正当な理由のある自己都合退職とは?認められる条件と失業給付の優遇措置

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「正当な理由のある自己都合退職」と認定されると、通常1か月の給付制限がなくなり、失業給付がすぐに受け取れます。

認められる条件は厚生労働省が定める10種類。健康問題・家族の事情・職場の問題(ハラスメント・労働条件相違など)が対象です。

この記事では、退職を検討中の方、または退職直後の方に向けて、認定条件・必要書類・申請手順・認定されなかった場合の対処法までを順に解説します。退職前に証拠を整え、第三者に相談しておくことが、認定の確実性を大きく左右します。具体的な準備の進め方も後半で扱います。

本記事は法律相談ではありません。
雇用保険・失業給付の具体的な手続きや個別ケースの判定は、お住まいの地域のハローワーク・労働基準監督署・弁護士へご相談ください。記事内容は2025年4月の雇用保険法改正以降の制度に基づいて作成しています。
この記事の監修者
阿部 翔大

阿部 翔大

株式会社MEDISITEのキャリアアドバイザー。未経験からの事務職転職支援に強み。現場目線のノウハウを発信し、多くの転職成功者を輩出中。

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目次

「正当な理由のある自己都合退職」とは?

「正当な理由のある自己都合退職」とは、自分の意思で退職した形であっても、やむを得ない事情があるとハローワークに認められる退職区分のことです。雇用保険制度上は「特定理由離職者」として扱われます。

自己都合退職と会社都合退職の違い

自己都合退職と会社都合退職は、失業給付の受け取り方に大きな差があります。

項目 自己都合退職 会社都合・正当理由
給付制限期間原則1か月(5年内3回目以降3か月)なし(7日待期のみ)
所定給付日数最大150日最大330日
国保料軽減対象外前年所得の30/100で算定

給付制限が外れるかどうかで、初回振込までの期間が約1か月変わります。生活設計に直結する差です。

所定給付日数も大きく変わります。たとえば45〜59歳・雇用保険加入20年以上の場合、通常の自己都合では150日ですが、認定されると330日まで延びます。差額は基本手当日額×180日分にもなります。

国民健康保険料の軽減措置も加味すると、年間で数十万円単位の差が出るケースもあります。退職前にこの制度を知っているかどうかが、退職後の経済的余裕に直結します。

「特定理由離職者」の制度概要

「特定理由離職者」は、雇用保険法施行規則で定められた区分です。会社都合退職に近い扱いを受けますが、書類上は「自己都合」のまま申請します。

具体的には、有期労働契約の更新を希望したのに更新されなかった人(特定理由離職者Ⅰ)と、正当な理由のある自己都合退職者(特定理由離職者Ⅱ)の2類型に分かれます。

本記事で扱うのは後者のⅡ類型です。健康・家族・職場環境などの理由で退職した場合に、ハローワークの個別判定で認定されます。

認定されるとどう変わるか

認定された場合の最大のメリットは、2か月の給付制限が免除される点です。7日間の待期期間後、すぐに失業給付の対象期間に入ります。

所定給付日数も、自己都合より長く設定されます。年齢と雇用保険加入期間に応じて、最大330日まで受給できる場合があります。

さらに、国民健康保険料の軽減措置の対象にもなります。前年所得の30/100で保険料が算定されるため、月額負担が大幅に下がります。

▼ 公的データ:厚生労働省「雇用保険制度」(2024年版)
雇用保険法第13条・第22条・第23条および雇用保険法施行規則第36条に基づき、特定理由離職者の認定基準が定められています。
出典URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/(取得日:2026-05-25)
阿部 翔大

僕がご相談を受けるなかで多いのが、「制度のことを知らないまま自己都合で退職届を出してしまった」というケースです。給付制限の1か月を待つ間に生活が苦しくなり、焦って次の仕事を選んでしまう方も少なくありません。退職前にこの区分の存在を知っておくだけで、次の一歩の選択肢が広がります。

