転職エージェントは使わない方がいい?使うべき人との違い・代替え手段を解説

「転職エージェントは使わない方がいい」というネット記事や知人の声を目にして、登録すべきか迷っているのではないでしょうか。エージェントを使わない方が良いケースは実際にありますが、何を根拠に判断するかがわからず登録自体を保留してしまうと、後で「一度相談だけでもしておけばよかった」と後悔する場面もあります。

結論として、転職エージェントは全員にとって正解のサービスではありません。ただし「使わない方がいい」と語られる背景には、エージェント側の構造的な事情と、求職者側の状況のミスマッチが組み合わさっています。背景を理解せずに「使わない方がいい」と決めるのは、19〜34歳の若手層にとってもったいない選択になる場面もあります。

この記事では、エージェント業界の構造、使わない方がいい人と使った方がいい人それぞれの特徴、エージェントを使わない場合の代替手段5つ、決断のための判断フローまで解説します。「使うかどうかをまだ決めかねている」方はぜひ参考にご覧ください。

この記事の監修者

株式会社MEDISITE キャリアアドバイザー

阿部 翔大

目次

「転職エージェントを使わない方がいい」と言われる5つの背景

「転職エージェントを使わない方がいい」という声が広がる背景には、エージェント業界の構造的な問題と、求職者側の体験が組み合わさっています。感情論ではなく、なぜそう言われるのかを構造的に理解することが、自分にとって使うべきかどうかを判断する第一歩です。

背景1:担当キャリアアドバイザーの質にばらつきがある

エージェントの担当者は、業界経験10年以上のベテランから入社半年の新人まで幅広く、同じエージェント会社の中でも担当者によってサポートの質が大きく変わります。同じ求職者が異なる担当者と面談しても、提案される求人や面接対策の精度はまったく違うものになります。

背景2:希望と違う求人ばかり紹介されることがある

エージェントには「企業からの紹介料を売上にする」というビジネスモデル上の事情があり、担当者が自分のノルマや得意領域から外れない求人を優先することがあります。求職者の希望と求人の方向性が合わないまま面談が進むと、「使わない方がよかった」という感想につながりやすくなります。

背景3:連絡頻度・面談ペースが合わないことがある

在職中の求職者にとって、平日昼間の電話や夜遅くのLINEが負担になるケースがあります。一方で、エージェント側は応募締切や選考スケジュールに合わせて連絡を入れる必要があるため、ペースのすり合わせができないと「しつこい」「急かされる」という印象につながります。

背景4:エージェント側のスクリーニングで足切りされることがある

エージェントは企業に推薦する前に、社内で求職者を選別しています。短期離職が複数回ある、年齢と経験のバランスが企業の求める要件と乖離している、希望条件が市場相場と合わない、といった場合に企業に推薦されないケースがあります。求人の自由閲覧型サイトと違い、エージェント経由では「そもそも応募できる求人」が絞られることがあります。

背景5:紹介料の構造が選考に影響することがある

エージェント経由で採用が決まると、企業はエージェントに年収の30〜35%程度の紹介料を支払います。そのため、企業側に「同じ採用条件なら、紹介料がかからない直接応募者の方が経済合理性が高い」という判断軸が働く場面があります。直接応募と比べて経済的に不利になる場面があることも、「使わない方がいい」と語られる一因です。

【キャリアアドバイザー事例1】
ある26歳の男性営業職の方(業界:通信・年収380万円)から、「大手エージェント2社に登録したが、毎日のように電話がかかってきて疲弊した。希望と違う求人ばかり提案された」とご相談を受けたことがあります。深掘りすると、登録時のヒアリングが20分程度で終わり、希望条件の優先順位や転職軸が整理されないまま求人紹介が始まっていました。当社では面談に90分かけ、希望条件を「絶対条件・将来条件・妥協可能」の3層に分けて再整理。その後、紹介求人の方向性が合うようになり、3社目の応募で内定が出ました。ここで重要なのは、エージェントを使うかどうかの前に、面談で時間をかけて転職軸を整理してくれる担当者かどうかを見極めることです。

