お客様の満足度とエステティシャンの給料を本気で上げたい。|有限会社シェルジー・浅野社長が語る、リピートされるサロンの思いやりと環境づくり

接客や美容の仕事は、目の前のお客様を喜ばせる一方で、「これって本当に手に職と言えるのかな」「体力が落ちたら続けられないかもしれない」と不安になりやすいものです。
売上や指名で評価が変わりやすく、休みも不規則になりがちで、「このまま続けて大丈夫かな」と迷う20代も少なくありません。
そうした“働き方への迷い”が当たり前になりつつある今、学生時代のいじめや貧しさを乗り越え、18歳でエステに出会って人生を切り開いてきたのが、有限会社シェルジーで「ミラクルバスト®」サロンを展開し、未経験スタッフを育てている浅野社長です。
幼いころから決して恵まれた環境ではなかったという浅野社長に、「人の体と心に向き合う仕事」をどう選び、どう続けてきたのかを伺いました。
有限会社シェルジー
取締役社長 浅野 有紀
18歳でエステ業界に入り、「ミラクルバスト®」を軸にバストアップ専門サロンを展開。厳しい環境の中で自分を変えてくれたのがエステだと語る。未経験からでも誇りを持って働けるよう、入社前研修や資格取得サポート、人事評価制度を整え、「エステティシャンが主役で、互いを応援し合える職場づくり」を掲げながら、バストの悩みと健康の両面から多くの女性を支えている。
厳しい環境から、エステに救われるまで

編集部浅野社長はお若く、すごくエネルギッシュな印象です。ずっと美容の道を歩んでこられたようにも感じますが、実際に今の仕事を始めたきっかけや、それまでの歩みを教えてもらえますか?



最初のきっかけは、18歳のときですね。痩身系のエステサロンでアルバイトを始めたんです。週3回くらい入って、現場に出ながら技術を覚えていきました。もともと母がエステティシャンだったので、「自分もいつかエステや美容の仕事に携わりたい」という気持ちはずっとありました。エステティシャンは海外だと国家資格が必要な国もあるので、実際にオーストラリアに1年留学して資格の勉強をしていました。



しっかり資格まで取りにいこうとしていたんですね。そこから「ミラクルバスト®」との出会いまでは、どんな流れだったのでしょう。



日本に戻ったタイミングで、ビューティーワールドジャパンという展示会に行ったんです。そこで「ミラクルバスト®」に出会いました。30〜40人くらいのサロンオーナーさんの前で、30分の施術でどれだけ結果が出るかを見せるデモがあって。そのとき、50代のお客様が施術後に涙を流しながら「こんなに変わるなら、もっと早く受けたかった」とおっしゃったんです。それが本当に衝撃的で。「バストでこんなに悩んでいる人がいるんだ」「この技術なら力になれる」と強く感じました。



目の前で人の表情が変わる瞬間を見たわけですね。そこで「これだ」と。



はい。そこから「ミラクルバスト®」を本格的に学んで、日本に戻ってから母のサロンで導入しました。母が22〜23年続けてきたお店を、私が22歳のときに継いだ形です。今は仙台・銀座・千葉の3店舗で、6〜8名のスタッフと一緒に運営しています。



聞いていると、10代のうちからエステ一筋で、すごく順調に来られたようにも感じます。



そうですね。でも、幼少期から高校くらいまでは恵まれた環境ではなかったんです。お金が無い中でも、両親は私を育てようと365日必死に働いてくれて、そのお陰で学生時代は、中学で始めた柔道で、柔道強豪校のアスリート科の推薦枠を貰うことができました。ただ、アルバイトをしたら退学というくらい厳しい環境でした。月2回休みがあるかどうかの中、朝から晩まで続く練習もしんどいですし、いじめも本当にひどかったんです。



心も体も、休まる場所がなかなかなかったわけですね。そんな中で、エステの仕事と出会い、環境がポジティブに変わっていったんですね。



はい。エステに出会って、お客様と向き合う時間が、初めて自分を受け入れてくれる場所になった感覚がありました。泣きながら喜んでくださる方も多くて、「自分の頑張りが誰かの役に立っている」とやっと実感できたんです。



厳しい環境だけでは得られなかった「人の役に立っている」という実感が、エステの現場で初めて手に入ったんですね。



そうですね。一個のことは簡単にやめるな、と言われて育ってきたんですけど、それが柔道だけじゃなくて、今の仕事にもつながっているなと思います。
バストだけじゃない。「体と心の全部」を預かる仕事で見えた学び





実際にサロンを継いでみて、「これはエステティシャンならではだな」と感じたやりがいはどんなところにありますか?



