有給休暇を消化するための退職届の書き方|最終出社日と退職日を分けるには

残った有給休暇を全部使い切ってから退職したいときの退職届は、「最終出社日」と「退職日」を分けて書くのが、円満に有給を消化できる書き方の基本です。最終出社日の翌日から退職日までを連続した有給休暇に充てる構成にすると、会社側にも引き継ぎ完了後の動きが伝わりやすくなります。
当社のキャリアアドバイザーも、20代の方から「残り20日の有給を全部使ってから辞めたいけれど、退職届にどう書けば角が立たないか」というご相談を受けることがあります。在職中の関係を壊さずに退職と有給消化を両立させるには、書類の体裁と提出のタイミングがポイントになります。
ただ、有給消化のスケジュールを退職日の2週間前ぎりぎりに伝えると、会社側に「業務の調整時間がない」と難色を示されやすいです。退職日から逆算して1ヶ月以上前に伝えると、引き継ぎと有給消化が両立できる調整がしやすくなります。
この記事では、有給休暇を全消化するための退職届の書き方として、最終出社日と退職日の分け方・テンプレートと記入例・労働基準法第39条による残有給日数の確認方法・残10日/20日/30日別の逆算スケジュール・引き継ぎとの両立・会社が拒否した場合の対応・退職時のお金(給与・賞与・退職金・社会保険料)まで解説します。

有給を全消化するための退職届は「最終出社日」と「退職日」を分けて書く
退職届で有給休暇を消化したいときの最大のポイントは、「最終出社日」と「退職日」を別々の日付として明記することです。最終出社日は実際に出社する最後の日で、退職日は雇用契約が終わる日です。この間を残った有給休暇で連続して埋める形にします。
当社の面談で多く伺うのは、「退職届に退職日だけ書いて、有給を消化していい日が分からなくなった」という相談です。退職届に最終出社日を明記しないと、会社側が「いつまで出社するつもりか」を判断できず、引き継ぎ調整が遅れる原因になります。
阿部 翔大僕の面談でも「退職届と有給消化届は別々に出すべきですか」と聞かれることが多いです。結論から言うと、退職届の本文に「○月○日を最終出社日とし、有給休暇消化のうえ○月○日をもって退職」と1行入れるだけで、別々の届出にしなくても済みますよ。会社にとっても、いつまで出社するかが一目で分かります。
最終出社日・有給消化・退職日の関係
退職日まで雇用契約が続くため、有給消化中も社会保険料は発生します。
最終出社日と退職日を分ける3つのメリット
最終出社日と退職日を分けると、以下の3つのメリットがあります。
- 会社側が「いつまで出社する社員か」を一目で把握できる
- 有給消化中も雇用契約が続くため、社会保険・厚生年金の加入期間が伸びる
- 有給消化中に次の転職先の最終面接や入社準備に動ける
有給消化を明記する退職届の書き方テンプレ
退職届に有給消化の希望を盛り込む書き方は2パターンあります。1つは退職届の本文に有給消化を1行で書き込むパターン、もう1つは退職届と別紙で有給消化届を一緒に提出するパターンです。一般的には1行追加するパターンの方がシンプルで、会社側にも処理しやすい体裁です。
テンプレ|退職届の本文に有給消化を盛り込む
退職届
私事
このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日を最終出社日とし、残余年次有給休暇を消化のうえ、令和○年○月○日をもって退職いたします。
令和○年○月○日(届出日)
営業部 山田太郎 印
株式会社○○○○
代表取締役 ○○○○ 殿
このテンプレなら本文1行で、最終出社日・有給消化・退職日の3つを同時に伝えられます。届出書類は退職届1枚で済みます。
退職届と有給消化届を別紙で出す場合も
会社の規定で有給消化届の書式が指定されている場合は、退職届と一緒に有給消化届を提出します。退職届の本文には「一身上の都合により」とだけ書き、有給消化届で具体的な日数と期間を伝える構成です。
退職届に「有給休暇」と書くときの注意点
退職届に有給消化を書く場合、「残余年次有給休暇を消化のうえ」または「年次有給休暇○日間を取得のうえ」と書くと、書類として正確です。「有休を全部使って辞めます」のような口語表現は退職届の体裁としては不自然なので、フォーマルな表現に置き換えます。



