第二新卒が転職エージェントを使わないで転職するには?メリット・デメリットを解説

「転職エージェントに登録すると、希望しない求人を押し付けられそう」「自分のペースでゆっくり探したい」。そんな理由から、転職エージェントを使わずに自力で転職活動を進めたいと考えている第二新卒の方は少なくありません。
結論からお伝えすると、転職エージェントを使わないという選択は「あり」です。実際に、自己応募や企業の採用ページからの直接応募で理想のキャリアを実現している方は大勢います。しかし、その一方で「情報収集が不十分でブラック企業に入ってしまった」「書類選考が通らず活動が長期化した」という失敗事例があるのも事実です。
大切なのは、第二新卒の方が転職を考える際には、エージェントを使わないことのメリットとデメリットを正しく理解し、その上で自分に合った戦略を選ぶことです。この記事では、客観的なデータと具体的な事例をもとに、第二新卒が自力で転職を成功させるためのノウハウも包み隠さずお伝えします。
株式会社MEDISITE キャリアコンサルタント
阿部 翔大

データで見る第二新卒の転職市場の現状
まずは、現在の第二新卒(新卒入社後3年以内の離職者)を取り巻く転職市場の状況を、公的なデータに基づいて確認しておきましょう。
① 新卒3年以内の離職率(七五三現象)
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」によると、令和3年3月卒業の大卒者の3年以内離職率は34.9%です。つまり、約3人に1人が第二新卒として転職市場に出てきています。

この数字は直近15年で最も高い水準となっています。
② 企業の採用意欲
マイナビの「企業人材ニーズ調査2024年版」によると、第二新卒人材に対して74.7%の企業がよいイメージを持ち、今後の採用予定について80.9%が積極的な姿勢を見せています。特に従業員1,000人以上の企業では87.9%が第二新卒採用に意欲的です。

人手不足を背景に、若さと意欲を兼ね備えた若手人材への需要は非常に高い水準にあります。
【参考】マイナビ|企業人材ニーズ調査(2024年版)
阿部 翔大データからもわかる通り、第二新卒の転職市場は活況です。「早期離職=ネガティブ」という見方は薄れつつあり、74.7%の企業が第二新卒に対してよいイメージを持っています。企業側も「やる気がある」「適応しやすい」「将来を見据えた人材の確保ができる」と第二新卒を評価しており、エージェントを使わなくても、適切なアプローチさえできれば十分にチャンスはある状況と言えます。
第二新卒が転職エージェントを使わないメリット5つ


あえてエージェントを使わないことで得られる具体的なメリットについて解説します。
1. 自分のペースで活動できる
エージェントを利用すると、頻繁な電話連絡や「早く応募しましょう」という急かしが入ることがあります。自力での活動なら、完全に自分のスケジュールで進められます。仕事が忙しい時は休み、余裕がある時に集中して応募するなど、マイペースな転職活動が可能です。
2. 幅広い求人に応募できる
エージェントは「紹介手数料(年収の約30-35%)」が発生するため、資金力のある企業の求人が中心になりがちです。一方、自力で探せば、採用コストをかけられない中小企業やニッチな優良企業の求人にも出会える可能性があります。
3. 企業の熱量を直接感じられる
直接応募の場合、企業とのやり取りは全て自分で行います。メールの返信速度や文面、電話対応の雰囲気から、その企業の社風や社員の人柄をダイレクトに感じ取ることができます。エージェントというフィルターを通さない分、入社後のミスマッチを防げる場合もあります。
4. 志望動機を深く練ることができる
大量応募を推奨されるエージェント経由とは異なり、1社1社じっくり企業研究を行い、自分の言葉で志望動機を作成できます。マニュアル通りではない、熱意のこもった応募書類は、採用担当者の目に留まりやすい傾向があります。
5. エージェントの都合に左右されない
エージェントもビジネスである以上、「入社させやすい企業」や「紹介料が高い企業」を優先して勧めてくることがあります。自力での活動なら、こうしたバイアス(偏り)なく、純粋に自分が興味を持った企業だけを選んで応募できます。
第二新卒が転職エージェントを使わないデメリット5つ


