約7割が未経験から。日ノ丸西濃運輸株式会社・河崎さんに聞く、トラックドライバーとして独り立ちするまで

トラックドライバーというと、「経験がないと難しそう」「大きな車をいきなり運転するのは怖い」と感じる方もいるかもしれません。

日ノ丸西濃運輸株式会社は、鳥取・島根の8拠点を中心に、企業から企業へ荷物を運ぶ商業物流を担う運送会社。現在働いているドライバーの約7割が、物流業界未経験からのスタートだといいます。

入社後は座学から始まり、先輩の助手席で仕事を見て、自分で運転し、最後は先輩が隣で見守る。そうした段階を踏みながら、基本的には3ヶ月ほどかけて独り立ちを目指します。

今回は、同社の総務部で人事も担当する河崎修平さんに、仕事内容やドライバーの働き方、未経験から仕事を覚えていくまでの流れについて伺いました。

お話を伺った人

日ノ丸西濃運輸株式会社

総務部 河崎 修平

鳥取県出身。東京の運送会社で現場事務を経験したのち、地元へ戻り、日ノ丸西濃運輸株式会社へ入社。社内の欠員をきっかけに人事部門へ移り、現在は総務部で人事労務を担当。採用活動や求人票の作成、給与計算、労働時間の管理など、幅広い業務に携わる。

目次

募集から給与計算まで、人事労務を幅広く担当

編集部

河崎さんは現在、日ノ丸西濃運輸株式会社の総務部で人事を担当されているんですよね。具体的には、どんな業務をされているんですか?

河崎さん

人事労務でやりそうなことは、だいたい全部やっている感じです。採用では人材募集のための求人票の作成をしますし、労務の方では労働時間の管理や、時間外労働、保険に関する対応もありますね。給与計算なんかもしています。

編集部

採用だけではなく、労務関係も。かなり幅広いですね。

河崎さん

そうですね。総務部全体には経理の担当者などもいるんですが、人事労務に関わっているのは、僕ともう1人、それから上長の合計3人です。

編集部

3人でそこまで見ているんですね。ちなみに河崎さんは、もともと人事を希望して入社されたんでしょうか?

河崎さん

いや、それが違うんです。もともとは東京の運送会社で、ドライバーではなく現場の事務をしていました。鳥取が地元なので、こちらへ戻ってきたときに「また運送会社で働けばいいかな」という感じで入社したんですよ。ちょうどその時に「人事で欠員が出たから、代わりにやってくれないか」と言われまして。

編集部

そういう経緯だったんですね。ちなみに、運送会社で働く事務や総務の方って、もしもの時はピンチヒッターとしてドライバーに回ることってあったりするんでしょうか。河崎さんはいかがです?

河崎さん

さすがに、僕はしないですね。ずっと事務所にいます(笑)。

企業から企業へ。大きな荷物も扱う商業物流

編集部

御社のドライバーの方たちって、普段どんな荷物を運んでいるんですか?

河崎さん

基本的には昼夜問わず、会社から出た荷物を別の会社へ届けていますね。いわゆる商業物流です。

編集部

ネット通販の荷物を個人宅へ届ける仕事とは、少し違うんですね。

河崎さん

そうですね。普段届くような小さな段ボールばかりではなくて、同じ商品がまとまった荷物だったり、サイズの大きな荷物だったり、いろいろあります。

編集部

「大きな荷物」というのは、どのくらいまで扱うんでしょう?

河崎さん

そこはうちの強みの一つでもあって、他社では断られるような大きな荷物が来ることもあるんですよね。「大きすぎて運べない」と言われるようなものでも扱います。

編集部

他社では断られるようなサイズまで…!商業物流を中心にしているからこそ、対応できる部分もあるんですかね?

河崎さん

それもありますね。弊社のトラックで、一番小さいものでも2トンですから。

編集部

一番小さくても2トン…。そう聞くと、ベテランの方が多そうな印象があります。

河崎さん

実際の年代でいうと、一番多いのは40代から50代ですね。ただ、新卒で入ってくれる方も何人かいますよ。あとは、大卒の採用もしていますが、実際には高卒で入る方の方が多いです。鳥取と島根に8拠点があり、昼と夜を合わせるとドライバーは現在200人超となっていますね。

1人の時間が長い。でも、昼は顔なじみも増えていく

編集部

ドライバーの仕事って、1人で運転する時間がかなり長いですよね。そういう働き方が合うのは、どんな方だと思いますか?

河崎さん

ある程度、自分のペースで仕事を進めたい方には合うと思います。もちろん決められた仕事はありますし、やることはちゃんとやっていただきますけど、ずっと上司が横にいる仕事ではないので(笑)。

編集部

誰かとずっと一緒に動くより、自分で進める時間が長いんですね。トラックドライバーというと、車が好きな方が多いイメージもありますが、そのあたりは実際どうですか?