僕の面談でも「有給消化を退職届に書くと角が立ちますか」と心配される方が多いんですが、書き方さえフォーマルに整えれば、特に角は立ちません。「最終出社日」と「退職日」が分かれているだけで、人事担当者にとっては手続き上シンプルな書類になります。安心して使ってみてください。
残有給日数を労働基準法第39条と勤続年数から確認する方法
退職届で有給消化を書く前に、自分の残有給日数を確認します。労働基準法第39条で定められた付与日数と、自分の勤続年数を照らし合わせると、何日の有給を消化できるかが分かります。
勤続年数別の有給付与日数(労基法第39条による)
正社員(週5日勤務)の年次有給休暇の付与日数は、勤続年数に応じて以下のように増えていきます。
| 勤続年数 | 付与日数(労基法第39条) |
|---|---|
| 6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月 | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 20日 |
付与は入社から6ヶ月経過した時点で10日が初回付与され、その後1年ごとに勤続年数に応じた日数が加算されます。未消化分は翌年度に繰り越せますが、付与から2年で時効消滅します。
残有給日数の確認方法
自分の残有給日数は、以下のいずれかで確認できます。
- 給与明細の有給残日数欄
- 勤怠管理システム(社内ポータル・タイムカードシステム)
- 人事部・労務担当者への直接問い合わせ
短時間勤務・週4日勤務の場合の比例付与
週の所定労働日数が4日以下(または所定労働時間が週30時間未満)の方は、比例付与として上記の表より少ない日数が付与されます。比例付与の具体的な日数は厚生労働省のリーフレットで確認できます。週5日勤務の正社員は上記の表をそのまま使えます。
退職日から逆算する有給消化スケジュール
残有給日数が分かったら、退職日から逆算して有給消化スケジュールを組みます。残10日・20日・30日の3パターンで、よくあるスケジュールを紹介します。
残10日の場合|2週間で消化
残有給10日の場合、平日のみ10日連続消化すると2週間(土日を含むと2週間)で消化が完了します。退職日の2週間前を最終出社日とし、その翌日から退職日前日まで有給を充てる形になります。
残20日の場合|4週間で消化
残有給20日の場合、平日のみ20日連続消化すると4週間(土日を含むと約1ヶ月)かかります。退職日の1ヶ月前を最終出社日に設定すると、引き継ぎの完了と有給消化の両方が無理なく進められます。
残30日の場合|6週間で消化
残有給30日の場合、平日のみ30日連続消化すると6週間(土日を含むと約1ヶ月半)かかります。退職日の1ヶ月半前を最終出社日に設定するため、退職の意思表示は退職日の2〜3ヶ月前に行うとスムーズです。



僕の面談で多いのは「残有給が20日もあるのに、退職日まで2週間しかない」というケースです。残有給が多い方ほど、退職日からの逆算で退職の申し出を早めにするのがおすすめです。退職日の1ヶ月半〜2ヶ月前に申し出を済ませると、引き継ぎと有給消化が同時に成立しやすくなりますよ。


引き継ぎと有給消化を両立させる動き方
残有給日数別の退職申し出タイミング
残10日
退職日の1ヶ月前に申し出
最終出社日:退職日の2週間前
残20日
退職日の1ヶ月半前に申し出
最終出社日:退職日の1ヶ月前
残30日
退職日の2〜3ヶ月前に申し出
最終出社日:退職日の1ヶ月半前
引き継ぎ書を最終出社日の1週間前までに完成させる
有給消化期間中に「引き継ぎ漏れの確認電話」が来ないように、引き継ぎ書は最終出社日の1週間前までに完成させておきます。担当業務・進行中の案件・取引先連絡先・社内ルールの所在を箇条書きで書き出し、後任者と一緒に内容を確認します。
有給消化中の業務連絡対応のルール
有給消化中は業務連絡に対応する義務はありません。最終出社日に「引き継ぎ済みの内容は後任者にお願いします」と伝えておくと、有給消化中に電話やメールが来る回数が減ります。緊急時の連絡先は限定して伝えておくと、お互い気持ちよく過ごせます。
私物の引き上げと貸与品の返却
私物の引き上げと貸与品(社員証・健康保険証・PC・スマホ・名刺)の返却は最終出社日にまとめて済ませます。健康保険証は退職日の翌日に資格を失うため、最終出社日に返却するか、退職日後に郵送する形になります。
会社が有給消化を拒否した場合(時季変更権の限界と労基署相談)
会社が有給消化を拒否してきた場合、まず時季変更権の考え方を確認します。労働基準法第39条第5項では、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、会社が有給休暇の時季を変更できるとされています。
退職日を超える時季変更は通説で認められない
退職予定者の有給消化について、退職日を超えて時季変更することはできないのが通説です。退職してしまえば、変更後の日に有給を取ることが物理的にできないためです。「忙しいから来月にしてくれ」と退職日を過ぎる時期を指定された場合は、時季変更権の範囲を超える可能性があります。
有給消化を拒否されたときの相談窓口
会社が有給消化を一切認めない、または退職日を超えて時季変更を指定してくる場合は、労働基準監督署または総合労働相談コーナーに相談します。労基署は労基法違反の指導・送検を行う行政機関で、有給休暇の不付与は労基法第39条違反として指導対象になります。
【参考】厚生労働省|総合労働相談コーナーのご案内
有給を使わせない違法ケース・退職前の全消化の動き方は以下の記事でもくわしく解説しています。



