接客業から一般事務へ|未経験でも受かりやすい志望動機の作り方をプロが解説【例文あり】

「接客業から一般事務に転職したいけど、未経験だから志望動機が書けない…」そんな悩みを抱えている方はとても多いです。

プライベートを大切にしたい、ノルマから解放されたい、残業を減らしたい…。こうした理由で事務職を希望する人は少なくありません。しかし採用側からすると「土日休みだから」だけでは弱く、「この人を採りたい」と思わせるには、もっとあなたらしい理由が必要です。

そこで今回、ビギナーズリンク編集部がお話を伺ったのは、キャリアアドバイザーの阿部さん。前職ではエンジニアや営業など幅広い職種を経験し、現在は1日10名以上の求職者と面談を重ねながら、未経験から事務職を目指す人の転職を多数サポートしています。

そんな阿部さんに、採用側に刺さる志望動機の作り方、やってはいけないNG例、そして内定率を高めるコツまで具体的に語っていただきました。この記事を読めば、あなたの接客経験を「強み」に変え、自信を持って一般事務に挑戦できるはずです!

この記事の監修者

株式会社MEDISITE キャリアコンサルタント

阿部 翔大

目次

現在接客業で一般事務未経験でも採用側に刺さる!志望動機を書く上で大事な考え方をプロが解説

【引用】Yahoo!知恵袋|接客業から事務職へ転職を考えています。

編集部

現在接客業で、未経験で事務を目指す人にとって、一番悩むのが「志望動機」ですよね。やっぱりここで差がつくんでしょうか?

阿部 翔大

そうですね。志望動機は正直かなり重要です。テンプレート的な書き方をしてしまうと、「この人じゃなくてもいい」と思われてしまうんですよ。

編集部

よくある「コミュニケーション力を活かせるから事務を希望しました」とか?

阿部 翔大

まさにそれです。誰でも書ける内容ですよね。大切なのは、あなたの色がわかる、あなた自身だからこそのストーリーを入れることです。

編集部

ストーリーというと?

阿部 翔大

例えば、接客業で「売場改善を提案してExcelで数字をまとめた経験がある」や、「お客様対応の中で裏方業務の大切さを学んだ」など、自分ならではの体験から事務を志望する理由につなげる。その流れがあると、説得力が全然違うんです。

編集部

たしかに、納得しちゃいます!

阿部 翔大

そのうえで、「その経験を通じて裏方のサポートにやりがいを感じた」とか「PCでデータをまとめるのが面白いと気づいた」など、事務につながる要素を加えます。最後に「だから事務として会社全体を支える仕事がしたい」と結論につなげる。
この流れなら、「ただ土日休みがほしいから」ではなく「過去の経験→気づき→事務職志望」という筋が通るんですよね。採用側も「この人はちゃんと理由があって一般事務職を目指している」と納得できますし、結果的に他の応募者との差が大きく出てきます。

編集部

単に「やりたい」じゃなくて、自分の体験を起点にストーリーとして仕上げるという。

阿部 翔大

そうです。私が面談していて内定を取る人たちは、みんな自分の経験を上手に織り交ぜて志望動機を作っています。どの職種の志望動機にも言えることではありますが、大事なのは、こんな風にあなたにしか書けない流れを作ることなんです。

接客業から一般事務を目指す人は多い!差をつける志望動機の重要性

編集部

そもそも、接客から事務に転職したい人ってすごく多いですよね。阿部さんが担当する中で、「接客から一般事務に行きたい」という人ってどのくらいいるんですか?

阿部 翔大

ざっくり言うと8割くらいです。一番多い転職理由は「土日祝休みがほしい」ですね。接客はどうしても土日が稼ぎ時で、家族や友人と予定を合わせづらい。これが大きいです。

編集部

なるほど。他にもありますか?

