「面白いんですよね、ビジネスって。」株式会社フリーインターナショナル・葛谷社長が語る”40年やめようと思わなかった理由”

いまの仕事を、10年後も続けている自分を想像できますか?

株式会社フリーインターナショナルの葛谷雅彦社長は、23歳で始めた仕事を、いまも続けており、「継続することを、1番念頭においてやってきました」と振り返ります。その結果、4.5坪の店から始まったアパレルブランドは、名古屋から東京、横浜、札幌へと広がっていったそうです。

今回は、なぜ途中でやめようと思わなかったのか、そして好きなことを続けるために何を仕組みにしてきたのかについて、葛谷社長にじっくりお話を伺いました。

読み終わる頃には、好きなことを長く続けるためには、何が重要なのかが見えてくるはずです。

お話を伺った人

株式会社フリーインターナショナル

代表取締役社長 葛谷 雅彦

23歳で友人と2人で、4.5坪の店から事業をスタート。靴のセレクトショップから婦人服へ広げ、自社オリジナル製品の製造・販売を開始。名古屋から渋谷、新宿、横浜、札幌へと出店を進め、現在はブランド「F i.n.t」「an another angelus」を中心に、婦人服・紳士服および服飾雑貨の企画・製造・販売を手がける。

目次

とにかくやってみようか、みたいな

編集部

葛谷社長は、23歳でお店を始められたと伺いました。もともと、服のお仕事のご経験があったんですか?

葛谷社長

いえ、全くの畑違いですね。服飾の学校も出ていませんし、経験もありませんでした。ただ、商売をやりたいという気持ちだけは持っていたんですよ。

編集部

商売がしたい、が先だったんですね。畑違いのところに、どうやって入られたんですか?

葛谷社長

当時、45坪ぐらいのスペースを区画に分けて、まだ芽が出ていない若い人たちを集めて店をやってもらおう、という企画があったんです。友人の知り合いからの話で、その企画に乗った形ですね。友達と2人で、4.5坪の小さな店をスタートさせました。

編集部

4.5坪…!資金のほうは、どうされたんですか?

葛谷社長

お金もなくスタートしました。まあ、若いものですからチャレンジ精神ですよね。とにかくやってみようか、みたいな。

編集部

その4.5坪のお店では、何を売られていたんですか?

葛谷社長

靴ですね。1年ぐらいで、閑散としていたビルにすごくお客さんが来るようになりました。

編集部

1年で、そんなに。何があったんでしょう?

葛谷社長

私の店だけではなくて、周囲に面白い店が集まったんですね。それが当時としては珍しくて、非常に若い子たちが来るようになりました。そういうエリアというか、フロアになったんですよ。そうして、靴以外に服も取り扱い始めたら、その服が靴よりも売れるようになりましたね。

継続してくることが大事かなと

編集部

靴から服へ、扱うものが変わっていったんですね。そこから、お店はどう広がっていったんですか?

葛谷社長

5年、6年、7年と経って、8店舗になったんです。その段階で、友達と4店舗、4店舗で分けて、お互いに独立してやっていくことになりました。

編集部

分けて、それぞれの道へ。ここが、1つの区切りだったんですね。

葛谷社長

私はそこから、路面店のほうに店を構えまして。それまではセレクトショップという形で、メーカーのものを買って売るという業態だったんですけど、利益を求めるために自社でのオリジナル製品を作り始めたんです。

編集部

作る側に回られたんですね。オリジナルは、どなたが担われたんですか?

葛谷社長

企画として女性が2名、1年ごとに1名ずつ入ってきてくれて。古着好きの方たちでこだわりも良い意味で強く、いまの元となるヴィンテージ感のあるものを作るようになっていったんですよ。

編集部

そうしてブランドの形ができて、東京へ出られたんですね。

葛谷社長

最初は名古屋と東海3県でお店をやっていたんですけど、全国区になろうということで、渋谷の桜丘に路面店を開設しました。そこから新宿のファッションビルにお声がけいただいて、横浜、札幌とどんどんお店が広がっていったという経緯ですね。

編集部

靴から服へ、買うから作るへ、名古屋から東京へ。業態も場所も、ずいぶん変わっていますね。

葛谷社長

中身が色々変わったとしても、継続が大事かなということで、1番念頭においてやってきましたね。

軸を、映画に置いたんです

編集部

御社のブランドの雰囲気は、ずっと変わらない印象がありますね。

葛谷社長

デザイナーは経験を重ねていく中で年齢が上がっていきますよね。そうすると世界観、ブランドも年齢を重ねていってしまうじゃないですか。それはちょっと良くないなと思っていまして。20代を中心にした方に、ずっとブランドとして維持していきたいという思いがありました。それだとデザイナーの力量に合わせるというよりは、基軸となるものを設けた方がいいよね、と考えたんです。

編集部

その基軸というのは…?

葛谷社長

1950年代から80年代ぐらいの映画ですね。フランスやイギリスなど、ヨーロッパの作品をモチーフとしてデザインを起こしていく形を、デザイナーに要求していきました。

編集部

なぜ、映画だったんでしょう?

