中卒の生涯年収・年代別平均年収はいくら?年収を上げる戦略と相談窓口

中卒の生涯年収は、労働政策研究・研修機構(JILPT)の試算でおおむね2億円前後とされ、大卒との差は学歴別生涯賃金の中で最も大きい区分にあたります。

本記事では、JILPT「ユースフル労働統計」の生涯賃金データと、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の年代別平均年収データをもとに、中卒の生涯年収の実像と、年収を上げるための4つの戦略を編集部視点で解説します。

具体的金額は調査年で変動するため、本文中の数値はおおむねの傾向として捉えてください。

この記事は、転職エージェント「当社」を運営する私たちが、中卒からの就職・転職支援を担当してきた実務と公的統計をもとに、編集部視点で解説しています。

この記事の監修者
阿部 翔大

阿部 翔大

株式会社MEDISITEのキャリアアドバイザー。未経験からの事務職転職支援に強み。現場目線のノウハウを発信し、多くの転職成功者を輩出中。

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目次

中卒の生涯年収の実額|JILPT「ユースフル労働統計」最新数値で見る

労働政策研究・研修機構(JILPT)が毎年公表する「ユースフル労働統計」は、賃金構造基本統計調査をもとに学歴別・性別・雇用形態別の生涯賃金を試算した加工指標集です。21.1項に学歴別の生涯賃金(学校卒業後フルタイム正社員継続時)が掲載されており、中卒の数値も男女別で確認できます。

【参考】労働政策研究・研修機構(JILPT)|ユースフル労働統計2025 ―労働統計加工指標集―

男性中卒のフルタイム正社員継続時の生涯賃金

JILPT「ユースフル労働統計」最新版に掲載されている男性中卒のフルタイム正社員継続時の生涯賃金は、退職金を含めない条件でおおむね2億円前後の試算値です。これは学校卒業(15歳)から60歳までの累計年収を、調査年の賃金カーブで推計した数値で、調査年により多少変動します。

女性中卒のフルタイム正社員継続時の生涯賃金

同統計に掲載されている女性中卒のフルタイム正社員継続時の生涯賃金は、退職金を含めない条件でおおむね1.3億円前後の試算値です。男性との差は、賃金カーブの傾きと管理職比率の差が主な要因として説明されており、学歴単独の影響というよりは複数要因の重なりです。

退職金を含むケースと含まないケースの差

JILPTの統計では退職金を含む生涯賃金も別途試算されており、退職金分でおおむね1,000万〜2,000万円程度が上乗せされる傾向です。退職金は勤続年数と企業規模に強く影響されるため、中小企業の現業職に勤続した場合は試算より低くなる場合もあります。

【参考】労働政策研究・研修機構|21 生涯賃金など生涯に関する指標(PDF)

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数字を見ると怯みやすいですが、JILPTの試算は「学校卒業後フルタイム正社員を60歳まで継続した場合」の話です。中卒で正社員に転換した時点で、その試算カーブに乗り始めるという順序で理解するのが現実的です。

学歴別生涯年収比較|中卒・高卒・高専短大卒・大卒

JILPT「ユースフル労働統計」では、学歴別の生涯賃金が同じフォーマットで試算されており、学歴間の差を直接比較できます。男性・女性別のフルタイム正社員継続時の試算値を、最新版掲載の数値の傾向としてまとめます。

学歴別の生涯年収レンジ(JILPT試算の概観)

中学卒
男性 約2億円前後|女性 約1.3億円前後(フルタイム正社員継続・退職金除く目安)
高校卒
男性 約2.1〜2.3億円|女性 約1.4〜1.6億円
高専短大卒
男性 約2.2〜2.4億円|女性 約1.7億円前後
大学卒
男性 約2.7億円前後|女性 約2.2億円前後

※JILPT「ユースフル労働統計」最新版に掲載された男性・女性別フルタイム正社員継続時の生涯賃金(退職金除く)を、調査年により幅で示した概観です。具体額は同統計の原典で確認してください。

男性の学歴別生涯賃金の差

男性中卒(約2億円前後)と男性大卒(約2.7億円前後)の差はおおむね7,000万円規模です。高校卒・高専短大卒は中卒と大卒の中間に位置し、学歴が上がるほど初任給と賃金カーブの傾きが上がる構造が反映された結果です。

女性の学歴別生涯賃金の差

女性中卒(約1.3億円前後)と女性大卒(約2.2億円前後)の差はおおむね9,000万円規模と、男性より差が大きくなる傾向があります。これは女性の場合、学歴と管理職昇進率の連動が男性より強いことが背景にあると説明されています。

