「やりたいことよりも、まずやれることをやろう。」株式会社ウェブギフト・冨田仁社長が語る、”いただく側の気持ち”から考える仕事

「自分には、やりたいことがまだ見つからない。」そんなふうに感じることは、ないでしょうか?

株式会社ウェブギフトの冨田仁社長は、新卒で入社した上場企業を辞めた時に「まずは、自分がやりたいことよりも、やれることをやろう」と考えたそうです。そうして始まったWebカタログギフトのサービス(https://www.officegift.jp/)は、いま累計10,000社以上に利用されています。

自分がやれることから始めた冨田社長は、いま何を届けているのか。そして、どんな人と一緒に働きたいと考えているのか。詳しくお話を伺いました。読み終わる頃には、まずは、やれることから始めるのも一つの手段だ、と感じられるはずです。

お話を伺った人

株式会社ウェブギフト(オフィスギフト運営:https://www.officegift.jp/

代表取締役 冨田 仁(とみたひとし)

愛知県名古屋市出身。愛知県内の大学を卒業後、東証一部上場企業に入社し、名古屋支社で営業として数多くの実績を積んだ後に本社移動→独立。Webカタログギフト「オフィスギフト」を立ち上げ、現在は開業祝いや移転祝い、社内表彰などのギフトを届けている。現在、広告・PR関連の会社と、企画製造の会社もあわせて経営。座右の銘は「継続した努力と一生懸命」「因果応報」。

目次

やりたいことよりも、まずやれることを

編集部

冨田社長は、独立される前は上場企業にいらしたと伺いました。そこから、どのような歩みを?

冨田社長

愛知県内にある大学を卒業して。仰るとおり東京の会社、一部上場の大きい会社に勤めたいなと思って入社したんですけど、すぐに名古屋支社勤務と言い渡されて。「動きを見てから判断してくれよ!」と思いながら(笑)。

編集部

東京に行くつもりが、地元へ…!

冨田社長

まあ、仕方ないかと考え直し、そこで色々と実績を積んでいって、本社に異動したんですけど。だんだんやれることも広がってきて、でも上場企業なので、やっぱり会社の定款の問題とかもあるんですよね。私がやりたいこと、やれることと、会社が認めること、認められないことが、ちょっとそぐわなくなってきたので、結果として退社しました。

編集部

なるほど。上場企業だからこその縛りやフットワークの重さってありますよね…。それで会社の外に出られて、まず何をされたんですか?

冨田社長

私がやりたいことって、サービスやコンテンツを売っていくことだなと思ったんです。ただ、色々な先輩方にアドバイスをいただく中で、その時代はYouTubeやSNSで個人がお金を稼ぐという社会的評価も、なかなかなかったりしたので。どうしようかなと思った時に、まずは自分がやりたいことよりも、やれることをやろうかなと。それが、ウェブギフトの成り立ちではありますね。

編集部

やりたいことより、やれること。なるほど…。どうしてギフトに絞られたんでしょう?

冨田社長

最初は食品関連とか、美容関連とか、芸術・アパレル関連とか、色々とやらせてもらったんですよね。その中で、ギフトを深掘りしていくと、なかなか面白い業界だなと思って。

贈る側ともらう側で、気持ちの幅がすごいんですよ

編集部

どんなところが、面白かったんですか?

冨田社長

例えば上場祝いや移転祝いなんかで、胡蝶蘭や観葉植物を贈るのが一般的だったりするじゃないですか。あれって、贈る側は「おめでとうね」という気持ちで大きいものを贈るわけですよね。ただ、いただいた側は一瞬華やかでも、数ヶ月経つと、「なんか、あれ?」みたいな(笑)

