「やるしかない」25歳で株式会社市川電設を立ち上げた市川社長が語る”想像を超える未来”の作り方

やりたいことも年収アップの道筋も見えず、最初の一歩が踏み出せないまま時間だけが過ぎてしまう…そんな若手ビジネスパーソンも少なくありません。

電気工事の世界とは無縁だった市川さんは、20歳で現場に入り、25歳で会社を立ち上げました。起業直後には取引先の倒産で大きな損失を抱えながらも、家族と社員を守るために働き続けた経験があります。

苦しい局面でも逃げずにやりきったからこそ、「想像を超える幸せな未来はつくれる」と語れるようになったと言います。

そんな市川社長の歩みと価値観をもとに、「今の状況を変えたい」と悩む20代が、明日から踏み出せる小さな一歩を探っていきます。

お話を伺った人

株式会社 市川電設

代表取締役 市川 雄士

音楽系専門学校を卒業後、20歳で父が営む電気工事会社に入り、現場での経験を積む。24歳で結婚し、翌年の25歳で株式会社市川電設を設立。創業期には、取引先の倒産に伴う大幅な売掛金未回収という経営危機に直面しながらも、現場作業から資金繰りまで全てを自ら担い、事業を立て直す。以降、「社員の生活を守る責任」を経営の中心に据え、採用体制・人材育成・組織づくりに注力。地域に根ざした電気工事会社としての基盤を築き上げるとともに、次世代を担う技術者の育成にも取り組み、持続的な成長を目指している。

目次

音楽の専門学校から電気工事へ。25歳で会社を立ち上げるまで

編集部

市川社長って、音楽の専門学校に通われていたんですよね?バンドもされていたとお聞きしたんですけど、その頃から今の仕事に進むイメージってあったんですか?

市川社長

全然なかったですね。音楽系の専門学校を卒業して、しばらくはふらふらしていましたし、電気工事とはまったく関係ない世界にいたものですから。

編集部

音楽活動から電気工事の世界に…?かなりギャップがありますよね。

市川社長

父が電気工事の会社を経営していまして。「ちょっと手伝え」と言われたのがきっかけですね。最初はアルバイトのような感覚で現場に入りました。

編集部

やってみてどうでした?

市川社長

たまたま最初の現場が、大手総合デベロッパーのリニューアル工事だったんですが、普段入れない場所に入れたり、芸能人の方を間近で見られたりして、「なんだこれ、面白いな」と。3〜4年続けるうちに、仕事も自分で回せるようになってきましたね。

編集部

「やってみたらハマった」という感じなんですね。

市川社長

ええ。父とは40歳離れていて、私が24歳のとき父は64歳だったんですが、「そろそろ引退するなら、僕が継ぎましょうか」と話したことがあります。でも父は「まだ自分でやる」と…。採用や教育にお金をかけたいと提案しても、「そこにお金は使わなくていい」という考えでした。

編集部

お父様はお父様なりのビジネスの価値観があったと思うのですが、市川社長の価値観とはギャップがあったわけですね。

市川社長

そうですね。自分で面接もやって、入ってきてくれた人たちのために何か変えたいと思っていたのに、そこがかみ合わなかった。それで「だったら自分で会社を作ったほうがいいかな」と考えるようになり、25歳のときに今の会社を設立しました。

編集部

25歳で起業って、だいぶ早いですよね…!

市川社長

2008年リーマンショック真っ只中の立ち上げだったので、周囲からは心配されていたかもしれませんね。

編集部

とにかくやり続けた決断が、市川社長の最初の大きな一歩だったんですね。20代でのキャリアって、「これで合っているのかな」と不安になりがちですが、市川社長のように、完璧な正解よりも「今目の前の仕事に飛び込んでみる」決断が、その後の大きな成長につながることも多いのかもしれません。

起業3ヶ月目で300万円の売掛金が飛んだ日。それでも会社を畳まなかった理由

編集部

会社を立ち上げてから、最初に大きな壁にぶつかったのはいつ頃でしょうか。

市川社長

設立して3ヶ月目くらいですね。お取引先が倒産してしまって、300万円くらいの売掛金が回収できなくなりました。資金繰り的にはトントンくらいで、「ここで入金があれば何とかなる」という状況だったのですが…。預金もほとんどない中で、いきなりそれがゼロになってしまったんです。

編集部

それは、かなりしんどい状況ですね…。そのとき、社員さんはどのくらいいらっしゃったんですか?