阿部 翔大

あとは「ノルマに追われるのがしんどい」「残業が少ない仕事にしたい」「将来に向けてPCスキルを身につけたい」。こういった理由で事務を選ぶ方も多いです。

編集部

たしかに、接客だと体力的にも精神的にもきつい場面がありますもんね。

阿部 翔大

そうですね。だから「一般事務なら安心して働けそう」と考える方が多い。でも、実はなぜ事務なのかが明確でないと志望動機でつまずいてしまうんです。

編集部

つまり「事務=安定」という理由だけでは、他の応募者との差別化ができないんですね。企業は「なぜ数ある職種の中で事務なのか」「その人の経験と事務をどう結びつけるのか」を重視しているわけで、ここを語れるかどうかで合否が大きく変わる、とても重要なポイントだと感じました。

そもそも接客経験は一般事務に活かせるのか?

編集部

正直に聞きたいのですが、接客経験って事務に本当に役立つんでしょうか?事務と、お仕事の内容は全然違いますけど…。

阿部 翔大

未経験採用では強みになりますよ。強みになるどころか、個人的には非常に有利だと思っています。事務って、オフィスの潤滑油なんですよ。総務や管理部など、いろんな部署と横断的にやりとりします。だから「話しやすい雰囲気」「最後まで話を聞いてから質問できる姿勢」みたいな、コミュニケーション力がすごく大事。接客業って毎日それをやってますよね。お客様に寄り添い、状況を判断して対応する。その経験は事務でも強みになります。

編集部

じゃあ「自分には事務経験がないから不利かも」と悩む必要はないんですね。

阿部 翔大

はい、経験がない分、接客で得た力を志望動機や面接でどうアピールするかが勝負です。そのあたりはキャリアアドバイザーとして全力でサポートしますし、あなたは自分では気づいていないかもしれないけれど、接客業で培った十分すぎるスキルがあることに自信を持ってほしいですね。

接客業から一般事務への志望動機でやってはいけないNG例

編集部

よくある志望動機NG例ってありますか?

阿部 翔大

「コミュニケーション力を活かしたいから事務を選びました」…これだけだと弱いですね。誰にでも当てはまるテンプレだから。

編集部

たしかに、それだけだと元接客業なら誰にでも当てはまるし「事務じゃなくてもいいのでは?」って思われますね。

阿部 翔大

そうなんです。あと「土日休みだから事務」とか、「稼ぎたいから事務」なんてのもNGです。採用側は「じゃあ他でもいいじゃん」となります。

編集部

つまり「あなただからこそ、〇〇だから一般事務」という筋の通った理由がないと、マイナスに映るんですね。

阿部 翔大

そうです。それに加えて、もう一つ大事なのは、あなたらしさ。せっかく接客で頑張ってきた経験があるのに、それが全然伝わらない志望動機は総じてNGだと思います。結局「この人だから採りたい」というポイントが見えなければ、どんなに文章が整っていても響かないんですよ。

編集部

なるほど…。逆に言えば、接客での具体的な経験やエピソードを盛り込めば、自分らしさが出せて差別化につながるということですね。

阿部 翔大

そうですね。だから志望動機を考えるときは「自分の経験と事務をどう結びつけるか」を意識するのが一番大切なんです。

採用側に刺さる!接客業から一般事務(未経験)の志望動機の作り方【例文付き】

編集部

では、ここまでのポイントを踏まえて、実際に「どうやって志望動機を形にしていけばいいのか」を具体的に教えていただけますか?

阿部 翔大

はい。順番に考えていくとやりやすいですよ。大きく分けるとこの流れです。

STEP
経験を棚卸しする

まずは接客業の中で印象に残っている出来事や工夫をすべて書き出してみましょう。お客様に「ありがとう」と言われた場面でもいいですし、「売場の動線を変えたら売上が上がった」なんて話でもいい。大事なのは「自分がどう動いたか」がわかる具体的な体験です。小さなことでも、後から必ず活きてきます。

