27卒、内定承諾後でも辞退できる?辞退連絡の期限と伝え方をプロが解説

内定承諾書を提出した後でも、入社日の2週間以上前までに申し出れば、原則として辞退できます。法律上、労働者には雇用契約を解約する自由が認められており、内定は「始期付解約権留保付労働契約」と位置づけられるため、特別な事情がない限り企業側から辞退を拒むことはできません。
27卒の場合、本記事を読まれている方の多くは2026年4月入社を控えた段階かと思います。卒業まで時間があるからこそ、辞退を検討するなら早めの連絡が双方にとって最も負担が少なくなります。当社のキャリアアドバイザーにも、承諾後に進路を見直したいというご相談が継続的に寄せられています。
本記事では、「内定承諾したが辞退したい」とお考えの新卒の方向けに、内定承諾後の辞退可否と期限、内定承諾書の法的性質、27卒固有のスケジュール影響、連絡手順とメール例文、損害賠償の現実性、辞退後の再就活ステップまで時系列で解説します。読み終えたら、今日から次の動きを進められます。

27卒の内定承諾後でも辞退できる?結論と期限
結論からお伝えすると、承諾後の内定辞退は法律上も実務上も可能です。承諾書を提出していても、入社前であれば労働者の意思で辞退の申し出ができ、企業側がそれを拒むことは原則認められません。ただし、連絡が遅くなるほど企業側の負担が大きくなるため、辞退の決断がついたら早めに連絡を入れるのがマナーになります。
辞退の連絡期限は、法律上の原則で入社日の2週間前までとされています。これは民法に定められた、期間の定めのない雇用契約の解約申入れに関する一般ルールに基づきます。実務上は、入社日の1か月以上前には連絡を入れるのが望ましく、企業側も次の動き出しに時間を確保できます。
27卒の場合、入社日は2026年4月1日が一般的です。本記事を6月時点で読まれている方なら、入社まで約9か月の猶予があります。卒業要件を整えながら次の進路を準備する時間も十分にありますので、慌てず段取りを立てて連絡を進めてください。
27卒|承諾後辞退の時系列マップ
2025年4月〜2025年10月|承諾期
承諾書提出。違和感を覚えたら早期に再検討
2025年11月〜2026年1月|余裕ある辞退期
辞退連絡しても企業側に追加募集の時間あり
2026年2月|要注意期
入社1か月前。連絡は急いで・電話+メール必須
2026年3月15日以降|直前期
入社日2週間前。法律上のラインに接近
2026年4月1日|入社日
無断欠勤は損害賠償リスク。入社後の早期退職へ
阿部 翔大承諾後の辞退で最も避けたいのは「ぎりぎりまで連絡しない」状況です。法律上のラインに収まっていても、企業側の準備が進めば進むほど影響が大きくなります。決まった瞬間に連絡を入れるのが、自分にとっても企業にとっても最も誠実な対応です。
内定承諾書の法的性質|「始期付解約権留保付労働契約」とは
内定承諾書の提出によって成立する関係は、「始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれます。日常的な表現ではないため難しく感じますが、要するに「入社日を始期(スタート日)として、企業側にも一定の解約権を留保した労働契約」という意味です。承諾書を出した時点で労働契約は成立しているものの、入社前は通常の在職時とは違う特殊な状態にあります。
労働者側からの辞退は原則自由
労働者側からの辞退(解約申入れ)は、職業選択の自由に基づき広く認められています。法律上、期間の定めのない雇用契約は申し出から2週間で解約できる一般ルールがあり、内定の辞退もこれに準じて扱われるのが通例です。承諾書に「辞退しません」と署名していても、その意思は撤回可能とされています。
企業側からの内定取消は厳しく制限される
一方、企業側からの内定取消は「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合」に限られ、判例上も厳しく制限されています。これは始期付解約権留保付労働契約の留保解約権が、企業側にとっては非常に狭い範囲でしか行使できないことを意味します。労働者と企業で扱いが対称ではない点が、この契約の特徴です。
「承諾書を出したから辞退できない」は誤解
「承諾書に署名したら辞退できない」「誓約書を出したら法的に縛られる」という誤解はよくありますが、労働者の解約の自由は契約や誓約書では制限されないのが基本ルールです。誓約書や違約金条項があったとしても、それを根拠に辞退を妨げたり損害賠償を請求したりするのは現実的にはきわめて困難です。