僕の面談でも「有給消化を断られて困っている」という相談がよくあります。労基署に相談に行く前に、まず人事部に書面で「労働基準法第39条に基づく時季指定権を行使します」と申し出るとよいです。書面で残しておけば、後の交渉でも有利に進められますよ。
有給消化を含めた退職時のお金(給与・賞与・退職金・社会保険料)
有給消化期間中の給与
有給消化中の給与は出社日と同額が支給されます。労基法上「通常の賃金」または「平均賃金」のいずれかで支払うことが定められており、就業規則で支払い方が決まっています。多くの会社では通常の月給と同額が支払われます。
賞与(ボーナス)と退職日のタイミング
賞与は支給日に在籍していることが支給条件として就業規則で定められているケースが多いです。最終出社日が支給日より前でも、有給消化中で雇用契約が続いていれば、支給日に在籍扱いで賞与を受け取れることがあります。詳しい条件は会社の就業規則で確認します。
ボーナス前後の退職タイミングの組み方は別の記事でもくわしく解説しています。
退職金の計算と支給日
退職金は会社の退職金規程によります。勤続年数の計算は退職日(最終出社日ではない)まで含まれます。有給消化で勤続年数が1ヶ月伸びると、退職金の計算が変わるケースもあるため、退職金規程と勤続年数を一緒に確認します。
社会保険料は有給消化中も発生する
有給消化中も雇用契約が続いているため、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料は通常通り発生し、給与から控除されます。月末退職か月途中退職かで、最後の月の社会保険料の天引き有無が変わるため、最終給与明細で確認します。
退職後すぐ転職する場合の有給消化との関係
有給消化中に次の会社に入社できるか
有給消化中は雇用契約がまだ続いている状態のため、原則として次の会社への正式入社はできません。次の会社の入社日は、現職の退職日の翌日以降に設定するのが一般的です。社会保険の二重加入を避けるためにも、有給消化中は次の会社の研修・準備までに留めます。
有給消化中に転職活動を進めるメリット
有給消化中は、給与をもらいながら次の転職活動の最終調整ができます。転職先の入社書類の準備・引越し・健康診断などを、収入を確保した状態で進められるのが大きな利点です。
失業給付と有給消化の関係
退職後にすぐ転職する場合は失業給付は受給しないのが原則です。一旦休んでから動く場合のみハローワークで失業給付の申請を行います。有給消化期間も雇用保険の加入期間に含まれるため、退職前に有給を使い切ってから退職した方が、雇用保険の加入期間が伸びます。



僕の面談で多いのは「次の会社に有給消化中に入社できますか」というご質問です。原則は退職日翌日以降の入社になりますが、有給消化中の研修参加や入社準備までは現実的に可能です。次の会社の人事に「有給消化中の研修参加は可能ですか」と早めに確認しておくと、スケジュール調整がしやすくなりますよ。


