転職先が決まってから退職するときの伝え方|円満退職の手順と例文を解説

「転職先が決まったけど、今の会社にどう伝えればいいんだろう?」
転職先の内定を獲得した後、多くの方が「退職の伝え方」で悩んでいます。上司に切り出すタイミング、退職理由の伝え方、引き止められたときの対処法など、不安は尽きません。
しかし、正しい手順と伝え方を知っていれば、円満退職は十分に実現できます。転職先が決まってからの退職は、経済的にも精神的にも余裕を持って進められる最も賢い選択です。
この記事では、転職先が決まってから退職を伝える際のベストなタイミング、上司への切り出し方、例文、引き止められたときの対処法までを網羅的に解説します。
この記事は、転職エージェント「ノビルキャリア」を運営する私たちが、内定後の退職交渉を数多く支援してきた経験をもとに執筆しています。
株式会社MEDISITE キャリアコンサルタント
阿部 翔大

転職先が決まってから退職を伝えるメリット
転職活動を在職中に進め、内定を獲得してから退職を伝えるのは、最もリスクの低い転職方法です。経済面・精神面の両方で大きなメリットがあります。
収入の空白期間が生まれない
退職後に転職活動を始めると、内定が出るまでの間は無収入になります。転職先が決まってから退職すれば、退職日と入社日を調整することで収入の空白期間をゼロまたは最小限に抑えられます。生活費の不安がないため、焦って妥協した転職をするリスクも防げます。
精神的な余裕を持って退職できる
次の職場が決まっている安心感があるため、上司や同僚への退職報告にも落ち着いて臨めます。「辞めた後どうしよう」という不安がないぶん、引き継ぎにも集中でき、円満退職につながりやすいのが特徴です。
引き止めに対しても毅然と対応できる
転職先が決まっていれば、上司からの引き止めに対しても「すでに次が決まっています」と伝えられるため、退職交渉がスムーズに進みやすくなります。曖昧な状態で退職を申し出ると、条件交渉に巻き込まれて退職時期が延びるケースもあります。
阿部 翔大転職先が決まってからの退職は、精神的にも経済的にも安定した方法です。「辞めてから探す」より圧倒的にリスクが低いので、焦らず進めてください。
退職を伝えるベストなタイミング
退職の伝え方と同じくらい重要なのが「いつ伝えるか」というタイミングです。タイミングを誤ると、円満退職が難しくなることもあります。
法律上は退職の2週間前でOK
民法627条では、雇用期間の定めがない場合、退職の申し入れから2週間で雇用契約は終了すると定められています。ただし、法律上はOKでも、2週間前の申告では引き継ぎが間に合わず、職場に迷惑をかける可能性があります。
理想は退職希望日の1〜2ヶ月前
実務上は、退職希望日の1〜2ヶ月前に伝えるのが理想的です。この期間があれば、後任への引き継ぎや業務の整理を余裕を持って進められます。就業規則に「退職の〇ヶ月前までに申し出ること」と記載されている場合は、その規定に従うのがベターです。
転職先の入社日から逆算して伝える
転職先が決まっている場合は、入社日から逆算してスケジュールを組みましょう。一般的な流れは以下の通りです。
転職先と入社日を調整し、内定を正式に承諾します。
直属の上司にアポを取り、退職の意思を伝えます。
正式に退職届を提出し、後任者への引き継ぎを開始します。
引き継ぎを完了させ、最終出社日を迎えます。
新しい職場でのスタートを切ります。



転職先には「退職交渉に時間がかかる可能性がある」と事前に伝えておくと安心です。入社日を1〜2ヶ月先に設定してもらえるケースがほとんどなので、焦らず進めましょう。
上司への退職の切り出し方と伝え方のポイント
退職を伝える際に最も緊張するのが、上司への最初の一言です。切り出し方ひとつで、その後の退職交渉がスムーズにもなれば、こじれることもあります。
まず直属の上司にアポを取る
退職の話は必ず直属の上司に最初に伝えましょう。いきなり人事部や上司の上司に話を持っていくと、直属の上司の顔を潰すことになり、関係が悪化しかねません。「お時間をいただきたいのですが」と事前にアポを取り、個室で話すのがマナーです。
切り出しは「ご相談があります」
「退職します」といきなり結論から入るのではなく、「お時間をいただきありがとうございます。実は今後のキャリアについてご相談があります」と切り出すのがおすすめです。柔らかい表現から入ることで、上司も構えずに話を聞いてくれます。
転職先の社名は伝えなくてもよい
上司から「どこに行くの?」と聞かれることがありますが、転職先の社名を伝える義務はありません。「まだ正式に発表できる段階ではないので、差し控えさせてください」と丁寧に断れば問題ありません。競合他社への転職の場合は特に慎重に対応しましょう。



