給与前払い福利厚生サービスで現場を支える|株式会社パルケ上垣ほのかさんの「とにかく動き続ける」ベンチャー攻略術

給料日までの生活費、思わぬ出費、将来への不安。頭のどこかでいつもお金のことを気にしながら働いていると、目の前の仕事にも思い切り集中しにくくなります。
そんな「暮らし」と「仕事」のあいだにあるざわつきを、給与前払い福利厚生サービスというかたちで軽くしようとしているのが、株式会社パルケの上垣さんです。
留学やフリーランスを経てベンチャーに飛び込み、現場の声をもとにサービスを育てながら、フルリモートでキャリアを築いてきました。
「困っている人に寄り添うと、いつか自分に返ってくる」という感覚を軸に、小さな挑戦を何度も重ねてきたその歩みには、場所や肩書きに縛られず働きたい20代が、自分の意思で仕事を選んでいくための具体的なヒントがつまっています。
株式会社パルケ
上垣ほのか
給与前払い福利厚生サービス「パルケタイム」の導入サポートやカスタマーサポートを担当。海外大学留学を経験し、卒業後は翻訳などを行うフリーランスとして活動。その後、Web制作会社でカスタマーサクセス業務に携わり、Xでの発信をきっかけにパルケへ参画。現在はフルリモートで働きながら、現場の声をプロダクトに反映させることに注力している。
留学帰りのフリーランスがパルケに飛び込むまで

編集部上垣さんはこれまで留学やフリーランスの働き方をされてきたそうですが、まずはそのあたりの流れから教えてもらえますか?



よろしくお願いします。私は今30代ですが、22歳から留学して大学に入学しました。短大を出ていたので3年で卒業し、25歳の年に帰国しました。なので、社会人になるのは遅めだったかもしれません。



大学卒業後からすぐ会社員に、ではなかったんですよね。



はい。最初は会社員ではなく、翻訳などの仕事を中心にフリーランスのような形で働いていました。そのあと入社したのが1社目のウェブ制作の会社です。



ITの世界にはそこで入られたんですね。



そうですね。たまたまオンラインで見つけたベンチャー企業の立ち上げ期に入社し、その会社でカスタマーサクセスのようなことを担当していました。数年経ってその会社がちょうど売却フェーズに入って、「次の仕事どうしようかな」と考え始めたんです。ちょうどそのタイミングで、X(当時Twitter)のDMで声をかけてもらいました。その仕事の時につかっていた個人アカウントで発信していた内容を見てくださって、「一度話しませんか」と。



DMでスカウトをもらったんですね。



はい。それで最初は業務委託でお仕事をいただき、そのあと正社員のオファーをもらって今は4年ほど一緒に働いています。



SNSでの発信がそのままキャリアにつながったなんて、かなりレアなケースのような気がします。



私自身もすごく珍しいなと思いました。でも「せっかく声をかけてくれた人がいるなら、ちゃんと応えたい」と思って、とりあえず飛び込んでみた感じです。



20代でキャリアに悩む方は多いですが、「発信してみる」「届いたチャンスには一度乗ってみる」というだけでも選べる仕事は増えますよね。



そう思います。私も最初から完璧なプランがあったわけではなくて、「面白そうだしやってみようかな」の積み重ねでした。結果として、今の仕事につながっています。
給与前払いサービスで「働く不安」に寄り添う



今のパルケでは、どんな業務を担当されているのでしょうか?



私は、主に給与前払い福利厚生サービスの「パルケタイム」というプロダクトに関わっています。開発自体は別チームが担当していて、私は導入サポートや、お客様からの要望を整理して開発チームにつなぐ役割です。カスタマーサポートも兼務しています。



給与前払いサービスというと、「給料日を待たずに、一部を先に受け取れる仕組み」と考えればいいですか?



はい、その理解で大丈夫です。スタッフ様が「今月ちょっと早めに受け取りたい」というときに、導入企業ではなく、当社がいったん立て替えてお振り込みします。スタッフ様には、手数料として前払い金額の4.8%と振込手数料160円をご負担いただく形です。



企業側に、初期費用や月額費用はかからないんですよね?