学歴間の差が広がる主要因

  • 初任給の差|中卒の初任給は大卒より月3〜5万円低い水準
  • 賃金カーブの傾き|大卒は40〜50代で賃金が大きく上昇するカーブ
  • 管理職昇進率の差|大卒は管理職比率が高い傾向
  • 退職金算定基礎額の差|勤続年数×給与基準のため給与差が累乗的に影響
  • 【参考】厚生労働省|賃金構造基本統計調査
阿部 翔大

「中卒だから差を埋められない」と決まっているわけではないんです。学歴間の差は初任給と賃金カーブと管理職昇進率の合算で開いているので、業界選びと資格取得と昇進ルートの3つで一定範囲は近づけられます。

中卒の年代別平均年収|厚労省「賃金構造基本統計調査」から見る年収カーブ

厚労省「賃金構造基本統計調査」は毎年公表される全国規模の賃金統計で、学歴別・年齢階級別の月給と年間賞与の実額が掲載されています。中卒の年代別平均年収の傾向は、ここから読み解けます。

【参考】厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査

20代の中卒の平均年収帯

賃金構造基本統計調査の最新公表値では、男性中卒20〜24歳の月給はおおむね20万円前後、25〜29歳で22〜25万円前後の水準です。年間賞与を含めた年収は、20代前半でおおむね300万円台前半、20代後半で350万円前後の傾向にあります。

30代〜40代の中卒の平均年収帯

同調査によれば、男性中卒30〜34歳でおおむね25〜28万円、35〜39歳で28〜30万円の月給帯、40代でも30〜32万円程度の幅に収まる傾向があります。年収換算では30代後半〜40代で400〜450万円程度の幅で推移するケースが多くなります。

中卒の年収が頭打ちになりやすい時期

中卒の年収カーブは40代後半〜50代で頭打ちになりやすい傾向があります。大卒では50代がピークになるカーブを描くケースが多いのに対し、中卒は管理職昇進機会の差から40代後半でカーブの傾きが緩やかになる傾向が見えます。年収アップの戦略を30代〜40代前半で動かすことが、生涯年収の最大化に直結します。

【参考】国税庁|民間給与実態統計調査

阿部 翔大

年収カーブの話をする前に確認するのは「いま何歳か」です。30代前半ならまだ戦略を組み立てる余白がありますが、45歳を超えると業界転換よりも社内昇進と資格による交渉の比重が大きくなります。

中卒の年収が伸びにくい構造的要因を理解する

生涯年収の差は学歴単独の影響というより、複数の構造的要因が重なり合った結果です。要因を理解しておくと、年収アップ戦略のどこに力を入れるべきかが見えやすくなります。

要因1|初任給の差と複利効果

月3〜5万円の初任給差は、年収換算で40〜60万円規模になります。この差は昇給率に乗って複利的に拡大するため、20代〜30代の早期で別の評価軸(資格・実務経験)で押し上げを図ることが、長期の年収カーブに効きます。

要因2|賃金カーブの傾きの差

大卒は40〜50代に賃金が大きく上昇するカーブを描く傾向があり、中卒は40代後半でカーブが緩やかになる傾向です。管理職昇進と専門資格による評価軸が、賃金カーブを上に押し上げる主要なレバーになります。

要因3|管理職比率の差

管理職昇進率は学歴で差が出る構造が残っています。ただし業界によって差の大きさは異なり、現場経験を重視する建設・運輸・製造・介護の各業界は、中卒・高卒からのリーダー職・管理職昇進ルートが業界慣行として残されています。

要因4|転職市場での評価軸の違い

転職市場では学歴単独ではなく、業界経験年数+資格+直近の役職が評価軸になります。3年以上の業界経験と資格を組み合わせれば、年収レンジが上の企業への転職が現実的な打ち手として機能します。

阿部 翔大

要因を理解すると「学歴で全部決まる」のではなく「学歴の影響をどう打ち消すか」の話に変わります。戦略の4つはまさにその打ち消しのレバーです。

中卒の年収を上げる4つの戦略を組み合わせる

中卒の年収アップは単一の手段で完結しません。業界・職種転換、資格取得、専門化と役職昇進、年収レンジ上位企業への転職、の4戦略を組み合わせることで、生涯年収カーブの傾きを変える効果が出ます。