市川社長

当時は3人くらいですね。まだ小さい会社でしたけど、「自分の会社についてきてくれている大事な仲間」という感覚でした。もともと僕は「自分の生活費は後回し」というタイプなんですけど、それでもあの時期は本当に大変でしたね…。ほぼ給料なしに近い状態でしたから。

編集部

そこまで追い込まれて、「会社を畳もう」とは考えなかったのでしょうか…?

市川社長

起業したばかりで、そもそも畳み方もよくわかっていなかったというのもありますけど…。「まあ、ダメならダメで仕方ないか」と思いながらも、「今はとにかくやるしかない」という気持ちでした。

編集部

その苦しい状況を、当時は社内の方には共有されていたんですか?

市川社長

いえ、社員には言っていません。変に不安にさせても良くないので。家のお金をちょっと切り崩したり、最悪の場合は奥さんのご両親に借りようかな、と心の中で覚悟していたくらいです。

編集部

奥様は、どんなふうに支えてくださっていたのでしょう。

市川社長

文句ひとつ言わず、ずっと見守ってくれていました。「一人じゃないんだから」と言ってくれたのが大きかったですね。

編集部

それは、素敵な奥様ですね…!

市川社長

その経験をきっかけに、信用調査会社さんと付き合いができて、そこからは不良債権のような失敗はほぼなくなりました。痛い授業料でしたけど、そこで学んだことは今も生きています。

編集部

市川社長のように「逃げずに向き合うことで、次の一手が見えてくる」というのは、これから仕事で失敗したり、お金の壁にぶつかったりする若い世代にとって、大きなヒントになりそうです。

寝ずに現場に出て、稼いだ分は社員へ。そこで見えた仕事の本質

編集部

倒産トラブルのあと、実際にはどのように立て直していったのでしょうか?

市川社長

当時は私も現場にも出ていましたし、お金の管理も全部自分でやっていました。とにかく現場に出て、昼夜問わず働きましたね。48時間寝ないでやったこともあるくらいです。

編集部

まさに「寝る間も惜しんで」という状態ですね…。

市川社長

とにかく必死でした。稼いだお金は、まず社員にしっかり払う。それを優先して、残った分で自分たち家族の生活をまわす、という感じで1年くらい続けていました。

編集部

そこまでしても続けられた理由は、どこにあったのでしょう?

市川社長

不思議と「嫌だ」とは思わなかったんですよね。奥さんも文句を言わずに支えてくれましたし、「やると決めたからにはやるしかない」と腹をくくっていました。逃げようと思えば、いくらでも言い訳は作れるじゃないですか。でも、一度腹を決めて全力でやってみると、意外と乗り越えられる。あの1年があったから、今の自分があると思っています。

編集部

社員さんとの関わり方にも、その経験は影響していますか?

市川社長

そうですね。僕自身、最初の3ヶ月で「やればできる」「必死にやれば乗り越えられる」という経験をしてしまったので、あまり手を差し伸べないタイプかもしれません。

編集部

まずは自分で必死にもがいてみてほしい、と。

市川社長

そうです。追い込まれると、大体のことはできるようになりますから。もちろん限度はありますけど、「やらざるを得ない環境」に一度身を置いてみないと、本当の意味での成長は難しいと思っています。

編集部

とはいえ、「放っておく」というわけでもないですよね。

市川社長

いきなり全部丸投げするのではなく、ある程度任せて、見守って、必要なときにだけ口を出す感じです。自分で考える力をつけてほしいので。

編集部

市川社長のお話を聞いていると、「自分で責任を取りにいく経験」が、その後の評価やキャリアを大きく変えていくのだと感じます。

情報があふれる時代、インプットだけでなくアウトプットし続けられる人の価値が高まる

編集部

今は、仕事のノウハウも簡単に調べられる時代です。そんな中で、20代が「仕事で価値を出す」ために大事だと思うことは何でしょうか?

