「社会人になってから、エンジニアにチャレンジしたんです」株式会社KADODE・吉田取締役が語る”未経験からエンジニアへの入り口”

文系だから、経験がないから。そう思って、エンジニアという仕事を就職や転職の候補から外している方もいるかもしれません。

株式会社KADODEの吉田亮太取締役も、大学は法学部で、エンジニアとしてのスタートは社会人になってからでした。

「社会人になってから、エンジニアにチャレンジしたんです」

現在は取締役CTOとして技術部門を率いる一方、未経験者の採用や育成にも携わっています。KADODEでは、未経験からエンジニアを目指す人を支える研修やサポート体制を整えており、実際に未経験で入社し、1年目に全社総会のMVPを獲得した社員もいるそうです。

今回は、文系・未経験からエンジニアとしてキャリアを築いてきた吉田取締役に、これまでの道のりと、KADODEで未経験者をどのように育成しているのか、そしてAI時代に求められるエンジニア像について伺いました。

お話を伺った人

株式会社KADODE

取締役CTO 吉田 亮太

大学の法学部を卒業後、社会人になってからエンジニアの道へ。関西のシステムインテグレーターで受託開発とパッケージ開発に携わり、設計から要件定義、プリセールスまで幅広く経験。その後、楽天株式会社でマーケティング系システムの開発とマネジメントを担当し、フリーランスとして独立。2022年に株式会社KADODEを共同創業し、現在は取締役CTOとして技術部門と人材育成を統括。

目次

法学部だったので、社会人になってからのスタートです

編集部

吉田取締役は法学部のご出身と伺いました。文系からエンジニアになるというのは、実際のところどうだったんでしょう?そこで足踏みしている方から弊社へのご相談が、とても多いんです。

吉田取締役

私も、コンピューター系の学部を出たわけではないんですよ。なので、社会人になってからエンジニアにチャレンジしたんですね。それで、最初に入ったのは、関西にあるSIerと呼ばれる会社でした。

編集部

SIerというのは、どういう会社なんですか?

吉田取締役

システムインテグレーターの略で、お客様から依頼を受けて開発をする会社ですね。受託開発と、パッケージシステムの開発をやっているところでした。そこに5、6年ほど勤めて、基礎はそこで学ばせていただきましたね。プログラミングもそうですし、設計であったり、お客様と実際に話をしながら要件を固めていく部分であったり。ひと通り経験させてもらいましたね。

編集部

作るところだけではなく、決めるところまで。最初の会社でそこまで見られたのは、大きかったんじゃないですか?

吉田取締役

そうですね。営業に同行して、セールス的な動きをすることもありました。結構、幅広く経験させてもらったと思います。

編集部

営業まで…!エンジニアの仕事は、机に向かっている時間が全部なのかと思っていました。

吉田取締役

そんなことはないですね。お客様と話す時間も、それなりにありました。そこから1回目の転職で、楽天に入りました。そのタイミングで、関西から東京に移っています。

技術だけではなく、仕事の幅が広がっていきました

編集部

幅広く経験されたあとで、次は誰もが知る大きな会社へ。楽天では、どんなお仕事をされていたんですか?

吉田取締役

マーケティング系のシステムを開発している部署に配属になりまして。楽天の様々なサービスを技術的な観点で支援したり、楽天が持っているデータなどのアセットを活用した商品開発をしたり。6、7年ぐらいですかね。

編集部

そこでは、開発以外の仕事も多かったんでしょうか?

吉田取締役

そうですね。意外に、手を動かすことは結構少なくて。どちらかというと、マネジメントとかディレクションみたいな仕事が、すごく多かったです。

編集部

エンジニアとして経験を積む中で、担当する領域も広がっていったんですね。

吉田取締役

面白さのほうが大きかったですね。あとは、楽天がグローバルでの採用にも力を入れていたので、エンジニアにはシンガポールのチームがいたりとか、外国籍の方も多かったんです。そこでグローバルの経験もさせていただきました。

編集部

たしかに、それは会社の中にいないとできない経験ですね。ただ、6、7年勤めた会社を離れるとなると、不安はありませんでしたか?

吉田取締役

元々、「起業には興味があった」というのが前提としてあるんですよ。なので、チャレンジしてみた、というところが1番大きいですかね。

編集部

不安より、興味のほうが勝ったと。

吉田取締役

100%不安がなかったかと言われたら、そうではないんですけれど。ただ、「どうにでもなるだろう」という感覚はありました。それでフリーランスとして独立して、1年ぐらいやっていましたね。

違う世界線を、見てみたかったんです

編集部

そのフリーランスの1年で、現在のKADODEの代表と出会われたと伺いました。どういう経緯だったんですか?

吉田取締役

独立した時に、案件を獲得するためのマッチングサービスみたいなものへ、一通り登録したんですね。そこに問い合わせをくださった方がいて、その方の知り合いが、いまの代表の田中でした。

編集部

紹介の、また紹介で。

吉田取締役

当時はブロックチェーン(※)がすごく流行っていた時期で、田中もその関連の事業をやっていたんです。技術的な相談を受けたり、私の方で開発をしたりと、最初は私がクライアントとして関わっていました。

※…取引の記録を、1台のサーバーではなく複数のコンピューターで分け合って管理する技術。仮想通貨などに使われている。

編集部

発注する側とされる側から、一緒に会社を作るところまでいくのは珍しい気がします。何が決め手だったんですか?

