「年齢も性別も学歴も、問いません」株式会社バザール・鎌形さんが選ぶのは、どんなことがあっても継続できる人

レジに立って、品出しをして、また明日も同じ一日。この頑張りは、ちゃんと誰かに見てもらえているんだろうか。そう思ったことはないでしょうか?
ミスタードーナツのフランチャイズを運営する株式会社バザールの鎌形一誠さんは、20年以上この現場を見てきた立場として「年齢も性別も学歴も、問いません。大事なのは継続力です。」と語ります。
始まりは「おいしいドーナツが食べられる」という言葉に誘われた高校生のアルバイトだったとのことですが、いまは店舗の管理と、人を育てる仕事を任されています。
アルバイトから社員になる人は、何を見られているのか。頑張りが給料に返ってくる仕組みは、どうなっているのか。そして、未経験から店を任されるまでに何が必要なのか。詳しくお話を伺いました。読み終わる頃には、いまの現場での頑張りの見え方が、少し変わっているはずです。
株式会社バザール
運営部長 鎌形 一誠
高校生のときにミスタードーナツでアルバイトを始め、そのまま社員へ。以来20年以上、店舗の運営と人材の育成に携わる。4年ほど前に地元に近い株式会社バザールへ移り、いまは店長たちに方針を伝えながら、店舗の管理と教育を担当。同社は1987年からミスタードーナツのフランチャイズを運営し、市川・船橋を中心に地域へ根を張っている。
高校生のアルバイトから、20年

編集部鎌形さんは、ミスタードーナツのお仕事を20年以上続けてこられたと伺いました。始まりは、どういうところからだったんですか?



元々アルバイトをしていて、そのまま社員になった形ですね。きっかけは本当に、「おいしいドーナツが食べられる」という謳い文句に誘われて、というものでした。当時は高校生だったので、そんなに深く考えてはいなかったんですけど。やってみたら、とても楽しかったんですよ。



深く考えずに始めたものが、20年も続いたんですね…!



4年ぐらい前に転職をしまして、地元に近いこちらの会社に来ることになりました。いまは主に、店舗の管理と人材の教育をやっています。市川と船橋というこの地域に根付いて、この地域で10店、東京のほうで1店。集約した形で運営しているので、近隣の仲間とも連携を取りながらやれていますね。



地域に集まっていると、お互いに顔が見えそうですよね。



創業者は現在は会長なんですけれども、前職で働いていた時に、何度かミスタードーナツのお店に行って、その事業に惹かれたそうなんですよ。お客様にもっと喜んでもらいたい、というところで始めた、というのは聞いていますね。
「またお越しくださいませ」が、意外と言えない



お客様に喜んでもらいたい、という始まりは、いまの現場にも残っていますか?



そこは会社の方針として大事にしていますね。店舗づくりというところは、正直、本部の意向が強いので我々は介入しづらいんです。ただ、ソフト面といいますか、人の部分は我々が教育をして、来ていただいたお客様に喜んで帰っていただきたい、と。



喜んで帰っていただく、というのは、どういう状態を指すんですか?



一番は、お客さんが買って帰られる時に、笑顔で帰っていただくことですね。それができれば、一番いい接客かなと思います。



基本的なことのようで、なかなか難しそうです。



1日に何百人というお客様が来られるので、どうしても作業が単調になっちゃうこともありますね。だから、お客様が来られたら「いらっしゃいませ」と声をかける。帰る時には「ありがとうございました。またお越しくださいませ」と、また繋がるような言葉をかける。マニュアルなんですけど、意外とできないこともあるんですよ。そういうことを大事にしながら、地域の人たちに根付いたお店を作っていきたいと思っていますから。



またお越しくださいませ、と一声かけてもらえると、たしかに嬉しいです。



教育のカリキュラムも、何年も経ってくると本部から学ぶというよりは、自分たちで他のところから学んで取り入れて、いいものをお店に入れていくスタンスですね。お店にはお店の責任者がいますから、私はその店長たちに、こういう方針でやりましょうね、と伝えていくのが業務の内容になります。
頑張りは、どう評価されるのか?





店長たちに方針を伝えるお立場とのことですが、接客や販売の現場からは、「頑張りが給料に反映されない」というご相談を受けることがあります。実際のところ、従業員の評価はどのようにされているんですか?