阿部 翔大

「使わない方がいい」と言われる背景には、エージェント側のビジネス構造と、担当者の力量のばらつきが組み合わさっているんです。僕も別の担当者にバトンタッチした方の話を伺うと、同じエージェント会社でも「全然サポートが違った」と言われることがあります。だからこそ、エージェント全体を一括りにするのではなく、面談の質で判断してほしいんですよね。

データで見る転職エージェントの利用率と満足度

「使わない方がいい」という主観的な声だけでなく、客観的なデータからエージェントの実態を確認しましょう。厚生労働省「雇用動向調査」では、転職入職者の入職経路として「広告」「縁故」「ハローワーク」「人材紹介サービス(エージェント)」「出向」などが集計されています。人材紹介経由の入職者は全体の1割前後で、年代別では20〜30代で高くなる傾向があります。

【参考】厚生労働省|雇用動向調査

当社の支援データでは、面談に来られた方の約67%が応募承諾に進み、書類選考通過率は81.5%(493件中402件)です。一方で、内定承諾後の辞退率は25.8%(120件中31件)にのぼり、「承諾後でも気持ちが揺れる」のが転職活動のリアルです。エージェント利用そのものが成果を保証するわけではなく、自分の状況・担当者との相性・利用の仕方で結果が大きく変わります

図解1:エージェント利用の実態数値(当社支援データ)
67%
面談→応募承諾率
81.5%
書類通過率(493件中402件)
25.8%
内定承諾後辞退率

出典:弊社調べ(当社支援データ・直近実績)

【キャリアアドバイザー事例2】
ある24歳の女性事務職の方(業界:物流・年収310万円)から、「エージェントを使わずに転職サイトの求人に直接応募したが、書類で7社連続で落ちた」とご相談を受けたことがあります。職務経歴書を拝見すると、業務内容は記載されていましたが、数値での成果や担当した案件の規模が書かれていませんでした。当社の面談で「請求書発行を月に何件処理していたか」「ミスゼロでの継続期間はどれくらいか」を一緒に棚卸しし、職務経歴書を「月間500件の請求処理を2年間ミスゼロで継続」と書き直したところ、応募4社中3社で書類選考通過しました。ここで重要なのは、自力転職でも書類の質次第で結果が変わるという事実です。

転職エージェントを使わない方がいい人の5つの特徴

エージェントを使わない選択が合理的な方には共通する特徴があります。以下5つのうち3つ以上当てはまる方は、エージェントを使わない(または併用する程度にとどめる)選択が向いています。

特徴1:志望企業・志望ポジションが明確に決まっている方

「A社のマーケティング職に応募したい」「B社の特定部署に挑戦したい」と志望が固まっている方は、エージェントを通すと逆に時間がかかります。直接応募の方が志望度の高さが伝わり、書類選考でも有利に働きます。

【キャリアアドバイザー事例3】
ある27歳の男性Webディレクターの方(業界:広告・年収450万円)から、「志望企業が3社に絞れていて、エージェント経由か直接応募か迷っている」とご相談を受けたことがあります。志望度が高く、各社の事業内容も具体的に語れる状態でした。当社からは「直接応募の方が志望動機の温度が伝わる。エージェントは滑り止め用に1社だけ登録し、本命3社は直接応募で進める」と助言しました。結果、第一志望企業から内定が出ました。ここで重要なのは、志望企業が固まっている方は直接応募の方が温度感を伝えやすいという点です。

特徴2:業界・職種知識が豊富で市場相場を把握している方

同業界・同職種で5年以上の経験がある方や、業界の年収相場・求人動向を把握している方は、エージェントから得られる市場情報の価値が相対的に低くなります。自分で求人サイトを見て判断できるため、エージェントの介在による時間コストの方が重くなります。