面談でよくある誤解が「承諾書を出してしまった以上、もう動けない」というものです。労働者の辞退の自由は、契約書の文言よりも強く法律で守られています。安心して動いて大丈夫ですし、不安があれば必ず第三者に確認してから進めてください。
27卒固有のスケジュール影響|辞退タイミング別の動き方
27卒の辞退は、辞退タイミングによって企業側・自分側それぞれの影響が変わります。秋〜冬辞退と直前辞退では、再就活の進めやすさにも差が出ます。タイミング別に、自分の状況がどの位置にあるかを確認してください。
2025年秋〜2026年1月辞退|余裕ある辞退期
承諾後3〜6か月以内に辞退する場合は、企業側にも追加募集や繰り上げ採用の時間が残されているため、最も波風が立ちにくいタイミングです。自分側も、通年採用枠・既卒採用枠を活用した再就活に2〜3か月の準備期間を確保できます。動きを決めたら早めの連絡をすることが双方にメリットがあります。
2026年2月辞退|要注意期
入社1か月前は「要注意期」と捉えてください。企業側は入社準備(配属決定・備品手配・研修計画)が進行している段階のため、辞退は影響が大きくなります。連絡は必ず電話を先に入れ、同日中にメールを送る順序を守ってください。誠意ある対応が、後々のトラブル回避につながります。
2026年3月15日以降|直前期
入社日2週間前を切ると、法律上のライン(解約申入れ2週間)に接近します。この時点での辞退は、可能ではあるものの企業側の損害(採用費・研修準備費)が顕在化しやすいタイミングです。連絡は最優先で行い、可能であれば直接訪問しての謝罪も検討してください。
2026年4月以降|入社後の選択肢
入社日を迎えた後は、辞退ではなく「早期退職」として扱われます。入社後すぐの退職は短期離職扱いになりますが、第二新卒として転職活動を進める道も開かれています。





「辞退の連絡を遅らせるほど揉める」というのが現場の率直な実感です。早ければ早いほど、企業側の事務処理もスムーズに進みます。本記事を読み終わったら、その日のうちに電話の準備に取りかかってください。


内定承諾後の辞退連絡手順|電話→メールとメール例文
承諾後の辞退は電話を先に入れ、同日中にメールで文面を残すのが必須の流れです。承諾前の辞退と違い、承諾書という公式書類が交わされている分、電話で口頭の合意を取ることの重みが大きくなります。
電話で伝えること
電話では「結論→理由→お詫び→締め」の順で1〜2分で完結させましょう。長い言い訳は不要です。「貴社の内定を辞退したくご連絡しました」「他社への入社を決めました/家庭の事情により進路を見直しました」「直前のご連絡となり申し訳ございません」「貴社のご発展をお祈りいたします」の流れで概ね通用します。
承諾後辞退のメール例文
辞退をメールで伝える際は、以下を参考にしてください。
件名|内定辞退のご連絡(〇〇大学 山田太郎)
株式会社〇〇
採用ご担当 〇〇様
お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の山田太郎です。
先ほどお電話にて申し上げました通り、誠に勝手ながら、貴社からいただきました内定を辞退させていただきたく、改めてメールにてご連絡を差し上げます。
内定承諾書を提出した後でのご連絡となり、貴社の採用計画にご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。
選考の機会と内定をいただきましたことに、心より感謝しております。
貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
山田太郎
電話:090-XXXX-XXXX
メール:[email protected]
直接訪問が必要なケース
入社2週間を切った直前辞退や、内定者懇親会まで参加した上での辞退など関係が深い場合は、電話とメールに加えて直接訪問の謝罪を提案できます。訪問のお願いは「お時間をいただけるのであれば直接ご挨拶に伺いたい」とメールで打診し、企業側の都合に合わせる形で進めるのが丁寧です。企業によっては訪問不要と伝えられることもあります。