STEP
事務につながる要素を見つける

次に、そのエピソードの中から事務職と共通する部分を探します。「Excelで在庫を管理した」「シフト表を組むときに細かい調整をした」「伝票を正確に処理した」など、裏方的な経験が出てくるはずです。自分では「こんなの普通」と思っていても、採用側にとっては評価できるスキルなんですよ。

STEP
事務でどう活かすかを描く

最後に「だから私は一般事務として会社全体を支えたい」と結論をつなげます。ここでポイントなのは、「なぜ事務なのか」をしっかり書くこと。例えば「接客で培った気配りを、今度は社内メンバーに向けて発揮したい」「数字を扱う正確さを、請求書処理や資料作成で役立てたい」といった具合です。過去の経験と未来の事務職を一本の線で結ぶと、志望動機がぐっと説得力を増します。

編集部

なるほど。棚卸し→つなげる→結論、という流れですね。

阿部 翔大

そうです。いきなり結論から書こうとするからみんな詰まってしまうんです。手順を踏めば、自然と筋の通った志望動機が作れます。

編集部

実際に文章にするとどんな感じになるんでしょう?

阿部 翔大

例えば、こんな書き方ができます。

志望動機例文1(飲食業から事務へ)

飲食店でホールスタッフとして働く中で、予約管理やシフト調整を任されてきました。Excelでスケジュールを組んだり、売上を日報にまとめたりする中で縁の下の力持ちとして現場をスムーズに回す面白さを実感しました。今度はその経験を活かし、経理事務として社内全体をサポートしていきたいです。

志望動機例文2(アパレル販売から事務へ)

アパレル販売の仕事では、接客だけでなく在庫チェックや売上データの入力も担当していました。その際に数字を扱う正確さやPCで作業することにやりがいを感じ、支える仕事にもっと挑戦したいと思うようになりました。だからこそ貿易事務として、現場が滞りなく回る状態をつくりたいと考えています。

編集部

なるほど!どちらも「経験→スキル→志望理由」という流れが自然につながっていて、自分の言葉で語られているから説得力がありますね。

阿部 翔大

そうなんです。どんなに短い文章でも、初めにも話したように、この流れさえあれば「この人なら事務で頑張れる」とイメージしてもらえるんですよ。

編集部

同じ「接客業から一般事務、また経理事務・貿易事務・営業事務」といった転職でも、人によってストーリーはまったく違いますね。ここで自分の色をいかに出すかが合否を分けるポイントだと感じました。

阿部 翔大

まさにその通りです。私たちアドバイザーと一緒に棚卸しをすると、「こんな経験も志望動機に活かせるんだ」と新しい発見をしてもらえるんです。自分ひとりだと気づけない強みも多いですから。

編集部

たしかに、自分では「当たり前」と思っていた仕事が、採用側にとっては評価ポイントになることもありますよね。

阿部 翔大

結局、志望動機って立派な経歴を書く場所じゃなくて、あなたがどういう人かを伝える場所なんです。だから小さな経験でもいい。エピソードを起点に筋を通すことで、面接官は「この人なら会社に馴染んで活躍してくれそうだ」と感じやすくなるんですよ。

志望動機の工夫以外に、内定率を上げるためにやるべきこと

編集部

志望動機以外で、内定率を上げるためにできる工夫ってありますか?

阿部 翔大

あります。大きく2つです。1つ目は面接練習。個人で行う場合は、パソコンの録音や録画機能を利用して、自分の話し方や表情を客観視するんです。最初は恥ずかしいかもしれませんが、これをやった人は本当に伸びますね。自分では気づけないクセ…例えば早口になっていたり、相手の話を遮っていたり…こういった部分を直せるので効果は絶大です。表情ひとつとっても、「本番で話している自分はこんな感じなのだ」と理解をしたり欠点を見つけたりしながら、本番までにはそのあたりを矯正しておくイメージです。

