建てて終わりじゃない、家を通して未来を設計する|株式会社アニバーサリーホーム 宮田代表の「光と風の家づくり」

「このままずっと賃貸でいいのか」「家を持つならどんな家が安心なんだろう」
そう考えながら、スマホで情報を検索しては、閉じる。
住宅会社の広告やSNSの“おしゃれな家”を見ても、自分にとって本当に良い住まいは、なかなかイメージしにくいはずです。とくに20代のうちは、お金も限られるなかで、住まいについて冷静に考えるのは簡単ではありません。
そんな現実に向き合いながら、光と風を生かした家づくりで家族の時間を支えてきたのが、注文住宅会社アニバーサリーホームの代表・宮田さんです。
今回は、子ども時代の住まいの記憶を原点に、適正価格へのこだわり、一人の担当者が最初から最後まで関わる一貫体制、そして家族の思い出を受け継ぐ住まいづくりについて伺いました。
株式会社アニバーサリーホーム
代表取締役 宮田 裕一
古い長屋の借家で育った経験から、「思い出を受け継げる家を、手の届く適正価格で届けたい」という想いを持つ。営業・設計・工事監理まで一人の担当者が責任を持って関わる一貫体制と、地域に根ざした家づくりを大切にしている。
子ども時代の住まいの記憶が、今の家づくりの原点
編集部宮田代表の家づくりの原点には、子どもの頃の住まいの記憶があると伺いました。どんな環境で育ったのでしょうか?



僕は古い長屋の借家で育ちました。大きな地震が来たらすぐに崩れてしまいそうな家で、冬はすき間風も入ってきました。でも、その家には家族との思い出がたくさん詰まっていたんです。柱についた身長のしるしだったり、子どもの頃につけた傷だったり、今思い返してもいろいろな記憶が残っています。



快適さだけではなく、思い出もまた住まいの大切な価値なんですね。



そうですね。だからこそ、ただ新しい家を建てるだけではなくて、家族が長く安心して暮らしながら、思い出を積み重ねていける住まいをつくりたいと思うようになりました。建物そのものだけじゃなく、そこで育つ時間ごと受け継いでいける家が理想です。



その考え方が、アニバーサリーホームさんの家づくり全体につながっているのでしょうか。



はい。私たちは創業以来、住まいの適正価格にこだわってきました。昔は、高価な大手ハウスメーカーか、品質に不安のある住宅か、極端な選択肢になりがちでした。でも、本当は安心できる品質の家を、もっと手の届く形で届けるべきだと思っています。



品質と価格、どちらかを諦めるのではなく、両立を目指しているんですね。



そうです。安全で安心な家、暖かくて住み心地のいい家を前提にしたうえで、無駄を減らして適正価格に近づける。その考え方は、今も変わっていません。
分業制では届かない「暮らしの思い」を最後まで届けたい



宮田代表は、一人の担当者が「最初から最後まで関わる体制」を大切にしているそうですね。



そうですね。一般的には、営業、設計、現場監督と役割が分かれていることが多いです。それ自体は効率的ですが、一方で、お客様が最初に話してくれた「この家でどう暮らしたいか」という想いが、途中で薄れてしまうこともあります。



なるほど…。伝言ゲームのようになってしまうことがあるわけですね。



そうなんです。だから私たちは、営業・設計・工事監理まで、一人の担当者が責任を持って関わる一貫体制を大切にしています。最初に伺った思いを、そのまま最後まで形にしたいんです。お客様にとっても、窓口がずっと同じほうが安心だと思います。



価格面にもつながる考え方なんでしょうか。



はい。家づくりのコストは、材料費だけでなく人件費の影響も大きいです。必要以上に分業しないことで、無駄なコストを抑えやすくなる面もあります。ただ安くするためではなく、納得できる家を適正価格で届けるための仕組みですね。



想いを伝えやすくて、且つ、価格面でも合理的なんですね。



そう思います。効率だけで考えれば別の方法もあるかもしれませんが、私たちはお客様の暮らしのイメージを最後まで背負いたいんです。
光と風、中庭…家族の未来まで見据えた設計





