無資格でも始められる時代に「学び直せるエステ」を|業界一筋28年、ミラクルバスト®アカデミー・浅野社長が語る“長く働ける職場の条件”

エステや美容の仕事は好き。でもこのまま続けていいのか、働き方や人間関係に悩む20代も少なくありません。

国家資格が必要な仕事もあれば、エステのように資格がなくても始められる働き方もあるからこそ、「自分の価値」や「長く働ける環境」が見えにくいのも現実です。

株式会社ティエスケイジャパン・浅野社長は24歳で開業し、その後も経営の壁に何度もぶつかりながらエステ一筋で28年間歩んできました。現在はサロン経営とミラクルバスト®アカデミーを通じて、ママエステティシャンやこれから独立したい人のキャリアを支えています。

そんな浅野社長に今回は、長く続けられるサロンづくりと職場の選び方について伺いました。

お話を伺った人

株式会社ティエスケイジャパン/ミラクルバスト®アカデミー

代表取締役 浅野 かなえ

大手エステサロン勤務を経て、24歳で自身のサロンを開業。以降エステ一筋で28年間現場と経営に携わる。現在は株式会社ティエスケイジャパン代表取締役として直営サロンとミラクルバスト®アカデミーを運営し、バストケアを通じて健康寿命を伸ばすことを掲げながら、地方サロンや経営未経験オーナーの育成、ママエステティシャンの働きやすい環境づくりに取り組んでいる。

目次

エステ一筋で24歳開業。父の背中を追って立ったスタートライン

編集部

浅野社長は、今はエステサロンオーナーの育成やママエステティシャンの雇用促進などに力を入れていらっしゃるとのことですが、どういうきっかけでエステの世界に入られたのでしょうか?

浅野社長

私は本当にエステ一筋で、他の仕事をしたことがないんです。高校生のときから美容の通信制の高校に通いながら、美容の専門学校にも並行して通っていました。高校卒業と同時に専門も卒業して、18歳で大手エステサロンに就職したんです。

編集部

高校時代からずっと美容の道だったんですね。そこから、24歳で開業されたと。

浅野社長

そうなんです。自分で「起業したい」と強く思っていたというより、父の後押しが大きくて。父は母を美容師にさせて、自分の店を持たせた人なんですね。「お前もチャレンジしてみるか」と言ってくれて、資金も父が出してくれました。

編集部

24歳で開業となると、金融機関からお金を借りるのも難しいですよね。

浅野社長

本当にそうでした。金融機関からは「あなたに貸すなら保証金がこれくらい必要」と言われてしまって。自分だけでは何もできなかったので、家族の支えがなければスタートできませんでしたね。

編集部

いざお店を開けてからは、順調でしたか?

浅野社長

いえ、最初の2年間は本当に大変でした。自分の給料はゼロで、スタッフにお給料を払うだけで精一杯の毎日でした。支払いが滞りそうなときは、主人が昼も夜も働いて、その収入をサロンにつぎ込んでくれていました。

編集部

かなりギリギリの状況だったんですね…。その中で、「もうやめよう」と思ったタイミングもあったのでしょうか?

浅野社長

やめる直前まで行きましたね。そのときに、ある方を紹介していただいたんです。今でいうコンサルのような方で、「1ヶ月だけ僕にちょうだい」と。カウンセリングの仕方や、お客様への価値提供の考え方を集中的に教えてもらいました。

編集部

その1ヶ月で、何か変化はありましたか?

浅野社長

技術はもともとできていたんですが、「お客様にどんな価値を届けるのか」という視点が足りなかったんだと気づきました。そこを見直したら、3ヶ月後にはお店の状況がガラッと変わって、予約をお断りするくらいになったんです。

編集部

すごい変化ですね…!若いころにそういう「踏ん張りどころ」を経験したことは、今の働き方にもつながっていそうです。

無資格でも始められるからこそ苦しんだ20代と「価値提供」の学び

編集部

そこから、エステティシャンというよりも教育にシフトしていかれたと伺いました。そこにはどんなきっかけがあったのでしょうか?

