「この人にはこの言い方、あの人には別の言い方。」ビジネス能力開発株式会社・安村社長が40歳でたどり着いた”自己理解と他者理解”

自分がどういう人間なのかを、じっくり考えたことはありますか?

ビジネス能力開発株式会社の安村明史社長は、あらゆる場面において1番重要なのは「自分がどういう人間に生まれてきたのかを学ぶこと」だと言います。その自己理解と他者理解をもとに、企業や学校の現場に入り、人と組織のコンサルティングを続けてきました。その結果、先生の離職が0になった中学校もあるそうです。

今回は、この自己理解と他者理解とはどういうものなのか、20代のうちに何の役に立つのかについて、安村社長にじっくりお話を伺いました。

読み終わる頃には、自分と他人を理解することの重要性が見えてくるはずです。

お話を伺った人

ビジネス能力開発株式会社

代表取締役社長 安村 明史

25歳で独立し、学習塾の経営やホテルのフロント、飲食など20ほどの仕事を経験。40歳で銀座に自身の会社を設立し、コーチングとエニアグラムを用いた人材育成のコンサルティングと研修を行う。現在は企業に加えて、公立中学校や学習塾の現場にも入り、自己理解と他者理解をもとにした関係づくりを支援。

目次

普通に人がやってることって、面白くないじゃないですか

編集部

安村社長は、企業や学校の現場に入って、人と組織のコンサルティングをされていると伺いましたが、もともとはどんなお仕事から始められたんですか?

安村社長

サラリーマンを何年かやって「とにかく何かやりたい」と思って25歳ぐらいで独立したんですよ。自分の人生を考えたときに、サラリーマン人生では飽き足らなくて。

編集部

25歳で独立…!そのときは何から始められたんでしょう?

安村社長

学習塾を経営したり、ワインを扱ったり。アメリカまでレクサスを買いに行ったこともあります。ほか弁の店長もやりましたし、ホテルのフロントマンやバーテンダーもやりました。本当に、いろいろやりましたね。

編集部

ずいぶん幅が広いですね。飲食から、塾から、ホテルまで。全部で、どのくらいやってこられたんですか?

安村社長

40歳ぐらいまでで、20ぐらいは仕事を変えました。1つのことに専念できないというか、あちこち行ってしまうんですよ。

編集部

20…!

安村社長

私の気質そのものが、みんながやらない新しいものをやりたがるんですね。普通に人がやってることって、面白くないじゃないですか。それで、次から次へと手を出してきました。

編集部

新しいほうへ、新しいほうへ。

安村社長

新規性があるとか、クリエイティブだ、という言い方もありますけどね。ムーミンでいうと、スナフキンタイプなんですよ。みんなが村に住んでいるのに、1人でどこかへ行ってしまう。そういう人間なので、同じところにずっといられないんです。

メルマガの読者が、4万人いたんですよ

編集部

1人でどこかへ行ってしまう。その安村社長が、腰を据えられたのはいつ頃だったんですか?

安村社長

40になってからですね。銀座で自分の会社を作ったんです。2001年でした。コーチングやエニアグラム(※)を使って、人事系のコンサルティングと、研修をやる会社ですね。

※…人間の性格を無意識の「行動動機」に基づいて9つのタイプに分類する、心理学的な性格診断ツール

編集部

人と組織を見ていく仕事。それまでの20の仕事とは、また違う方向ですね。はじめは何から始められたんですか?

安村社長

その当時はコーチングでしたね。コーチングのセミナーが、とにかく大受けだったんですよ。そこからエニアグラムをやって、という形で。

編集部

大受け…!どうやって、人を集められたんですか?

安村社長

メルマガですね。読者が4万人ぐらいいたものですから。いまでいうSNSだと思いますけど、当時はメルマガが出始めた時期で、まだやっている人がほとんどいなかったんです。

編集部

4万人…!そこまで、どうやって増やされたんですか?

安村社長

ホームページの中に、エニアグラムのタイプ診断を置いたんです。ポチポチと答えていくと、あなたはタイプ何番です、と出る。その時にメールアドレスをいただいて、そこにメールを送って、セミナーの集客をしていました。

編集部

診断を入り口にして、そのままセミナーへ。今まさにSNS上でなされているような集客を、当時から仕組みにされていたんですね。

安村社長

あの時代は、それが良かったんですよ。中身は変わらなくても、時代によって届け方のほうは変わっていきますね。最近だとnoteとLinkedInを始めて、両方で3000人ぐらいの読者になりました。まだ育っている途中ですね。

1番重要なのは、自己理解と他者理解だと思います

編集部

新しい場所でも、教えていらっしゃる中身のほうは変わらないんでしょうか。安村社長が、1番重要だと考えていることは何ですか?