一方で、エージェントを使わないことによるリスクや負担も確実に存在します。これらを事前に把握しておくことが重要です。
1. 非公開求人に出会えない
多くの大手企業や人気企業は、応募殺到を防ぐために求人を「非公開」にし、エージェント経由のみで募集を行っています。自力で探す場合、こうした優良求人の存在に気づくことさえできず、選択肢が狭まってしまう可能性があります。
2. 日程調整や交渉を全て自分で行う必要がある
現職を続けながらの転職活動では、面接の日程調整が大きな負担になります。また、内定後の年収交渉や入社日の調整も自分で行わなければならず、企業に対して言い出しにくい要望を伝えられないまま入社してしまうリスクがあります。
3. 客観的なアドバイスが得られない
自分の市場価値や、応募書類の改善点、面接での受け答えについて、プロの視点からのフィードバックが得られません。「なぜ落ちたのか」がわからないまま不採用が続き、自信を喪失してしまうケースも少なくありません。
4. ブラック企業を見抜きにくい
求人票や企業の採用サイトは、基本的に良いことしか書いていません。エージェントなら「ここは離職率が高いですよ」「残業の実態はこうですよ」と裏情報を教えてくれることがありますが、自力の場合は口コミサイトなどで必死に調べるしかなく、情報の精度に限界があります。
5. 孤独な戦いになる
転職活動は精神的な負担が大きいものです。不採用通知が続いた時や、迷いが生じた時に、相談できる相手がいないのは想像以上に辛いものです。モチベーションを維持し続ける自己管理能力が求められます。
第二新卒がエージェントを使わない場合の転職方法
エージェントを使わずに求人を探すための主なルートは以下の通りです。複数の手段を組み合わせることで、出会える求人の幅が広がります。
| 手段 | 特徴・メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 転職サイト (リクナビNEXTなど) | 求人数が圧倒的に多く、検索機能で条件を絞りやすい。スカウト機能で企業からオファーが届くこともある。 | 大量の求人から自分に合うものを探す手間がかかる。条件の悪い求人も混ざっている。 |
| 企業HPからの直接応募 | 志望度が高いことをアピールできる。エージェント手数料がかからないため、採用ハードルが下がる可能性がある。 | 募集ページを見つけるのが大変。そもそもHPで募集していない場合もある。 |
| 公的支援サービス (ハローワークなど) | 地元の求人や中小企業の求人が豊富。相談員に無料で相談できる。 | 求人票の形式が古く、詳細が分かりにくいことがある。大手企業の求人は少なめ。 |
| ビジネスSNS (LinkedIn、Wantedlyなど) | 企業のカルチャーを知りやすく、カジュアル面談から始められる。IT・ベンチャー系に強い。 | プロフィールを充実させる必要がある。即戦力採用が多く、未経験にはハードルが高い場合も。 |
| 知人の紹介 (リファラル採用) | 社内の雰囲気を事前に聞けるためミスマッチが少ない。選考が一部免除されることもある。 | 不採用になった場合や、入社後に辞めたくなった場合に人間関係に気を使う。 |
第二新卒が自力で転職活動を成功させるためのステップ
エージェントのサポートなしで成功を勝ち取るためには、計画的な行動が不可欠です。以下のステップを参考に進めてみてください。
STEP 1:徹底的な自己分析
「なぜ辞めたいのか」「次はどうなりたいのか」を言語化します。特に第二新卒の場合、「早期離職の理由」を他責(会社のせい)にせず、ポジティブな転職理由に変換できるまで深掘りすることが重要です。
STEP 2:情報収集と企業研究
興味のある業界・職種の動向を調べます。四季報や業界地図、企業のIR情報(投資家向け情報)などを読み込み、企業の安定性や将来性をチェックします。
STEP 3:応募書類の作成(第三者チェック推奨)
履歴書と職務経歴書を作成します。自分だけで完結させず、友人や家族に見てもらったり、有料の添削サービス(ココナラなど)を活用したりして、客観的な意見を取り入れましょう。誤字脱字は致命的なので、念入りに確認してください。
STEP 4:面接対策(想定問答集の作成)
「退職理由」「志望動機」「自己PR」「逆質問」の4つは必ず聞かれます。スマホで自分の回答を録画して見返すなど、模擬面接を一人で行うのも効果的です。特に退職理由はネガティブになりがちなので、ポジティブに言い換える練習を繰り返しましょう。
第二新卒が転職する際にエージェントを使わない方が良いケース・使った方が良いケース
全ての人がエージェントを使わない方が良いわけではありません。ご自身の状況に合わせて判断基準にしてください。
エージェントを使わない方が良い第二新卒
- 自分のやりたい仕事やキャリアプランが明確に決まっている人
- マイペースに活動したい、または現職が忙しすぎて連絡に対応できない人
- 行きたい企業が特定されており、そこ以外は考えていない人
- 文章力や自己表現力に自信があり、自分で書類作成や面接対策ができる人
エージェントを使った方が良い第二新卒
- 初めての転職で、何から始めればいいか全くわからない人
- 自分の強みが分からず、客観的なアドバイスが欲しい人
- 短期間(1〜2ヶ月以内)で効率よく転職を決めたい人
- 面接の日程調整や年収交渉を自分でする自信がない人
- 非公開求人(大手・人気企業)に応募したい人


