「売っているのは数字だけじゃない。」株式会社スイミー・住本社長が語る、営業を始める20代への処方箋

年収が上がる」「頑張った分だけ返ってくる」。
そんな営業の魅力にワクワクしながらも、いざ始めようとすると「何から動けばいいんだろう」と迷ってしまう20代は少なくありません。興味はあるのに、一歩目のイメージが持ちにくい。営業に対して、そんなもどかしさを感じる声も多く聞きます。

その“はじめの一歩”に向き合ってきたのが、ITサービス企業の営業支援を行う株式会社スイミーの住本社長です。リクルートで14年、ベンチャーで1年半という異なる環境で経験を積み上げ、独立に踏み出した同氏に、営業の仕事をどう始め、どう伸ばしていけばいいのかを伺いました。

お話を伺った人

株式会社スイミー

住本 祐介 代表取締役社長

大学卒業後にリクルートへ入社し、ホットペッパーの広告営業として飲食・美容・ネイルサロンなど幅広い店舗を担当。その後、SUUMOのグループ企業でリフォーム会社の営業へ移り、約14年間の勤務を経て、ベンチャー企業で1年半働き、スピード感ある現場で刺激を受ける。その経験から独立を決意し、IT・テクノロジー系サービスの営業支援を行う現事業を立ち上げる。アポイント獲得から受注、契約後フォローまで企業の不足領域を支える営業代行に取り組み、挑戦と成長を重視する組織づくりを進めている。

目次

ホットペッパー営業からベンチャーを経て独立へ。迷いながら選んだ「自分でやる」道

編集部

住本社長は、新卒でリクルートに入社されたんですよね。

住本社長

はい。大学を卒業して、リクルートに入社しました。最初の配属はホットペッパーのフリーペーパーの広告営業です。飲食店をメインに、美容室やネイルサロンなど、業種ごとに担当が分かれているので、いろいろなお店を掛け持ちしながら担当させてもらっていました。お店ごとに状況も課題も違うので、それを一軒ずつ丁寧に聞きながら提案していく、という毎日でした。

編集部

まさに「営業の学校」みたいな環境ですよね。当時から「将来は独立しよう」と考えていたのでしょうか?

住本社長

実は、全く思っていなかったです。リクルートは独立する人が多い会社なので、そういう文化があることは知っていましたが、最初から独立目的で入ったわけではありません。ただ、働いているうちに、周りの先輩や同期がどんどんチャレンジしていく姿を見る機会があって、「自分もいつかはそうなるのかも」と思う気持ちは、少しずつ出てきたところはあります。

編集部

とはいえ、14年間リクルートグループで働かれて、そのあとすぐ独立ではなく、ベンチャー企業に転職されたんですよね。

住本社長

そうです。リクルートのあとに、1年半ほどベンチャー企業で働きました。独立の準備というより、「ベンチャーでどんなことができるかチャレンジしてみたい」という気持ちが強かったです。自分の中で、一度違う環境に身を置いてみたい、という思いがあったので。

編集部

実際にベンチャーに行ってみて、どんなことを感じましたか?

住本社長

売上拡大期でスピード感もあり、すごく刺激的でした。その会社のいいところを感じつつ、「ここをこうすれば、もっと良くなるのかも」と思う部分も見えてきて。そこから、「自分で会社を作れば、もっと良い形にできるかもしれない」と考えるようになったのが、独立のきっかけですね。

編集部

「今の会社で続けるか」「別の環境を試すか」で迷う20代は多いです。住本社長の経験は、そういう人の背中を押す力になりそうだと感じました。

「いいサービスほど売り手が足りない」と気づいた。営業で社会を支える仕事

編集部

お話を伺っていると、環境を変えてきたことが、今の働き方につながっているのがよくわかりますね。そうした経験があるからこそ、今の事業の形にもこだわりが生まれたのかなと感じました。その現在の事業内容についても伺いたいのですが、どんな会社の営業を支援されているのでしょうか?

住本社長

今はIT分野などテクノロジーの力を使ったサービスを扱う会社が中心です。世の中には本当に面白いサービスがたくさんあります。ただ、日本全体としては労働力が不足していて、「いいサービスがあるのに、営業する人が足りない」という会社が多いんです。

編集部

もったいないですよね。世の中の課題を解決できるサービスなのに、広める人がいないなんて。

住本社長

そうなんです。そこで、営業リソースが足りない会社に、うちのメンバーが入って営業面をサポートする。アポイント獲得だけの案件もあれば、商談から受注、契約後のフォローまで一気通貫でお手伝いすることもあります。

編集部

まさに「営業のパートナー」という感じですね。若い世代にとっても、様々な新しいサービスに触れながら営業力を鍛えられる環境だと感じます。

住本社長

はい。クライアントさんが持つサービスは、どれもユニークで面白いものばかりです。その価値をどう伝えるかを考え、実際にお客様と会話しながら試していく。営業という仕事を通じて、20代のうちからビジネスの全体像を学べるのは、大きな強みになると思います。

編集部

営業というと「ノルマがきつい」というイメージを持つ人も多いですが、社会にサービスを広めていく役割だと考えると、ぐっとイメージが変わりますね。

住本社長

そうですね。うちのメンバーには、「自分が売っているのは数字だけじゃない」と伝えています。いいサービスを必要な人に届けることは、社会を少し良くすることにもつながります。そこにやりがいを感じられると、仕事の見え方が大きく変わるはずです。

アポ取りから契約後フォローまで。チームで挑む営業現場

編集部

現場で働くメンバーの方々の雰囲気についても教えてください。福島まで契約書を取りに行かれた、すごく熱い方もいらっしゃるとか。

住本社長

そうですね。あるメンバーが、取引先から「契約書が届かない」と連絡をもらったんです。本来なら郵送やオンラインでやり取りするところですが、そのメンバーは「自分の目標を達成したい」「チームの目標を達成したい」と、わざわざ福島まで契約書を受け取りに行きました。