上司への伝え方に正解はありませんが、感謝の気持ちを伝えつつ、退職の意思が固いことを明確にすることがポイントです。曖昧な態度だと引き止められやすくなります。
退職を伝える際の例文(状況別)
退職の伝え方は状況によって異なります。そのまま使える例文をご紹介しますので、自分の状況に合わせてアレンジしてください。
基本の退職報告例文
「お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。突然のご報告で恐縮ですが、このたび退職を考えております。以前から興味のあった分野で新しい挑戦をしたいと考え、慎重に検討した結果、転職を決意いたしました。〇月末を目途に退職させていただければと思います。」
すでに転職先が決まっている場合の例文
「お時間をいただきありがとうございます。実はかねてから検討しておりました転職について、ありがたいことにご縁をいただきました。〇月から新しい環境でスタートする予定です。引き継ぎについては責任を持って対応いたしますので、退職日についてご相談させてください。」
円満退職を重視する場合の例文
「〇〇部長にはこれまで大変お世話になり、心から感謝しております。この職場で学んだことは私のキャリアの財産です。そのうえで、かねてから考えていた分野に挑戦したいという思いが強くなり、このたび転職を決意しました。ご迷惑をおかけしないよう、引き継ぎは万全に行います。」



例文はあくまで参考です。大切なのは、感謝の気持ちと退職の意思を両立させること。自分の言葉でアレンジすることで、より誠実さが伝わります。


引き止められたときの対処法
退職を伝えると、上司や会社から引き止められるケースは珍しくありません。引き止めのパターンと対処法を事前に知っておくことで、冷静に対応できます。
「条件を改善するから残ってほしい」と言われた場合
給与アップや部署異動を提示されることがありますが、安易に応じるのは危険です。一時的に条件が改善されても、根本的な問題が解決しなければ再び転職を考えることになります。「ありがたいお話ですが、すでに次のステップを決めておりますので、決意は変わりません」と丁寧にお断りしましょう。
「後任が見つかるまで待ってほしい」と言われた場合
後任の採用は会社側の責任であり、あなたが退職時期を無期限に延ばす義務はありません。ただし、可能な範囲で引き継ぎに協力する姿勢を見せることは円満退職のために重要です。「引き継ぎ資料はしっかり作成しますので、〇月末での退職をお願いいたします」と期限を明確にしましょう。
感情的に引き止められた場合
「お前がいないと困る」「裏切るのか」など感情的な言葉で引き止められるケースもあります。このような場合は感情に巻き込まれず、「申し訳ございませんが、決意は変わりません。これまでお世話になったことには本当に感謝しております」と冷静に対応してください。



引き止めに応じて残った結果、「やっぱり辞めたい」と再び悩む方を多く見てきました。転職先が決まっているなら、感謝を伝えつつ意思を貫くことが大切です。
退職理由の伝え方と注意点
上司に退職を伝える際、退職理由をどう説明するかは非常に重要なポイントです。正直に伝えるべき場面と、オブラートに包むべき場面があります。
退職理由は「個人的な前向きな理由」が基本
会社への不満をストレートに伝えると、感情的な対立に発展するリスクがあります。「新しい分野に挑戦したい」「キャリアアップを目指したい」など、前向きな理由を伝えるのが円満退職の基本です。たとえ本音が不満であっても、退職時に不満を伝えるメリットはほとんどありません。



転職先が決まっている場合は「新しい環境でチャレンジしたい」と伝えるだけで十分です。具体的な不満を言わなくても、前向きな理由があれば上司も納得しやすくなります。
会社の悪口や批判は避ける
「給料が低い」「上司と合わない」「残業が多すぎる」といった不満は、たとえ事実であっても退職時に伝えるべきではありません。業界は意外と狭く、転職先の業界関係者に悪い評判が伝わるリスクもあります。退職後も良好な関係を維持することが、長期的なキャリアにとってプラスになります。