正当な理由として認められる10条件

厚生労働省の基準では、正当な理由として認められる条件は大きく10種類に分類されます。健康・家族・通勤・労働条件・職場環境の5領域にまたがります。

該当しそうな条件があれば、退職前から証拠の保存を始めてください。診断書・賃金台帳・労働条件通知書などが後の認定判断で決定打になります。

正当な理由のある自己都合退職|10条件マトリクス 健康 ①体力・心身障害・疾病 家族 ②妊娠・出産・育児 ③父母の介護 家族(別居) ④配偶者・扶養親族との  別居生活継続困難 通勤 ⑤通勤困難 (往復2時間以上) 退職勧奨 ⑥事業主からの直接・間接の退職勧奨 (希望退職募集への応募含む) 賃金低下 ⑦賃金が当初の85%未満に低下 (予見不能な事情による) 賃金未払い ⑧2か月以上連続で  賃金1/3超の未払い 労働条件相違 ⑨採用時の条件と  著しく異なる場合 ハラスメント ⑩職場でのパワハラ・  セクハラ・マタハラ 該当条件は1つでも認定対象。複数該当の場合は証拠を厚くして申請する

図表1:正当な理由のある自己都合退職|10条件マトリクス(厚生労働省基準を元に編集部作成)

①体力の不足・心身の障害・疾病等

身体的・精神的な健康状態の悪化により、現在の業務を継続することが困難な場合に認められます。最も認定例が多いカテゴリの1つです。

具体例は、長時間労働による適応障害、業務に起因しないうつ病、慢性疾患の悪化、けがによる業務遂行困難などです。

証拠として必須なのは医師の診断書です。退職時期と病状の悪化時期、業務との関連性が記載されていると有利になります。

②妊娠・出産・育児

妊娠・出産・育児のために退職した場合に認められます。育児休業を取得せずに退職した場合も対象です。

「育児・介護休業法」に基づき本来は休業取得が望ましいですが、職場環境的に取得困難だった事情も判断材料になります。

母子健康手帳のコピー、保育園の不採用通知などが補助証拠になります。育児で離職した場合は受給期間の延長申請も併用できます。

③父母の死亡・疾病・負傷等の介護

家族の介護のために退職せざるを得なくなった場合が該当します。要介護認定証や医師の診断書が証拠になります。

介護休業の取得が困難だった事情、ヘルパー利用や施設入所が現実的でなかった事情なども、ハローワークでの聞き取りで考慮されます。

同居・別居は問われませんが、介護を担う必要性が客観的に説明できることが重要です。

④配偶者・扶養親族との別居生活継続困難

配偶者の転勤や、扶養親族の事情により、別居生活の継続が困難になって退職した場合が該当します。

配偶者の転勤辞令、結婚に伴う転居、扶養親族の事情を示す書類(住民票・診断書など)が証拠になります。

結婚そのものは正当な理由になりませんが、結婚を機に物理的な通勤継続が不可能になるケースは認定対象です。

⑤通勤困難(往復概ね4時間以上)

事業所の移転や、本人の住居の事情で、通勤時間が往復概ね4時間以上になった場合が該当します。

転居が困難な事情(持ち家・家族の通学等)と組み合わせて判定されます。事業所の所在地変更通知書などが必要です。

交通機関の廃止・運行時間の変更により通勤が困難になった場合も認められる場合があります。

⑥事業主からの直接または間接的な退職勧奨

会社から退職するよう求められたケースです。希望退職募集への応募も含まれます。

退職勧奨が「退職強要」のレベルに達していた場合は、会社都合退職として認定される可能性もあります。録音や面談記録の保存が有効です。

パワハラを背景にした「自主退職への誘導」も、状況によっては退職勧奨と評価されることがあります。境界線の判断はハローワークが個別に行います。

⑦賃金が著しく低下した(85%未満)

給与体系の変更や評価制度の見直しにより、賃金が直近6か月平均の85%未満に低下した場合が該当します。

「予見できなかった」という要件があります。入社時から低下が予定されていたケースは対象外です。

賃金台帳・給与明細・就業規則改定通知などが証拠になります。低下率の計算は、ハローワーク側で正確に行ってくれます。

厚生労働省「雇用保険手続きのご案内」によれば、賃金低下を理由とする認定は近年増加傾向にあります。中小企業の業績悪化に伴うケースが多いとされます。

⑧賃金未払い・遅配

賃金の額の3分の1を超える額が、支払期日までに支払われなかった月が継続して2か月以上あった場合に該当します。

残業代の未払いも対象です。タイムカードや業務日報、銀行振込履歴などが証拠になります。

労働基準監督署への申告と並行して進めると、未払い賃金の回収と退職区分の改善を同時に進められます。

⑨労働条件が事実と相違

採用時に示された労働条件と、実際の労働条件が著しく異なる場合が該当します。労働契約法第15条が関連します。

残業時間・職務内容・勤務地・賃金体系などが、入社後に大幅に変わったケースが対象です。

労働条件通知書・雇用契約書と実態を比較できる資料を残しておくことが重要です。求人票や面接時のメモも参考資料になります。

⑩職場におけるハラスメント・違法行為

パワハラ・セクハラ・マタハラなどのハラスメントが原因で退職した場合に認められます。労働施策総合推進法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法が根拠です。