人間力を磨けるところです。エステって、個室でお客様と二人きりの空間で、体に触れながらお話をしますよね。一般的な話ですけど、初めて会う人に体を触られるのって嫌じゃないですか。でもエステティシャンには、心の奥の奥まで話してくださる方が多いんです。



家族や友達にも言えないことを、エステティシャンには話せるというか。



そうです。「ここでしか言えない」と思って、泣きながら打ち明けてくださる方もいます。そういう信頼関係を作れるのは、この仕事ならではだと思っています。



体だけでなく、心の深いところまでお預かりするお仕事なんですね。そのうえで、「ミラクルバスト®」は1回でも結果が出ると伺いましたが、お客様がリピートしてくださるのは、どんな理由が大きいのでしょうか。



うちはリピート型のサロンで、結果は1回でしっかり出しますが、その先の健康や5年後、10年後の体までサポートすることを大事にしています。バストだけじゃなく、血管や脳、自律神経など、体全体の仕組みもスタッフみんなで勉強しています。



見た目の悩みをきっかけに来たお客様の、「本当の悩み」にも向き合っているわけですね。



そうですね。眠れなくて毎日20錠も睡眠薬を飲んでいた方が、3カ月通ってくださって7錠まで減ったり。17錠飲んでいた方が、「ミラクルバスト®」を7回受けたあとは、その日だけは薬を飲まずに眠れたり。そういう変化もありました。



すごい変化です…。



バストが気になるから来てくださるんですけど、眠れない、疲れが取れない、将来の健康が不安など、潜在的に深い悩みを抱えている方も多いです。私たちは、見える部分だけじゃなくて、体と心の全部に向き合うつもりで接しています。お客様の人生に少しでも良い変化を起こせたら、という気持ちでやっていますね。
エステティシャンの給料を上げたい。単価と価値に向き合う決意



一方で、この業界ならではの課題も見えてきたのではないでしょうか。とくに「エステティシャンの給料」を強く意識されていると伺いました。



そうですね。エステティシャンのお給料を上げないといけない、というのは業界全体の課題だと思っています。今は物価も上がっていますが、エステティシャンの給料は高いとは言えないことが多いですよね。そうなると、職業として続けにくくなってしまう。



中には、「好きでやっているから、お給料は二の次」という方もいるかもしれませんが、それだと生活が続かないですもんね。



そうなんです。趣味の延長でやっている方もいますが、私は「ちゃんと仕事として成り立つようにしたい」と思っています。うちのサロンでは、未経験のスタッフが9割です。最初は月10-30万円しか売上をつくれなかった方も、1年経つと月150-200万円、早い子だと半年で大体120万前後、上げられるようになっていきます。



すごい…。シンプルに「どうやってそんなに伸ばしているの?」と気になります。



うちは回転率だけで勝負しないようにしています。一般的には、エステサロンってベッド数で売上の上限が決まるイメージがあると思うんですが、ただ急いで施術して回数をこなしても、お客様はゆっくりできないんですよね。エステなので、音やスピード感も含めて、心地よさが大事です。



たしかに、バタバタしたサロンにはあまり長く通いたくないかもしれません…。



そうですよね。なので、「お客様の満足度を上げてリピートいただく」ことに徹底的に向き合っています。1回で結果を出す技術と、それに見合った接客と知識をセットにする。バストだけじゃなく、全身に関する医学的な知識もしっかりと身に付けることで、お客様に安心していただき、「ここなら長く通いたい」と思ってくださって、最終的にリピートにつながります。



結果と接客の質を上げて、「安さ」ではなく「価値」で選ばれるサロンにしているわけですね。時間あたりの単価を上げるには、作業スピードだけでなく「この人に任せたい」と思ってもらえる付加価値が大事なんだなと改めて感じました。



