事務の仕事は「パソコンができる人じゃないと無理」と思ってしまう方は少なくありません。求人票に「Word・Excel必須」と書かれているのを見て、自分には応募のハードルが高いと感じる人も多いでしょう。特にパソコンに自信がない人ほど、「やっぱり諦めたほうがいいのかな…」と迷ってしまうのではないでしょうか。
けれど実際のところ、事務職に就いている人の中には、最初からパソコンが得意だった人ばかりではありません。入社後に研修や先輩からの指導で覚えていったケースは珍しくなく、企業側も人柄や真面目さ、成長意欲を重視して採用することがあります。つまり、パソコンができないという理由だけで事務職を諦める必要はないのです。
この記事では、事務職に本当に求められるパソコンスキルのレベルや、パソコンが苦手でも挑戦しやすい事務仕事の種類、短期間でスキルを身につける方法、そして未経験に強い転職エージェントまでを紹介します。読み終えたときには、「自分にもできそうだ」と思えるはずです。
株式会社MEDISITE キャリアコンサルタント
阿部 翔大

【結論】事務職はパソコンができなくても大丈夫!
【引用】Yahoo!知恵袋|事務職に初めて就職した方にお聞きしたいのですが。
このように、「パソコンが苦手だから事務職は無理かもしれない」と感じる人は少なくありません。しかし実際には、事務職に就いている人の中にも最初からパソコンが得意だったわけではない人は多くいます。大切なのは、いま完璧に操作できるかどうかよりも、これから学んでいこうという意欲や真面目さです。さらに、研修制度を整えて未経験者を受け入れている職場も増えているため、パソコンができないことだけを理由に諦める必要はありません。

パソコンスキル以上に企業は〇〇を求めている
事務職というと「パソコンが使えないと無理」と思ってしまいがちですが、採用現場で実際に重視されているのはそれだけではありません。企業が見ているのは、業務に取り組む姿勢や人柄、そして周囲とスムーズにやり取りできるコミュニケーション力です。
たとえば、入力スピードが少し遅くても、正確にコツコツ作業を進められる人は高く評価されます。また、電話応対や社内外とのやり取りで丁寧に対応できる人は、パソコン操作よりもむしろ大きな強みになることもあります。
株式会社学情が行った調査によれば、未経験歓迎の企業のおよそ79%が「人柄や社風との相性」を重視すると回答しており、さらに約9割の企業が「コミュニケーション力」を最も重要視する能力として挙げています。
【引用】株式会社学情_PR TIMES|業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは「人柄・社風との相性」が8割近く。
【引用】株式会社学情_PR TIMES|業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは「人柄・社風との相性」が8割近く。

つまり、事務職に必要なのは完璧なパソコンスキルではなく、基本的な操作を覚える意欲と誠実に仕事を進める力。この2つがあれば、未経験やパソコンが苦手な人でも十分に採用のチャンスがあります。
パソコンができない人向けの研修制度が整っている職場もある
さらに安心してほしいのは、近年では「未経験者を育てる」ことを前提にした企業や派遣会社が増えているという点です。入社後にパソコンの基本操作やExcelの初歩から学べる研修制度を用意している職場もあり、スキルに自信がなくてもゼロからスタートできます。
特に大手企業の一般事務や、派遣会社を通じた就業では、最初に「WordやExcelの基本講座」を受けられるケースも多くあります。最近では、オンラインで学べる教材や動画研修を取り入れている会社もあり、働きながら自然とスキルアップできる環境が整っています。



「できないから不安」と思っていたことも、実際に働きながら学んでいける仕組みがあれば、大きなハードルではなくなります。事務職は、未経験からでも挑戦しやすい仕事のひとつなんです。
事務職の求人票に「PCスキル必須」と書かれている理由


事務職の求人票を見ると、多くの企業が「Word・Excel必須」や「PCスキルがある方歓迎」と記載しています。これは、事務の仕事にパソコンを使う場面が日常的に存在し、業務をスムーズに進めるための最低限のツールだからです。
まず、事務職の業務の中心には「文書作成」「データ管理」「社内外とのやり取り」があります。見積書や社内通知文の作成にはWordを、売上表や顧客リストの管理にはExcelを使うのが一般的です。また、メールでの連絡や社内システムを使った情報共有なども日常的に行われています。こうした作業はほとんどがパソコンを介して行われるため、求人票には「必須」と明記されるのです。
さらに、採用する企業側の立場から見れば、基本的な操作に時間がかかりすぎると業務の効率が落ちてしまうという懸念もあります。そのため「最低限のパソコンスキルを持っている人」を採用条件に掲げることで、教育コストを抑えつつ、現場の即戦力になってほしいという意図があるのです。
ただし、ここで言う「必須」とは、必ずしも高度な関数やマクロを使いこなせるレベルを意味してはいません。文書を作成して保存できる、Excelで表を作って合計を出せる、メールにファイルを添付して送れるといった基礎的なレベルで十分とされることが多いのが実情です。
求人票に「PCスキル必須」と書かれているのは、事務の仕事にパソコンが欠かせないからであり、業務を進めるうえで必要最低限の準備をしておいてほしいというメッセージなのです。
あなたのパソコンスキルはどれくらい?1分で完了するパソコンスキルチェック


