりましたよね。だからこそ、「どこで働くか」を自分で選べるようにしたい。地方からでも挑戦できる環境は、若い人にとって大きな武器になると思います。

写真:株式会社さくらコミュニケーション_東京オフィス

ウクライナ戦争とサイバー攻撃の現場から見えた「ITのリアル」

編集部

ここからは、グローバルな取り組みについて伺いたいです。御社は中小企業としては珍しく、海外との連携に力を入れていらっしゃいますよね。

桑村取締役

そうですね。うちくらいの規模の会社だと、ここまで国際連携をしているところは少ないと思います。設立当初は、生命保険や損害保険、銀行など、硬い業界のシステム開発が中心でした。

編集部

金融や行政など、インフラを支える現場ですね。

桑村取締役

はい。今も金融・製造・インフラなどのシステム開発がメインですが、並行してウクライナ、ルーマニア、台湾、フィリピン、ベトナム、アメリカなど、海外のパートナーと組んで仕事をしています

編集部

具体的には、どういう連携なんでしょうか?

桑村取締役

わかりやすいのは、ウクライナとのオフショア開発ですね。システム開発の仕事をウクライナのエンジニアにお願いして、納品してもらう。戦争が始まる前からやっていたのですが、2022年2月24日の開戦後はいったん仕事を止めて、安全確保を優先しました

編集部

そこから、状況はどう変わっていったのでしょう。

桑村取締役

戦争が続く中で、ウクライナのセキュリティエンジニアには驚くほど知見がたまっていきました。なぜかというと、攻撃の量が圧倒的に増えたからです…。ロシアからのサイバー攻撃に対して、重要インフラを守るために、防御側も必死に対抗し続けるわけです。

編集部

まさに最前線ですね…。

桑村取締役

もともと東ヨーロッパは理数系が強い地域で、学費も安く、真面目に勉強すれば大学までほぼお金がかからない国もあります。そこに戦争という現実が重なって、セキュリティ分野のレベルが一気に上がった側面があります。

編集部

その知見を、日本にも取り入れていこうとしているわけですね。

桑村取締役

はい。せっかく現場で培われた知識なので、日本の社会の役に立ちたいし、同時にウクライナの人たちの仕事にもつなげたい。日本も決して他人事ではありませんから。

編集部

たしかに、台湾有事の話も含めて、日本も情報戦に巻き込まれる可能性はゼロではないですよね…。

寄付だけでは続かない。「仕事を送り続ける」という支援のかたち

編集部

ウクライナとの関わりについて、もう少し詳しく伺いたいです。戦争が始まった当初は、世界中で支援の動きがありましたよね。

桑村取締役

そうですね。私も最初は、仕事とは別にボランティアや人道支援の活動を少ししていました。多くの方が「何かしたい」と思って、お金や物資を送ったと思います。

編集部

ただ、時間が経つと続けるのが難しくなる…という話もよく聞きます。

桑村取締役

はい。そこなんです。相手に手を差し伸べる一方的な支援は、どうしても一時的になりがちです。ずっとお金だけを送り続けることは、正直できません。

編集部

じゃあ、どうすればいいんだろう…と。

桑村取締役

私がたどり着いた答えは、お金と一緒に仕事を送り続けるということでした。ITなら国境も距離もあまり関係なく、現地に行けなくても仕事を依頼できます。ウクライナのエンジニアに継続的に仕事を出すことで、こちらもプロの力を借りられるし、向こうの生活も支えられる。

編集部

ビジネスとして成立するからこそ、長く続けられる支援なんですね。

桑村取締役

そうです。インフラや医療、建築など、戦争で困っている分野はたくさんありますが、日本企業がすぐ現地に入るのは難しい。でもITなら、オンラインでつながって、一緒にプロジェクトを回すことができます

編集部

それは、20代のキャリアの視点で見ても希望がありますね。自分のスキル次第で、国境を越えて誰かの役に立てる

桑村取締役

そう思います。IT業界の面白さは、「仕事をしながら社会課題にもチャレンジできる」ことです。特に20代のうちは、収入だけでなく「自分の仕事がどんな意味を持つか」に敏感だと思います。そこに価値を感じるなら、ITはすごく合うと思いますよ。

「将来やりたいことが決まっていない人」にこそIT業界をすすめたい

編集部

ここまでお話を伺っていて、「IT業界って、やれることが広いな」と改めて感じました。一方で、20代の中には「何から手をつければいいかわからない」という人も多いです。

桑村取締役

そうですね。でも実は、将来やりたいことが決まっていない人こそIT業界が合うと私は思っています。

編集部

それは、どういう理由からでしょう?