単価が上がれば、お給料も上げやすくなりますし、スタッフの生活も安定します。そこは経営者として、これからも考え続けたいところですね。
一匹狼ではなく「チーム戦」。支え合う職場が力を引き出す



もう一つ気になったのが、サロンの「チーム感」です。エステは個人戦のイメージが強かったのですが、浅野社長はチームで売上を作るスタイルを大事にされているとか。



そうですね。エステティシャンって、お客様と1対1で向き合う仕事なので、どうしても「個人プレー」になりがちです。女性だけの職場は、人間関係がピリピリしているところも多いと聞きます。



正直、そのイメージを持っている人も多いと思います…。



うちは逆で、「チーム戦です」とスタッフにも伝えています。売上は個人の実績としてインセンティブがでますが、回数券で通ってくださるお客様は、みんなで担当するスタイルが多いです。誰が入っても同じクオリティで、サロン全体を好きになっていただくことをゴールにしています。



なるほど。だからこそ、みんなで助け合う空気ができているんですね。



はい。今も妊婦のスタッフがいるのですが、「大丈夫?座ってて。ここは代わるよ」と周りが自然に声をかけてくれます。その子も生活があるので、できる仕事はちゃんとやってもらいながら、マネジメントなど体に負担の少ない役割も任せています。



しんどい時に助けてくれる仲間がいる。それは心強いですね…。



休日も「この日しか来られないお客様がいるので出勤していいですか」と言ってくれるスタッフもいて、本当にありがたいです。働くことに前向きでいてくれるのは、経営者としてもすごくうれしいです。



職場の空気がいいと、結局、お客様への接客にも全部出ますよね。今、職場選びに迷っている方は、「仕事内容」だけでなく「チームで支え合える環境かどうか」を見ると、自分の力を出しやすい場所に出会えるかもしれませんね。
条件より「誰と働くか」。素直さとがむしゃらさがキャリアを変える





ここまでのお話を聞いていると、浅野社長は「誰と働くか」と「自分がどれだけ素直にがむしゃらに動けるか」をすごく大事にされていると感じました。一方で、今の若いビジネスパーソンの中には「嫌なことはしたくないけどお金は欲しい」「未経験だから会社が全部教えてほしい」といった気持ちをどこかで抱えている人もいます。そうした方たちに、あらためてどんなメッセージを伝えたいですか?



そうですね…。まずは「誰と働くか」を大事にしてほしいです。結局、自分の人生を変えられるのは自分だけですが、そのきっかけをくれるのは一緒に働く人だったりしますよね。



たしかに。いい上司や先輩との出会いで、人生が変わることは多いですよね。



だから、条件はいったん横に置いて、「この人と仕事してみたい」と思ったら、そこでがむしゃらにやってみるのが一番だと思います。その過程で、自分の評価も周りからの見られ方も変わっていきますから。



なるほど。ちなみに浅野社長は、スタッフを見るときに、どんな人と「一緒に働きたい」と感じますか?



素直な子ですね。本音で話せる関係性を大切にしているので、あまりガミガミ言わないんです。一緒に働いていた子に反発されたこともありますが、やりたくない仕事に対して、「やらなかったらどうなると思う?」とだけ聞いて、イメージしてもらいます。「そうなりたくないよね」と話すと、「やります」と自分で決めてくれる。



自分で気づいて、自分で選ぶことを促しているんですね。



そうですね。でも、正直言うと、「これやって」と言ったら素直にやって「終わりました」と返してくれる子のほうが、教えたくなりますし、伸びていきます。仕事が好きな子も、見ていて応援したくなります。エステや接客が好きで、お客様のことを一緒に考えられる子は、自分から勝手に学んで、どんどん成長していくのを実際に見ているので。



「この人のためなら力になりたい」と思わせてくれる人柄かどうか。そこが大事なんですね。



そうですね。条件だけを求めるのではなく、「自分もがむしゃらにやるから、この環境を選ぶ」という姿勢があれば、どこに行っても通用するんじゃないかなと思います。



ありがとうございます。今日のお話を聞いて、「逃げずに一つのことを続ける」「素直さとがむしゃらさで周りを味方にする」というシンプルだけど難しいテーマが、少し身近になった気がします。若いうちから意識しておくと、働き方も評価も、少しずつ変わっていきそうですね。浅野社長、今日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。