私は自分が抱えている店長や社員と、年に2回ほど面談をしていくんですけど、その際に評価シートというものを用いていましてね。自分がどういう項目で頑張ってきたか、それに対する私の評価はこういう内容だよ、と伝えるんです。今後の課題としてはこういうところだよ、というのも面談を通して説明するようにはしていますね。



自己申告と、それに対する評価が、年に2回そろうんですね。



ええ。ただ、何ができたら何パーセント、というような取り決めがあるわけではないんですけどね。半年後、1年後の業績まで確約はできないので…。そのかわり、給与の改定の時に、こういう方がより頑張っていた、というのを反映できるようにはしています。



日々の手応えとしては、どうでしょう。数字で見えるものなんですか?



お店を1ヶ月運営すると、1ヶ月の成績が出ますからね。自分の頑張りがどういう風に結果として出たのか、1ヶ月単位で振り返れるんですよ。



なるほど、ある程度は定量的にジャッジできるんですね。ちなみに、自分から「給料を上げてほしい」と言ってくる方もいらっしゃるんですか?



もちろんあります。私は、そういう方がとても好きですね。やる気がある人は、そういう風に言ってくるのが必然だと思いますから。
望むところへ行ければ、どんな形でもいい



やる気がある人はお給料の交渉をしてくるのが必然、というのは心強い言葉です。ちなみに、その先に任せたいポジションはあるんですか?



統括店長がいたり、我々の業界だとマネージャーという役職があったり、いろいろあるんですけどね。それはもう、その人が望むところに行ければ、どういう形でもいいと思います。それが私の上司であったとしても、その人のほうが能力があればいいと思いますから。一番正しい、人の生かし方だと思います。



ご自身の上司になっても構わない、と。



アルバイトの方でも、社員をやりたいという人がいたら面談をして、仕事はこうだよ、と説明していく中でステップアップさせていきます。キャリアアップしたい人は、我々としても欲しい人材ですからね。ただもちろん、そういう部分を望まない人もいる世の中じゃないですか。そういう人には、極力向き合いながらやっています。



実際に活躍されている方には、どんな特徴がありますか?



いろんなパターンがあるんですけどね。計画的に、立てた通りにやっていく方もいます。ただ、我々が計画したものをどれだけ信じて実行できるかが結果を生む時もあるんですよ。これはできない、できない、とやっていくよりは、一生懸命やる方のほうが結果を出しているような気はしています。



信じて実行してくれる方が伸びていく。それを見ていけるのも、面白みのひとつですかね?



自分に関わるアルバイトさんや店長たちが成長していく過程を見られるのはとても楽しい部分ですね。店長だった頃は、自分の店のアルバイトさんがそうでしたし、いまは店長たちがそうですね。
どんなことが起きても、続けられるか





店長たちの成長を見てこられた立場から、いま新しく迎えたいのは、どんな方なんですか?



そうですね。いまはお店の責任者クラスも欲しいですし、その下にレギュラーという社員のクラスもあるので、そこも欲しいです。条件としては、年齢も性別も学歴も問いません。



学歴も、問わないんですね。



ええ。あとは、続けていける根気があれば、お店の責任者を目指してもらいたいなと思いますね。20人、30人の人をまとめていきますから、トラブルだったり嫌なことは、やっぱり起こるんですよ。それに取り組んでいける人が、一番いい人材かなと思います。



なるほど。その根気があるかどうかは、どこで見るんですか?



面談をしていきながらですね。言い訳しがちだったり、根気よくできないようなニュアンスのことを言ってくる方は、ちょっと難しいなというのはあります。



接客も飲食もまったくの未経験、という方も入ってこられるんですか?



来ますね。初期のトレーニングは、販売で20時間ぐらい、製造で100時間ぐらいです。その時間が過ぎると、大体ひと通りできてしまうんですよ。あとは、それをどれだけその人たちが高めていけるか、そのサポートをするぐらいです。違う業種から来た人でも、このお店がこの方には合うな、と思えばそのお店に配属したり、細かく配慮はしています。



合うお店に置いてもらえる、というのは安心できます。そのうえで、これから接客の現場に入る20代には、どんな人が向いていると思われますか?



やっていく要素として大事なところは、やっぱり多くの人と関わる仕事なので。人を大事にできない人は、向かないかなとは思います。



一日に何百人も来る中で、帰るお客様に「またお越しくださいませ」と一声かける。マニュアルに書いてあるのに、意外とできない。そこを大事にできるかどうかが、年齢や学歴よりも先に見られているのかなと思いました。嫌なことが起きても続けられるか、というのも、たぶん同じところにつながっているんですね。鎌形さん、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。いまの現場での頑張りを、ちゃんと見てもらえる20代の方が一人でも増えるように…私たちもキャリア支援の現場から伴走していければと思います。
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