河崎さん

そこまででもないと思いますね。もちろん車が好きな方もいますけど、「とにかく運転が好きで仕方ない」という人ばかりではないです。

編集部

車好きであることが絶対条件ではない。では、実際に働いている方は、どんなところに面白さを感じているんでしょう?

河崎さん

昼のドライバーだと、毎日の配送先の7割、8割くらいは同じところなんですよ。なので、何度も荷物を届けているうちに、「こんにちは」と普通に話せるようになって、相手の方とも顔なじみになっていくんです。そういうところに面白さややりがいを感じる、という話は聞きますね。

編集部

配送先で、少しずつ関係ができていくんですね。

河崎さん

そうですね。昼はそういう面があります。逆に夜は、人との接点はかなり少ないです。その代わり、1人で大きなトラックを運転すること自体が楽しい、という方もいますね。あとは、面白さとはちょっと別の話ですが、夜の方が収入は高くなりやすいです。

編集部

収入面にも違いがあるんですね。給与は、固定給なんでしょうか?

河崎さん

固定給もありますが、歩合の部分もあります。荷物を運べば運ぶほど、収入にも反映される仕組みですね。地域の中で見ると、給与水準は業界の中では中くらいから、やや高めぐらいだと思います。

「これでオッケー」となるまで、1人にはしない

編集部

ここまで聞くと、一番小さなトラックでも2トンですし、「自分に運転できるのかな」と不安に感じる未経験の方もいそうです。入社後は、どんな流れで仕事を覚えていくんでしょう?

河崎さん

基本的には、最低でも3ヶ月ほど研修します。その間、最初から1人でトラックに乗ることはありません。僕は前職と今の会社しか知りませんが、それでも弊社の研修はかなりしっかりしている方だと思いますね。

編集部

その研修は、まずは何から始めるんですか?

河崎さん

最初の2週間くらいは座学です。その後の2週間くらいは、先輩の横に乗って仕事を見ます。この段階では、基本的にはまだ自分で運転せずに、先輩がどう仕事をしているかを見ながら覚えていく感じですね。

編集部

最初からハンドルを握るのではなくて、まず仕事の流れそのものを見るんですね。

河崎さん

そうです。それが終わったら、今度は役割を入れ替えるんです。自分が運転して、先輩に横へ乗ってもらいながら教えてもらう形ですね。最後の1ヶ月くらいになると、先輩は隣に乗っていますけど、基本的には口を出しません。運転も荷物の扱いも、自分で全部やってみる。そこで先輩が見ていて、「これならオッケーだな」となってから独り立ちする形です。

編集部

「3ヶ月経ったから明日から1人で」というわけではないんですね。

河崎さん

そうですね。3ヶ月は一つの目安です。運転に慣れていない方もいますし、高校を卒業したばかりだと、車の運転そのものに慣れていない場合もあります。そういう方だと、半年から1年くらいかけることもありますね。

編集部

人によっては、独り立ちまでの期間そのものを延ばすこともある、と。

河崎さん

あります。運転するのは軽バンではなく、基本的にはトラックですから。そこは丁寧にやっていると思います。

入社後、大型ドライバーを目指す道もある

編集部

今、採用で一番必要としているポジションは、やはりドライバーなんでしょうか?

河崎さん

そうですね。どこまでいっても、やっぱりドライバーです。事務職はまだこちらの工夫で何とかなる部分もありますけど、ドライバーは弊社だけではなく、他社さんも含めて人手が足りていない状況です。中でも今は、どちらかというと夜のドライバーですね。

編集部

夜の方なんですね。

河崎さん

はい。ちなみに夜は、大型のトラックに乗る仕事になりますね。

編集部

大型となると、今度は免許のハードルがありますよね…。入社した時点で大型免許を持っていなくても、大型トラックのドライバーを目指すことはできるんですか?

河崎さん

できます。入社後に必要な免許を取る場合は会社から補助が出ますし、中型免許だけではなく、大型免許も対象となっていますので。

編集部

それなら、入社してから「もっと大きなトラックに乗りたい」と思った時にも動けそうです。

河崎さん

そうですね。収入を上げたいという方は、ぜひ、働きながら段階的に免許を取ってもらえたらと思います。

編集部

今回お話を伺って、トラックドライバーという仕事は、最初から経験や免許が揃っている人だけが選ぶ仕事ではないことがよくわかりました。入社後に仕事を覚え、その先も免許を取りながら乗れるトラックや働き方を広げていける。未経験から始めたあとに、どんなふうに経験を積んでいけるのかまでイメージできるお話でした。河崎さん、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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