次の項目に「○」か「×」で答えてみましょう。
- □ Wordで文書を作成し、名前をつけて保存できる
- □ Wordに表や画像を挿入したことがある
- □ Excelで表を作り、数字を入力して合計を出せる
- □ ExcelでSUMやAVERAGEなどの基本関数を使ったことがある
- □ メールにファイルを添付して送受信できる
- □ 1分間に50文字以上(原稿用紙1行程度)を入力できる
- □ デスクトップにフォルダを作り、ファイルを整理できる
- □ Google DriveやOneDriveなどクラウドにファイルを保存したことがある分に合った求人をプロが紹介してくれる
チェック結果
- ○が6個以上:事務職に応募できるレベル!安心して転職活動を始められます。
- ○が3〜5個:基礎はできています。あと少し学習すれば十分通用します。
- ○が0〜2個:これから伸ばせるチャンス!短期間の学習やエージェント研修でカバー可能です。
事務職に採用されるために最低限身につけたいパソコンスキル


事務職の求人票に「PCスキル必須」と書かれていても、求められるのは決して高度なスキルではありません。文書の作成や簡単な表計算、メールでのやり取りなど、基礎的な操作ができれば十分です。この章では、未経験からでも比較的短期間で身につけられるパソコンスキルを紹介します。
Word|文書作成と書式設定の基礎
Wordは、社内文書や案内状、報告書の作成に使われることが多いソフトです。最低限できておきたいのは、文書を入力して保存すること、文字の大きさやフォントを変更すること、そして見出しや箇条書きを使って読みやすく整えることです。
表や画像を挿入できれば、ほとんどの事務作業には対応できます。
Excel|表作成と四則演算レベルで十分
Excelは、数字やデータを扱うときに欠かせないツールです。といっても、いきなり複雑な関数やマクロを使いこなす必要はありません。行と列を使って表を作り、数字を入力して合計や平均を出せるレベルで十分です。
たとえば「=SUM(A1:A10)」といった基本の関数が使えれば、未経験の事務職でも安心してスタートできます。
メール・チャット|ビジネスマナーを押さえれば安心
事務職では、社内外とのやり取りにメールやチャットツールを使うことが日常的にあります。ここで大切なのは高度な操作ではなく、ビジネスマナーです。件名を簡潔に書く、宛先やCCを正しく設定する、添付ファイルを間違えずに送るといった基本を押さえていれば問題ありません。
最近はTeamsやSlackといったチャットツールを導入している企業も増えているため、簡単な使い方に慣れておくとより安心です。
パソコンが苦手・できなくても始めやすい事務業務の種類


事務職と一口に言っても、その仕事内容は幅広く、求められるスキルレベルも異なります。なかには高度なパソコン操作を必要とするポジションもありますが、未経験者やパソコンが苦手な人でも挑戦しやすい職種も存在します。この章では、比較的ハードルが低く、これからスキルを伸ばしたい人におすすめの事務職の業務の一部を紹介します。
データ入力や庶務|基本操作ができればOK
データ入力や庶務業務は、事務職のなかでも最もシンプルな仕事内容です。既存のフォーマットに数字や文字を入力したり、社内資料をコピーしてファイリングしたりと、難しい操作はほとんどありません。Excelも複雑な関数を使う必要はなく、表に数値を入れて合計を出せる程度で十分です。



正確さとコツコツ取り組む姿勢があれば、パソコンスキルに自信がなくても始めやすい業務です。
受付・総務アシスタント|人柄重視の採用も多い
受付や総務アシスタントの仕事は、来客対応や電話応対、備品管理など、人と接する場面が多いのが特徴です。そのため、パソコンスキルよりも、明るく丁寧な対応ができるか・周囲と協力しながら仕事を進められるかといった人柄が重視されることが少なくありません。もちろんPCを使う場面もありますが、スケジュール管理やメール対応など基本的な操作ができれば対応できます。