【キャリアアドバイザー事例4】
ある32歳の男性ITエンジニアの方(業界:SaaS・年収620万円)から「7年同業界で経験を積んだが、エージェントから紹介される求人がどれも見覚えのある内容で、新鮮味がない」とご相談を受けたことがあります。職務経歴書の自走力も高く、面接対策も自力で完結できるレベルでした。当社からは「現職と同水準以上の求人を直接応募で2〜3社、スカウト型サービスでヘッドハント案件を3〜5社、エージェントは限定的に使う」とお伝えしました。結果、スカウト経由で年収80万円アップの内定を獲得しました。ここで重要なのは、市場知識が豊富な方は情報収集経路を分散させた方が選択肢が広がるという点です。

特徴3:人脈・リファラル経路がある方

前職の同僚・大学の同期・業界コミュニティを通じて求人情報を得られる方は、リファラル採用の方が選考スピードも内定率も高くなる傾向があります。リファラルは紹介者のフィルターを通っているため、企業側の信頼度も高くなります。

【キャリアアドバイザー事例5】
ある29歳の女性人事担当の方(業界:人材・年収480万円)から、「前職の同僚から3社のリファラル紹介が来ている。エージェントも併用すべきか」とご相談を受けたことがあります。リファラル3社のうち2社は本命で、選考も内定も早く進む見込みでした。当社からは「リファラルを軸に動き、エージェントは万が一の保険として大手1社だけに絞る」と助言しました。結果、リファラル経由の1社で年収50万円アップで内定が出て、エージェント経由は使わずに完結しました。ここで重要なのは、リファラル経路がある方はエージェントを「保険」として最小限の利用にとどめる選択も合理的という点です。

特徴4:自分のペースで時間をかけて進めたい方

エージェントは選考スケジュールを企業側に合わせて進めるため、「半年〜1年かけてじっくり探したい」という方とはペースが合いません。自分で求人サイトを見て、興味のある求人に応募するスタイルの方が、ペースを保てます。

【キャリアアドバイザー事例6】
ある28歳の男性デザイナーの方(業界:制作会社・年収420万円)から、「在職中で繁忙期もあり、半年〜1年かけて転職活動したい。エージェントは急かされるのでは」とご相談を受けたことがあります。当社からは「長期スタンスの方は転職サイトとスカウト型サービスで自分のペースを保ち、エージェントは志望企業が固まった段階で1社だけ相談する」と助言しました。結果、9ヶ月かけて3社の最終選考に進み、納得感のある転職を実現しました。ここで重要なのは、長期スタンスの方には自分のペースを守れる経路の方が合うという点です。

特徴5:書類作成・面接対策を自力でこなせる方

職務経歴書を数値ベースで具体的に書ける、面接の頻出質問に対する自分の回答を整理できる、企業研究を自力でできる、という方はエージェントのサポート価値が低くなります。エージェントの最大の付加価値は書類添削と面接対策にあるため、それが不要な方は自力で完結できます。

【キャリアアドバイザー事例7】
ある30歳の女性経営企画の方(業界:コンサル・年収580万円)から、「職務経歴書も面接も自力でこなせる自信がある。それでもエージェントは必要か」とご相談を受けたことがあります。実際に職務経歴書を拝見すると、定量成果・担当案件の規模・役割が明確に記載され、添削の余地がほとんどありませんでした。当社からは「自力で完結できる方は、エージェントの介在価値は低い。非公開求人へのアクセスのみエージェントを使うのも選択肢」と助言しました。結果、自力応募2社・スカウト1社で内定を獲得し、エージェントは利用しませんでした。ここで重要なのは、書類・面接対策が不要な方は介在価値を冷静に判断する姿勢です。

阿部 翔大

「使わない方がいい人」って、要は自走できる方なんですよね。志望先が固まっている、業界知識がある、人脈がある、書類も面接も自力でいける、こういう方は僕たちが介在する余地が小さいんです。逆に、ここを正直に伝えるとエージェントとしての売上は減りますが、合わない方に無理に使ってもらうのは結果的にお互いのためにならないので、正直にお伝えしています。