葛谷社長

デザイナーって、ある程度出すと出し切っちゃって、もうこれ以上出てこないというのが1番の苦しみだと思うんですよね。ただ、映画を見て、主人公やストーリー、風景、ライフスタイルからインスピレーションを起こす形なら、出尽くすことなく、次の作品に行けばまた新しく出てくるんです。

編集部

出し尽くさなくて済む…!ちなみに、同じ映画を見ても、みんな違うものが出てくることもあるんですか?

葛谷社長

ありますね。それぞれ刺さるところが違うんですよ。そうすると、同じ作品なんだけど、違った形でのスタイリングやデザイン、柄が出てくるということなんですね。主人公が暮らしている部屋の壁紙の柄から、柄を考えるようなこともやっていますよ。

編集部

壁紙から…!流行もしっかり追っていく感じですか?

葛谷社長

2026年のAW(※)のトレンドは何ですか、というトレンドマップがあるんですね。ヨーロッパを中心としたものを一度参照して、トレンドを組み込んだ上で映画を選択していく、という順番です。これが来ているから、これに近い作品はないかな、と探しに行くんですよ。

※…AWは秋冬シーズンのこと。トレンドマップは、次のシーズンに流行する色や形の方向性をまとめた資料

商品のデザインは投票で決めます

編集部

取り扱う商品のデザインは、どうやって決まるんですか?

葛谷社長

1人のデザイナーが、ワンシーズンに10〜15体のスタイリングを描くんですね。スタイリングというのは、上から下までのトータルのデザインのことなんですが、それが5〜6人で90体ぐらい出揃うんですよ。それでそこから、経験者のスタッフ・新人のスタッフが1人5〜6票持って、投票していくわけですね。

編集部

みなさんの人気投票で決まるとは、すごく興味深いです…!新人の1票も、経験者と同じように数えられるんですね。

葛谷社長

はい。そこは変わらず、票の多いものがピックされていく、という形を取っています。

編集部

気になるのは、経験の差が票に出るのかどうかです。

葛谷社長

出ますね。経験値の高い店長たちが選んだものと、新人が選んだものは、やっぱり多少違いがありますし。同じものが選ばれれば無条件に通しますし、それ以外は見比べながら、デザイナーの意見も聞いて決めていきます。最終的には、ワンシーズンで16体ぐらいに絞りますね。

編集部

90体が、16体に。その16体を外に発信するのも、お店の方がされるんですか?

葛谷社長

SNSの発信は、プレスの担当だけでなく、お店のスタッフもできるようになっていますね。

編集部

選ぶのも、届けるのも売り場から。葛谷社長がデザインそのものに意見を出すことは、あるんでしょうか?

葛谷社長

こういうのが欲しい、というアイデアをデザイナーにぶつけることはありますよ。ただ、絵を描くようなことはしないんですけどね。

編集部

自分たちで選んで、意見も出した服なら、お客様に勧める言葉にも力が入りそうです。

葛谷社長

お客様に最もお似合いするものをお勧めする、ということはスタッフにも伝えていますね。そうするとリピートしていただけますし、お客様から感謝の言葉をいただけるんですよ。それが1つの、仕事としての喜びですよね。

好きなことを仕事にできてるって、こんな幸せなことはない

編集部

それは、やりがいがありますね。現場で力をつけた方は、その先にどんな道があるんでしょう?

葛谷社長

グループを率いる店長になったり、その上のマネージャーになったり、本部に来て活躍してもらう人になったりしていきます。

編集部

本部へ…!それではこれから採用を進めていく中で、どんな方と働きたいと考えていらっしゃいますか?

葛谷社長

チームでやるので、和が大事なんですよね。ですから、和を保てるという人がやっぱり1番いいですよね。もちろん個人のスキルがすごくて独立心が強い方を否定するわけじゃないんですけど、それよりは、みんなと一緒にやろうね、という場を持てる方ですね。

編集部

和を保てるかどうか。

葛谷社長

例えばバレーボールをやっていました、というような、みんなで何かやっていた経験ですね。強いスポーツクラブだと上下関係もしっかりしていますから、そういうところで過ごされた方は、組織の中でまとまれるんですよ。あとは、これがまた1番難しいんですけど、受け止め方が素直な方が、結果的には伸びるので、そこを見ていますかね。

編集部

実績がなくても、ということですね。最後に伺いますが、葛谷社長は23歳からずっと、同じ仕事をされてきているわけじゃないですか。一度もやめようと思われたことはないんですか?

葛谷社長

全然ないですね。面白いんですよね、ビジネスって。新しいお店をやるのもすごく楽しいですし、緊張はしますけど、それでも面白い。

編集部

面白い、がずっと続いているんですね。これからやりたいことも、まだあるんでしょうか?

葛谷社長

ウェディングをしっかり動かそうとか、海外への輸出をやりたいとか、やりたいことはいっぱいあります。ただ、1個1個やらないとバラバラになるので、1つずつですね。

編集部

やりたいことが、まだ増えていくんですね。

葛谷社長

好きなことを仕事にできるって、こんな幸せなことはないと思うんですよ。

編集部

好きなことを仕事にできるって、こんな幸せなことはない。23歳で4.5坪から始めて、いまも次々にやりたいことが増え続けています。好きなことを長く続けるのに要るのは、才能ではなく、面白がり続けられるかどうかなんですね。葛谷社長、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

株式会社フリーインターナショナル_採用情報

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