有給を全消化して退職したい方の転職は当社にご相談ください
私たちノビルキャリアは、20代を中心に10,000名以上の方の就職・転職を支援してきたエージェントです。内定承諾者の平均年齢は24.7歳、支援者の約85%が20代です。有給消化のスケジュール設計、次の転職先の入社日との調整、面接対策まで、無料でサポートしています。
当社では、面談の中で残有給日数と退職日と次の入社日を一緒に書き出し、無理のないスケジュールを組み立てます。有給消化中に転職先の最終面接を受けたい方の段取りも、面談で具体的に詰めていきます。
| 項目 | 当社の特徴 |
|---|---|
| サービス名 | 当社(ノビルキャリア) |
| 対象 | 20代の正社員志望・第二新卒・円満退職希望者 |
| 支援実績 | 10,000名以上(内定承諾者の平均年齢24.7歳・約85%が20代) |
| サポート内容 | 有給消化スケジュール設計/退職日と入社日の調整/面接対策/求人紹介 |
| 対応エリア | 東京・大阪・神奈川・兵庫・京都・埼玉・愛知・千葉・広島など |
| 利用料金 | 完全無料・登録3分・相談だけでもOK |



僕も有給消化と転職活動を並行で進めた方の面談を多く担当しています。残有給日数を見ながら退職日と入社日を組み立てれば、収入を切らさずに次の会社に進めますよ。スケジュールの組み方を一緒に詰めていきましょう。
完全無料・登録3分・相談だけでもOK
退職届と有給休暇消化のよくある質問
Q1:退職届に有給消化の希望を書かないとどうなりますか?
A:退職届に有給消化を書かなくても、別途有給消化届を出せば消化はできます。ただし、退職届の本文に1行入れておくと、最終出社日と退職日が同時に伝わるため、会社側の処理がスムーズです。
Q2:会社が「退職日までの2週間で消化しろ」と言ってきました
A:残有給日数より退職日までの期間が短い場合は、有給を全消化できないことになります。会社と交渉して退職日を後ろにずらすか、未消化分を会社に買い取ってもらえないか相談します。買い取りは会社の任意で、義務ではありません。
Q3:有給消化中に旅行に行ってもいいですか?
A:有給消化中の過ごし方は自由です。旅行・転職活動・休養・引越しなど、会社に申告する義務はありません。緊急時の連絡先だけは伝えておくと、お互い気持ちよく過ごせます。
Q4:有給消化中に体調を崩したらどうなりますか?
A:有給消化中は雇用契約が続いているため、健康保険は会社の保険が使えます。退職日後の通院については、新しい健康保険(任意継続または国民健康保険)の手続きを進めておく必要があります。
Q5:有給を消化しきれない場合、買い取りは可能ですか?
A:有給休暇の買い取りは原則として認められていませんが、退職時に残った未消化分の買い取りは例外的に違法ではないとされています。ただし、買い取りは会社の任意で、義務ではありません。買い取り単価も会社の判断で決まります。
まとめ|有給休暇を消化する場合は最終出社日と退職日を分けて書く
有給休暇を全消化して退職するための退職届は、「最終出社日」と「退職日」を分けて書くのが基本です。重要な3点を最後に確認します。
- 退職届本文に「○月○日を最終出社日とし、残余年次有給休暇を消化のうえ○月○日をもって退職」と1行入れる
- 残有給日数を労基法第39条の付与表で確認し、退職日から逆算して申し出のタイミングを決める
- 会社が有給消化を拒否したら、書面で時季指定権を申し出てから労基署・総合労働相談コーナーへ
有給を全部使い切ってから次の会社に行きたいなら、退職届の出し方と転職先の入社日の調整を、一度キャリアアドバイザーと一緒に組み立ててみてください。当社のキャリアアドバイザーは20代の支援を多く担当しているので、有給消化のスケジュール設計から面接対策まで、無料でサポートしています。



有給消化をフルに使えば、給与をもらいながら次の転職先の準備ができます。退職日と入社日の組み立てに迷ったら、僕たちと一緒に詰めていきましょう。最初の一歩は無料の面談で大丈夫ですよ。


運営者情報
| メディア名 | ビギナーズリンク |
| 運営会社 | 株式会社MEDISITE |
| 代表者 | 竹田津 惇 |
| 所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8丁目5-4 STビル701 |
| 設立 | 2022年11月 |
| 事業内容 | HRメディア事業・SNSマーケティング事業・営業支援事業 |
| 許認可 | 有料職業紹介事業(13-ユ-316383) |