転職エージェントを使った方がいい人の5つの特徴

一方で、エージェントを使った方が転職活動の質が大きく上がる方もいます。以下5つのうち3つ以上当てはまる方は、エージェントを使うことを前向きに検討する価値があります。

特徴1:初めての転職で全体像が見えていない方

新卒入社から初めて転職する方は、「いつまでに何をすべきか」「書類は何を準備すべきか」「面接で何を聞かれるか」が見えていません。エージェントは数百〜数千件の支援経験から、全体像を提示できます。

【キャリアアドバイザー事例8】
ある23歳の男性営業職の方(業界:商社・年収340万円)から、「新卒で入った会社を辞めたいが、転職活動の進め方がまったく分からない」とご相談を受けたことがあります。職務経歴書も書いたことがなく、面接でどんな質問が来るかも未知の状態でした。当社では初回面談で転職活動の全体スケジュール、書類作成の手順、想定質問リスト、内定までの一般的な期間を一通り提示しました。結果、4ヶ月で3社から内定を獲得し、年収50万円アップで決定しました。ここで重要なのは、初めての転職では「何が分からないかが分からない」状態を抜け出すために第三者の伴走が効くという点です。

特徴2:自分の市場価値・年収相場が分からない方

「自分の経歴で転職先の年収はどれくらいになるのか」「他社の同職種はいくら払っているのか」が分からないまま転職活動を始めると、年収交渉で大きな機会損失を生みます。エージェントは複数の企業・候補者のデータを持っているため、相場の客観的な提示ができます。

【キャリアアドバイザー事例9】
ある26歳の女性経理担当の方(業界:メーカー・年収360万円)から、「同職種への転職で、自分が今いくら出してもらえるか分からない」とご相談を受けたことがあります。経理3年の経験、月次決算の主担当、簿記2級保有という条件でした。当社からは「同条件の求人で年収400〜450万円が市場相場」と提示し、求人を5社紹介。結果、年収430万円で内定を獲得しました。本人の希望年収は当初380万円だったため、市場相場を知らずに動いていたら年収50万円分の機会損失が発生していたケースです。ここで重要なのは、市場価値を客観的に知ることが年収交渉の出発点になるという点です。

特徴3:在職中で時間が取れない方

在職中の転職活動は、求人検索・書類作成・面接調整・条件交渉の負担が大きく、本業との両立が困難になりがちです。エージェントは求人選定・日程調整・条件交渉を代行するため、稼働時間を大幅に圧縮できます。

【キャリアアドバイザー事例10】
ある31歳の男性ITコンサルの方(業界:SIer・年収550万円)から「平日は深夜まで残業、土日も対応が入る。転職活動の時間が捻出できない」とご相談を受けたことがあります。当社では求人選定をこちら側で5社に絞り込み、面接日程は全て担当者経由で調整、条件交渉も全面代行しました。結果、本人の稼働時間は週3時間以内に収まり、3ヶ月で年収100万円アップの内定を獲得しました。ここで重要なのは、稼働時間の制約が大きい方ほどエージェントの代行価値が高くなるという点です。

特徴4:書類選考・面接対策に不安がある方

職務経歴書を数値ベースで書くのが苦手、面接で緊張して話せない、想定質問への準備ができない、という方はエージェントの書類添削・模擬面接の価値が非常に高くなります。特に若手層は、自己PRや志望動機の言語化に時間がかかるため、第三者のフィードバックで完成度が大きく上がります。

【キャリアアドバイザー事例11】
ある25歳の女性販売職の方(業界:アパレル・年収280万円)から、「面接になると頭が真っ白になって、自分のことが話せない」とご相談を受けたことがあります。当社では模擬面接を5回実施し、想定質問30問への回答を一緒に作り込みました。録画して見返し、表情・声量・話す速度まで調整しました。結果、本番の面接では落ち着いて話せるようになり、6社中4社で書類通過、最終的に年収320万円で事務職への転職を実現しました。ここで重要なのは、面接の緊張は準備の量で確実に軽減できるという点です。

