「毎日が特売」でも、品質は落とさない。オーケー株式会社 安澤さんが語る、”価格を支える”仕組みと人 

「安さ」と「質の良さ」は、どちらかを諦めるもの。なんとなく、そう思っていませんか?

オーケー株式会社は、経営方針に『高品質・Everyday Low Price』を掲げ、特売日を設けず、毎日低価格で商品を提供するスタイルを貫いてきたディスカウント・スーパーマーケットです。安澤絵梨(あんざわ えり)さんは2012年に新卒で入社して以来、一貫して人事の道を歩み、現在は採用グループと関西グループのマネージャーを務めています。

今回はそんな安澤さんに、あの価格を支えている仕組みや、売り場で働く面白さ、そして伸びていく方に共通する「探求心」まで、じっくりお話を伺いました。

高品質な商品を、毎日低価格で提供する。その仕組みの背景には何があるのか。読み終わる頃には、その経営方針の意味が伝わってくるはずです。 

お話を伺った人

オーケー株式会社

人事部 採用グループ/関西グループ マネージャー 安澤 絵梨

2012年に新卒で入社し、以来一社で人事の道を歩む。配属当初は教育や研修まで一貫して担当。出産による休職を経て復職したのち、ネットスーパーの開設を担う部署も経験。ふたたび人事へ戻り、現在は採用グループと関西グループのマネージャーとして、関東・関西あわせて23名のメンバーを率いる。2024年からは関西も任され、新卒から中途、パート・アルバイトまでの採用活動を統括している。

目次

「業界の中で、我が道を行っている」就活でそう思った会社に、そのまま入社

編集部

安澤さんは新卒から一社で、しかも入り口からずっと人事ということですが、なかなか珍しいキャリアですね。

安澤さん

珍しいですよね。2012年の新卒入社で、ずっとオーケーです。最初からずっと採用にいます。

編集部

もともと、オーケーさんには馴染みがあったんですか?

安澤さん

近くに3店舗もあって、馴染みはありましたね。ただ、それよりも就活の時に会社を知って、業界の中でも我が道を行っているなと思ったんです。特売日を持たないってすごくないですか?概念が覆りました。お客様に対しての信念や強いビジョンを持っているというところに、かっこよさというか、素敵だなというところがあって。

編集部

お客としてではなく、会社として見た時に惹かれたんですね。

安澤さん

そこで素直に好きになったというのは、今も本当に大きかったなと思います。

編集部

そこから、人事を志望されたのは、どうしてだったんでしょう?

安澤さん

もともと接客のアルバイトをしていて、楽しすぎて没頭していたんです。少人数ではありますけど、学生で店舗責任者のようなこともやっていて、人に興味を持ちながらやっていました。そうしたら当時、本社スタッフの求人で人事の募集があって。好きな会社で、かつ人に携われるというのが、きっかけでした。

編集部

好きになった会社の入り口に、自分が立つ側になったんですね。

採用ひとすじ15年。教育も研修も、最初は一人で

編集部

新卒で人事に配属されて、最初から採用のお仕事だったんですか?

安澤さん

そうですね。当時は採用も教育も研修も、全部一貫してやっていました。同じように新卒で人事に入った先輩方がいましたので、教えてもらいながらというところで。

編集部

採用された直後に、採用する側へ。すぐに聞ける先輩がいたのは心強いですね。

安澤さん

本当にそうですね。その後、2019年頃に出産をして、1年ぐらい離れました。ちょうどそのタイミングで教育部隊が分かれて、採用に特化した組織になったんです。

編集部

復職された時には、組織の形が変わっていたんですね。

安澤さん

復職後は一時的に、ネットスーパーの開設に携わる部署へ異動もしました。それからまた戻ってきて、ほぼ15年、採用を担当していますね。新卒も中途も、パート・アルバイトも全般です。

編集部

今は、どのくらいの規模を見ていらっしゃるんですか?

安澤さん

関東・関西を合わせると23名のメンバーがいまして、そこを統括しています。2024年から関西の採用も始まって、そちらも一緒に任されています。

編集部

組織を見る立場になっても、現場に立たれているんですね。

安澤さん

日々の面接や面談等を通じて、応募者様と接する場面は多いです。会社が好きで、もっと広めたい、働きたいと思って下さる方を1人でも増やせるようにというところが、日々のモチベーションになっています。

編集部

好きだから広めたい。それが15年続く原動力なんですね。

まず、いいものを揃える。それから価格を抑えていく

編集部

その広めたい会社の中身も伺いたいです。オーケーさんといえば『高品質・Everyday Low Price』ですが、あの価格はどうやって成り立っているんでしょう?

安澤さん

主力商品は、取扱いメーカーや品数を絞り込み、大量発注することで仕入れ価格を下げる取り組みを実施しています。数年前に自社の物流センターを開設しておりますが、目先のコスト削減というよりは、ランニングコスト的なところも含めて、常温で販売できる飲料は冷やさない、総菜の容器を統一化するとか。無駄を省いていくということは意識しています。

編集部

飲料を冷やさない、ですか。それは徹底されていますね。

安澤さん

店舗の中で局所的にやっているというより、会社として長く仕組み化してきたというところが一番大きいですね。もちろん店舗の中でも、無駄を省くという意識はしっかりあります。経費をコントロールして売上も上げて、お客様に利益還元していくという意識は、各店長もチーフも、責任者層には特に染みついていますね。

編集部

ド直球な質問かもしれませんが…安くするために、品質を落とすという発想はなかったんですか?