そうです。初期費用も月額費用もありません。前払いが発生したときにだけ手数料をいただくので、「今月は利用が多いけれど、来月はゼロ」のような企業様でも導入しやすい仕組みになっています。



それは社員の方にとっても、中小企業にとってもありがたいですね…!



正社員の方は前払いの仕組みに触れない方が多いと思いますが、現場ワークをされている企業様ではニーズが高いです。「前払いができる」というだけで、採用のきっかけや職場定着の後押しになることもあります。



ちなみに、多言語対応もされているんですよね?



はい。日本で働く外国人スタッフの方にも使っていただけるよう、日本語を含めて、英語・ミャンマー語・ベトナム語・モンゴル語・タガログ語の6言語に対応しています。私がもともと語学が好きだったこともあり、その経験を活かして画面表示などの調整にも関わっています。



お金の不安が減ると、目の前の仕事にも集中しやすくなりますよね。給与前払いサービスは、ビジネスパーソンが安心して働くための「土台」をつくるツールだと感じました。



そう言っていただけるとうれしいです。生活と仕事は切り離せないので、少しでも安心して働ける環境づくりに役立てればと思っています。






失敗を恐れずサイコロを振り続けるキャリア戦略



前払いサービスの立ち上げから現場のサポートまで、かなり幅広く関わってこられたと思います。そういう動き方ができるのは、ベンチャーならではですよね。



そうですね。意思決定もとにかく速いです。お客様から「こういう機能がほしい」とご相談いただいたとき、会社に共有すると比較的すぐに検討してもらえます。「この運用ならいけそうだね」と決まれば、開発に反映してもらえることも多いですね。



現場の声が、そのままサービスに反映される感覚ですね。



はい。その際に感謝していただけるのが、すごくうれしいです。「前払いを導入してから、求人が集まりやすくなった」とか、「スタッフが助かったと言っている」など、具体的な声を聞けると「やってよかったな」と思います。



現場からそんな声を直接聞けるのは、たまらない瞬間ですよね。逆に、難しさや大変な点はどこでしょう?



前払いサービスは、勤怠管理とかなり密接に関わっています。企業によって勤怠ツールも運用方法もバラバラなので、「今どうやって勤怠を管理しているのか」を理解してシステムに落とし込むのは大変です。そこはいつも、頭をフル回転させていますね。



そういう複雑さがあるからこそ、「吸い上げ力」が求められますよね。



そうですね。ヒアリングの段階で、なるべく現場の状況を細かく教えていただけるように意識しています。そのうえで、「この部分はツールに任せましょう」「ここは今の運用を活かしましょう」と整理します。



ヒアリングから運用の整理まで一気通貫で関わっているからこそ、意識している軸もありそうです。上垣さんご自身は、仕事をするうえでどんなポリシーを大事にしていますか?



すごくシンプルなんですが、「困っている人の力になれたら、いつか自分に返ってくる」という感覚は大事にしています。働く人に寄り添うことは、その現場を支えることでもあるので。



若い世代には、「自分が頑張っても、どうせ報われないのでは」と感じている人も多いように思いますが、上垣さんはポジティブなんですね。



すぐに何かが返ってくるとは限らないですけど、続けていると、どこかでつながることがあるなと感じます。私も、フリーランス時代の発信がきっかけで今の仕事につながっているので、「とりあえずやってみる」ことが大事だと思います。



ベンチャーやIT業界で評価されるのは、「失敗を恐れずサイコロを何度も振れる人」だと、あらためて感じました。



そうかもしれません。最初からうまくいかなくて当たり前なので、「とりあえず動かしてみて、ダメなら直そう」というスタンスでいられる人は、すごく向いていると思います。
フルリモート時代を生き抜く自己管理と信頼の作り方



ここから働き方に関してもお伺いしたいのですが、パルケさんはフルリモートなんですよね?



はい。東京にはメンバーが多いのですが、私は関西で毎日フルリモート勤務です。



オンライン上で、どんなふうにコミュニケーションを取っているのでしょう?