編集部

なるほど。面接本番で緊張しても、自分のクセを知っていれば冷静に対処できそうです。

阿部 翔大

そうなんです。知人と面接練習しても緊張感がなく練習にならないかもしれませんが、個人での録画練習や私たちアドバイザーと練習を重ねると、求職者さん自身も「こう答えればいいんだ」と感覚をつかめるので、本番でも自然に話せるようになるんですよ。

編集部

たしかに、一度シミュレーションしておくかどうかで、安心感が全然違いそうです。

阿部 翔大

そして2つ目はレスポンスの速さです。こちらからの連絡にすぐ返せる人は、それだけで「この人は就活に本気だ」と伝わりますし、選考スケジュールもどんどん前倒しで進みます。逆に返事が遅いと、それだけでチャンスを逃してしまうんです。

編集部

やっぱり準備とスピード感がカギなんですね。

阿部 翔大

はい。実際の数字で言うと、面接練習をまったくしない人の内定率は2割程度しかありません。でも、しっかり練習してレスも早い人は8〜9割まで上がります。これは私の体感というより、日々の面談から見ても歴然とした差です。

編集部

8〜9割ってすごいですね! 逆に言うと、練習しないまま挑むのは本当にもったいない…。

阿部 翔大

そうなんです。だから私はよく「練習すればちゃんと結果は変わるから大丈夫」と伝えています。本人も「やればできるんだ」と前向きになれますしね。面接の精度が上がる=自分を伝えきれてしっかりとポジティブな評価を受けたことで、内定をもらえただけじゃなく、年収も本人の希望よりもぐんと上がった例もあるんですよ。

接客業から一般事務に未経験転職したい方へ!キャリアアドバイザーからメッセージ

編集部

最後に、これから事務を目指す接客経験者の方へ、励ましのメッセージをお願いします。

阿部 翔大

そうですね…。まず伝えたいのは、「今の今」は一度きりだということです。悩んでいるなら、小さくてもいいから動き出してほしい。履歴書を見直すだけでも、求人サイトを覗いてみるだけでもいいんです。行動すれば、未来は必ず変わりますから。
接客の仕事で頑張ってきた皆さんには、すでに大きな武器があります。人の話を聞けること、笑顔で対応できること、相手の気持ちを汲み取ること。これらは事務職でも確実に活かせます。でも、多くの人は「自分には何もない」と思い込んでしまっているんですよね。
だからこそ私たちアドバイザーがいます。あなたが持っている強みを一緒に掘り起こして、「言葉」に変えていく。それを面接官に伝わる形に整えるのが、私の役目です。
転職活動って、正直めんどうだし、不安になる瞬間も多いと思います。でもそれは「自分の未来を良くしよう」と一歩を踏み出している証拠です。やる気がある人ほど、私は全力でサポートしたい。面談のたびに「大丈夫、きっとできる」と背中を押すのは、ただの励ましではなく、本気でそう思っているからなんです。
だから、転職活動をつらい作業と考えずに、未来を変えるための前向きな行動だと思って楽しんでください。もし迷ったときは、私たちが横で伴走します。一人で抱え込まなくても大丈夫ですよ。

まとめ|接客業から一般事務への転職は志望動機で差がつく

接客業で培った「聞く力・伝える力・気遣い」は、一般事務でも強みとして高く評価されます。だからこそ志望動機では、その経験を具体的なエピソードとして語り、裏方業務やPCスキルに触れながら「会社を支えたい」というサポート志向につなげることが大切です。

土日休みだからといった表面的な理由では差がつきません。さらに、面接練習やレスポンスの速さといった準備を重ねれば、内定率は未対策なら2割、対策すれば8〜9割へと大きく伸びます。未経験であっても工夫次第で十分に採用を勝ち取れます。この記事で紹介した考え方と方法を実践すれば、その道は必ず開けます!

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この記事を書いた人

「ビギナーズリンク」の編集部です。【スキルの余白は、伸びしろだ。】をコンセプトに、キャリアアップやスキルアップを目指す若年層が「未経験」を「武器」に変えていけるよう、転職や就職に関する有益な情報を発信します。

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