「事業主が雇用管理上の措置を講じなかった」または「ハラスメント自体が継続した」ことが認定の判断ポイントです。

会社の内部通報窓口に相談した記録、医師の診断書、ハラスメント加害者からのメール・チャットなど、できる限り客観的な記録を残してください。

会社の法令違反(労基法違反・脱税・偽装請負など)を通報したことを理由に退職に追い込まれたケースも、公益通報者保護法との関係で対象になる場合があります。

ハラスメントの認定では、加害者の認識ではなく被害の客観的な記録が判断材料です。退職後でも証言してくれそうな同僚を在職中に把握しておくことが、後の証明力を補強します。

失業給付の優遇措置|給付制限免除と給付日数の優遇

正当な理由のある自己都合退職と認定された場合、失業給付には3つの優遇措置が適用されます。給付制限の免除・給付日数の優遇・国民健康保険料の軽減です。金額・期間の差は、生活設計に直結します。具体的な数字で見ていきましょう。

給付制限期間の免除

通常の自己都合退職には1か月の給付制限がつきます(5年以内に3回目以降の自己都合退職は3か月)。

正当な理由が認定されれば、この給付制限が外れます。7日間の待期期間後、すぐに失業給付の対象期間が始まります。

退職から約1か月で初回振込が行われるイメージです。一方、通常の自己都合の場合は約2か月かかります。

所定給付日数の優遇

所定給付日数は、年齢と雇用保険加入期間によって決まります。正当な理由が認定されると、自己都合より長い日数が適用されます。

所定給付日数早見表(特定理由離職者) 年齢区分 1年未満 1〜5年 5〜10年 10〜20年 20年以上 〜29歳 90日 120日 180日 30〜34歳 90日 120日 180日 210日 240日 35〜44歳 90日 150日 180日 240日 270日 45〜59歳 90日 180日 240日 270日 330日 60〜64歳 90日 150日 180日 210日 240日 通常の自己都合退職の場合は「年齢に関わらず90〜150日」 特定理由離職者として認定されると最大330日まで拡大される

図表2:所定給付日数早見表(厚生労働省「雇用保険手続きのご案内」を元に編集部作成)

国民健康保険料の軽減措置

正当な理由のある自己都合退職と認定されると、国民健康保険料の軽減措置の対象になります。

前年の給与所得を実際の30/100とみなして保険料が計算されます。月額負担が大幅に下がります。

軽減期間は離職日の翌日から翌年度末までです。市区町村の国民健康保険窓口で、雇用保険受給資格者証を提示して申請します。

受給金額のシミュレーション

失業給付の日額(基本手当日額)は、退職前6か月の賃金日額の45〜80%です。賃金が低いほど給付率が高くなります。

月収25万円(30歳・勤続5年)の場合、賃金日額は約8,300円、基本手当日額は約5,400円。120日受給で約65万円になります。

月収35万円(45歳・勤続15年)の場合、基本手当日額は約7,200円、270日受給で約194万円になります。年齢・加入期間が長いほど受給総額は大きくなります。

正確な金額は雇用保険受給資格者証に記載されます。ハローワークで個別に試算してもらえます。

給付の上限額(基本手当日額の上限)は年齢区分ごとに設定されており、毎年8月1日に改定されます。高所得者の場合はこの上限が適用されるため、年収比例の計算と実際の受給額にはズレが生じます。

▼ 公的データ:厚生労働省「雇用保険手続きのご案内」(2024年改訂版)
基本手当日額の算定式・所定給付日数・国民健康保険料軽減措置の根拠は、雇用保険法および同法施行規則に基づきます。
出典URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/(取得日:2026-05-25)