退職理由は「建前」と「本音」を使い分けるのが社会人のマナーです。円満に退職することが、転職先でのスタートダッシュにもつながります。
円満退職のための引き継ぎの進め方
退職の意思を伝えた後、最も重要なのが引き継ぎです。丁寧な引き継ぎは円満退職の決め手であり、あなた自身の評判を守ることにもつながります。
引き継ぎ資料を作成する
口頭だけの引き継ぎは不十分です。業務内容・手順・関係者の連絡先・注意点をまとめた引き継ぎ資料を作成しましょう。後任者がいなくても、資料があれば誰が引き継いでも対応できます。
スケジュールを立てて計画的に進める
退職日から逆算して、いつまでにどの業務を引き継ぐかスケジュールを立てましょう。「最終週にまとめて引き継ぐ」のではなく、退職日の2週間前までに主要業務の引き継ぎを完了させるのが理想です。
取引先・社外関係者への挨拶も忘れない
社内の引き継ぎだけでなく、取引先や社外の関係者への挨拶も重要です。後任者を紹介し、スムーズに引き継ぎができるよう段取りを整えましょう。退職後も同じ業界で働く場合は、良好な関係を維持しておくことが将来のキャリアに役立ちます。



引き継ぎの質は、あなたの社会人としての評価に直結します。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、最後まで責任を持って対応しましょう。
転職先が決まってから退職するまでのスケジュール例
内定獲得から入社までの一般的なスケジュールを具体的な時系列でご紹介します。全体像を把握しておくことで、計画的に退職準備を進められます。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 内定獲得直後 | 入社日の調整・内定承諾 | 転職先と退職スケジュールを共有する |
| 入社日の1.5〜2ヶ月前 | 上司に退職を伝える | 直属の上司に最初に伝える |
| 退職の1ヶ月前 | 退職届の提出・引き継ぎ開始 | 引き継ぎ資料を作成する |
| 退職の2週間前 | 主要業務の引き継ぎ完了 | 取引先への挨拶も行う |
| 最終出社日 | 退職手続き・備品返却 | 保険証・社員証・PC等を返却する |
| 退職後〜入社前 | 有給消化期間・休息 | 新しい環境に備えてリフレッシュする |



上記はあくまで目安です。就業規則や引き継ぎの量によって前後するので、余裕を持ったスケジュールを心がけてください。エージェントに相談すればスケジュール管理もサポートしてもらえます。
実際にあった相談事例|内定後の退職交渉に悩んだ26歳が円満退職できた理由
26歳の男性Aさんは、IT企業のエンジニアとして3年間勤務していましたが、キャリアアップのために転職活動を開始。在職中に希望の企業から内定を獲得しましたが、上司に退職を切り出せずに2週間が経過していました。「上司に恩があるから言いづらい」「プロジェクトの途中で辞めると迷惑をかける」という気持ちが強く、内定辞退も考え始めていた時に当社にご相談いただきました。
面談ではまず、Aさんの不安を丁寧にヒアリングし、退職の伝え方を一緒にシミュレーション。「プロジェクトの引き継ぎ計画を事前に作成してから上司に報告する」というアドバイスをさせていただきました。Aさんは引き継ぎ資料を2日で作成し、上司に退職の意思を伝えたところ、「しっかり準備してくれたんだな。応援するよ」と円満に受け入れてもらえました。最終的に希望の入社日に間に合い、新しい職場で活躍されています。



退職を切り出せない方は、「準備してから伝える」だけで気持ちが楽になります。一人で悩まず、私たちに相談していただければ具体的な段取りをお伝えします。
私たちノビルキャリアについて|内定後の退職交渉を支援する思い
私たちは、「転職先が決まってから退職したいけれど、上司への伝え方がわからない」と悩む方が、円満に退職して新しい環境へスムーズに移行できるようサポートすることを使命としています。内定後の退職交渉から入社日の調整まで、一貫してフォローします。
これまで10,000名以上の転職をサポートしており、内定承諾者の平均年齢は24.7歳、支援者の約85%が20代です。対応エリアは東京・大阪・神奈川・兵庫・京都・埼玉・愛知・千葉・広島など全国主要都市に対応しています。
当社の支援実績
当社の支援実績データ
実際の面談で行っていること
転職先が決まった後の退職交渉に不安を抱える方に対して、上司への切り出し方や退職日の調整、引き継ぎの段取りまで具体的にアドバイスしています。
- 退職の切り出し方と上司への伝え方のシミュレーション
- 転職先の入社日と退職日の最適な調整サポート
- 引き継ぎ計画の作成と円満退職に向けたフォロー
当社が向いている方
- 内定をもらったが上司にどう伝えればよいか悩んでいる方
- 退職交渉で引き止められたときの対処法を知りたい方
- 転職活動から内定後のフォローまで一貫してサポートしてほしい方
- 円満退職して前職との関係を良好に保ちたい方
当社が合わない可能性がある方
退職交渉の経験がすでにあり、自分で上司との話し合いを進められる方には、当社のサポートが不要に感じるかもしれません。その場合は、求人数の豊富な大手エージェントの方が効率よく活動を進められます。



