今いる場所の順位が、すべてじゃない。Challenge Fund 根本雄輝が「チャレンジをファンドする」理由

まわりは評価されているのに、自分だけ空回りしている気がする。今いる組織で、思うように力を発揮できていない。そんなとき、環境を変えることは、自分の可能性を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

株式会社Challenge Fundは、成長企業の採用支援と、個人のキャリア支援を手がける会社です。社名に込めたのは、「チャレンジをファンドする」という思い。人や企業が、一歩を踏み出せるように支えることを目指しています。

今回は、同社代表の根本雄輝さんにお話を伺いました。社長になることが目的ではなかったという創業の動機、40歳を一区切りにした人生設計、そして組織づくりを通じて変わってきた人の可能性への見方。その背景をたどります。

お話を伺った人

株式会社Challenge Fund

代表取締役 根本 雄輝

2015年にインテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、営業・企画・戦略を担当。2019年にChallenge Fundを創業し、成長企業の採用と個人の成長を支える事業を展開。2024年に事業家向け転職エージェント「CFキャリア」をリリース。現在も自らキャリア面談を行っている。

目次

高い基準を持つ仲間と挑み続けたい

編集部

社名の背景にある、根本社長ご自身の考え方から教えていただけますか?

根本社長

僕自身、プライベートでも仕事でも、上位2割でい続けたいという思いがあるんです。いわゆる「2:6:2の法則」でいう上の2割ですね。ただ、自分だけが上位2割でも、満足できるわけではないと気づいて。今は、周りにもそういう人たちがいてほしいと思っています。

編集部

自分自身が成果を出すことに加えて、周囲の人たちも大切なんですね。

根本社長

スポーツがわかりやすいんですけど、どんどん高みを目指したいし、全国優勝するようなチームに入りたい。そこで努力して、自分も勝っていく。でも同時に、「周り、すごいな」と思えることも幸せなんですよ。

編集部

切磋琢磨できる環境に、身を置き続けたい。

根本社長

そうです。そこで自分がナンバーワンになったら、次はまた自分が凡人になるような環境に身を置きに行く。とにかく、レベルの高いところにいたいんですよね。

編集部

起業も、その考え方とつながっているのでしょうか?

根本社長

仕事も一緒です。起業したのも、ざっくり言うと、社長になりたかったからではないんです。20代、30代は、仕事に本気で取り組むことが、上位2割の人たちに囲まれる確率を一番高められるんじゃないか。そう考えたことが、起業の動機の一つでした。

編集部

どんな人たちと、どんな環境で働きたいか。その思いから、起業を選んだんですね。

40歳を人生の一区切りにする

編集部

その先の人生については、どのくらい先まで考えていらっしゃるんですか?

根本社長

僕は「人生40年計画」を立てています。少し強い言い方をすると、「40歳で一度死ぬ」という計画です。もちろん、実際に命を終えるという意味ではありません。40歳を人生の一区切りにして、そこまでに何を実現したいかを決めている、ということです。自分だけではなく、家族や社員、出会った大切な人たちも含めて考えています。

編集部

40歳の時点で、どんな状態を実現したいのでしょうか?

根本社長

周りのみんなが、お金や時間、環境にモヤモヤすることなく、好きなことに挑戦できている。僕との関わりが、その後押しになっていたら嬉しいです。ちょっとおこがましいですけど、そういう人生にしたいなと。一方で、40歳以降の自分の姿は、まだ具体的には見えていないんです。

編集部

40歳以降は、仕事以外の挑戦を選ぶ可能性もあるんですね。

根本社長

そうですね。仕事以外の分野で、上位2割になっている人もいるじゃないですか。だったら40代は、また別の分野で上位2割を目指してもいい。僕の場合、30代までは仕事に本気で取り組むことで、そういう人たちに出会いやすいと思っているので、まずは仕事でいく。その先は、まだ決めなくていいという感覚ですね。

編集部

なぜ、40歳という区切りにしたのでしょうか?

根本社長

もともとは人生50年計画でした。社会人1、2年目の頃から、1か月後、半年後、1年後と刻んで考えて、最後が50歳。でも、40歳でも50歳でも、目指すものは変わらないんじゃないかと思ったんです。だったら40歳を、今想像できる最大限の目標の期限にしようと。

採用を通じて挑戦を支える

編集部

その思いが、社名にも込められているんですね。

根本社長

そうなんです。「チャレンジをファンドしたい」と思ってつくりました。最初はチャレンジファンドかチャレンジバンクか迷ったんですけど。「挑戦者と共に」という言葉も掲げています。

編集部

「チャレンジをファンドする」とは、具体的にどんなイメージなのでしょう?

根本社長

PayPalの創業や成長に関わった人たちが、その後いろいろな会社を立ち上げていますよね。ああいうふうに、Challenge Fundで一歩を踏み出した人たちが、それぞれの場所で活躍して、また次の挑戦をしていく。そんな人が増えたら、とても嬉しいです。

編集部

その理想は、採用支援や接客業向けのシステムという事業と、どのようにつながっているのでしょうか?

株式会社Challenge Fundによる、人材サービスを軸とした3つの事業

根本社長

採用でナンバーワンになること自体が、最終目的ではないんです。採用は、挑戦を支えるための手段だと考えています。

編集部

採用を通じて、どんな挑戦を支えたいのですか?

