「まずやってみよう」が、次のキャリアにつながった。LEEVIX株式会社・木崎社長が語る、19歳の渡韓から未経験でのIT転身、起業まで

19歳で、アイドルデビューを目指して単身韓国へ。帰国後は、日本と韓国でモデルとして活動し、一般企業で働いた経験はゼロ…。そんな木崎桃子社長のキャリアが大きく変わったのは、コロナ禍です。
モデルの仕事が相次いでストップした中で、「せっかくだから、やったことのないことをしてみよう」と、初めて一般企業でアルバイトを始めました。その後、思いがけない縁からIT業界へ。Webサイト制作や広告運用の営業に約5年間携わり、2026年7月にLEEVIX株式会社を設立しました。
一見すると、韓国でのアイドル挑戦、モデル、IT営業、そして経営者というキャリアには、大きなつながりがないようにも見えます。
しかし木崎社長のお話を聞いていくと、その節目にはいつも、新しい環境を前に「まずやってみよう」と動く姿がありました。
経験したことのない世界へ踏み出す時、何を考えてきたのでしょうか。これまでのキャリアと、立ち上げたばかりの会社で実現したいことを伺いました。
LEEVIX株式会社
代表取締役 木崎 桃子
19歳でアイドルデビューを目指して韓国へ渡り、帰国後は日本と韓国でモデルとして活動。コロナ禍をきっかけに一般企業での勤務を経験した後、未経験からIT業界へ転身。Webサイト制作や広告運用の営業などに約5年間携わり、2026年7月にLEEVIX株式会社を設立。現在はWebサイト制作やDX支援、SNS運用、デザイン・クリエイティブなどを中心に、複数の事業を展開。
19歳で単身韓国へ。アイドルを目指した2年半
編集部木崎社長は、今はIT企業を経営されていますけど、キャリアのスタートは19歳で韓国に渡ってアイドルを目指したところなんですよね。かなり意外なスタートです。



そうですね。19歳の時に、韓国でアイドルデビューを目指して一人で渡韓しました。最終的にはデビューには至らず、日本へ帰国したんですけれど。その後は、日本と韓国の両方でモデルの仕事をしていましたね。



19歳で一人で渡韓したって、すごいことですよね…。当時はどんな毎日だったんですか?



最初は韓国語もできなかったので、まず言葉の壁がありましたね。それに加えて、ほぼ毎日ダンスやボーカル、ラップのレッスンがありますし、体型管理もしなければいけない。そういうハードな生活を2年半ほど続けていたので、根性はかなり鍛えられたと思います。



私だったら、2年半も続けられないです…。



とはいえ、デビューの予定は決まっていても変わることがありましたし、年齢のことも、なかなかシビアな問題ではありましたね。



帰国してからは、どのくらいモデルを続けていたんでしょう?



日本と韓国を行き来しながら、5年くらい続けていましたね。
コロナ禍でモデルの仕事がキャンセルに。「せっかくだからOLをやってみよう」



その後、モデルのお仕事はどんなふうに続いていったんですか?



2020年頃まではモデル一本でやっていたんですけど、コロナ禍で現場がほとんどキャンセルになってしまったんです。最初は家でゆっくりしていたんですが、なかなか再開の見通しが立たなくて、「このままじゃまずいな」と思うようになりまして…。



先が見えない状態が続くと、さすがにこのまま待っているだけではいられないですよね。



そうなんですよ。それで、電気通信サービスの会社でアルバイトを始めました。それまで一般企業で働いたり、正社員として働いたりした経験がなかったので、今までやったことがないことをしてみたかったんです。ただ、そこは結局1年も経たないうちに辞めることになってしまったんですけど。



せっかくやってみたかったOLなのに、1年も経たずに辞めちゃったんですか…?



そうなんです。実は、その間にモデルの現場が少しずつ戻ってきたんですよ。それで、「OLも経験できたし、そろそろ辞めよう」と。



ああ、モデルのお仕事が戻ってきたんですね。それなら良かったです…!



ただ、その退職のタイミングで、思いがけないことがあって。私の最終出勤日に、同じ日に退職する社員の方がいたんですが、その方から「転職先のIT企業でモデルに関わる仕事があるので、一度話を聞きに来ませんか」と声をかけていただいたんです。後日その会社へ行って実際に話を聞いてみたら、モデルの仕事ではなくて、その会社が新しく立ち上げる部署で働く人を募集しているという話だったんですよ(笑)。



全然違う話じゃないですか(笑)。



そうなんです(笑)。でも、その時は「せっかくここに来たことにも、何か意味があるんじゃないか」と直感的に思ったんです。それで、その会社で働くことを決めました。結果的に、そこが私にとって初めて正社員として働く会社になって、IT業界に入るきっかけにもなったんです。
先輩も同期もいない営業部署。未経験から約5年間で学んだこと



実際にIT企業で働き始めてみて、最初はどんな状況だったんですか?