浅野社長

12〜13年前から、教育の比重を少しずつ増やしていきました。私は大手エステ出身で、3ヶ月間寮に入って、お給料をいただきながらみっちり研修してもらったんです。今思うと、すごくありがたい環境でした。一方で、十数年前から「自宅サロン」「一人で小さく始めるサロン」が一気に増えました。経営もカウンセリングも学ばないまま、エステティシャンだけをやっていた方が、いきなり独立するケースが増えたんです。「KPIってわかる?」と聞いても、「何ですか?」という状態の方も多くて。

編集部

なるほど…。仮に資格がなくても、開業するだけならできますしね。

浅野社長

そこが大きな課題だと思っています。美容師さんは国家資格がありますが、エステは免許がなくてもできてしまうんです。でも、お客様から1円でもお金をいただくということは、価値を提供するということ…。だからこそ、きちんとした資格やベースとなる考え方が必要だと感じました。

編集部

ご自身も、20代のころは経営で苦労されたからこそ、なおのことそう思われるのかもしれませんね…。

浅野社長

そうですね。私自身、開業してから経営もわからない、集客もわからない、という状態で、本当に苦しみましたから。同じ思いをする若い人を、少しでも減らしたいという気持ちが強かったですね。

編集部

それが「エステ業界全体の質を上げたい」という思いにもつながっていったのでしょうか。

浅野社長

はい。エステって「高い」「怖い」と思われてしまうこともありますよね。でも、本来はお客様の健康寿命を伸ばしたり、10年後、20年後のきれいを支えるための技術だと思っています。だからこそ、正しい知識と技術を持った人が、きちんと価値提供できる業界にしたいんです。

編集部

目先の結果だけでなく、お客様の10年後20年後まで見ている視点が、仕事を続ける軸になっているんですね。

バスト専門技術で地方サロンを支える。結果と健康にこだわる理由

編集部

バストケアの技術とサロン経営をまとめて学べる学校、「ミラクルバスト®アカデミー」は、どんな経緯で生まれたのでしょうか?

浅野社長

もともとは、カウンセリングや経営を教える学校のようなものを作りたいと思っていたんです。個別でコンサルしていたサロンオーナーさんも何人かいました。ある日、「長年通ってくれているお客様っていますか?」と聞かれて、「いるよ、バストで通ってくれている方が多いかな」と答えたんですね。

編集部

そこから、バスト専門技術の話になったんですね。

浅野社長

はい。「その技術を教えてほしい」と言っていただいたのがきっかけでした。バストアップだけではなく、健康面の変化も感じていただける技術だったので、これを地方や田舎のサロンにも届けられたらいいな、と考えたんです。

編集部

お客様は、最初にどんな変化を感じることが多いのでしょうか?

浅野社長

1回目の体験で多いのは、バストのハリやふわふわした触り心地ですね。施術後にご自身で触っていただくと、違いがわかりやすいです。着替えのときに「肩が上がるようになった」「体が軽くなった」と言われる方も多いですね。

編集部

バストアップだけでなく、それ以外の部位にも良い変化を感じるケースがあるんですね。

浅野社長

はい。技術とマシンを組み合わせて、副交感神経を優位にすることを意図しているので、生理現象が正しく動きやすくなったり、便秘の方が宿便が出たりする方もいます。

編集部

体の「本来の働き」を取り戻すことで、美容の効果もついてくるイメージですね。

浅野社長

その通りです。私は「美しくても健康でなければ、本当の意味できれいとは言えない」と考えています。だから、健康美容に特化した技術としてバストケアを位置づけているんです。

編集部

なるほど…。アカデミーには、どんな方が学びに来られるのでしょうか。

浅野社長

直営サロンに通ってくれていたお客様が「自分もこの技術でサロンをやりたい」と言ってくださるケースが多いですね。半分から6割くらいは、これから経営を始める方や、経営初心者のオーナーさんです。

編集部

ご自身が教えた方が各地でサロンを出して、またお客様を喜ばせている姿を見るのは、やりがいになりそうですね。

浅野社長

本当にうれしいですね。自分が伝えた技術や考え方が、その先のお客様の笑顔につながっていると感じられるので。

派手さより生活と仲間を守る。長く働けるサロンづくりの舞台裏

編集部

浅野社長は夜の会食や派手なお付き合いより、生活リズムやスタッフさんとの関係を大事にされていると伺いました。業界でよく言われる「派手さ」のイメージと、浅野社長が選んできた働き方の違いについても教えてください。

浅野社長

たしかに、豪遊したり、夜の会食が多かったりというイメージはありますよね。でも私は、おっしゃるようにほとんど飲み会をしませんし、基本は早寝早起きです。今は飲食店もやっているので夜遅くなる日もありますが、本当は21時には寝たいくらいです。

編集部

すごく堅実ですね。私も、見習わないと…。

浅野社長

一番しんどかったのは、昔は産休からエステに戻るのが難しかったことです。夜9時、10時まで仕事、というのが当たり前で、制度上は産休OKでも現場では続けづらい。今は新規のお客様の最終受付を19時にして、できるだけ働きやすい時間帯にシフトしています。