コミュニケーション力やホスピタリティを活かせるので、接客経験からの転職にも向いています。
未経験歓迎求人が多い派遣・契約社員からのスタートも有効な選択肢
「正社員の事務はハードルが高い」と感じる人には、派遣や契約社員としてのスタートも有効な選択肢です。派遣会社の中には、就業前に無料のパソコン研修を提供してくれるところもあり、基礎スキルを身につけたうえで職場に入れます。
【引用】日本リック採用サイト|未経験から始める事務職
また、派遣や契約社員は未経験歓迎の求人が多いため、事務経験を積む入口として適しています。



実績を積んでから正社員を目指すルートも現実的であり、キャリアをつくる第一歩になりやすいのが特徴ですね。
パソコンができないけど事務職を目指したい人が転職活動を有利に進めるポイント


パソコンが得意でなくても、転職活動の工夫次第で事務職への道は開けます。大切なのは、苦手だから無理と引いてしまうのではなく、できない部分をどう補うか・どんな強みでカバーできるかを伝えることです。この章では、採用担当者に好印象を与えるための具体的なポイントを紹介します。
志望動機は「パソコン苦手克服×成長意欲」で伝える
採用側が不安に思うのは「入社してもスキル不足でついていけないのでは?」という点です。そこで、志望動機では「パソコンスキルはまだ十分ではないが、学びながら成長したい」という意欲を前向きに伝えることが重要です。
たとえば「現在はExcelの基礎を学習中で、入社後も積極的にスキルを磨いていきたい」と具体的に言えると、意欲が評価されやすくなります。




前職の経験を事務に活かせる形でアピールする
パソコンスキルに不安がある場合でも、前職の経験を事務業務に結びつけてアピールすることは十分可能です。販売職でのレジ締め経験は「数字を正確に扱える力」、接客業でのクレーム対応は「冷静な対応力」、飲食業での発注・在庫管理は「データ管理やチェックの正確さ」といった形で置き換えられます。
企業は「どんな経験をどう活かせるか」を知りたいので、強みを事務の文脈に合わせて伝える工夫が有効です。
資格や学習中の取り組みを応募書類に書く
パソコンスキルに不安がある場合でも、前職の経験を事務業務に結びつけてアピールすることは十分可能です。販売職でのレジ締め経験は「数字を正確に扱える力」、接客業でのクレーム対応は「冷静な対応力」、飲食業での発注・在庫管理は「データ管理やチェックの正確さ」といった形で置き換えられます。
企業は「どんな経験をどう活かせるか」を知りたいので、強みを事務の文脈に合わせて伝える工夫が有効です。
パソコンスキルを短期間で習得する方法


事務職を目指すうえで「パソコンが苦手」という不安を少しでも減らすには、やはり応募前から基本操作を学んでおくのが効果的です。難しい勉強を長期間続ける必要はなく、数週間から数か月の短い期間でも基礎を身につけることは十分可能です。この章では、未経験者でも取り組みやすい学習方法を紹介します。
無料学習サイトやYouTubeで独学をする
まず気軽に始めやすいのが、インターネットを使った独学です。YouTubeには「Excelの基本操作」や「Wordの文書作成」などを解説した無料動画が豊富にあり、初心者でも一つひとつ手を動かしながら学べます。
学習サイトの中には練習用のサンプルファイルを配布しているものもあり、実際に入力して試すことで理解が深まります。お金をかけずに学べるため、第一歩としておすすめです。
MOSなど資格取得を目指す
より体系的に学びたい人は、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)の資格取得を目指すのも有効です。MOSの学習教材は「Word基礎編」「Excel基礎編」といった段階ごとに用意されており、試験勉強を通じて必要な操作を一通り学べます。
資格が履歴書に書けるというメリットもあり、採用担当者に対して「学ぶ姿勢」と「最低限のPCスキル」を証明できる点で有利になります。
エージェントや派遣会社の無料研修を活用する
転職エージェントや派遣会社を利用すると、登録者向けに無料のパソコン研修を受けられる場合があります。実務で使うExcelやWordの基本を短期間で学べるようプログラムが組まれており、プロの講師から直接教わることができる点が強みです。
独学よりも効率的に学べるので、学習が続かない人や短期間で集中して習得したい人に向いています。
一般事務未経験者の転職・就職に強い転職エージェント


