「稼げないっていうのは、死活問題だと思ってて。」株式会社エコスマート・奈良社長が、❝営業社員の3割を年収1000万円にする❞と掲げる理由

稼ぎたい。そう口に出したことは、ありますか?

株式会社エコスマートの奈良秀二社長は、2歳の頃、両親の離婚を境に祖母に育てられました。「とにかく貧乏だった。お金がないから稼ぎたい、キラキラしたい」。そこが出発点だったと言います。

現在は保険の比較システムを自社で開発しながら、営業社員の3割を年収1000万円以上にすることを目標に掲げています。

なぜ、社員の年収にそこまでこだわるのか。そして、比較システムができたあとに、人がやる仕事として何が残るのか。詳しくお話を伺いました。

読み終わる頃には、年収1000万円という数字が、何をどれだけやれば届くものなのかが見えてくるはずです。

お話を伺った人

株式会社エコスマート

代表取締役社長 奈良 秀二

鹿児島県出身。プロサッカー選手を目指したのち、通信系の企業で営業職に就く。2010年に株式会社エコスマートを設立し、保険代理店事業を中心に展開。現在はコールセンターと訪問営業を分けた体制で全国に拠点を持ち、保険の比較システムを自社で開発。営業社員の3割を年収1000万円以上にすることを目標に掲げる。

目次

シンプルに、金持ちになりたかったんです

編集部

営業社員の3割を年収1000万円以上に、という目標を掲げていらっしゃると伺いました。奈良社長がそこまで数字にこだわる理由は、どこにあるんでしょう?

奈良社長

原体験としては、とにかく貧乏だったというところですね。2歳の時に母親が離婚して、家からいなくなったんです。父親が僕と兄を引き取ったんですけど、その父親もほとんど家に帰ってこなくて。祖母に育てられました。

編集部

2歳で…。

奈良社長

鹿児島の田舎で、虫と田んぼしかないようなところです。住んでいたのもボロ小屋みたいなもので。それでテレビをつけると、世の中は結構キラキラしているわけですよ。そういう世の中を見て育ちました。

編集部

テレビの中と、目の前と。

奈良社長

シンプルに、金持ちになりたかったんです。早くこの田舎から出たかった。祖母が作るご飯も、いつも芋とか、具のない味噌汁とか魚ばかりで。子どもの頃って、ハンバーグが食べたいじゃないですか。

編集部

わかります。子どもの頃は、目に映るものが世界の全部ですもんね。

奈良社長

靴下も穴が空いていて、学校に行くのが恥ずかしかったんですよ。上履きを脱がずに、破れているところを足の指に挟んで隠していました。そういうのが本当に嫌すぎて、絶対にビッグになろうと思ったんです。それでサッカーでプロを目指しました。全国で準優勝までは行ったんですけど、結局僕はベンチ外でしたね。

編集部

準優勝で、ベンチ外。

奈良社長

同級生はプロに行きましたし、後輩も行きました。その後輩は1年目で戦力外通告を受けたそうですけど、僕自身はそもそも、プロにはなれないと宣告されたんです。

力なき正義は無力、っていうか

編集部

プロにはなれない、と言われて。そこから、どうされたんですか?

奈良社長

じゃあビジネスのプロになろう、と思ったんです。それで通信の営業職に入りました。当時から、かなり厳しい会社だとはわかっていました。それでも、そこしかないと思ったんです。

編集部

わかっていて、あえて。

奈良社長

営業しかなかったというか、営業で自分を試したかったんですよ。とにかく上に行きたい、いい家に住みたい。最初はそういう、野心的なものでしたね。稼げる場所に行きたかったんです。

編集部

厳しい世界の中で、ひたすらに自分自身を追い込んだんでしょうね。

奈良社長

20代の前半くらいから、責任者を任されるようになったんです。そこで、お金というか、力がないと良いこともできないと気づき出しました。力なき正義は無力、っていうか。

編集部

力なき正義は無力。

奈良社長

そこからは、お金は手段でしかないと思うようになりました。稼ぎたいという気持ちは変わらないんですけど、向かう先が変わったという感じで。

編集部

野心から、手段へ。価値観が変わられたんですね。保険の世界を選ばれたのは、なぜだったんですか?

