「アイデアに価値はない。行動こそが全てだと思うんです。」株式会社Alfree・秋澤社長が、“面白い方”を選び続ける理由

株式会社Alfree代表取締役の秋澤幸太郎社長は、新卒で入社した自動車メーカーで、車の開発に携わっていました。もともと車が好きで入社したものの、周りには車を2台持ち、週末にはサーキットへ行くような“車オタク”と呼べる人たちがいました。

そこで秋澤社長は、「自分は何だったら、そこまで好きになれるんだろう」と考えるようになります。たどり着いたのが、当時から面白いと感じていたインターネットの世界でした。サイト制作の経験はほとんどない状態から約2ヶ月勉強し、2013年に株式会社Alfreeを設立しました。

現在は、オンラインフィットネスをはじめとした自社サービスと、システム開発やプロジェクトマネジメントの事業を展開しています。会社の行動理念の一つは、迷ったときに「面白い方を選ぶ」こと。秋澤社長自身も、これまでさまざまなことを試しながら事業をつくってきました。

「やってみてダメなら、やめればいい」「アイデアに価値はない。行動こそが全て」。そう話す秋澤社長は、なぜここまで“まずやってみること”を大切にしているのでしょうか。これまでのキャリアや事業づくり、AI時代に求められる働き方、これから一緒に働きたい人について伺いました。

お話を伺った人

株式会社Alfree

代表取締役 秋澤 幸太郎

新卒で自動車メーカーへ入社し、車の開発に携わる。その後、インターネットの世界に興味を持ち、独学でサイト制作を学んだのち、2013年に株式会社Alfreeを設立。現在はオンラインフィットネスなどの自社サービスに加え、システム開発やプロジェクトマネジメントなどを手がけている。

目次

「自分は何だったら、オタクになれるんだろう」

編集部

秋澤社長は、もともと今とはまったく違う業界で働かれていたんですよね。

秋澤社長

そうですね。新卒でスズキに入って、車の開発をしていました。今でいう自動ブレーキのような、ブレーキの制御実験をやっていましたね。

編集部

もともと車がお好きだったんですか?

秋澤社長

好きでした。ただ、会社に入ってみると、本当に車が好きな人ってすごいんですよ。車を2台持っていて、1台は通勤用、もう1台は好きな車で、週末はサーキットに行く、みたいな。

編集部

それはもう、本当に“車オタク”ですね…!

秋澤社長

そうなんです。それを見て、「自分は車が好きだけど、意外と実はそこまでではないな」と思ったんですよね。でも、そういう人が車を作った方が、たしかに良いものができるなとも感じました。

編集部

そこで、自分が本当に好きになれるものを考えた。

秋澤社長

そうですね。「じゃあ、自分は何だったらオタクというか、そこまで好きになれるんだろう」と考えてみたんです。そのときに、インターネットって面白いなと感じまして。

編集部

そこからは転職ではなく、起業だったんですね。

秋澤社長

もともと起業したい気持ちはあったので、「どうせなら、どこかに入るんじゃなくて作っちゃおう」という感じでした。そこが出発点ですね。

編集部

ただ、それまでサイト制作などの経験があったわけではないんですよね?

秋澤社長

はい。最初はサイト制作から始めたんですけど、仕事としてサイトを作ったことはなくて。2ヶ月くらい自分で勉強しました。

編集部

2ヶ月で、そのまま事業に…!

秋澤社長

まあ、なんとかなるかな、という感じでしたね。経験とかより、結局はどれだけ意欲があるかだったのかなと思います。もちろん、見通しが甘かった部分もあると思いますけど(笑)。

迷ったら、「面白い方を選ぼう」

編集部

Alfreeさんには、「面白い方を選ぶ」という考え方がありますよね。

秋澤社長

そうですね。人って結構、保守的になりがちだと思うんです。でも、僕たちくらいの規模の会社は挑戦していかないといけないので、何か迷ったときは、面白い方を選ぼうという意味で入れています。

編集部

秋澤社長自身も、かなり昔から「とりあえずやってみる」タイプだったんですか?

秋澤社長

大学生か社会人1年目くらいの頃に、「ブログを書こう」と思ったことがあって。そのときも、既にあるブログサービスを使うんじゃなくて、ブログ自体を一から作ってみようと思ったんですよ。

編集部

ブログを書く前に、ブログそのものを作ったんですか…!

秋澤社長

そうです(笑)。ホームページをゼロから作るような感じですね。それで記事を書いて、広告も貼ってみたら少し収益が出たり、意外と友達が読んでくれていたりして。反応があることも面白かったですね。

編集部

その「まずやってみる」は、今の事業づくりにもつながっていそうです。

秋澤社長

アイデアに価値はないと思っていて、行動こそが全てだと思うんです。やってみて初めてわかることって、たくさんありますから。

編集部

思いついただけでは、何も変わらないと。

秋澤社長

そうですね。もちろん、やってみてうまくいかないこともあります。でも、「これは自分には合っていないんだ」とわかることも、一つ得られたことだと思うんですよ。だから、やってみてダメなら、やめればいいんじゃないかと思っています。やること自体に、みんなすごく壁を作ってしまう。でも、「ダメだったらやめればいい」と思えたら、スタートはしやすくなるんじゃないかなと思いますね。

お客様の会社が倒産して、「何かできなかったか」と考えました

編集部

現在は、オンラインフィットネスのサービスにも力を入れていますよね。もともとフィットネス業界にも関心があったんでしょうか?