編集部

枯れていく姿を、毎日見ることになりますもんね…。

冨田社長

そうなんです。悲しいだけならまだいいんですけど、大きいので処分をどうするんだ、虫が湧いてきたぞ、というところもあるんですよね。

編集部

贈られた側の困りごとあるあるですね…。すごく、ありがたいものではあるのでしょうけど。まず置き場所から考えることになりますし。

冨田社長

その贈る側と、いただく側の気持ちのアンマッチの幅がすごいなと思ったので、Webでギフトを送れちゃったらいいよね、好きなもの選んでよ、という発想で立ち上げたサービスなんです。ただ日本だと、お金とか商品券を渡すって直接的すぎるとか、下品だと思われるケースもあるので、じゃあWebを介して我々がサービスを提供しようかな、と。

編集部

もらう側が、自分で選べるというわけですね。

冨田社長

はい。ただ、色々と調べていくと、胡蝶蘭や観葉植物を送りたい方は、「胡蝶蘭や観葉植物を贈りたい」という強い強い意思があるんだなと思って。

編集部

選んでもらうのではなく、これを贈りたい、という強い強い意思…。

冨田社長

そうなんです。なので、Webカタログギフトとあわせて胡蝶蘭と観葉植物も取り扱ってみたら、結構お買い求めいただけたりとかもして。

編集部

いただく側の気持ちから始めても、贈る側の気持ちは置いていかない。そのどちらも残されているんですね。

紙のカタログは、一切作っていません

編集部

Webカタログギフトというのは、結婚式の引き出物でいただく、あのカタログのようなものでしょうか?

冨田社長

近いんですけど、弊社はこの小さい封筒だけなんです。メッセージもコードも全部この中に含まれています。結婚式の引き出物だと、カタログを持って帰って、2次会、3次会で忘れていってしまうこともあるじゃないですか。この封筒なら、女性のかばんにも、男性のスーツのポケットにも入るので、手荷物になりません。紙のカタログ自体も商品を選び終わった瞬間ゴミになりますし、カタログを制作・製造する費用すら、一円でも良い商品をラインナップするために費やしたいと考えております!

編集部

たしかに、これなら忘れません…! 中身の商品は、どうやって選ばれているんですか?

冨田社長

とにかく、多くの方が欲しがるもの・旬の商品ですね。私が欲しいもの、うちのパートさんや従業員が欲しがるもの。ネットで色々と調査もしながら、毎日毎日更新しています

編集部

毎日…! 卸業者さんから、まとめて仕入れるのかと思っていました。

冨田社長

卸業者さんは決めていないんです。決めてしまうと、売れ残りとか、人気商品じゃないものとか、去年の商品等を提案されちゃうこともあるんですよ。紙のカタログでありがちな話なので、弊社は紙のカタログを一切作っていないんです。

編集部

決めないほうが、常に新しいものを置ける。

冨田社長

そうなんです。ダイソンが出てきた時はダイソンだ、シャークが出てきた時はシャークだ、と。夏だったらクーラーや送風機、冬だったら加湿器・空気清浄機。世の中で流行っているものや、いま必要なものを、常に追いかけています。

編集部

季節でも、変わっていくんですね。ちなみに、ずっと人気があるギフトってどんなものですか?

冨田社長

1年中コンスタントにご注文いただくのは、ゆで卵メーカーですね。

編集部

ゆで卵…! それは、意外なところが人気なんですね。

メッセージは、全部読んでいます

編集部

このサービスを展開されていくなかで、大事にされていることはありますか?

冨田社長

Web上で150文字前後でメッセージも書けるので、誤字脱字がないか、改行が綺麗にされているかを、弊社で全部チェックするんです。私もチェックすることがあるんですけど、そのメッセージに、すごく心がこもっているんですよね…。全然知らない方なのに、「うわ~、いいなぁ」というのがやっぱり結構あって。

編集部

全部、目を通されているんですね。

冨田社長

あとは、可能な限り即日発送です。今日も午前中から、うちの従業員がスタンバイしています。昨日頼んだのに、もう今日届いてるわ、というのがやっぱり、嬉しいじゃないですか。

編集部

品物と一緒に気持ちも届けるギフトだからこそ、ですよね。そこまで人の気持ちを大切にしつつ丁寧な対応をされていて、サービスそのものも需要がたくさんありそうですが、このお仕事って相当な人数が必要そうですよね。とくに、営業職の方とか。