市川社長

前提として、「やりたいことがはっきりしている人」のほうが少ないと思うんです。若い人には可能性がたくさんあるけれど、そのぶん迷うことも多い。最初からやりたいことを見つけようとし過ぎると、逆に動けなくなります

編集部

たしかに、「本当にやりたいことがわからないから、何も始められない」という声はよく聞きますね。

市川社長

やりたいことって、最初からあるというより、一生懸命やるうちに、だんだん好きになっていくものだと思うんです。僕も電気工事がやりたくて入ったわけではないですから。

編集部

やってみたからこそ、「面白い」と感じられた。

市川社長

そうです。与えられた仕事を120%でやってみる。他の人より成果を出す。その繰り返しの中で、自分の得意なことや好きなことが見えてくる。成果が上がれば、給料だって自然と上がるはずです。

編集部

とはいえ、「どう勉強したらいいかわからない」という人も多そうです。

市川社長

今は本もあるし、ネットもある。やり方は本当にいくらでもありますよ。体を鍛えるのもいいと思いますね。健康管理という意味では、立派な自己投資ですから。

編集部

たしかに、体力がないと現場でもオフィスでも踏ん張れないですもんね。

市川社長

ええ、それだけじゃなくて、ボランティア活動をしてみる、新しいコミュニティに入ってみる。そういうのも全部、自分への投資です。人脈も広がりますしね。

編集部

ネットやAIに聞けば何でも答えが出てくる時代だからこそ、「自分で動いて、現場で確かめる」経験が差になるのかもしれません。

市川社長

そう思います。百聞は一見にしかず、という言葉がありますけど、僕は「百聞は一行にしかず」と思っていて、経験に勝るものはない、見るより、やってみるほうが早いんですよ。

編集部

AIで情報収集をしながらも、最後は自分でやってみる。そういうリアルな経験を積める人が、これからの働き方でも評価されていきそうです。

迷っている20代に伝えたい、明日からできる小さな一歩。失敗しても、やり直せる。頑張りを見てくれている人が、どこかにいる。

編集部

ここまでのお話を聞いていると、「動けば変わる」というシンプルさが逆に勇気になりますよね。一方で、今の仕事や年収にモヤモヤしながらも、最初の一歩が踏み出せない20代も多いと感じます。そういう人たちに、市川社長はどんな言葉を届けたいですか?

市川社長

まず、「全部自分で決めてきた結果が今だ」ということを、一度ちゃんと受け止めたほうがいいと思います。どこの学校に行くか、どこの会社に入るか。最終的には自分で選んできているわけですから。

編集部

厳しいようでいて、すごく大事な視点ですね。

市川社長

良い悪いじゃなくて、「まずそこを認めること」です。そのうえで、今の自分が理想とかけ離れているなら、何かを変えなければ結果も変わりません

編集部

たしかに、「何も変わらないまま、いい一年になりますように」と願っても、現実は変わらないですよね。

市川社長

そうなんです。初詣に行って「いい年になりますように」とお願いして、本当に全員がいい年になったら、誰も苦労しないですから。結局、行動を変えないと結果は変わらない。考え方も変えないといけない。

編集部

「でも、怖い」「失敗したらどうしよう」とブレーキがかかってしまう人も多いと思います。

市川社長

失敗しても、別に人生は終わりませんよ。会社の仕事でいきなり会社の存続が揺らぐような案件を任せることは、まずありませんから。多少失敗しても、やり直せます。迷って足踏みしている時間が、一番もったいない。

編集部

失敗してもやり直せる、という言葉は本当に勇気が出ますね。

市川社長

僕も何度も折れかけましたけど、やっていれば「拾う神あれば捨てる神あり」で、見てくれている人は必ずいると思っています。

編集部

本当にそう思います。

市川社長

お金に悩んでいる人でも、今の自分を変えたい人でもいいから、「やる覚悟」があるなら、うちのような会社にも飛び込んできてほしいですね。逃げずに、やりきる。その経験があれば、きっと想像を超える幸せな未来をつくれると思いますよ。

編集部

今日は「逃げずにやりきること」と「自分への投資」という考え方が、特に印象に残りました。明日からまず、今の仕事を全力でやってみることと、通勤前や寝る前の10分を自分を磨く時間に変えてみるのもいいかもしれません。きっとそこから、想像していなかった未来が少しずつ動き出すはずです。市川社長、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

リンク:株式会社市川電設_採用ページ

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この記事を書いた人

「ビギナーズリンク」の編集部です。【スキルの余白は、伸びしろだ。】をコンセプトに、キャリアアップやスキルアップを目指す若年層が「未経験」を「武器」に変えていけるよう、転職や就職に関する有益な情報を発信します。

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