根本社長

上位2割の人たちが、ちゃんと報われてほしいんです。最初の事業は採用のアウトソーシングでした。当時、知り合いの中小企業の社長が、みんな「こんな人が採れれば、これができるのに」と言っていたんですよ。経営者にも、挑戦したいのに踏み出せない人がいるんだなと。

編集部

事業を進めたい思いはあっても、必要な人材がいない。

根本社長

そうです。僕は採用が得意だったので、それを生かして、「こんな人が採れたから、一歩踏み出せたよ」と言ってもらいたかった。「あなたの黒子になります」という意味で、創業事業を「KUROKO」と名付けました。

編集部

接客業向けの「koko tip」も、同じ発想から生まれたんですか?

根本社長

同じです。僕が見てきた接客の現場には、その仕事が好きで、得意で働いている人がたくさんいました。お客さんから「ありがとう」と言われているのに、その価値が社内の評価に十分つながらず、辞めてしまう人もいた。本当は力を発揮しているのに、評価されていない人の仕事を見える化して、報われるようにしたい。それでつくったのが「koko tip」です。

編集部

採用で企業の挑戦を支えることも、接客の価値を見えるようにすることも、同じ思いにつながっているんですね。

自分の成果をチームの成果へ広げる

編集部

そこから、転職エージェント「CFキャリア」に注力するようになったのは、なぜですか?

根本社長

創業事業の採用アウトソーシングでは、本当に「ありがとう」と言ってもらえる瞬間がたくさんありました。一方で、お客さまが増えるにつれて、一社一社に深く関わり続ける難しさも感じるようになったんです。そこで、培ってきた強みを生かしながら、ビジネスモデルを見直そうと考えました。エージェントを始めてみると、アウトソーシングで積み重ねてきた法人支援の経験が、大きな価値として受け止められたんです。

編集部

事業の形が変わることで、これまでの経験の生かし方も変わったんですね。

根本社長

事業をつくる力は、大きく分けると、プロダクトを開発する力と、組織をつくる力の二つがあると思っています。創業事業もkoko tipも、僕の感覚では、プロダクト開発の比重が大きかった。一方で、エージェントは市場がすでにあって、事業体制の参考になる例もある。だからこそ、組織をつくる力が必要だと感じました。そして当時の自分には、その力が十分ではないと気づいたんです。

編集部

どんな場面で、そう感じたのでしょうか?

根本社長

前職では、営業でも企画でも、プレイヤーとして仕事をしていました。大学時代の部活も、団体戦が一番大事だったんですけど、結局、一つの勝ちは一人で取りにいける。気持ちは団体戦でも、自分が頑張れば結果を出せる世界に、ずっといたんだなと。でも、自分一人で出せる成果には限界があります。他の人と一緒に結果を出そうとしたときに、組織だからこその強みを、まだ十分に引き出せていないと感じたんです。

編集部

その課題に気づいて、どう受け止めましたか?

根本社長

これは、めちゃくちゃ楽しいと思ったんですよ。他にもやりたいことはあるんですけど、この2年はCFキャリアに特化しようと決めました。koko tipは別会社化し、営業やカスタマーサクセスを中心とした運営を、その会社の代表に託しています。僕自身が組織をつくる力を一番伸ばせるのが、このエージェント事業だと思っています。

力を発揮できるフィールドを見つける

編集部

ここまで「2:6:2」という考え方が出てきました。組織づくりを通じて、その捉え方は変わってきたのでしょうか?

根本社長

僕は、上位2割の人たちに囲まれたいと思って組織をつくってきました。ただ、同じように高い成果を期待しても、組織の中で成果の出方に差が生まれることはある。全員が同じ環境で上位2割になることを求め続けるのは、難しいと感じるようになりました。

編集部

今いる環境で、思うような評価を得られていない人については、どう考えていますか?

根本社長

この環境では、たまたま6割の側にいるだけかもしれない。外に出れば、上位2割になれる場所があるかもしれない。それぞれが、自分の力を発揮できるフィールドを見つければいいんじゃないかと思うようになりました。ここでの評価だけで、その人の可能性が決まるわけではない。そう考えられた方が、人生はハッピーになるんじゃないかなと。

編集部

その考え方になったのは、いつ頃からですか?

根本社長

ここ数か月ですね。もともと、みんなに2割の側にいてほしいという思いはありました。ただ、自分の理想のためだけではなく、相手にとっても、そういう見方をした方がいいと思うようになってきたんです。

編集部

では、今のChallenge Fundで、一緒に働きたいのはどんな方でしょうか?

根本社長

一緒に仕組みをつくっていける人です。ないものに対して「準備されていないじゃないか」と言うより、「ないことがわかったから、つくっていきましょう」と動ける人。かつ、目の前の売上も一緒につくれる人ですね。経営企画だけをやりたいというのではなく、まず現場で成果を出して、お客さんに貢献できる人と働きたいです。

編集部

その仲間と、これからどんな会社を目指していきたいですか?

根本社長

2028年3月末までに、従業員50~500名規模の成長企業を対象とした転職支援で、日本一を目指しています。ナンバー1とナンバー2には、大きな違いがあると思っているので。まずは領域を絞ってでも、日本一を目指そうという思いで取り組んでいます。

編集部

ご自身も、会社も、人の可能性も、今いる場所で決めつけずに次の挑戦を考えていく。その姿勢が、Challenge Fundという社名につながっているのですね。本日はありがとうございました。


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