特徴5:非公開求人にアクセスしたい方

転職サイトには掲載されない非公開求人は、エージェント経由でのみ紹介を受けられます。役職ポジション・新規事業のキーマン・後任者採用などは、企業側が公開を避けて採用するケースが多く、求人サイトでは出会えません。

【キャリアアドバイザー事例12】
ある33歳の男性営業マネージャーの方(業界:SaaS・年収680万円)から「マネージャー職での転職を考えているが、求人サイトで該当案件が見つからない」とご相談を受けたことがあります。当社では非公開求人を中心に7社紹介、そのうち5社は求人サイトには出ていない後任者採用案件でした。結果、年収780万円のマネージャーポジションで内定を獲得しました。ここで重要なのは、ある程度の経験・役職を狙う場合は非公開求人へのアクセス手段としてエージェントを活用する意味が大きいという点です。

図解2:使わない方がいい人 vs 使った方がいい人マトリクス
使わない方がいい人の特徴
  • 志望企業・職種が明確
  • 業界・職種知識が豊富
  • 人脈・リファラル経路あり
  • 自分のペースで進めたい
  • 書類・面接対策を自力で完結できる
使った方がいい人の特徴
  • 初めての転職で全体像が不明
  • 市場価値・年収相場が不明
  • 在職中で時間が取れない
  • 書類・面接対策に不安がある
  • 非公開求人にアクセスしたい

転職エージェントの選び方の基準を網羅的に知りたい方には、以下の記事も参考になります。

エージェントを使わない場合の転職方法5選

エージェントを使わないと決めた方には、代替となる転職方法が5つあります。それぞれメリット・デメリットがあり、自分の状況に合った経路を選ぶか、複数を組み合わせて使うのが現実的です。

方法1:直接応募(企業HP・採用ページ)

志望企業の採用ページから直接応募する方法です。志望度の高さが伝わりやすく、紹介料がかからないため企業側からも歓迎されます。一方で、書類作成・日程調整・条件交渉をすべて自力で行う必要があり、応募1社あたりの稼働は重くなります。

方法2:転職サイト(求人検索型)

リクナビNEXT・doda・マイナビ転職などの求人検索型サイトに登録し、自分で求人を選んで応募する方法です。求人数が多く、希望条件で絞り込めるのが利点。エージェントが介在しないため、企業との連絡もすべて自分で行います。

方法3:スカウトサービス

ビズリーチ・リクルートダイレクトスカウト・dodaのスカウト機能などに職務経歴を登録すると、企業やヘッドハンターから直接スカウトが届きます。経験・実績が豊富な方ほどスカウトが集まりやすく、自分から動かなくても求人情報が入ってきます。

方法4:リファラル採用(友人・知人紹介)

前職の同僚・大学の同期・業界コミュニティから紹介を受ける方法です。紹介者のフィルターを通っているため、企業側の信頼度が高く、選考スピードも速くなる傾向があります。一方で、紹介者との関係性に配慮する必要があり、辞退や入社後のトラブルが紹介者にも影響する点に注意が必要です。

方法5:キャリアコーチング

マジキャリ・ポジウィルキャリアなどのキャリアコーチングサービスは、求人紹介を行わず、自己分析・キャリア設計・転職活動のサポートに特化した有料サービスです。エージェントのような紹介料モデルではないため、求人の方向性に紹介料の影響を受けません。一方で月額数万円〜十数万円の費用がかかります。

キャリアコーチングの代表格であるマジキャリについては以下の記事でもくわしく解説しています。

図解3:エージェントを使わない場合の転職方法5選マップ
①直接応募
企業HPから直接応募。志望度が伝わる。稼働は重い。
②転職サイト
求人検索型。求人数が多く、絞込みやすい。
③スカウト
登録後、企業から直接スカウト受信。実績ある方向け。
④リファラル
友人・知人紹介。信頼度高い。関係性に配慮必要。
⑤コーチング
求人紹介なし。有料の伴走サービス。