安澤さん

『高品質・Everyday Low Price』という方針を維持できるように、というところで、まず価値のある商品、美味しい商品、鮮度の良い商品、健康に良い商品、便利な商品を揃えるのが先にあります。その中で価格を抑えていくことになるので、安かろう悪かろうにならないように、というのはもう絶対ですね。

編集部

順番が逆なんですね。品質が先にある、と。

安澤さん

そうですね。仕組みはありながらも最終的に動かすのは店舗の従業員なのですが、そこの意識はすごく大事にしていますね。

編集部

現場では、どんなところが難しいんでしょう?

安澤さん

まずそもそも絶対にNGなのは品切れです。しかし在庫が過剰になると鮮度劣化でロスとなります。ただロスを恐れすぎると、お客様の不満にも繋がりますし、売上も無くなってしまう。この按配を調整していくのが、永遠の課題というかミッションですね。ここはやっぱり、年数を通じて経験値がついてくる部分かなと思います。

編集部

削るだけでは成り立たない。積み上げた仕組みと、現場の判断の両方があって、あの価格になっているんですね。

「美味しかったから、また買いに来た」売り場で実感する仕事の面白さ

編集部

実際に売り場で働く方は、どんな瞬間にやりがいを感じるのでしょうか?

安澤さん

店舗は主に7部門ありまして、お店のフロントに立つ部門もあれば、製造加工が中心の部門もあります。どこの部門においても、自分が携わった商品を、お客様が手に取っていかれる姿を見れることは、何より嬉しい部分だと思います。

編集部

それは想像しただけで、うれしいですね。

安澤さん

手に取るだけじゃなくて、「美味しかったから、また買いに来たのよ」等のお言葉を添えていただく場面もあって。それはやっぱり、小売、スーパーマーケットの仕事の醍醐味かなと思います。

編集部

できなかったことが、できるようになる。そういう実感もありますか?

安澤さん

品出しだけだったところから、売り場を作る、考えるという仕事が増えてきます。ロジカルに考えながら、仮説を立ててというお仕事でもあり、やればやるだけ、すごく深いというか。

編集部

となると、必要な素養も幅広そうです。

安澤さん

文系とか理系とか、ご経験も本当に関係なく、活かしていただけるポジションが色々あるかなと思いますね。従業員も高校生から、元気な80代の方までいらっしゃいますので。

編集部

15歳から80代の方まで。それだけ多様な方に、それぞれの入り口があるということですね。

伸びる人の共通点は「探求心」。同じ日は、一日もない

編集部

幅広い方が働かれている中で、安澤さんから見て、活躍される方に共通点はありますか?

安澤さん

探求心、というんでしょうか。熱量と言ってもいいかもしれません。日々ルーティンの業務も当然多いので、同じような日々になりがちなところもあるんですが、お客様も違えば、一緒にチームを組む人間も違う。だから本当に、同じ日は一日もないんです。

編集部

同じに見えて、同じ日はない。

安澤さん

はい。その中で、今日起きたことを、明日どう活かすか。良くても悪くても結果を受け止めて、なんでなんだろう、と考えて、次につなげる。その意識があるかないかで、すごく差が出てきます。 

編集部

その差は、日々の中でしか開かないものですね。

安澤さん

何よりは、挑戦しようという気概ですかね。新規出店もかなり増えてポジションも作られていますので、キャリアへのチャレンジも、日々の業務を広げるチャレンジもできる環境はあります。

編集部

失敗が怖くて動けない、という方も多いと思うのですが…。

安澤さん

失敗したら嫌だな、という方のお話もよく聞きます。ただ、そこの壁を乗り越えられると、どんどん道が開けるなというのは、見ていても感じるんです。ぜひ、自分らしさはそのままにチャレンジいただきたいですね。もちろん、管理者の働きかけがあってこそですが、本当にいろんな個性の人間がいて、それが1つのチームになると、なぜかうまくバランスが取れるんですよ。

編集部

個性を消さなくていいんですね。ただ、頑張りがきちんと評価されるのかは、正直気になるところだと思います。

安澤さん

各部門のチーフと店長は数値責任者なので、成果での評価が占めてきます。それ以外の方には現状の進捗状況と次に覚えなきゃいけないことを可視化できる評価書を運用しています。

編集部

次に何を覚えればいいかが、見えるようになっているんですね。

安澤さん

そうですね。じゃあ次はこれを覚えようね、というところを、チーフや店長と目線合わせをしています。自分に今何が足りていなくて、次に何を習得しなきゃいけないか。そこが見えるようにしていくのは、仕組みとして運用できています。

編集部

最後に、一歩を踏み出せずにいる20代へ、メッセージをいただけますか?

安澤さん

弊社には「謙虚・誠実・勤勉」という社訓があって、これは採用活動でも求職者様にお伝えしている部分なんです。買いに来てくださるお客様だけではなく、お取引先様にも、従業員に対しても謙虚であること。それは、創業者がしっかり伝えてくれた部分なので。素直に受け止めて、それを受けて精進していく…その姿勢の持ち合わせは、やっぱり必要だと思います。

編集部

毎日が特売でも、品質は落とさない。その順番を守っているのは、現場の一つひとつの判断でした。目の前の一日を積み重ねることが、より良い売り場や、お客様からの『また買いに来た』という言葉につながっていくのだと感じます。安澤さん、本日はありがとうございました。

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