ノビルキャリア|事務職未経験の20代に寄り添う「可能性重視」の転職・就活サポート


運営会社 | 株式会社MEDISITE |
公開求人数 | 45,000件~ |
対応地域 | 全国 |
対象年齢 | 18~29歳 |
研修制度 | あり |
「ノビルキャリア」の特徴は、これまでに培った経験を強みとして言語化し、未経験OKの事務職などへの転職成功率が高い点にあります。実際に、ノビルキャリアのサポートを受けた事務職未経験者の多くが内定を獲得しています。
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- 未経験から一般事務への転職をポジティブに伝える面接対策
- 自己PRが苦手な人向けの模擬面接
- ブラック企業を排除した独自求人ネットワーク
- 事務職経験のあるアドバイザーが在籍しており、親身に対応してくれる
- 「人柄重視」「未経験OK」な求人を多く保有し、優先的に紹介してくれる
就職カレッジ|就職成功率80%以上!研修付きのため一般事務未経験の方でも安心


運営会社 | 株式会社ジェイック |
公開求人数 | 非公開 |
対応地域 | 全国 |
対象年齢 | 18~29歳 |
研修制度 | あり |
「就職カレッジ」は、20代の若手・未経験者向けに特化した転職支援サービスで、スキルや実績はないがキャリアチェンジを目指したい方に非常に適しています。特徴は、転職サポートの前にビジネスマナーや職種理解を深める研修がある点。「PCスキルに自信がない」「事務って実際何するの?」といった不安を抱える方でも、基礎から学び直せるため安心です。
研修後は企業との集団面接会に参加でき、未経験歓迎の事務・営業・ITサポート職などに一気に内定が出ることも。実際、就職カレッジ経由の内定率は80%以上を誇り、アルバイトやフリーターからの脱却を目指す方にも心強い味方です。
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- マナーや自己分析、面接練習まで徹底サポート
- 研修を通過した人材として企業からの信頼も高い
- 未経験職種への不安を研修で払拭できる
- 転職成功率が高く、集団面接会を通じてスピード内定が可能
ハタラクティブ|未経験転職に強い!豊富な求人と高い内定率


運営会社 | レバレジーズ株式会社 |
公開求人数 | 5,000件~ |
対応地域 | 全国 |
対象年齢 | 18~29歳 |
研修制度 | なし |
「ハタラクティブ」は、フリーターや無職の方など、正社員未経験の20代を中心に転職支援を行うエージェントです。特に一般事務職へのキャリアチェンジ支援に強く、未経験OKの求人が豊富に揃っています。キャリアアドバイザーは経験が浅い人向けの支援に慣れており、「自分の何が評価されるのか分からない」という不安に対して、職務経歴書や面接のアドバイスを丁寧に行ってくれます。
また、書類選考なしで面接に進める企業も多いため、「まずは話してみたい」という方にもおすすめです。これまでの経験やポテンシャルを武器に未経験職種への転職を目指す人にとって、非常に心強いパートナーです。
- 自己分析から求人紹介まで最短3日で内定が出るスピード感
- 書類添削や面接対策の質が高く、親身な対応が評判
- 都市部での就職を目指す方にとっては最有力候補
- 未経験歓迎の求人が豊富で、事務・営業・サポート職の紹介実績が多い
- 書類選考なしで面接に進める企業もあり、転職初心者でもスムーズに選考を進めやすい
まとめ|「パソコンできない」からの一歩が未来を変える


パソコンが苦手だからといって、事務職を諦める必要はありません。必要なのは高度なスキルではなく、基礎を学んでいこうとする意欲と、これまでの経験を活かそうとする姿勢です。小さな一歩を踏み出すことで、新しい働き方やキャリアの可能性が広がっていきます。
この記事のポイント総まとめ
- 事務職はパソコンが得意でなくても挑戦できる
- 企業が重視するのはスキルだけでなく人柄や成長意欲
- 「PCスキル必須」は基礎操作レベルを意味することが多い
- データ入力や庶務、受付など始めやすい職種がある
- 志望動機では「苦手克服への意欲」をアピールするのが有効
- MOS資格や無料研修を活用すれば短期間でスキル習得できる
- 転職エージェントを利用すれば未経験者でも安心して準備できる
不安を一人で抱えず、まずはエージェントに相談してみよう
「パソコンができない」という不安は、多くの未経験者が抱える共通の悩みです。だからこそ、同じ状況の人をサポートしてきた転職エージェントに相談することが、最短の解決策になります。求人の紹介だけでなく、応募書類の書き方や面接での伝え方、さらにはスキル研修まで無料で受けられるケースもあります。



一人で悩んで立ち止まるよりも、プロのサポートを受けながら動き出すことで未来は大きく変わります。今の不安を「行動のきっかけ」に変えて、まずは気軽にエージェントに相談してみてください。
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