認定に必要な書類と申請手順

特定理由離職者として認定を受けるには、ハローワークでの個別判定が必要です。書類と手順を整理します。

必要書類一覧

共通で必要な書類は以下です。離職票1・離職票2、雇用保険被保険者証、本人確認書類(マイナンバーカード等)、印鑑、写真2枚、本人名義の通帳またはキャッシュカード。

正当な理由を証明する追加書類は、条件ごとに異なります。健康問題なら医師の診断書、賃金未払いなら賃金台帳と給与明細、ハラスメントなら録音記録や面談メモなどです。

✓ 退職前から準備しておくと良い書類
  • 労働条件通知書(採用時に交付されたもの)
  • 給与明細(直近12か月分)
  • タイムカードまたは勤怠記録のコピー
  • 就業規則・賃金規程
  • 診断書・通院記録
  • ハラスメント時のメール・チャットの保存

ハローワークでの申請手順

申請の流れは4ステップです。順に説明します。

STEP1:離職票の受領 退職後10日前後で会社から離職票が郵送されます。届かない場合は会社に問い合わせ、それでも遅延する場合はハローワークに相談できます。

STEP2:ハローワーク窓口で離職理由判定 離職票と必要書類を持参し、求職申込書を提出します。窓口担当者が離職理由を確認し、特定理由離職者に該当するかを判断します。

STEP3:認定された場合の手続き 雇用保険受給資格者証が交付され、7日間の待期期間後に給付対象期間が始まります。失業認定日(4週ごと)にハローワークに出向き、求職活動実績を報告します。

STEP4:認定されない場合の対処 追加の証拠書類を提出して再判定を求めるか、雇用保険審査官への審査請求を行います。次のH2で詳しく扱います。

申請のタイミング

申請は退職後できるだけ早めに行ってください。離職票が手元に届いたら、その日のうちにハローワークの予約を取るのが理想です。

受給期間は離職日の翌日から1年間です。この期間内に所定給付日数を消化しないと、残日数は権利消滅となります。

退職前の準備としては、上で挙げた証拠書類の整理が最優先です。退職時に会社から受け取る書類(離職票・源泉徴収票・年金手帳など)の確認リストを作っておくと、もれなく回収できます。

認定されないケースと対処法

ハローワークでの初回判定で、特定理由離職者として認定されないケースがあります。よくある却下事例と対処法を整理します。

よくある却下事例

第1の典型例は、証拠が不十分なケースです。ハラスメントの主張だけがあって、録音や記録が一切ない場合などです。

第2は、退職時期と健康悪化時期の整合性が取れないケースです。診断書の日付が退職後しばらく経ってからのものだと、業務との因果関係が認められにくくなります。

第3は、会社側が「自己都合」として強く主張しているケースです。離職証明書の離職理由欄に会社が記載した内容と、本人の主張が食い違うと判定が長引きます。

不服申し立て手続き(雇用保険審査官)

ハローワークの判定に不服がある場合、雇用保険審査官への審査請求ができます。決定を知った日の翌日から3か月以内が期限です。

都道府県労働局に審査官が配置されています。書面または口頭で請求でき、費用はかかりません。

審査官の決定にもなお不服がある場合は、労働保険審査会への再審査請求、最終的には行政訴訟という流れになります。

弁護士・労働組合への相談

会社との争いが伴う場合は、弁護士や労働組合に相談する選択肢があります。法テラスでは収入要件を満たせば無料相談・費用立替が利用できます。

労働組合(社内になければ社外の合同労組)に加入すれば、団体交渉の形で会社に対応を求められます。

⚠ 注意:一人で判断しない
認定の判断は、書類だけでなくハローワーク担当者の聞き取りでも変わります。「自分のケースは認められない」と早めに諦めず、ハローワークの相談窓口・労働相談コーナー・弁護士の無料相談を順に活用してください。