秋澤社長

きっかけは、サイト制作の依頼をいただいたフィットネス関係のお客様の会社が倒産してしまったことだったんですよ。

編集部

お客様の会社が…。

秋澤社長

僕たちはお客様からお金をいただいて仕事をしていたのに、倒産してしまったというのが結構ショックで。「何かできなかったのかな」と考え始めたんです。フィットネスインストラクターやスポーツトレーナーの方って、経営的に苦しいことも多いんです。だったら、そういう方々が稼げる仕組みがあればいいんじゃないかと思って、プロダクトを作り始めました。

編集部

そこまで自分事として捉えて、プロダクトまで作ったんですね。

秋澤社長

はい。僕たちが動画コンテンツを作るのではなく、インストラクターやトレーナー自身に動画を撮ってアップしてもらうという仕組みです。そこで会員の方が動画コンテンツを利用したら、その分をインストラクター側に支払う、というプラットフォーム型ですね。

編集部

単にオンラインでヨガを受けられるだけではなく、先生側にも収益が入る仕組みなんですね。

秋澤社長

そうですね。そこが一つ特徴だと思います。さらに、現在はVRを使ったヨガにも取り組んでいて。自然の中で行うヨガをVRで撮影して配信しているんですよ。

編集部

VR×ヨガ…!

秋澤社長

「リトリート」といって、先生と生徒さんで沖縄やバリ、ハワイなどへ行って、数日間ヨガをするものがあるんですけどね。綺麗な景色の中でやるので特別感があって。でも、社会人が平日に何日も空けて行くのはなかなか難しい。それなら、現地でやったレッスンを見返したり、行けなかった人が見られたりしたら面白いんじゃないかと思ったんです。さらにVRなら、その場にいるような感覚に近づけられる。

編集部

VRって、「これから来る」と言われていますよね。

秋澤社長

そうなんですよ。毎年「VR元年」って言ってるな、みたいな気もしますけど(笑)。いつちゃんと来るんだ、という感じはありますね。ただ、流行ってからやってもしょうがないと思っているので。普及する前から、ちゃんとコンテンツを提供しておきたいというのはあります。

AIがコードを書く時代、エンジニアに必要なのは「その先」になる

編集部

もう一つ、現在かなり力を入れているのが、システム開発側の事業ですよね。

秋澤社長

そうですね。今は、AIがコードを書ける時代になってきています。だからこそ人間には、単にコードを書くことだけではなくて、お客様の話を聞いて課題を理解したり、「ここに課題がありそうだから、こういう提案をしよう」と考えたりする力が必要になってくると思っています。

編集部

作れる、だけだとエンジニアでなくても出来ちゃいますもんね…。

秋澤社長

そうですね。それに、提案したあとにプロジェクトをちゃんと前へ進める力も必要です。昔はPM、エンジニア、コンサルと分かれていたと思うんですけど、これからはその3つを組み合わせた動きが重要になってくると思っています。それが、FDE。フォワードデプロイドエンジニア(Forward Deployed Engineer)ですね。エンジニアの目線を持ちながら、コンサルティングやプロジェクト推進までできる…。それが今後、デジタルの案件ではすごく大事になってくると思っていますよ。

編集部

Alfreeさんも、会社としてそちらへ寄せていこうとしているんでしょうか。

秋澤社長

そうですね。システム開発やプロジェクトマネジメントの事業では、FDE的な動きができる会社にしていくことに、今は力を入れています。

編集部

AIに仕事を奪われるという話もありますが…、そのあたり、秋澤社長はどう捉えていますか?

秋澤社長

AIは、駆使するものだと思っています。AIに使われてしまうのではなくて、うまく使って、誰かや会社の課題を解決していく。その方向になっていくんじゃないかなと。

編集部

AIを使うこと自体ではなく、その先で何を解決できるか。

秋澤社長

そうですね。課題を解決できる、提案できる、推進できる。そういう人を社内でも増やしていきたいですし、会社としてもそういうことができるようになりたいと思っています。

「3つ全部できる人なんて、最初からいないと思っています」

編集部

FDEのような役割を担う人を、これから増やしていきたいとのことでした。やはり、御社求人への応募って、経験者でないと難しいでしょうか?

秋澤社長

いや、そんなことはないと思っています。やっぱり、意欲次第というか。

編集部

未経験でも、可能性はある。

秋澤社長

あると思います。FDEって、PMとコンサルとエンジニアの3つの要素があると話しましたけど、その3つを最初から全部やっている人なんて、いないと思っているんです。

編集部

たしかに、最初から全部はなかなか…。

秋澤社長

そうなんです。たとえば今はエンジニアとして働いていて、「これからPM的な部分も身につけていきたい」という人でもいいと思っています。

編集部

そうなると、採用で見るのは「今どこまでできるか」だけではないんですね。

秋澤社長

そうですね。もちろん、適性はあると思いますけど、意欲があれば後から何とでもなると思っています。今の経験だけで判断するというより、「これからこういうこともやってみたい」という気持ちがあるかは大事ですね。

編集部

「やらされている」ではなく、自分からそうなりたいと思えることが大事なんですね。

秋澤社長自身も、車の開発からインターネットの世界へ移ったときは、サイト制作の経験すらほとんどないところからのスタートでした。それでも、まずやってみる。うまくいかなければ、そこからわかったことを次に持っていく。そうやって「面白い方」を選びながら、今はフィットネスやAI時代のシステム開発まで事業を広げているんですね。最初から全部できる必要はなくても、「やってみたい」と思ったところから動くことはできる。秋澤社長のお話を伺っていると、その一歩の大きさを改めて感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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