内定後の退職交渉は、意外と多くの方がつまずくポイントです。私たちは退職の伝え方から入社日調整まで一貫してサポートしているので、安心して新しいスタートを切ってください。
転職先が決まったら、退職の進め方も私たちに相談してください|経験者にもおすすめのエージェント
内定後の退職交渉を考えているなら、まず私たちにご相談ください。あわせて、相性の良いエージェントを3社ご紹介します。
転職先が決まってからの退職に関するよくある質問
Q: 転職先が決まったことは同僚に話してもいい?
A: 上司に退職を伝えて正式に承認されるまでは、同僚への報告は控えましょう。噂が広まると上司の耳に入り、退職交渉が複雑になることがあります。上司が承認した後、上司と相談のうえ公表のタイミングを決めるのがマナーです。
Q: 退職届と退職願の違いは?
A: 退職願は「退職したい」という意思を伝える書面で、会社側が承認する前であれば撤回できます。退職届は「退職する」という意思を通知する書面で、提出後は原則撤回できません。一般的にはまず退職願を提出し、承認後に退職届を提出する流れになります。
Q: 有給休暇は退職前に消化できる?
A: 有給休暇は労働者の権利であり、退職前に消化することは法律上認められています。ただし、引き継ぎとの兼ね合いがあるため、上司と退職日・最終出社日・有給消化期間を事前に調整しましょう。
Q: 転職先の入社日を延期してもらうことはできる?
A: 多くの企業は、合理的な理由があれば入社日の調整に応じてくれます。「現職の引き継ぎに時間が必要」という理由であれば、1〜2ヶ月程度の延期は一般的です。ただし、あまりに長期間の延期は印象が悪くなるため、早めに相談しましょう。
Q: 退職を伝えた後に気まずくなったらどうすればいい?
A: 退職を伝えた後に職場の雰囲気が変わることはありますが、最後まで誠実に業務に取り組み、引き継ぎを丁寧に行うことで信頼を保てます。退職日まで今まで以上に丁寧に仕事をする姿勢が、周囲の理解につながります。
Q: 退職理由を聞かれたとき「転職先が決まった」と言うべき?
A: 転職先が決まっていることを伝えるかどうかは状況次第です。伝えた方が退職交渉がスムーズに進むケースが多いですが、引き止めが強くなる場合もあります。転職先の社名を伝える義務はないため、「新しい環境で挑戦したい」とだけ伝えるのも選択肢のひとつです。



退職に関する疑問は、一人で悩まずエージェントに相談するのが一番の近道です。転職先が決まった後のフォローまでしっかり対応してくれるエージェントを選びましょう。
まとめ|転職先が決まってからの退職は正しい手順で円満に進められる
転職先が決まってから退職を伝えるのは、経済面・精神面の両方で最もリスクの低い転職方法です。この記事のポイントを振り返りましょう。
- 転職先が決まってから退職すれば、収入の空白期間を防げる
- 退職は退職希望日の1〜2ヶ月前に直属の上司に伝える
- 退職理由は前向きに伝え、会社の批判は避ける
- 引き止めには感謝を伝えつつ、意思を明確に貫く
- 引き継ぎ資料を作成し、計画的に円満退職を目指す
- 転職エージェントに相談すれば退職交渉のアドバイスももらえる



内定をもらった後の退職交渉は、多くの方が不安を感じるポイントです。ノビルキャリアでは、退職の伝え方から入社日の調整まで一貫してサポートしています。一人で悩まず、まずは気軽にご相談ください。