チャットツールのSlackをメインに使っています。必要なときは、Google Meetなどでオンラインミーティングをする形ですね。



20代の中には、「リモートワークの会社で働きたい」という方も多いですが、実際にやってみて感じることはありますか?



リモートは本当に便利ですが、自己管理ができないと大変だと思います。誰かが横で見てくれているわけではないので、自分で仕事を組み立てて期限までに出す。それが前提になります。



会社からすると、「どこで働いているか」よりも「出したアウトプット」で判断する感じですね。



そうですね。結果がきちんと出ていれば、働く場所はあまり問題にならないという感覚です。ただ、その結果を出すためには、コミュニケーションをこまめに取ることも大事だと思っています。



IT業界は変化も早いですが、その点はいかがでしょう。



情報の入れ替わりは本当に早いです。新しいツールも次々出てきます。全部を完璧に追うのは難しいので、「とりあえず触ってみて、自分たちの仕事にどう使えるか考える」というスタンスでいます。



AIツールなども、そうやって試しながら取り入れている感じでしょうか。



はい。私も文字起こしなどでAIを使うことがあります。便利なものは、素直に頼ればいいと思っています。ただ、任せっぱなしにはせず、自分の目でチェックすることも大事ですね。



リモートやAIを味方につけながら、「成果で信頼を積み上げる」。そんな働き方ができると、20代でも場所に縛られないキャリアを選びやすくなりそうですね。



そうですね。リモートワークを目指すなら、まずは「この人に任せておけば大丈夫」と思ってもらえるぐらい、今の環境で信頼を積み上げることが大事だと思います。
待つだけでは、チャンスは来ない。





上垣さんのお話を聞いていると、20代など若いビジネスパーソンへのヒントがたくさんあると感じました。あらためて、どんなメッセージを伝えたいですか?



そうですね…。まず、今の自分に見えているものだけがすべてではない、ということを伝えたいです。自分では「何もない」と思っていても、人から見ると「ここがすごい」という部分は必ずあると思います。



たしかに、自分の強みって自分では見えにくいですよね。そこに気づくためには、若いうちからどんなことを意識しておくと良さそうでしょうか。



今の環境に固執しすぎず、新しいことをどんどん吸収して、アウトプットしてみるのがいいと思います。IT業界はとくに変化が早いので、「とりあえず飛び込んで、やってみて、合わなければやめる」くらいの感覚で大丈夫です。



実際に、「動いたからこそ広がった」若い世代の例も見てこられましたか?



そうですね。大学生の男の子で、代表にXのDMを直接送ってきた子がいました。「御社でインターンをしたいです」と、自分から売り込んできてくれて。その子には、開発のテストやオウンドメディアの記事執筆を手伝ってもらいました。今は卒業して別の場所にいますが、別のプロジェクトで一緒に動く話もしています。自分から動いたことが、ちゃんと次の機会につながっているなと感じました。



就活や転職で迷っている20代にとっても、「待っているだけではチャンスは来ない」というのは、かなりリアルな話ですね。そういう人たちには、どんなふうに動いてほしいですか?



完璧じゃなくていいので、「この会社のこういうところが好きで、こう役に立てると思っています」と、自分の言葉で伝えてみてほしいです。サイコロを一度も振らないと、絶対に当たりは出ないですよね。仕事でも同じで、「やってみます」と手を挙げないと、任される機会はなかなか来ないと思います。



今日からできる、いちばん小さな一歩でいうと、どんなことがありそうでしょう。



簡単なもので言うと、SNSで自分の考えや学びを一つ発信してみること。気になる会社のサービスを実際に使ってみて、感想をまとめてみること。それだけでも、見てくれる人は意外といますし、「この人はちゃんと動いているな」と伝わります。自分の専門性やスキルを磨いていけば、業界はあとから選べるようになるので、まずは今日サイコロを一回振ってみる。その一歩を大事にしてほしいです。



動きながら学ぶ姿勢があれば、どんな時代でもキャリアはつくっていける。そんな力強いメッセージになりました。今日の気づきを少しずつ自分の選択に重ねていけば、数年後の姿はきっと今とは違って見えているはずですよね。上垣さん、今日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。