承諾後の辞退電話は誰でも気が重いものです…。電話の前に話す内容を紙にメモ書きしておくと、緊張せず1〜2分で済みます。電話が終われば、あとはテンプレ通りにメールを送りましょう。
内定承諾後辞退で損害賠償を請求される可能性は?
承諾後の辞退で気になる方が多い損害賠償リスクですが、通常の辞退で実際に請求されるケースはきわめて稀です。労働者の解約の自由が強く保護されているため、企業側が損害賠償を求めても、裁判所が認める範囲はきわめて限られます。
請求が認められうるケース
裁判で認められうるのは、「信義則違反が著しい場合」に限られます。具体的には、企業に対して虚偽情報を伝え続けて辞退し、企業が実害を被った場合などです。通常の流れに沿った辞退で損害賠償が認められた判例はほぼ見当たりません。
違約金条項の有効性
承諾書や誓約書に「辞退した場合は違約金〇万円」と書かれているケースもありますが、こうした違約金条項は労働基準法第16条で禁止されています。労働契約の不履行について違約金や損害賠償の額を予定することは法律で禁じられているため、書面に記載があっても支払い義務は発生しません。
不安が大きい場合の相談先
「損害賠償を請求すると言われた」「親に強く反対された」など不安が大きい場合は、大学キャリアセンター・労働基準監督署・法テラス・労働問題に強い弁護士のいずれかに相談してください。法テラスは収入要件を満たせば無料法律相談を利用できます。一人で抱える前に第三者の助言を取りに行くのが安全です。



承諾後辞退で訴訟になる事例は本当に少ないです。企業側にも「訴えて勝てる見込みが低い案件に弁護士費用をかけるメリットがない」という現実があります。誠実に対応すれば、過度に恐れる必要はありません。
内定承諾後辞退の現場感|弊社の面談から見えた傾向
当社のキャリアアドバイザーは1万人超の支援データより、内定承諾後の辞退・再就活のご相談を継続的にお受けしています。承諾後辞退をされた方々から見えてきた共通点を3つに絞ってご紹介します。
①早期に動いた方ほど再就活の選択肢が広がる
承諾後すぐに辞退を決断された方ほど、秋採用・冬採用・通年採用の枠を活用できる傾向があります。逆に直前期まで悩んだ末に辞退された方は、希望業界の枠が埋まっていることも多く、選択肢が狭くなりがちです。違和感の正体が見えた瞬間に動くのが結果的に有利です。
②理由が明確な方ほど辞退連絡がスムーズ
辞退理由が自分の言葉で説明できる方は、電話連絡時の心理的負担が少なく、企業との関係も悪化しにくい傾向があります。逆に「何となく」のまま電話に臨むと、採用担当者の問いかけに答えられず、保留・再考の沼にはまりがちです。電話の前に理由を言葉にしておくのが鉄則です。
③第三者を挟んだ方ほど後悔が少ない
キャリアアドバイザー・大学キャリアセンター・親族・先輩など、第三者と1回でも話してから辞退を決めた方は、後悔の声が圧倒的に少なくなります。一人で判断するより、外部の視点を1つ入れるだけで意思決定の精度が大きく上がります。



