「未経験でも経営者になれるチャンスは、あります。」カネイシ株式会社・小暮社長が、2035年のグループ売上100億円に向けて探している仲間とは

いまの会社にいて、5年後10年後の自分が想像できない。そんなことは、ないでしょうか?

カネイシ株式会社の小暮紀彰社長は「たとえ未経験でも、経営者になれるチャンスは、あります」と話します。

入った会社の中で、どうすれば経営者になれるのか。そして、2035年に向けて、どんな仲間を探しているのか。詳しくお話を伺いました。

読み終わる頃には、入った会社の中で経営者になる道もあるのだと、気づきが一つ増えているはずです。

お話を伺った人

カネイシ株式会社

代表取締役社長 小暮 紀彰

営業社員として同社に入社。倉庫、事務、営業、仕入と社内の業務を一通り経験したのち、執行役員、取締役を経て代表取締役社長に就任。同族ではない立場で経営を引き継ぎ、グループのホールディングス化とM&Aを進めている。2035年にグループ売上100億円を目標に掲げる。

目次

1番下のポジションの頃から、自分が社長だと思ってやっていました

編集部

小暮社長は、このカネイシ株式会社に一般の募集から入られたそうですね。同族ではない方が代表になる、というのは珍しい気がします。

小暮社長

そうですね。一般の募集で入ってから20年以上経ちますけれども、その間に倉庫も営業も仕入も、社内の仕事は一通りやってきました。

編集部

入られた当初から、トップに立ちたいという意識だったんですか?

小暮社長

いえ、1年目、2年目は一般的なサラリーマンでしたね。こなす、という感じでした。ただ、仕事をしていく中で、考えて成功して、失敗してまた考えて、というのを繰り返しているうちに、面白さを感じてきまして。

編集部

そこから、何か変わったんですか?

小暮社長

26、27歳ぐらいの頃には、自分が社長だと思ってやっていましたね。ポジションは1番下ですけど

編集部

1番下の立場で、社長のつもりで…!

小暮社長

都合が悪いことや難しい問題を人に投げるとか、他責にするとか、うまくいかなかったことに言い訳をつけるとか、そういうことをしないという意味です。営業なので、商談に行って怒られることもありましたし、成立しないこともありましたけれど。

編集部

他責にしないと、何が変わるんでしょうか。

小暮社長

物を売るだけではなくて、相手のお店がいまどういう状況なのかを知るようになります。自分事としてやらないと、そもそも商談が成立していかないので。そういう意味では、視野が広がりましたね。

編集部

なるほど。見える範囲そのものが変わったと。

小暮社長

全く関係のないことにも気を配るとか、視野を広くして接点を持つとか、そういう形に考え方が変わりました1つの事業会社の社長だと思って、全てに責任を持ってやるようになりましたね。

売上は、いろんな人が関わってできているものなんですよ

編集部

全部に責任を持つとなると、1人で抱え込みそうにも思えます。

小暮社長

いや、逆ですね。営業だと、「俺が売ってきたんだから」という自己中心的な見方になる部分があります。成果としては出しているので、それも必要ではあるんですけど。

編集部

売上は、その人だけの手柄ではないと。

小暮社長

メーカーさんから仕入れて、事務の方が伝票を処理してくれて、倉庫の方が商品を出荷してくれる。全ての人が一体となって生み出しているものなんですよ。ですので、人に優しく自分に厳しく、という姿勢でずっとやってきました。

編集部

なるほど。周りの方とは、どんなふうに接していたんですか?

小暮社長

社員も先輩もパートさんも、みんなの誕生日を全部覚えていましたね。「おめでとう」と言って、缶コーヒーを1個渡すとか。大人になると、誕生日におめでとうと言われるのは家族ぐらいじゃないですか。ちょっとした嬉しさがあると思うんですよ。

編集部

全員の誕生日を…!

小暮社長

仕事って、全部ループでつながっているので。協力してもらうには、仲間だという意識が要るんです。私は天才肌ではなくて努力型なので、仲間を作るところは意識してやっていました。ちょっと厳しいお願いをすることもある中で、普段から距離が近ければ、「わかった、やっとくよ」と言ってもらえるわけです。

編集部

その距離の作り方は、どこで身についたんですか?

小暮社長

嫌いなタイプというのが少ないので、間に入ってまとめるというのは、若い頃からずっとやっていましたね。

川上から川下まで、自分たちの中でやっています

編集部

その考え方で、いまの事業はどういう形になっているんでしょうか。

小暮社長

うちはほとんどの業務を内製化しているんですよ。物流も、外の物流倉庫にアウトソーシングするのではなくて、自分たちで倉庫を立て直して、直接雇用して出荷までやっています。基幹のシステムもグループ会社が全部見ていますし、ホームページの作成も社内です。商品を開発しているので、そのデザインも社内で起こしています。内製化を続けていく中で、木の幹をもっと太くしていきたいんですよ。

編集部

幹というのは、どこからどこまでですか?