奈良社長

正直、はじめは全く興味はなかったんですよ。前職でフィナンシャル系の事業にいたので、その流れでという感じです。ただ、結果的にやり続けていたら愛着が湧いたというか。気づけば、もう20年いますね。

編集部

独立されたのは、いつですか?

奈良社長

2010年に立ち上げて、いまは17期目ですね。保険の代理店を中心にやっています。ただ業務をこなすんじゃなくて、しっかりお客様のお話を聞いて、保険を導いていくというのを軸にしています。そこは、創業から変わっていません。

1000万円近く払って、うまくいかなかった

編集部

お客様のお話を聞いて、導いていく。そのお客様とは、どうやって出会っていたんですか?

奈良社長

最初は電話帳に対して、電話をしまくっていました。いわゆるテレアポですね。電話がつながる割合も低いですし、ガチャ切りが9割みたいな中から、保険の見込みを作っていくんです。

編集部

ガチャ切りが9割…。鋼のメンタルが必要そうです…。

奈良社長

いまでもアウトバウンドは半分ぐらい残っていますよ。ただ、コロナの時に出社できなくなって、お客様にお電話しても相談につながる割合が非常に少なくなったんですよ。それで、まず集客をして見込みを作っていこう、というところから立ち上がりました。

編集部

つながるものも、つながらなくなった。それで、やらざるを得ない状況になったと。

奈良社長

そこが1番大きいところですね。ただ、インバウンドはすぐには育たないんです。最初はコンサルに入っていただいて、SEO対策も業者さんに依頼していました。

編集部

外に頼まれたんですね。うまくいきましたか?

奈良社長

1000万円近く払って、期待した成果にはつながりませんでした。外注先の問題だけではなく、僕自身がよくわからないまま任せすぎたんです。何を成果とするか、途中でどう確認するかも甘かった。最終的に決めたのは僕なので、そこは反省しています。それで、社内に知識が残るように、内製化を目的とした外注に切り替えました。

編集部

1000万円かけたのに…!その判断は、思い切りましたね。内製化は、どう進められたんですか?

奈良社長

人事異動をさせました。奇跡的に1人、前職でSEOをかじっていた人間がいたんです。しかも営業もうちで経験していて、保険のノウハウもわかった上で、業務管理責任者もしていた。ぴったりだね、ということで任命しました。

編集部

社内に適任な方がいたんですね。そこからは、順調に進んだんでしょうか?

奈良社長

いや、めちゃくちゃ大変でしたね。コストもいろんなところにかかりましたし、本当に大変でした。その人が中心になって立ち上げて、いまも続けてくれています。

最後は、人が支えるべきだと思ってる

編集部

立ち上げられた集客の仕組みは、いまどんな形になっているんですか?

奈良社長

最初はメディアの記事だけで集客しようと思ったんですけど、そういうわけにもいかず。記事を読むだけでは、自分にどんな保険が合うのかまではわかりにくい。そこで、お客様自身が条件を変えながら比較して、自分に必要な保障を考えられるように、比較システムを作りました。

編集部

それは画期的なシステムですね。結果は、AIが出すんですか?

奈良社長

AIでパンとおすすめが出るわけではないです。データの生成はAIですけど、決まったロジックに従って絞り込んでいく形がシステムの中に組み込まれていますね。

編集部

では、比較までは機械がやってくれるとして。人がやることとして、何が残るんでしょう?