退職前に整理しておく5つのこと

正当な理由のある自己都合退職を確実に認定してもらうためには、退職前の準備が決定的に重要です。5つの項目を順に整理します。

1. 証拠の収集

退職理由を客観的に裏付ける証拠を集めます。退職してからでは取り戻せない情報も多いため、在職中に保存しておくことが重要です。

具体的には、メール・チャットのスクリーンショット、会議や面談の録音、診断書、タイムカード、給与明細、就業規則の写しなどです。

会社のメールアドレス宛のデータは退職時に消されるため、私用のメールアドレスへ転送するなどして個人で保管できる形にしておきます。

2. 経済的準備

給付制限が免除されても、初回振込まで約1か月かかります。生活費の最低1か月分は手元に確保しておくと安心です。

家賃・光熱費・通信費などの固定費を一度棚卸しし、可能なら退職前に契約見直しを済ませると、給付期間中の支出が安定します。

クレジットカードの新規発行は退職後だと審査が通りにくくなるため、在職中に準備しておくことも選択肢です。

3. 退職理由の言語化

ハローワークでも転職活動でも、退職理由を聞かれます。事実関係を時系列で整理し、感情的にならずに説明できる形にしておきます。

「いつ・どこで・誰が・何をしたか」「自分はどう対応したか」「会社はどう対応したか」を1ページにまとめる作業が有効です。

転職活動の場面では、前職への悪口にならない伝え方が大切です。「今後のキャリアのために、別の環境で成長したい」という前向きな結びにつなげます。

4. 第三者への相談

自分一人で判断すると、視野が狭くなります。家族・友人・元同僚・専門機関の誰かに、現状を整理して話す機会を作ってください。

都道府県労働局の総合労働相談コーナーは無料・予約不要で利用できます。退職前の段階で相談しておくと、選択肢が広がります。

弊社の支援データでは、退職前に第三者へ相談した方は、相談しなかった方に比べて転職活動が短期化しやすい傾向があります。事前の言語化が次の動きを早めるためです。

5. 次の仕事の方向性整理

退職後すぐに転職する必要はありません。ただし、おおまかな方向性は退職前に決めておくと、ブランク期間を短くできます。

業界・職種・働き方(正社員/契約/フリーランス)の3軸を1枚の紙に書き出してみてください。優先順位が見えてきます。

退職前に転職エージェントに登録しておくと、求人情報の幅が広がります。応募開始は退職後でも構いません。

専門機関への相談先一覧

退職前後の手続きで困ったら、専門機関に相談できます。すべて無料または低額で利用できる公的窓口です。

ハローワーク

失業給付の申請窓口です。特定理由離職者の認定もここで行われます。求職活動の相談、職業訓練の紹介も併せて利用できます。

全国に約540か所。住所地を管轄するハローワークが指定されます。混雑時期(年度末・年度初め)は予約が望ましいです。

労働基準監督署

労働基準法違反(未払い賃金・違法な長時間労働など)の申告先です。会社に対する是正勧告・指導を行う権限を持ちます。

申告は匿名でもできますが、是正勧告につなげるには本人特定が必要なケースが一般的です。

都道府県労働局 総合労働相談コーナー

退職・労働条件・ハラスメントなど、労働に関するあらゆる相談を無料で受け付けています。予約不要・面談または電話で対応してくれます。

必要に応じて、助言・指導・あっせんなどの紛争解決手続きを案内してもらえます。法的拘束力はありませんが、第三者が関与することで会社側の対応が変わるケースもあります。

弁護士会の労働相談

各地域の弁護士会で、労働問題の無料相談(30分程度)を実施しています。月数回の定期開催です。

具体的な法的アドバイスや、訴訟・労働審判が必要かどうかの判断を仰げます。具体的な依頼に進む場合は別途費用が必要です。

法テラス

国が設置した法的トラブル解決の総合案内所です。電話・メールで法律相談の予約や、適切な相談先の案内を受けられます。

収入・資産が一定基準以下の方は、弁護士費用の立替制度(民事法律扶助)を利用できます。月々分割で返済する仕組みです。

退職に伴う未払い賃金請求・損害賠償請求などで、弁護士費用が払えるか不安な場合の選択肢になります。

退職後の転職活動の進め方

失業給付を受給しながら、無理のないペースで転職活動を進めることができます。ブランク期間の使い方も重要なポイントです。

退職理由の伝え方

転職活動の場面で「正当な理由のある自己都合退職」という制度名を出す必要はありません。事実を要約して、前向きな結びにつなげる伝え方が基本です。

例えば「健康面での事情があり、回復を優先するため一度退職しました。現在は問題なく就業可能です」のように、現状と今後の意思を明確に伝えましょう。

前職の悪口を言わないこと、被害者ポジションを長く取らないこと、この2点が選考通過率に直結します。

面接で深掘りされやすいのは「同じ環境に置かれたらまた退職するのではないか」という懸念です。再現性のない事情だったこと、または対処の引き出しが増えていることを、具体的なエピソードで説明できる状態を作っておきます。