エージェントを使わない場合の注意点

エージェントを使わない選択をする場合、自分自身で担う負担が増えます。事前に押さえておきたい注意点は4つです。

注意点1:書類添削・面接対策がすべて自己責任

エージェントを使わない場合、職務経歴書の数値化や添削、模擬面接の練習相手をすべて自力で確保する必要があります。客観的なフィードバックなしに書類選考7社連続不通過というケースは、若手層では珍しくありません。書類選考が通らない期間が長引きやすい点には注意が必要です。

注意点2:年収交渉を自分で行う必要がある

内定後の年収交渉は、エージェントを通す場合は担当者が代行します。直接応募の場合、自分で企業に「年収◯◯万円を希望します」と伝える必要があります。日本の若手層は年収交渉の経験が乏しいため、企業の提示額をそのまま受け入れがちで、結果的に市場相場より低い条件で契約することがあります。

注意点3:市場相場情報の収集を自分で行う必要がある

自分の経歴で他社がいくら出すか、同職種の年収相場はどれくらいかという情報は、求人サイトの公開求人だけでは正確に分かりません。エージェントは複数の候補者・企業のデータを保有しているため、相場の客観的な提示ができます。自力で進める場合は、複数の求人サイトを横断して相場を把握する手間が発生します。

注意点4:選考スケジュール管理を自分で行う必要がある

複数社を並行で受ける場合、面接日程・選考結果・内定承諾期限を自分で管理する必要があります。エージェントは複数社の選考を同時並行で進めるためのスケジュール調整ノウハウを持っているため、進行管理が苦手な方は自力では苦戦しやすくなります。

【現役キャリアアドバイザーの本音】使わない選択をする前に知っておくべきこと

阿部 翔大

ここから、現役キャリアアドバイザーの僕が、本音で「エージェントを使わない方がいい」という言葉の背景にあるものをお伝えしますね。

まず、エージェント業界の構造的な事情からお話しします。エージェントは企業から紹介料を受け取るビジネスモデルなので、「決まりやすい求人」「紹介料の金額が大きい求人」を優先する経済合理性が働きます。これは構造として避けられない事実です。ただ、すべての担当者がそれをやっているわけではなく、僕自身は「短期で決まるけど合わない求人」より「時間がかかっても本人に合う求人」を提案する方が、結果的に内定承諾率も入社後の定着率も高くなる実感があります。

次に、「担当者ガチャ」と呼ばれる現象についてです。同じエージェント会社でも、担当者の業界経験・年齢・性格・対応スピードはまったく違います。求職者にとって、担当者との相性は転職活動の質を大きく左右します。「合わないと感じたら担当者変更を申し出る」「初回面談で違和感があったら別のエージェントを使う」という選択をためらわないでほしいです。担当者を変えるだけで体験がまったく変わるケースが実際に存在します。

19〜34歳の若手層に伝えたいのは、「使わない」と決める前に、一度だけでも面談を受けてみる選択も検討してほしいということです。エージェント全体を「悪」と決めつけるのも、「絶対に使うべき」と決めつけるのも、どちらも極端です。1社の面談を受けて、市場相場の感覚を得て、書類のフィードバックを1回もらってから「使わない」を決めても遅くありません。

実際、当社の面談に来られた方の中には「もともと使わないつもりだったが、市場価値の提示と職務経歴書の添削を受けたら、想像と違っていた」とおっしゃる方が一定数います。

また、エージェントの使い方には「全面的に頼る」と「部分的に活用する」の2つがあります。書類添削だけ、市場相場の確認だけ、非公開求人の閲覧だけ、と必要な部分だけ使う方法もあります。「使う or 使わない」の二択ではなく、「どの部分を使うか」という視点で考えると、選択肢が広がります。

最後に、若手層が陥りやすい失敗パターンを1つだけお伝えします。それは、エージェントを使わずに独力で動いた結果、書類選考が連続で通らず、自信を失って転職活動自体を中断してしまうパターンです。書類選考が通らない時期は、自分の市場価値を否定された気がして辛いものです。第三者の伴走があれば、書類の修正点が分かり、応募先の見直しもできます