吉田取締役

田中は、いわゆる連続起業家という経営者なんですね。楽天の中にも尊敬できるすごい人はたくさんいたんですけど、それとは違う世界線で、自分で会社を立ち上げてやっている人に出会ってみたかったんです。

編集部

一般的な会社勤めとは、別の景色があると。

吉田取締役

はい。その世界線にいたのが田中でした。出会った時点で、経営者としての実績もあったので、そこの信頼もありましたね。共同創業したのが、約4年前です。

編集部

実際に組んでみて、どうでしたか?

吉田取締役

尊敬できていますし、全く後悔はないですね。KADODEに入ってから、本格的に経営にも携わらせてもらえるようになりました。技術の責任者はこれまでの延長線上にありますけど、プラスで経営も学ばせていただいています。

編集部

会社は、教育の事業から始まったんですよね。

吉田取締役

そうなんです。「リスキリング」という言葉が出てきたタイミングだったんですね。国としても、成長産業に人を移していく施策に力を入れていて、予算もありました。なので、田中も元々教育関連をやっていましたし、私もエンジニアとして長くやってきたので、エンジニアの育成から始めようと。

未経験からでも、エンジニアを目指せる環境を

編集部

未経験で入社した方は、どのようにエンジニアを目指していくんでしょう?

吉田取締役

吉田取締役:未経験で入社した社員の研修では、「KADODE Academy」という学習プラットフォームを活用しています。eラーニングのような形で、いつでもどこでも学べる環境を整えています。ただ、教材だけを用意して終わりではなくて、講師、メンター、キャリアアドバイザーによるサポートも付けています。

編集部

教材だけではなく、人のサポートもあるんですね。

吉田取締役

はい。講師は、わからないことがあれば質問できる役割で、授業や集合演習も行います。メンターは学習を続けていくうえでの相談役ですね。エンジニア経験者もいれば、そうでない人間もいます。

編集部

勉強の内容だけではなく、続け方まで相談できる。

吉田取締役

そうですね。効率的な学習方法だったり、自分の時間をどうやりくりして学習時間を作るかだったり。勉強のテクニックのアドバイザーとしても活躍してもらっています。キャリアアドバイザーの中には、国家資格のキャリアコンサルタントを持った人間もいますよ。また、人によるサポートだけではなく、講師AIも用意しています。時間を問わず質問できるので、24時間365日、学習を進められる環境を整えています。

編集部

人にもAIにも相談できる環境があるんですね。未経験で入社する方にとっては、かなり心強そうです。

吉田取締役

そうですね。弊社では未経験の方も採用していますので、入社時点ですべてができている必要はありません。研修の中で資格取得もサポートしていますし、半年ほどかけて必要な知識やスキルを身につけていける環境を用意しています。

編集部

入社後に学びながら、エンジニアとして必要な知識やスキルを身につけていけるんですね。

吉田取締役

はい。実際、先日の全社総会でMVPを取ったのも、未経験で入社して、研修を受けてエンジニアになった1年目の社員だったんですよ。そういう姿を見ると、やっていることに意味があるなと思いますね。

AI時代だからこそ、コミュニケーションが大切になる

編集部

未経験から入社して活躍されている方もいるとのことですが、これからKADODEでは、どんな方に来てほしいですか?

吉田取締役

コミュニケーション能力を、ご本人としても重要視されている方ですね。相手の意見を汲み取って、自分の言葉で返答できる方。傾聴力と対話力、空気を読む力や適応力を1つにまとめた言葉です。

編集部

ひとりで黙々と作業ができるから、という理由でエンジニアを目指す方も多いみたいですが…。

吉田取締役

リモートのような条件面を叶えるなら、逆に一定のコミュニケーション能力が求められますね。フルリモートなら、なおさら密に連携が取れることが必要です。あとは、コーディングのスキルは今後AIに変わっていくと思っています。そうなると、お客様との折衝や、チームビルディングのような一体感を作れる方が求められるのかなと。

編集部

技術だけではなく、コミュニケーションも重要なんですね。では、会社としては今後どんなエンジニアを育てていきたいですか?

吉田取締役

「AI時代に活躍できる人材」が1つのキーワードです。何もしないと、仕事を奪われる側になってしまう。弊社に入った方には、そうなってほしくないので、「AI駆動開発」(※)という、AIを前提に開発を進めるやり方を、エンジニア全員が習得した状態を作ろうとしています。

※…設計からコードの作成まで、AIを使うことを前提に組み立てる開発の進め方

編集部

経験者も、そこは同じですか?

吉田取締役

同じですね。未経験の方も経験者の方も、積極的に採用しています。年間で言うと、未経験の方が84名ぐらい。リファラル(※)で入ってくださる方も多く、社員が知り合いを紹介してくれているのはある意味の証明かなと思っています。

※…社員が知人や友人を自社に紹介する採用手法

編集部

それでも、いまの場所を離れるのは人間心理としては怖いものです。

吉田取締役

よく転職で悩んでいる方に言うんですけど、ある程度実力があれば、失敗しても戻れると思ってるんです。私も当時は30代で、40代の中盤までは戻れるだろう、という感覚がありました。どうにもならないという不安で躊躇している方をよく見ますが、傍から見ると、「全然大丈夫だよ」と思うことがよくあります。

編集部

未経験からでも学べる環境があり、その先ではAIを使いながら、人にしかできないコミュニケーションやチームづくりがより大切になっていく。吉田取締役ご自身が文系からエンジニアの道へ進んだからこそ、KADODEが未経験者の入り口をつくることにもつながっているのだと感じました。吉田取締役、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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