編集部

今の20代を一括りにはできませんが、そこまでやり切る人は多くない印象です。すごい行動力ですね。

住本社長

もちろん、そこまでの行動を毎回求めているわけではありません。ただ、「目標達成のために自分から動く」というスタンスは大事にしています。そして、やるときは全力でやるけれど、休むときはしっかり休む。会社としてもワークライフバランスは整えるようにしています。

編集部

メリハリがあるからこそ、頑張るときにちゃんと集中できるわけですね。

住本社長

はい。あと、うちはチームで働くことも特徴です。クライアントさんからお仕事をいただくときは、2〜5名のチームを組んで進めます。達成も個人だけでなく、チームの達成を大事にしています。個人で成果を出した人にはインセンティブがありますし、チームの達成にもインセンティブを出しています。

編集部

自分が頑張ることで、チームの成果にもつながる。いい意味でのプレッシャーとやりがいがありそうです。

住本社長

そうですね。自分の目標を達成したメンバーが、まだ目標に届いていないメンバーをロールプレイングでサポートしたりもしています。そうやって、人の面倒を見るのが好きな人や、チームで協働するのが好きな人が活躍している環境ですね。

編集部

20代のうちは、「何が得意かわからない」という人も多いですが、こうしたチームの中で役割を見つけていけるのは、貴重な経験になりそうです。

住本社長

はい。営業の仕事を通じて、「目標に向かって動く」「人を助ける」といった力を身につけることは、どんな職種に行っても役立つと思います。ここでの経験をステップに、次のキャリアに進んでもらうのも、僕はいいことだと考えています。

AI時代でも「人が話す営業」はなくならない。

編集部

ここまで“人が動く営業”の話を伺ってきましたが、一方で今はAIも急速に広がっていますよね。そんな変化の中で、営業の役割はどう変わっていくと見ていらっしゃいますか?

住本社長

よく、「営業はAIに置き換えられるのでは」と聞かれます。でも、僕はそうは思っていません。たしかに、営業の仕事の中には、AIで効率化できる部分もあります。事務作業や情報整理、提案のヒントをもらうところでは、すでにAIを活用しています。

編集部

一方で、お客様と話す部分はどうでしょうか?

住本社長

実際にお客様と向き合って話すところは、まだまだ人が必要だと思います。相手の表情や声のトーン、その場の空気を感じながら会話を組み立てるのは、デジタルだけでは難しいですから。

編集部

たしかに、同じ提案でも、誰がどう話すかで受け取られ方が変わりますよね。

住本社長

そうなんです。だからこそ、「AIをうまく使いながら、人としてのコミュニケーション力を磨いていく」ことが大事です。

編集部

営業に興味はあるけれど、「自分に向いているか不安」という20代も多いです。そういう人は、まず何から意識するといいでしょう?

住本社長

まずは、全部を完璧にやろうとしないことですね。アポイントを取る、商談をする、受注後のフォローをする。営業にはいくつかの工程がありますが、最初から全部できる人はいません。うちでも、案件によっては一部の工程だけ担当することもあります。

編集部

段階的にステップアップして行くわけですね。

住本社長

はい。AIをうまく使って準備をしつつ、現場での会話で経験値を積んでいく。その繰り返しが、20代のキャリアにとって一番の財産になると思いますよ。

一度つまずいても大丈夫。20代が今日からできる小さなチャレンジ

編集部

最後に、この業界や営業の仕事に興味はあるけれど、一歩を踏み出せていない20代に向けて、メッセージをお願いします。

住本社長

まず伝えたいのは、「失敗したところが終わりじゃない」ということです。新卒で入った会社が合わなかったり、「思っていた仕事と違った」と感じたりすることは、正直よくある話です。それで自分を責めすぎる必要はありません。

編集部

一度つまずくと、「もう自分はだめだ」と思い込んでしまう人も多いですよね。

住本社長

そうですね。でも、大事なのは、そのあとどうするかです。「もう一回頑張りたい」「今度はこういう働き方をしたい」と、気持ちを整えて再スタートする。うちの会社も、そういう再スタートの場として使ってもらえたらいいなと思っています。

編集部

現体験がある住本社長だからこそ、そうした人たちに寄り添える感じがします。

住本社長

僕自身も、うまくいかない時期を経験してきましたからね。だからこそ、「ここで終わり」と決めつけずに、一歩を踏み出す人を応援したいです。しっかり研修をして、業務も段階的にお任せしていくので、不安があっても大丈夫です。

編集部

これからキャリアを考える20代にとって、心強い言葉だと思います。

住本社長

20代のうちは、完璧な答えを求めすぎなくていいと思うんですよ。「成長したい」「もう一度チャレンジしたい」という気持ちがあるなら、まずは小さな一歩を決めてみてください。たとえば、今日一日の中で「自分から一回だけ動いてみる」でもいい。そういう積み重ねが、必ず次のチャンスにつながっていきます。

編集部

一歩を踏み出したいけれど迷っている人にとって、「失敗しても終わりじゃない」「やり直せる場所がある」「チームで挑戦しながら成長する」と知ること自体が、大きな支えになりそうです。住本社長、今日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

リンク:株式会社スイミー_採用ページ

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この記事を書いた人

「ビギナーズリンク」の編集部です。【スキルの余白は、伸びしろだ。】をコンセプトに、キャリアアップやスキルアップを目指す若年層が「未経験」を「武器」に変えていけるよう、転職や就職に関する有益な情報を発信します。

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