実際の転職成功事例・失敗事例
実際にエージェントを使わずに活動した第二新卒の方々の事例を紹介します。
成功事例:Aさん(24歳・男性・営業職)
前職: 食品商社のルート営業(1年で退職)
転職先: ITベンチャーのインサイドセールス
勝因:
Wantedlyを使って企業の「中の人」とカジュアル面談を重ねたこと。エージェント経由では書類で落とされそうな経歴だったが、直接話すことで「行動力」や「地頭の良さ」を評価してもらえた。「なぜITなのか」「なぜその会社なのか」を徹底的に調べ上げ、熱意を伝えたのが奏功した。
失敗事例:Bさん(25歳・女性・事務職志望)
前職: 銀行の窓口業務(2年で退職)
結果: 転職活動が半年以上長期化し、妥協して入社した会社がブラック企業だった
敗因:
「事務職ならどこでもいい」という曖昧な動機で、求人サイトから大量に応募。書類選考は通るものの、面接で「なぜうちの会社なのか」を答えられず連敗。焦って内定が出た小さな会社に入社したが、求人票とは異なる労働条件(残業代なし等)で、再び短期離職を検討中。
転職を考えている第二新卒の方からよくある質問
Q1. エージェントを使わないと内定率は下がりますか?
A. 一概に下がるとは言えません。むしろ、直接応募の方が企業側の採用コスト(紹介手数料)がかからないため、スキルや経験が同程度であれば、エージェント経由の人よりも有利になるケースさえあります。ただし、書類の質や面接対策が不十分だと、当然ながら通過率は下がります。
Q2. 複数の転職サイトに登録した方がいいですか?
A. はい、最初は2〜3つの主要サイトに登録することをおすすめします。サイトによって掲載されている求人の傾向(大手向け、ベンチャー向け、地元密着など)が異なるからです。ただし、管理が大変になるので、最終的には使いやすい1〜2つに絞ると良いでしょう。
Q3. 在職中と退職後、どちらで活動すべきですか?
A. 基本的には「在職中」をおすすめします。退職後は収入が途絶えるため、焦って妥協した転職をしてしまいがちです。また、職歴に空白期間ができると、面接で不利になることもあります。どうしても現職が辛い場合を除き、働きながら準備を進めましょう。
まとめ|チャンスが多い第二新卒は無理に転職エージェントを使わなくてもOK。でも…
第二新卒が転職エージェントを使わずに転職活動を行うことは、決して無謀なことではありません。「自分のペースで進められる」「幅広い求人に出会える」「納得感のある選択ができる」といった大きなメリットがあります。
しかし、プロのサポートがない分、自己分析や企業研究、日程調整などを全て自分で行う覚悟と行動力が必要です。市場価値を客観的に見誤ったり、ブラック企業に捕まったりしないよう、慎重に情報収集を行うことが成功への鍵となります。
この記事を読んで「やっぱり少し不安だな」「自分の書類を誰かに見てほしいな」と思ったら、その時だけエージェントやキャリアコーチングを利用するのも賢い選択です。全てを自力でやるか、全てを任せるか、の0か100かではありません。あなたの性格や状況に合わせて、最適な手段を使い分けてください。
この記事のポイント総まとめ
- エージェントを使わない転職は「あり」。自分のペースで納得感のある選択が可能。
- ただし、非公開求人の機会損失や、ブラック企業のリスクには十分注意が必要。
- 第二新卒市場は活況。3年以内の離職率は約3割、企業の採用意欲も高い(データ参照)。
- 成功の鍵は「徹底的な自己分析」と「企業研究」。書類の質を高める工夫を。
- 自力かエージェントかに固執せず、状況に合わせて柔軟に手段を選ぼう。



もし、進め方に迷ったり、壁にぶつかったりした時は、いつでも相談に乗ります。あなたの新しいキャリアが素晴らしいものになるよう、心から応援しています。