「使わない」と決めた方も、転職活動が3ヶ月以上停滞したら一度だけエージェントに相談してみる、という保険の使い方をぜひ覚えておいてほしいです。エージェントの面談は無料ですし、相談だけで終わっても問題ありません。一人で抱え込んで動けなくなるより、合わなければ離れる前提で一度話してみる方が、結果的にあなたのキャリアを守ることになります。

阿部 翔大

業界の構造を正直に話すと、エージェントは「決まりやすい求人」を出す経済合理性が働きます。それを踏まえた上で、合う担当者・合うエージェントを見つけられれば、若手の転職にとって大きな力になります。「使うかどうか」より「どう使うか」で考えてほしいんです。

転職エージェントを使う or 使わない を決める判断フロー

ここまで読んでも判断に迷う方のために、簡易判断フローを用意しました。以下の質問に上から順にYES/NOで答えていくと、自分にとって使う・使わないどちらが合うかが見えてきます。

図解4:使う or 使わない 判断フローチャート
START:転職を考え始めた
Q1:初めての転職ですか?
はい→使う方向いいえ→Q2へ
Q2:志望企業が3社以内に絞れていますか?
はい→使わない方向いいえ→Q3へ
Q3:在職中で稼働時間が週5時間以下ですか?
はい→使う方向いいえ→Q4へ
Q4:自分の市場価値・年収相場を把握していますか?
はい→使わない方向いいえ→使う方向
END:判断材料が揃ったら相談 or 自力スタート

判断フローで「使う方向」と出た場合でも、いきなり3〜5社に登録する必要はありません。まず1社の面談を受けてみて、合わなければ別を試すのが現実的です。複数登録の考え方については以下の記事でもくわしく解説しています。

図解5:担当者ガチャの仕組み
良い担当者の特徴
  • 面談に60〜90分かけて軸を整理
  • 希望と違う場合は理由を聞く
  • デメリットを先に伝える
  • 連絡頻度・手段を相談できる
合わない担当者の特徴
  • 面談が20分で求人紹介に移行
  • 希望と違う求人を強く推す
  • デメリットを後出しにする
  • 連絡頻度の調整に応じない

※合わないと感じたら担当者変更を申し出るか、別のエージェントへの切替を検討する

図解6:エージェントを使わなかった場合の失敗・成功パターン
失敗パターン例
書類選考7社連続不通過 → 自信喪失 → 転職活動を一時中断 → 半年後に再開(市場感覚を失った状態で再スタート)
成功パターン例
志望企業3社に絞り、企業HPから直接応募 → 1社目で書類通過 → 自力で面接対策(OB訪問・録音復習) → 第一志望で内定

エージェントを使うかどうかに関するよくある質問

Q1:エージェントから登録を断られた場合はどうすればいいですか?

大手エージェントは経歴・年齢で社内スクリーニングを行っており、希望と合わない場合は登録自体を断られることがあります。別のエージェント(特化型・若手専門・地域特化など)を試すか、転職サイトやスカウトサービスへの切替を検討してください。1社で断られても、別の経路では普通に進めるケースが多いです。

Q2:エージェントを途中で切ることはできますか?

可能です。担当者にメールやLINEで「諸事情により転職活動を一時中断します」「他経路で進めることにしました」と伝えれば、サポートは停止されます。違約金などは発生しません。気まずく感じるかもしれませんが、エージェント側も日常的に経験する状況なので、淡々と連絡すれば問題ありません。

Q3:複数のエージェントを併用していいですか?

併用は一般的で、むしろ推奨されます。1社だけだと求人の選択肢が狭くなり、担当者との相性も比較できません。2〜3社の併用が標準的で、総合型1社・特化型1社の組み合わせが効率的です。ただし、各社に同じ求人を重複応募しないよう、応募企業のリストは自分で管理してください。

Q4:エージェントを使わない場合、内定率は上がりますか?下がりますか?