小暮社長

商品の企画をして、販売をして、ネットの店もあるので、消費者に届くところまでです。今後は、商品の材料を作るところまで入れていきたいですね。川上から川下まで、一体で流していく形です。

編集部

作るところも、届けるところも自分たちでやるんですね。

小暮社長

あとは、流通加工という仕事もあります。たとえば7枚入りの商品を10個セットにすると、70枚のセットという別のものが出来上がりますよね。そういう加工を専門にやっている会社さんも、実はたくさんあるんです。

編集部

その仕事は、どんな方がされるんですか?

小暮社長

業務としてはそこまで難しくないので、60歳を超えて働きたい方も、実際に70歳を超えている方も採用しています。お子さんが小さくて午前中だけ働きたい、という方もいますね。しっかり働くけれど、大きな責任は負いたくない。そういう働き方も1つだと思っているので、そこもグループの中に入れていきたいんです。

編集部

商品そのものは、海外から仕入れているんですか?

小暮社長

多くは海外でできたものを輸入する形ですけれども、為替がどうなるかわかりませんからね。国内で作ったものを海外へ販売する、という流れも必要になります。求められるのはメイドインジャパンなので、そこも視野に入れています。

10個の子会社があれば、10人社長がいるんです

編集部

幹を太くしていく先に、2035年の100億円売上目標があるわけですね。

小暮社長

はい。2020年にホールディングス化をしました。グループ会社が増えていくと、そこに社長が必要になるじゃないですか。その全部を私がやるわけではありません。

編集部

社長のポジションが、増えていくということですか?

小暮社長

ずっとカネイシでやってきたメンバーがやってもいいですし、新しく入ってきたメンバーでもいい。若い人材が若くして社長になるのもいいと思っています。30代の社長というのも、いいじゃないですか。10個の子会社があれば、10人社長がいるわけです

編集部

10個あれば、10人…!

小暮社長

自分で起業しようと思わない限り、そんなことは考えないと思うんですよ。でも、そうなるチャンスがあるなら頑張ってみたい、という人はいます。その環境を作ることが大事だと思っているので、いまM&Aも進めています。

編集部

規模を大きくすること自体が目的ではない、と。

小暮社長

図体が大きいとか、人数がいっぱいいるというのは、あまり望んでいないんですよ。少ない人数でも、それぞれが役割を果たして、前年110%、115%をちゃんと出していく。強いと利益が残りますから、働く人への還元もできます。

編集部

その社長になる人は、どう育てるんですか?

小暮社長

4年ほど前は、自分の分身のような人を探して育てなきゃな、と思っていたんですけど、難しいという結論になりました。全く同じコピーになってほしいわけでもないんです。時代が変わっているので、自分の色にプラスして、必要な要素を足していってほしい。

編集部

その代わりに、何を変えられたんですか?

小暮社長

属人的にこの人、ではなく、組織として動く形にしました。部長の役割はこれ、というものが評価シートになっていて、それをクリアすると数値になって給与に反映されます。前の上司は良かったけれど、いまの上司はダメだ、というのがないようにしたかったんですよ。

経営者になれるチャンスは、あります

編集部

その仕組みの中で、これからどんな方に御社に来てほしいですか?

小暮社長

全体を見渡せて、5年後10年後を見て、ここまでにこういう状態になっていたらいいな、と描ける人ですね。明確なゴール設定は当然難しいんですけれども、それを常に考えている人、考えられる人です。そのゴールから逆算していつまでにどういう状態がベストかを具体的にして、あとはそれに向けてスピード感をもって行動していきたいですね。

編集部

じっくり計画を立ててから、ではないんですね。

小暮社長

考えてから動くのではなくて、動きながら考えるんです。世の中がずっと動きっぱなしなので、考えて、さあ動こうという時には、もう周りが先に行っているじゃないですか。失敗してもいいですし、迷う時もあるかもしれないけれど、まずは動く。動くと、見えてくるものが違うんですよ。

編集部

まず動く、と言われると身構えてしまう方もいそうですが…。

小暮社長

そこには、周りを見ている上での謙虚さも必要ですね。柔軟であることも大事で、時代が変わっているので、こうだと決め込まずに変えていける方がいい。根っこにある経営理念だけは、変えずに持っていますけれども。

編集部

未経験で入る方にも、その道はあるんでしょうか。

小暮社長

経営者になれるチャンスは、あります。そういう意欲のある人材が欲しいですし、その要素を持っている人が多ければ多いほど、グループの会社の社長になっていてほしいと思っています。同じゴールに向かって、一緒に進める仲間を作っていきたいんですよ。

編集部

同じゴールに向かって、一緒に進める仲間。1番下のポジションの頃から自分が社長だと思っていた方が、いま10人の社長を作ろうとしているわけですね。いまの立場は関係なく、自分の会社だと思って動けるかどうか。そこから、経営者になる道もひらけるんですね。小暮社長、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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