新しい部署の立ち上げに入ったので、同じ営業部署には先輩も同期もいませんでした。Webサイト制作や広告運用をご提案する営業だったんですけど、営業として結果を出すことと、ITの知識を身につけることを同時にやっていくような状態でしたね。



手探りで進めていったんですね。



そうですね。アポイントを取ってくれるアルバイトスタッフはいたんですけど、営業担当は最後まで私一人でした。商材によっては、外部の方にもご協力いただきながら進めていましたね。



それは大変でしたね…。そんな環境の中で、どんなことを身につけていったんですか?



自分で目標を立てて、自分で考えて動くことですね。あとは、チャンスがあれば自分から掴みにいくこと。営業をしながら、そういう姿勢はかなり身についたと思います。



その会社には、最終的にどのくらい勤めたんでしょう?



約5年ですね。



5年働く中で、その先のキャリアについても考えていたんでしょうか?



そうですね。実は、正社員として働き始めた頃から、漠然とではあるんですけど、「せっかくなら、いつか自分で会社をつくりたい」という気持ちはずっと持っていました。
Web制作から海外不動産まで。「これできない?」を形にする会社へ





約5年間IT業界で経験を積んだ後は、どうされたんですか?



2026年7月に、LEEVIXを立ち上げました。今、中心になっているのはWebサイト制作とDX支援ですね。そこに付随して、SNSの運用代行やデザイン、クリエイティブの仕事もしています。



いろいろな事業がありますね…!



一見するとバラバラに見えると思うんですけど、お客様から「これできないかな」と相談されたことを形にしていく点は、共通しています。



ちなみにWebサイト制作は、どんな形で提供されているんですか?



できるだけいろいろな業種や事業者の方にWebサイトを持っていただきたくて、制作費500円から作れるサービスを展開しています。「ホームページは欲しいけど、最初から何十万円もかけるのは難しい」という個人事業主の方や中小企業の方にも、お気軽にご依頼いただければと思っています。



500円と聞くと、驚きますね…!こともあります(笑)。



最初は「怪しい」と言われることもありますが、実際にこれまでの制作実績を見ていただいたり、お話しをした後に「ここまでできるんだ」と驚いていただくこともあります。契約後のアフターフォローも大切にしていますね。



Webサイト制作と並んで、DX支援も中心の事業とおっしゃっていましたよね。こちらは、どんなサービスなんですか?



「会社に一人いたら助かる、デジタルのお助けサービス」をコンセプトにした、企業向けのDX支援サービスです。企業が日々の業務で抱えている「もっと効率化したい」「デジタル化したいけど、何から始めればいいかわからない」といった課題に対して、生成AIやさまざまなデジタルツールを活用しながら、業務改善をサポートしています。単にツールを導入するのではなく、企業ごとの課題に寄り添い、身近な相談相手として伴走できるサービスを目指しています。





このほかにも、最近新しく取り組んでいることもあるんですか?



そうですね。海外不動産などにも広げています。私はもともと、いろいろなことに好奇心を持つタイプなんです。自分自身も新しいことをやりながら成長していきたいですし、関わる方が何か困った時に、どれかの事業で力になれる会社にできたらと思っています。
経験よりも、「まずやってみよう」と動ける人と働きたい





実際に会社を立ち上げてみて、会社員だった頃と一番変わったことは何ですか?



見る範囲が変わりましたね。モデルの時は、自分自身が商品として結果を出すことを考えていました。営業になってからは、お客様の要望に寄り添いながら、自分の売上も考えるようになった…。今はそこに加えて、スタッフのことや会社全体の売上、今後の事業まで見なければいけません。大変ですけど、そこが面白いところでもあります。



確かに、個の結果というより和の結果にも責任を持つ立場になられたわけですもんね。



大前提として、一人ではここまでできなかったですし、周りの方の支えがあったからこそ、いろいろな事業に取り組めているわけですけれど。



守るものが増えた中で、これから先はLEEVIXをどんな会社にしていきたいですか?



これからは、LEEVIXと関わったことで「少し豊かになった」「毎日がもっと楽しくなった」と感じてもらえるようなサービスを増やしていきたいですね。まだ設立したばかりですし、本当にこれからの会社だと思っています。



会社が大きくなっていく中で、将来的にはどんな方と一緒に働きたいでしょう?



ポジションとしては、今後はまず営業の正社員を増やしていきたいと考えています。でもやっぱり、自分で考えて行動できて、新しいことを楽しみながら吸収できる方がいいですね。私自身も未経験でIT業界に入ったので、経験やスキルだけを重視しているわけではありません。まずは「やってみよう」と前向きに動けることを大事にしたいです。



19歳で韓国へ渡った時も、コロナ禍で初めて一般企業で働いた時も、思いがけずIT業界への話が舞い込んできた時も、木崎社長はその時々で「まずやってみよう」と動いてきました。その積み重ねが、モデルからIT営業へ、そして起業へとつながっています。思うようにいかなかったことも含め、一つひとつの経験が次の挑戦につながっていった木崎社長のキャリア。最初から正解が見えていなくても、動いた先で次の選択肢が見つかることがある。その歩みは、未経験だからと一歩をためらっている人にとっても、新しい仕事へ踏み出すきっかけになるのではないでしょうか。木崎社長、本日は貴重なお話をありがとうございました。