桑村取締役

ITは、唯一と言っていいくらい、他の業界や社会課題に全部ちょっかいを出せるんですよ。まずはコードを書くなどの技術をベースとして身につけて、そのあと、どの業界のどんな課題に挑戦するかを選べる。

編集部

たしかに、医療でも教育でも物流でも、どこにでもITがありますね。

桑村取締役

はい。5年から10年くらい基礎を学んで、そのまま技術を極めてもいいし、ビジネス寄りに進んでプロジェクトマネジメントやマーケティングに関わる道もあります。海外とのやりとりをしながら市場に挑戦する仕事もある。選択肢がとても多いんです。

編集部

文系出身の方でも大丈夫でしょうか?

桑村取締役

もちろんです。英語など自然言語を勉強してきた人が、コンピュータの言語を覚えるほうが、むしろ早い面もあります。真剣にやれば、基本的なITの技術は1〜2年でも身につきます。一方で自然言語のほうが、使いこなせるまでに時間がかかるかもしれません。

編集部

なるほど…。

桑村取締役

プロジェクトマネジメントやビジネス構築など、コードを書かない仕事の多くは、どちらかというと文系的な素養が生きる領域です。理系・文系のどちらも活躍の場があるのが、IT業界の良さだと思います。

編集部

「何者かになりたいけど、まだ具体的な職業が思い浮かばない」という20代には、ぴったりのフィールドですね。

桑村取締役

そうですね。興味関心が多い人、好奇心が強い人ほど向いています。いろんな業界に触れながら、「自分はこういう課題に向き合いたい」と後から決めてもいい。ITは、そういう“後から決めるキャリア”が許される業界だと感じています。

情報だけでは変えられない。「当事者になる一歩」を今日から踏み出す

編集部

今日お話を伺っていて、ITって「先に答えを決めなくても動きながら見えてくる仕事なんだ」と強く感じました。だからこそ、これからキャリアをつくる20代にとっては心強い業界だと思います。あらためて、そんな若い世代に伝えたいことがあれば教えていただけますか。

桑村取締役

今の時代は情報があふれていて、YouTubeやSNSを見ているだけで、やった気になってしまいますよね。でも、本当の意味で自分ごとにならなければ、人は変わりません。

編集部

耳が痛い方も多いと思います…。

桑村取締役

私が大事だと思うのは、当事者として体験することです。ウクライナのチャリティイベントに若手社員を連れていったときも、現場を目の前で見て、困っている人と直接話すことで、顔つきが変わりました。

編集部

画面越しでは得られない実感ですね。

桑村取締役

そうなんです。恋愛でも友人関係でも、昔はもっとぶつかり合っていましたよね。今はプライベートの人間関係が薄くなって、そのまま仕事の現場に出ていくので、初めて強くぶつかったときにしんどくなる若者も多いと聞きます。

編集部

たしかに、会社で初めて本気の人間関係に出会うケースが増えているかもしれません。

桑村取締役

でも、会社に入ってからでも遅くはないと思っています。そこから一緒に学んでいけばいい。大事なのは、逃げずに一歩踏み出すことです。

編集部

最初の一歩を、どう踏み出せばいいでしょうか…?

桑村取締役

完璧な答えを探さなくていいので、「少し怖いけど、興味があるほう」を選んでみてください。社内の勉強会に顔を出してみる。海外のメンバーが関わるプロジェクトに手を挙げてみる。ボランティアでもいい。どんな形でもいいので、当事者として関わってみることです。

編集部

やってみてから考える、ですね。

桑村取締役

はい20代のうちに小さな挑戦をたくさんして、自分を少しずつ育てていってほしいですね。

編集部

今日は、「世界とつながるITキャリア」と「当事者として動くこと」の大切さが、とても印象的でした。明日はスマホで情報を眺める時間を10分だけ減らして、その分だけ何か一つ、リアルな行動に変えてみようと思います…!きっと小さな一歩が、キャリアの種になるはず…そう信じて。桑村取締役、今日は貴重なお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました!

リンク:株式会社さくらコミュニケーション_採用ページ

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この記事を書いた人

「ビギナーズリンク」の編集部です。【スキルの余白は、伸びしろだ。】をコンセプトに、キャリアアップやスキルアップを目指す若年層が「未経験」を「武器」に変えていけるよう、転職や就職に関する有益な情報を発信します。

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