一概にどちらが高いとは言えません。書類選考通過率は「書類の質」と「応募先の難易度」で決まり、内定率は「面接力」と「志望度の伝わり方」で決まります。エージェント経由は推薦状の効果で書類通過率が上がる傾向、直接応募は志望度の伝わり方で内定率が上がる傾向があります。どちらが有利かはケースバイケースで、状況に応じて使い分けるのが現実的です。

Q5:エージェント経由で落ちた企業に、直接応募してもいいですか?

原則として、エージェント経由で書類保管期間中(多くは6ヶ月〜1年)は直接応募できません。企業の応募者管理上、エージェント経由応募者として記録が残っているためです。保管期間が過ぎていれば直接応募は可能ですが、企業に確認するのが確実です。

Q6:第二新卒でもエージェントは使えますか?

第二新卒(新卒入社後3年以内の離職者)向けのエージェントは多数あります。むしろ初めての転職で全体像が見えない第二新卒層こそ、エージェントの伴走価値が高くなります。第二新卒向けエージェントの選び方は以下の記事でもくわしく解説しています。

Q7:リクルートエージェントの評判が気になります。実際どうですか?

業界最大手のリクルートエージェントは、求人数の多さ・実績の豊富さで定評があります。一方で、担当者1人あたりの対応件数が多く、サポートに物足りなさを感じる声もあります。詳細な評判については以下の記事でもくわしく解説しています。

まとめ|エージェントは「使わない」より「使い方」の問題

「転職エージェントを使わない方がいい」と言われる背景には、担当者の質のばらつき、希望と違う求人提案、連絡頻度のミスマッチ、スクリーニングによる足切り、紹介料の構造的影響という5つの要因があります。一方で、すべての方にエージェントが不要なわけではなく、状況によっては大きな価値を発揮します。

使わない方がいい方の特徴は、志望企業が明確、業界知識が豊富、人脈がある、自分のペースで進めたい、書類・面接対策を自力で完結できる、という5つです。使った方がいい方の特徴は、初めての転職、市場価値が分からない、在職中で時間がない、書類・面接対策に不安がある、非公開求人を狙いたい、という5つです。3つ以上当てはまる方向に動くのが現実的な判断軸です。

エージェントを使わない場合は、直接応募・転職サイト・スカウト・リファラル・キャリアコーチングという5つの代替手段があり、状況に応じて使い分けるか組み合わせるのが現実的です。ただし、書類添削・面接対策・年収交渉・スケジュール管理がすべて自己責任になる点には注意が必要です。

最終的なメッセージは、「使う or 使わない」の二択ではなく「どう使うか」で考えてほしいということです。書類添削だけ、市場相場の確認だけ、非公開求人だけ、と部分的に活用する選択もあります。1社の面談を受けて判断材料を集めてから「使わない」を決めても遅くありません。エージェントは敵でも味方でもなく、使い方次第のツールです。

阿部 翔大

「使わない」と決める前に、まず1社の面談を受けて、市場感覚と書類フィードバックだけでもらってみるという選択もあります。合わなければそのまま離れて頂いて構いません。一人で抱え込んで動けなくなる前に、判断材料を集めるための一歩としてご相談いただければ嬉しいです。

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「エージェントを使うかどうかを決めかねている」「使うと決めたが、どう使えばいいか分からない」「他のエージェントで違和感があった」という方は、まず一度面談でお話を伺わせてください。面談は無料、相談だけで終わっても問題ありません。市場相場の客観的な提示、職務経歴書のフィードバック、転職活動の進め方のご提案までお伝えします。

運営者情報

メディア名 ビギナーズリンク
運営会社 株式会社MEDISITE
代表者 竹田津 惇
所在地 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8丁目5-4 STビル701
設立 2022年11月
事業内容 HRメディア事業・SNSマーケティング事業・営業支援事業
許認可 有料職業紹介事業(13-ユ-316383

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