編集部

働きやすさを優先することで、辞めずに続けられるスタッフさんも増えそうですね。

浅野社長

実際に産休をきちんと取って、戻ってきてくれたメンバーもいます。そういう実例があると、サロンオーナーさんにも「こういう働き方ができますよ」と具体的に伝えられるんです。

編集部

実際の事例があると、これからサロンを持ちたい人も、自分の働き方の未来をイメージしやすくなりますね。また、LGBTの方の雇用についても、関心があると伺いました。

浅野社長

はい。エステティシャンになりたいLGBTの方も、これからもっと増えると思います。お客様にもLGBTの方はいらっしゃいますし、働く側としても活躍できる場を作っていきたいです。まだ形にはできていませんが、雇用の選択肢を増やせたらと考えています。

編集部

性別やライフステージに関係なく、働きたい人が働ける環境をつくる。これは、どの業界でも大事な視点ですね。

ハラスメントに悩む20代へ。職場を選び直すための具体アドバイス

編集部

実は弊社の人材事業には、「エステティシャンとして働いているけれど、ハラスメントや職場の雰囲気で悩んでいる」という相談が多く来ています。そういう話を聞かれて、率直にどう感じますか?

浅野社長

多いと思います。女性が多い職場なので、人間関係で悩むこともありますよね。私は「陰で言わない」がルールで、思ったことは本人にきちんと伝えるようにしています。陰で言うと悪口になりますが、目の前で伝えれば、それは指導になりますから。

編集部

たしかに、同じ言葉でも伝え方や関係性で受け取り方が変わりますよね。

浅野社長

そうですね。そこに「愛があるかどうか」も大事だと思います。相手の成長を願って伝えるのか、自分のイライラをぶつけているのか。スタッフは敏感に感じ取りますから。

編集部

お給料について悩む声もあります。「8年間同じサロンで働いているのに、給料が一度も上がっていない」という方もいて…。これは、どう見ればいいのでしょうか。

浅野社長

その方の能力やお店のルールにもよりますが、成果を出しているのに8年間まったく上がらないのは、やはり異常だと思います。エステティシャンは「売上をつくれない仕事」と思われがちですが、実は契約率によって大きく違います

編集部

契約率、ですか?

浅野社長

集客はオーナーや会社が頑張る部分も大きいですが、来てくださったお客様にきちんと提案して契約につなげられるかどうかは、エステティシャン次第です。同じお客様でも、Aさんは30万円の契約をいただけるけれど、Bさんは契約ゼロということもあります。

編集部

たしかに、それが続けばお給料にも差が出てきますね。

浅野社長

目安として、体験に来られたお客様の契約率が50%を切っていると、改善の余地は大きいと思います。3割も取れないとなると、正直かなり厳しい。自分の契約率を振り返って、それでも成果に見合った評価がされていないなら、環境を変える選択もありだと思います。

編集部

なるほど…。自分の数字を一度整理したうえで、「それでもおかしい」と感じたら、職場を選び直すサインかもしれませんね。

浅野社長

そう思います。若いうちは「ここで我慢するしかない」と思い込みがちですが、選択肢はいくつもあります。まずは自分がお客様に何を届けたいのか、どんな働き方をしたいのかをはっきりさせてみてほしいですね。そこが決まると、「どのサロンで働くか」も選びやすくなります。

編集部

エステ業界に限らず、「今の職場がつらい」と感じている20代の方へのメッセージにもなりそうです。

浅野社長

はい。「自分が悪い」と全部抱え込まないでほしいですね。もちろん、できることをやり切る姿勢は大事ですが、それでも変わらないなら環境を変える勇気も必要です。小さくでもいいので、自分から一歩動いてみること。それがキャリアを切り開く最初の一歩になると思います。

編集部

「自分が悪い」と抱え込まなくていい、という言葉に救われる人はきっと多いはずです。今日は「価値提供を軸に仕事を選ぶ」「長く働ける環境を自分で選び直す」という視点が、とても印象的でした。エステや美容業界で働いていて悩んでいる方は、このあと少しだけ時間をとって、自分の契約率や今の働き方を振り返る時間をつくってみてほしいです。「このままでいいのか」「本当はどうなりたいのか」と一度立ち止まって考えることが、次の一歩を決めるヒントになるはずです。浅野社長、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

リンク:ミラクルバスト®アカデミー_採用ページ

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この記事を書いた人

「ビギナーズリンク」の編集部です。【スキルの余白は、伸びしろだ。】をコンセプトに、キャリアアップやスキルアップを目指す若年層が「未経験」を「武器」に変えていけるよう、転職や就職に関する有益な情報を発信します。

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