宮田代表は、光と風を取り込む設計にもこだわっていると伺いました。



はい。朝から晩まで電気だけで暮らす家は、やっぱり息が詰まりやすいと思うんです。自然の光が入って、風が抜ける家のほうが気持ちよく暮らせます。そのためには、窓の位置や取り方がとても重要です。



一般的には「南向きの土地がいい」と言われますよね。



もちろん南向きにメリットはあります。でも、南側が道路だと、大きな窓をつけても外から丸見えで、結局カーテンを閉めっぱなしになることもあります。大事なのは方角だけではなく、視線を気にせず光と風を取り込めるかどうかです。



中庭のニーズも増えていると伺いました。



はい。中庭があると、道路に飛び出す心配もなく、周りの視線も気にせずに子どもを遊ばせられます。水遊びをしてもいいですし、親も一緒に裸足で走り回れます。忙しくてなかなか遠くへ出かけられないときでも、BBQをしたり、休日のブランチや普段の食事、コーヒータイムを中庭で過ごしたりするだけで、ちょっとしたカフェテラスのような気分になれます。



日常の中でそういう時間があるのはいいですね…!



簡単な食事でも、子どもにとっては外食のような特別感がありますし、家族の時間が自然と豊かになるんです。



暮らしの楽しさまで設計している感じがします。



家は建てて終わりではありません。夫婦二人の時期があって、子どもが生まれて、成長して、また夫婦二人になる。暮らし方は変わっていくので、その変化を受け止められる住まいであることが大事です。家も家族の一員のようなものだと思っています。
建てた後も見守れるように、地域に根ざす



アフターフォローの考え方にも、特徴があるそうですね。



私たちがつくった住まいは、私たちが一番よく知っています。傷んだところがあれば直して、暮らし方が変われば手を入れていく。そうやって長く付き合っていくことが大切だと思っています。



なるほど…。だから施工エリアも絞っているんですね。



そうです。私たちは、何かあったときにすぐ駆けつけられる知多半島エリアを中心に家づくりをしています。建てた瞬間がゴールではなく、その後の暮らしが本番ですから。遠くまで広げすぎるより、責任を持てる範囲でしっかり向き合いたいんです。



地域密着には、そういう理由があるんですね。



はい。家づくりは、お引き渡しの日だけで終わるものではありません。その家でご家族がどんな時間を過ごしていくかまで考えて、長くお付き合いしていきたいと思っています。
建築業界を目指す20代へ。「人が好き」と「責任感」から始めよう



ここまで伺ってきて、建築業界に興味を持った読者もいると思います。宮田代表は、どんな人がこの仕事に向いていると考えますか?



まずは、人と関わることが好きな人ですね。家づくりは、お客様だけではなく、職人さんをはじめ多くの人と一緒につくっていく仕事です。人と話すこと、相手の想いを受け取ることが大事になります。



たしかに、それは必須スキルと言ってもいいかもしれませんね。ほかには、どんな力が大切でしょうか?



好奇心と責任感だと思います。街を歩いていて「この家、いいな」と感じたり、光の入り方や窓の配置が気になったり、そういう小さな興味が積み重なると、提案の引き出しが増えていきます。そして、家は建てたあと何十年も人が暮らす場所なので、自分の仕事がその先の生活につながるという責任感も欠かせません。



目の前の図面ではなく、その先の人生まで見ているんですね。



そうですね。だからこそ、ただ建物をつくるのではなく、その家に住む人の未来を想像しながら設計していく必要があります。楽なことばかりではありませんが、暮らしを支える仕事としてのやりがいはとても大きいです。



人が好き、暮らしが好き、ものづくりが好き。そんな気持ちがある人には、大きなやりがいがありそうですね。今日は、住まいの原体験から、適正価格、一貫体制、地域密着の考え方まで、たくさんのヒントを伺いました。宮田代表、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