中卒の年収を上げる4戦略|短期効果と長期効果

戦略1|業界・職種転換
求人倍率の高い業界へ移る。短期効果あり・長期は資格との組み合わせ次第
戦略2|資格取得
業界内で評価される資格。長期効果が大きい・取得期間6か月〜3年
戦略3|専門化と役職昇進
主任・リーダー級への昇進。3年以上の経験が前提・年収レンジ押し上げ効果
戦略4|年収レンジ上位企業への転職
同業界内で年収帯が高い企業へ移る。3年以上の経験と資格が交渉材料

戦略1|業界・職種転換

現職の業界の年収水準が低い場合、求人倍率が高く学歴を問わない業界への転換が直接的な打ち手になります。製造・建設・運輸・介護・施設管理などは、未経験から正社員雇用に届きやすく、年収レンジも業界によって差があります。

戦略2|資格取得

業界内で評価される資格を取得することは、長期の年収カーブを押し上げる効果があります。フォークリフト・危険物乙四・宅建・施工管理技士補・介護福祉士などは、中卒からでも取得可能な国家資格・公的資格で、業界内で具体的な手当や昇進要件として運用されています。

戦略3|専門化と役職昇進

同じ会社・業界で3年以上の実務経験を積むと、主任・リーダー級への昇進が現実的な選択肢になります。役職に伴う役職手当・基本給アップ・賞与アップが年収レンジを階段状に押し上げる仕組みです。

戦略4|年収レンジ上位企業への転職

業界内で同職種でも年収レンジが異なる企業が存在します。3年以上の業界経験と資格を背景に、年収レンジ上位の企業へ転職することで、同職種のまま年収アップが現実的に可能です。求人媒体・転職エージェントを通じて年収レンジを比較できます。

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4戦略の中で最初に動かすのは「戦略1(業界転換)」と「戦略2(資格取得)」の組み合わせです。戦略3(昇進)と戦略4(転職)は3年以上の実務が前提なので、20代〜30代前半は前半2戦略に集中するのが現実的な順序です。

戦略別の年収アップ実額シミュレーション

4戦略を組み合わせた場合の年収アップ実額を、厚労省賃金構造基本統計調査の数値帯をもとにシミュレーションで示します。具体額は業界・企業・地域で変動するため、目安として参照してください。

シミュレーション1|業界転換のみ(戦略1)

接客・販売職(中卒年収帯280〜320万円)から製造業の生産職(中卒年収帯320〜380万円)への業界転換で、年収40〜60万円アップが目安です。資格不要・3か月以内に転職可能な現実的な打ち手です。

シミュレーション2|業界転換+資格取得(戦略1+2)

製造業へ転換後、フォークリフト免許+危険物乙四を取得することで、年収60〜100万円アップが現実的なレンジです。資格手当(月1万〜2万円)と昇給対象範囲の拡大による効果です。

シミュレーション3|業界転換+資格+昇進(戦略1+2+3)

同社で3年以上勤務し、主任・リーダー職に昇進した場合、年収100〜150万円アップが目安です。役職手当(月3〜5万円)と基本給昇給と賞与アップが累積した結果として年収レンジが押し上がります。

シミュレーション4|4戦略フル活用

業界転換+資格+昇進を経たうえで、年収レンジ上位の同業界企業に転職した場合、年収150〜200万円アップが現実的な水準です。3年以上の業界経験と資格と直近の役職が転職市場の評価軸として正当に作用した結果です。

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数字でシミュレーションすると、20代で動き始めた場合と30代で動き始めた場合で、最終的な生涯年収の差は1,000万円規模で開きます。動くタイミングは早いほど効きます。

年収アップを実現するために使える相談窓口

年収アップ戦略を組み立てるとき、独力で全戦略を回すよりも、相談窓口を活用したほうが時間効率が高い場面が多くなります。公的相談窓口と民間相談窓口を目的別に使い分けると、戦略の精度と実行スピードが上がります。

公的相談窓口の活用

  • ハローワーク|求人検索と職業相談・キャリアコンサルティングが無料
  • ハロートレーニング|資格取得を兼ねた職業訓練が原則無料
  • 求職者支援制度|訓練期間中の生活費月10万円給付(要件あり)
  • 地域若者サポートステーション|15〜49歳の就労相談

民間相談窓口|転職エージェントの活用

民間の転職エージェントは、年収レンジ上位企業の非公開求人企業ごとの年収交渉の実情に詳しい窓口です。書類添削・面接対策・年収交渉までを1人の担当者が一貫して支援する設計で、戦略4(年収レンジ上位企業への転職)の精度を上げる手段として機能します。

中卒に対応した転職エージェントの比較・選び方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。年収アップを目指す段階に応じて、公的相談と民間エージェントを併用する運用が現実的な選択になります。