安村社長

自己理解と他者理解ですね。自分がどういう人間に生まれてきたのか。それから、他者は自分とは違う人間で、その他者とどういう風に生きるか。そこを学ぶことだと思います。

編集部

自分を知ることと、相手を知ること。

安村社長

あとは、「未来ビジョン」ですね。3ヶ月後とか3年後の姿を、確定させてしまうんです。「引き寄せの法則」なんて言われ方もされていますけど、未来の解像度が高いと、みんなその未来にたどりつけるようになるんですよ。

編集部

思い描くだけで、変わるものなんですか?

安村社長

そうなんです。朝活でもやっているんですが、お互いの未来ビジョンを語り合って、「おめでとう、ありがとう」と言い合うんです。そうすると、実際にそうなっていくんですよ。

編集部

実際に、どんなことが起きているんですか?

安村社長

4ヶ月で3階級特進して、役員になった方がいますね。本当に効果が出るんですよ、あれは。

編集部

言葉が先で、結果が後。心理学的な裏付けもあるものなんですかね?

安村社長

トイレに入ると、よく貼ってありますよね。「いつも綺麗に使っていただきまして、ありがとうございます」と。あれは、まだ使っていないのに、未来のことを予言されているわけです。このように先にお礼を言われると、人間はそうしなくちゃいけないという心理が働くんですよ。

編集部

たしかに、あれを見ると汚せません…!未来を先に置いておくと、行動のほうがついてくるんですね。

安村社長

そうですね。この考え方を学んでから、私自身が整ってきたんです。人に影響を与えられるようになりましたし、会社も大きくなっていきました。

この人にはこの言い方、あの人には別の言い方

編集部

学んだことで、ご自身も会社も変わっていった。その学びは、いま企業では実際どんな風に使われているんですか?

安村社長

海外では、もう研修の基礎の基礎なんですよ。名だたる会社では、社内研修に入ったら必ず自分のタイプと相手のタイプを知る。キャリアの分析でいうと、世界ではMBTIが1位で、エニアグラムが2位なんです。

編集部

日本だと、まだ診断そのものを楽しむ段階にある気がします。

安村社長

そうですね。日本ではゲームのように受け取られることも多いですけど、海外では上司が部下を育てるための道具なんです。

編集部

育てるための道具、ですか。具体的には、何が変わるんでしょう?

安村社長

すべての人を一括りにして扱わないようになるんですよ。この人にはこの言い方、あの人には別の言い方、という風に。コミュニケーションの仕方そのものを学習するんです。

編集部

言い方を、人によって変える。それは、明確な結果として出るものなんですか?

安村社長

ある公立の中学校では、先生の離職が0になりました。新聞記事にもなったんですよ。

編集部

0…!学校の先生は、離職の多いお仕事だと聞きます。

安村社長

実際に、そういう方はたくさんいますね。いまは学習塾のコンサルティングもやっていて、そこでは先生が全員エニアグラムを学習しています。先生といっても大学生のアルバイトですけど、お子さんのタイプ別に教え方を変えているんです。

編集部

大学生の方が、それを使いこなせるんですね。

40までは、自分勝手に生きてきたんですよ

編集部

そこまで続けてこられて、これから力を入れたいのはどのあたりなんですか?

安村社長

これからは、経営者や組織開発といった、人事のもっと上のほうのコンサルティングが中心になると思います。なので、年齢とか時代に合わせて、戦略的に変えていきたいと考えています。それと、教育問題には、もっとちゃんと取り組んでいきたいですね。具体的には、診断士や社労士の方たちの教育です。AIで仕事の中身がどんどん変わっていく中で、その方たちがこれからも食べていけるように、というところを一緒にやっています。

編集部

働く方の側にも、教える側にも。ここまで伺ってきて、自己理解と他者理解は、仕事の話だけではない気がしてきました。

安村社長

人と人とが接する、全ての場面で使えますからね。恋愛でも、結婚でも、子育てでも。組織の中の上司と部下の関係でも同じです。自分を理解して、他者を理解して、どうやってお互いにいい関係を作っていくか。永遠のテーマだと思いますよ。

編集部

20代のうちからそこに触れておくと、何が変わると思いますか?

安村社長

先ほどもお伝えしたように、いま私が教えているのは大学生なんですが、学生のうちに自己理解と他者理解をしておけば、会社に入ってからとても良い社会人になると思うんです。結婚しても、いい関係が作れると思いますよ。

編集部

学生のうちに…!早ければ早いほどいい、ということですか?

安村社長

そうですね。私は40まで、コーチングもエニアグラムも知らないで、自分勝手に生きてきたんですよ。それが40で変わりました。キャリアを重ねていくにも、社会人としてやっていくにも、自己理解と他者理解を深くすることは、とても大切な学習だと思います。

編集部

40歳になるまでは、それを知らないままだった。相手に届く言い方が40歳からでも身につくのなら、いまからでも知識を得ておいて損はないですね。安村社長、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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