ブランク期間の活用

3か月以上のブランクができそうな場合は、職業訓練(ハロートレーニング)への参加が選択肢になります。受給期間が延長され、訓練期間中も給付を受けられます。

資格取得や独学のスキルアップでも構いません。面接で「この期間に何をしていたか」を具体的に答えられる状態を作っておきます。

失業給付受給中の転職活動

受給期間中は、月2回以上の求職活動実績が必要です。ハローワークの紹介、エージェントの面談、説明会への参加などが実績として認められます。

所定給付日数の3分の1以上を残して再就職すると、再就職手当が支給されます。受給期間が残っていても早めに就職を決めるメリットがあります。

再就職手当の支給額は、残日数×基本手当日額×給付率(60%または70%)です。3分の2以上残して就職すれば70%、3分の1以上で60%。早めに決まるほど受給総額が増える設計です。

弊社(ノビルキャリア)でできること

退職前後のキャリア相談は、転職エージェントへの相談も選択肢の1つです。弊社「ノビルキャリア」では無料で相談できます。

サービス概要

20代・30代の若手社会人を対象とした転職支援サービスです。求人紹介に加え、退職前の段取り相談、職務経歴書の添削、面接対策まで一気通貫でサポートします。

登録から内定まですべて無料です。退職を決める前の段階での相談も受け付けています。

弊社の支援データから見る「計画的に退職した方」の傾向

弊社の支援データでは、退職前から転職方針を整理して動き始めた方は、内定までの平均期間が比較的短い傾向があります。証拠書類の収集や退職理由の言語化を早めに済ませているためです。

反対に、感情的な退職をした後で相談に来られる方は、転職活動の初期に「整理し直し」の時間が必要になります。第三者との壁打ちで現状を再構成する作業です。

退職前にご相談いただくほうが、選択肢を広く取れます。在職中の方の相談も歓迎しています。

給付制限の判定や退職時期の決め方は、ハローワークの判断だけでなく、転職市場の動きとも連動します。受給期間中に応募できる求人の数、応募から内定までの平均日数、想定される年収レンジなどを並行して把握しておくと、退職タイミングの判断が立体的になります。

まとめ|正当な理由の退職は事前準備で確実に認定される

「正当な理由のある自己都合退職」は、健康・家族・通勤・労働条件・職場環境など10条件のいずれかに該当すれば認定されます。給付制限の免除・給付日数の優遇・国民健康保険料の軽減という3つの優遇措置が受けられます。

認定の確実性を高めるのは、退職前の証拠収集と第三者への相談です。診断書・賃金台帳・労働条件通知書・メール記録などを在職中から整えてください。

判定に納得できない場合も、追加証拠の提出や雇用保険審査官への審査請求という道があります。一度の却下で諦めず、第三者の意見も取り入れて再度動いてください。

退職を考え始めた段階で、ハローワーク・労働相談コーナー・転職エージェントの3つの窓口に並行で当たっておくと、次の選択肢が大きく広がります。複数の窓口を並行利用することで、判断材料の偏りを防げます。

給付制限の有無は、退職後の生活設計を大きく左右します。本記事の10条件と照らし合わせて、自分のケースが該当しそうかを確認し、必要な証拠を在職中から整えてください。判定結果に不安があるときは、退職前にハローワークの相談窓口で「自分のケースは特定理由離職者に該当する可能性があるか」を事前確認するのも有効です。退職届を出す前の段階で動いておくと、選択肢が一気に広がります。

パワハラを背景に退職を検討している場合は、退職前の証拠保全と合法的な責任追及の手順を整理した「パワハラ上司への合法的な対処法|「仕返し退職」で後悔しないための判断軸」も併せてご確認ください。感情に任せた行動を避けるための判断軸を扱っています。

運営者情報

メディア名 ビギナーズリンク
運営会社 株式会社MEDISITE
代表者 竹田津 惇
所在地 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8丁目5-4 STビル701
設立 2022年11月
事業内容 HRメディア事業・SNSマーケティング事業・営業支援事業
許認可 有料職業紹介事業(13-ユ-316383

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