承諾後辞退をされたご相談者の多くは、辞退後の再就活で納得のいく進路を見つけられています。辞退そのものよりも「次の動き」を一緒に考えてくれる相手がいるかどうかが分かれ目になりますので、お気軽にご相談ください。
辞退後の再就活|27卒が今から動く具体的なステップ
辞退後の再就活は、辞退連絡完了→エージェント面談→応募開始の3ステップで進むのが基本形です。卒業まで時間がある27卒なら、ペースを保ちながら選択肢を増やせます。
電話+メールで辞退完了。受領確認の返信が来たらお礼1通で締めくくる。
辞退理由・志望業界・希望条件を伝えて求人候補を出してもらう。1社だけでなく2〜3社併用が無難。
大手企業の通年採用枠、ベンチャーの既卒OK枠、第二新卒枠など複数チャネルで応募開始。
エージェントに伝える辞退理由のまとめ方
エージェントには辞退理由を率直に伝えるのがおすすめです。エージェントは辞退理由をもとに、次に紹介する求人の方向性を調整します。理由を隠すと、似た条件の企業を再度紹介されてミスマッチが繰り返されるリスクがあります。
就活継続の選択肢
辞退後の選択肢は再就活だけではありません。大学院進学・留学・公務員試験・専門学校など、複数の道があります。再就活と並行して進められるものもあるため、進路選択そのものを広く考え直すタイミングとして使うことも可能です。







辞退して再就活を選ばれた方の中には、最初の内定先より自分に合った企業に再度内定をいただけた方もたくさんいらっしゃいます。辞退は終わりではなく、本当に合う進路を見つけ直すスタート地点として捉えていただければと思います。


27卒の内定承諾後辞退を考える方からキャリアアドバイザーによくある質問
Q: 内定承諾書を書面で送ったらもう辞退できませんか?
A: 辞退できます。承諾書を提出しても労働者の解約の自由は法律で保護されています。書面の有無に関わらず、入社前であれば原則として辞退の申し出は可能です。
Q: 企業から「損害賠償する」と書面で抗議されました。どうすればいいですか?
A: まず大学キャリアセンターや法テラス、労働問題に強い弁護士に相談してください。通常の辞退で損害賠償が認められた判例はほぼなく、書面での抗議は威嚇である可能性が高いです。一人で対応せず、必ず第三者の助言を取ってください。
Q: 親や親族が「絶対に許さない」と反対しています。説得方法はありますか?
A: 「辞退の理由」「次の動きの具体スケジュール」「相談先(キャリアセンター・エージェント)」の3点をまとめて伝えるのが効果的です。次の進路が見えていないと反対されやすいため、エージェント面談予約まで進めてから話すと前向きな話し合いになります。
Q: 第一志望企業の選考結果が出るまで承諾辞退を待ってもいいですか?
A: 待つこと自体は可能ですが、承諾している企業への入社準備が進む点に注意してください。第一志望の結果がいつ出るか分かっている場合は、その日に合わせて電話の準備をしておくのがおすすめです。
Q: 入社1週間前の辞退も法律上は可能ですか?
A: 法律の一般原則では2週間前までとされているため、1週間前の辞退は原則のラインを超えている状態になります。実務上は連絡すれば受理されることが多いですが、信義則違反の論点が出やすくなるため、可能な限り早めに連絡してください。
まとめ|承諾後でも後悔しない辞退と再スタートのために
27卒の内定承諾後辞退について、本記事の要点を以下にまとめます。
- 承諾後でも入社日の2週間以上前に申し出れば原則辞退可能
- 内定は「始期付解約権留保付労働契約」・労働者の解約の自由は強く保護
- 連絡は電話を先に→同日中にメールの順を厳守
- 違約金条項は労働基準法第16条で禁止・支払い義務なし
- 損害賠償が認められた判例はほぼなし
- 2026年2月以降は要注意期・3月15日以降は直前期
- 辞退後の再就活は辞退完了→エージェント面談→応募開始の3ステップ
- 不安が大きい場合は大学キャリアセンター・法テラスへ



承諾後の辞退は、決断さえつけば法律と実務の両面で守られた選択肢です。後悔のない進路を選び直す時間が、27卒の方にはまだ十分にあります。お一人で抱えこまれている方は、当社のキャリアアドバイザーまでいつでもご相談ください。
運営者情報
| メディア名 | ビギナーズリンク |
| 運営会社 | 株式会社MEDISITE |
| 代表者 | 竹田津 惇 |
| 所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8丁目5-4 STビル701 |
| 設立 | 2022年11月 |
| 事業内容 | HRメディア事業・SNSマーケティング事業・営業支援事業 |
| 許認可 | 有料職業紹介事業(13-ユ-316383) |