冨田社長

それが実は、うちはアウトバウンドで営業をかけたり、営業マンを配置したりというのは一切やっていないんですよ。ギフトって、商品自体がいいねと言われても、贈る相手がいなければ必要ないじゃないですか。だからとにかくお客様に委ねようと思って、メインはホームページ(https://www.officegift.jp/)からの集客です。

編集部

そのときに必要で探している方に、見つけてもらうんですね。

冨田社長

需要期は3月と9月ですね。日本だと4月と10月に開業や移転が多いので、それらのタイミングでたくさんのご注文をいただきます。

編集部

季節によって波があるんですね。ちなみにいまは、どんな方を採用したいと考えていますか?営業職以外で、となると…。

冨田社長

やっぱりエンジニアの方ですね。プログラム全般に精通している方。あとは、私や他の幹部のサポートと管理ができる、管理責任者になれるような方。それから、企画ができる方です。SNSの更新がうまい方も、是非。

私が大切にしている言葉が、「因果応報」なんです

編集部

それらの職種は未経験の方には、難しいポジションのようにも思えますが…。

冨田社長

経験者は優遇しがちかなとは思いますけど、未経験で入った方も弊社にいますし、すごく若い子もいますよ。そうなると、人間性であるとか、実直さややる気とか、注視するのはそちらになってきますね。

編集部

人間性、というと。

冨田社長

集中して、一生懸命できる方かな。今までいた社会で何を成し遂げたのかや、できれば周りの他者評価を聞いて、一生懸命やってきたのだなと感じられる方だといいなと思います。あとは、物事の本質を見極めようとする方ですね。実際にそこまでできる方は結構少なくて、それを継続し続けるのは私も含めてなかなか難しいんですけど。

編集部

「やる気はあります」という言葉よりも、実績や他者評価、物事の本質を見極められるかを重視されているんですね。それでは最後に、冨田社長ご自身が行動の指針にされていることを伺えますか?

冨田社長

私が日々大切にしている言葉が、「因果応報」なんですね。何か1つ人の手助けをする時にいつも考えるのは、「うちの母親や大切な方々が困っている時に、そういう方が周りにいてくれたらいいな」ということです。自分に返ってきてほしいわけではなくて、母や大切な方々に返ってきてくれたらいいな、と。その行動を、自信を持って言えるかどうかも私の行動指針になっています。

編集部

なかなか奥が深い言葉ですが、私も何か、私の行動によって人に何かを与えられる人間になりたいということは漠然と考えていたりもします。ギフトもそうなんですけど、モチベーションとか、楽しいという気持ちなんかも含めて。良いことが連鎖していけばいいな、みたいな。

冨田社長

そうなんですよね。この間も、雨のバス停で3人のお子さんを抱えたお母さんが、傘を出せずに困っていまして。代わりに、かばんから傘を取ってさしあげたんです。そうしたら、泣きそうな顔で「ありがとうございます」と言ってくださって。こちらは大したことはしていなくて、ちょっと立ち止まっただけなんですけどね。

編集部

立ち止まっただけ、と言えるところが素敵です…!でも、そのお母さんにとっては、ずっと記憶に残る一日になったかもしれません。

冨田社長

そうかもしれませんね。弊社の従業員もママさんが多いので、困っている時に助けてくれる方が周りに現れてくれたらいいな、という気持ちなんですよ。因果応報って、悪いことが返ってくるほうで使われることも多いですけど、私は、いいほうを重ねていきたいなと。自分のためではなく、誰かのためにやれること。それなら、いくらでも見つかりますからね。

編集部

ちょっと立ち止まって、かばんから傘を取り出す。贈られた側の気持ちから考えるというお仕事の根っこは、ここにあるのかもしれません。もしも仮にやりたいことがまだなくても、誰かのためにやれることなら、今日から始められそうですね。冨田社長、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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