奈良社長

最後は、お客様が納得して選べるように支えることですね。比較結果だけではわからない、家族のことや家計のこと、本当に不安に思っていることを聞く。そのうえで、保険が必要なのか、必要ならどんな備えが合うのかを一緒に考える。それが人の仕事だと思っています。

編集部

たしかに、そこは機械に渡せないですね。

奈良社長

AIの時代でも、最後は人が支えるべきだと思ってるんです。テクノロジーだけじゃなくて、人を介することでお客様の人生を支える。それが僕らの仕事だと思っています。

編集部

ただ、営業社員の方から見ると、自分の仕事が減るように見える場面もあったんじゃないですか?

奈良社長

反発は起きていないですね。それより手前の、問い合わせの数が全てなので。いままでは駅前でチラシを配っているようなものでしたけど、いまは来店型のショップに来てくれる状態です。

編集部

見込みのほうから、来てくれる。

奈良社長

はい。集客担当が改善を続けてくれているので、営業担当は自分でお客様を探すところから全部やる必要がないんです。相談を希望されたお客様への対応や、提案の準備に時間を使える。そこは営業にとっても大きいですね。

稼げないっていうのは、死活問題だと思ってて

編集部

見込みが増えて、人は説得に集中できる。そのうえでの、営業社員の3割を年収1000万円以上に、という目標なんですね。でもなぜ、その数字だったんですか?

奈良社長

従業員にとって、稼げないっていうのは死活問題だと思ってて。僕自身も子どもの頃の体験があり、いまでも稼ぎたいタイプなので、そこを実現させたいんです。年収1000万円以上というのは、世の中の6.2%ぐらいなんですよ。そこを3割にできれば、魅力的だよねと。

編集部

6.2%を、30%に..!でも一体、どうやって目指していくんですか?

奈良社長

年収1000万円を、ただの掛け声にはしたくないんです。どれだけの成果を出せば届くのか、会社として目安を示したい。営業社員への還元は粗利の40%を目指していて、年間粗利3,000万円、月平均250万円を一つの目安にしています。

編集部

月に250万円。それをやり切る方は、正直一握りなのかなと…。

奈良社長

一握りですね。ただ、新卒とか一般社員に年収1000万円と言われても、ピンと来ないじゃないですか。うちは手数料も開示していますし、高い成果を出している人の行動も見える形にしているので、イメージしやすい状態にしています。

編集部

稼げる理由を、隠さないということですね。ちなみに、これから御社へはどんな方に来てほしいですか?

奈良社長

値引きで選んでもらう営業ではないんです。お客様の話を聞いて、必要な保障を考え、選んだ理由をわかりやすく説明する。その力が問われる仕事だと思っています。誰でもできる営業職ではないと思っています。厳しくても成長したい、稼ぎたいという方には合うはずです。

編集部

多様性という言葉が広がる中で、そこはあえて厳しさを掲げるんですね。

奈良社長

働くうえで何を大事にするかは、人それぞれだと思います。その中で、うちは本気で実力をつけて収入を上げたい人が挑戦できる会社にしたい。ただ、厳しく要求するだけでは会社の責任を果たせないので、教育や集客の仕組みも整えていく必要があります。そこは、まだ改善の途中です。その先で、業界の中心になれるような大手を目指しています。最終的には、保険業界やファイナンシャルプランナーの社会的地位を上げたいんですよね。

編集部

憧れの職業に、していく。

奈良社長

そこに僕はコミットしているので、一緒にグロースしませんか、と。稼ぎたいという気持ちは、遠慮なく持ってきてほしいです。ただ、自分が稼ぐためだけに保険を売る人は合わない。お客様に必要な提案ができる力をつけて、その結果として収入も上げたい。そういう人と一緒に働きたいですね。楽に稼げるとは言えませんが、本気で成長したい人には、会社も本気で向き合いたいです。

編集部

稼ぎたいと思っている人だけ、来てほしい。ここまで伺ってきて、その一言に至るまでの道のりが見えた気がします。稼ぎたいと口に出すのは、恥ずかしいことではない。あとは、その数字に何をどれだけ積めば届くのかを、自分で意識できるかどうかなのかもしれません。奈良社長、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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