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阿部 翔大

年収アップの話になると、どの戦略から手をつけるか迷う方が多いです。面談で確認するのは「いまの年収」と「3年以内に到達したい年収」のギャップで、ギャップに応じて公的窓口・民間エージェントの使い分けが決まります。

中卒の生涯年収に関するキャリアアドバイザーへのよくある質問

「中卒 生涯年収」と検索された方から面談で受けることが多い質問を、当社キャリアアドバイザーの回答とあわせてまとめました。年収アップ戦略の判断材料として活用してください。

Q. 中卒の生涯年収は本当に約2億円程度ですか

A. JILPT「ユースフル労働統計」最新版に掲載されている男性中卒のフルタイム正社員継続時の生涯賃金は、おおむね2億円前後の試算値です。これは退職金を除いた数値で、退職金を含めるとプラス1,000万〜2,000万円程度上乗せされます。試算前提は「学校卒業から60歳までフルタイム正社員継続」のため、転職・離職を経た場合は数値が変わります。

Q. 中卒と大卒の生涯年収の差はどのくらいですか

A. 男性でおおむね7,000万円規模、女性でおおむね9,000万円規模の差が学歴別生涯賃金の試算値として示されています。差の主要因は初任給差・賃金カーブの傾き差・管理職比率差・退職金算定基礎額差の4つで、複合的に発生します。

Q. 中卒で生涯年収を大卒に近づけることは可能ですか

A. 完全に同水準にすることは構造上難しい場合がありますが、一定範囲まで近づけることは可能です。業界選び・資格取得・専門化・転職の4戦略を20代〜30代前半から動かすことで、40代の年収レンジが大卒と同等まで届くケースが業界によっては発生しています。早期に動き始めるほど効きます。

Q. 高認や通信制高校で高卒資格を取れば生涯年収は伸びますか

A. 高認・通信制高校卒業は、受験できる試験・専門学校の選択肢を広げる効果はあります。ただし高卒資格そのものが直接的に賃金カーブを変えるわけではなく、その先の進路(専門学校・看護師・公務員試験など)と組み合わせて初めて生涯年収に影響します。「資格取得+進路選択」のセットで考えると効果が見えやすくなります。

Q. 公的データはどこで確認できますか

A. 学歴別生涯賃金はJILPT「ユースフル労働統計」、年代別平均年収は厚労省「賃金構造基本統計調査」、給与所得者全体の傾向は国税庁「民間給与実態統計調査」で確認できます。3つを組み合わせると、生涯年収の試算値と年代別実額と全体傾向の3層で現状把握ができます。

Q. 年収アップ戦略の優先順位はどう考えればいいですか

A. 年齢で優先順位が変わります。20代〜30代前半なら戦略1(業界転換)+戦略2(資格)30代後半〜40代前半なら戦略3(昇進)+戦略4(転職)が現実的な順序です。45歳以降は社内昇進と資格による交渉が主軸になり、業界転換の難易度が上がります。

阿部 翔大

年収アップは「一発逆転」ではなく「複利」で効くので、20代で動き始めた方の方が結果として大きく伸びます。年収の話を相談するときは、いまの年齢から逆算するのが現実的なやり方です。

まとめ|中卒の生涯年収は公的データで把握しつつ4戦略で押し上げる

中卒の生涯年収は、JILPT「ユースフル労働統計」最新版でおおむね2億円前後(男性中卒・フルタイム正社員継続・退職金除く)と試算されています。大卒との差はおおむね7,000万円〜9,000万円規模で、初任給差・賃金カーブの傾き・管理職比率・退職金算定基礎額の4要因が複合した結果です。

年収アップは業界・職種転換/資格取得/専門化と役職昇進/年収レンジ上位企業への転職の4戦略を組み合わせると、生涯年収カーブの傾きを変える効果が現実的に出ます。20代〜30代前半なら戦略1+2、30代後半以降なら戦略3+4を主軸に組み立てるのが時間効率的な順序です。

阿部 翔大

生涯年収の数字は怯みやすいですが、戦略を動かせる年齢のうちに動き始めれば、カーブは確実に変わります。具体的な戦略を一緒に考えたい方はLINEでいつでもご連絡ください。

運営者情報

メディア名 ビギナーズリンク
運営会社 株式会社MEDISITE
代表者 竹田津 惇
所在地 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8丁目5-4 STビル701
設立 2022年11月
事業内容 HRメディア事業・SNSマーケティング事業・営業支援事業
許認可 有料職業紹介事業(13-ユ-316383

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