「一歩踏み出してしまえば、思ったよりも気楽なものです。」株式会社ストロングジャパンホールディングス・寺本社長が、英語力ゼロでセブ島へ渡り、”留学費用が0円になる仕組み”をつくるまで

「海外で働いてみたい。そう思っても、英語が話せない自分には関係のない話。」そんなふうに感じることは、ないでしょうか?

株式会社ストロングジャパンホールディングスの寺本雄平社長は、海外で働くことについて「一歩踏み出してしまえば、思ったよりも気楽なものです」と話します。実際にセブ島では、英語が話せない状態で日本から来た方が、学校で英語を学びながら、仕事もできているとのことです。

英語が話せないまま働き始めて、そこからどうやって仕事になっていくのか。そして、寺本社長自身は、どうやってセブ島にたどり着いたのか。詳しくお話を伺いました。

読み終わる頃には、「たとえ今は英語が話せなくても、海外で働き始めることはきっとできる」そう思えているはずです。

お話を伺った人

株式会社ストロングジャパンホールディングス

代表取締役グループCEO 寺本 雄平

宮城県仙台市出身。大学では政治経済を学びながら教職課程も取り、中学と高校の教員免許を取得。新卒で不動産デベロッパーに入社し、その後フィリピンのセブ島へ渡って、日本語のコールセンターと語学学校での勤務を経験。留学エージェントとして独立し、いまは語学学校やコールセンターを運営しながら、語学の学習と就労を組み合わせた「0円留学」を提供している。

目次

意外と面白いかもしれない、と気づいたのは入社した夏でした

編集部

寺本社長は、いまはセブ島で語学学校を運営されていますが、もともとは学校の先生を目指していたんですよね。

寺本社長

そうですね。大学は政治経済学部だったんですけれども、教職課程も取って、高校の地理歴史と公民、中学の社会の免許を取りました。ただ、大学3年生で教育実習に行った時に、自分が教師として働いているイメージが、あまりつかなかったんです。

編集部

それでも、免許は取り切られたんですね。

寺本社長

そうですね。ここまで来たら教職課程はやりきろう、免許を取って卒業しようという思いでしたね。ただ、その先はやはり一般企業に勤めて、お金を稼ぎたい、営業で頑張ってみたい、という感覚がありました。それで就職活動をして、不動産デベロッパーに入っています。

編集部

教壇ではなく、営業の道を選ばれたんですね。

寺本社長

はい。ただ、正直に言うと、入社して夏ぐらいまでは、働くこと自体にあまり乗り気ではなかったんです。就職活動もそこまで頑張れないタイプで、滑り込みで内定をいただいて、仕事も「だるいな」という感覚が少なからずありました。

編集部

そこから、どうして変わったんですか?

寺本社長

入社した夏ぐらいですね。意外と面白いかもしれない、と気づいたんです。営業が自分に向いていることや、どうすれば売上が上がるのかも、少しずつわかってきて。そこからは、今風に言うと意識が高くなっていきました。

編集部

面白いと思えたのは、成果が見えてきたからなんですかね。

寺本社長

そうですね。ただ、入った会社がそれなりに大きかったので、年齢を重ねないと、稼げるようにも、役職が上がるようにもならない風潮がありました。それなら「もっと早いタイミングで稼ぎたい、偉くなりたい」と思うようになって。1年目のうちには、独立したいという気持ちが出ていましたね。

英語は苦手科目のまま、求人を調べてセブ島へ

編集部

独立したい気持ちが先にあって、そこからなぜ海外に目を向けられたんですね。

寺本社長

不動産や、その後に経験した商社や金融の仕事は、独立の1本目としてはハードルが高かったんです。では何をすれば自分で始められるのか、と考えた時に、一旦海外に出て、やれることとやりたいことを見つけて、そこで始めようと思いましたね。

編集部

なるほど。行き先は、どうやって決めたんでしょう?

寺本社長

転職サイトで求人を調べて、たどり着いたのがセブ島でした。英語は完全に0で、なんなら苦手科目だったんですけれども、見つけたのが英語力一切不問の、日本語のコールセンターの求人だったんですよ。実際に、仕事で英語を使うことは、ほとんどありませんでした。

編集部

英語が苦手なまま、英語を使わない仕事で海外へ…!

寺本社長

そうなんです。ただ、思い切って転職したところまでは良かったんですが、その会社が、私が入社して2~3週間後にセブの拠点を撤退すると宣言してしまって。

編集部

入られた直後に撤退宣言ですか。でもその時、日本に戻るという選択もあったんじゃないですか?

寺本社長

日本に戻って勤務しないか、という話もいただいたんですが、こちらも一大決心で来ていたので、お断りしました。それで一時は、英語も喋れないまま住むところも決まっていない、仕事もない状態になってしまって。

編集部

見知らぬ土地で、仕事も住むところも、白紙になってしまった…。想像するだけでしんどいです。

寺本社長

はい。ただ、もうセブにいるんだから何とか仕事を探そう、と動いている中でたどり着いたのが、いま私たちがやっている語学学校の、日系の会社の社長でした。学校で働くことには興味がなかったんですが、留学というビジネスが人の人生を変えられる、という部分にすごく面白みを感じまして。もともと教師を志していたことも重なって、その学校に転職させてもらいました。

わからないものを、わからないままにしない

編集部

その学校では、どんなお仕事をされたんですか?

寺本社長

先生はさすがにやっていなくてですね。日本人の留学生をセブに連れてくる、セールスとマーケティングの部分からやらせてもらいました。

編集部

日本の方に向けたお仕事なんですね。その間に英語は、どこで身につけられたんでしょう?

寺本社長

現地の人たちの中で、頑張って喋っているうちに喋れるようになってきた、というのが正直なところですね。仕事のほうは日本語でしたので、英語を使う場面は多くありませんでしたから。

編集部

働いている間は日本語で、外に出れば英語だったんですね。

寺本社長

そうですね。ただ、10年前なので、Google翻訳も精度が低く、AIもありません。わからない言葉は、一つ一つネットで調べていました。わからないものをわからないままにしておかない、というのは元々性格的にあって、特に英語ではそこを心がけていましたね。

編集部

喋る練習だけでは足りない、ということですか?

寺本社長

喋る練習ももちろん大事ですが、それだけだと良くも悪くも気合いで伝わってしまうところがあるんですよ。なので、チャットやテキストメッセージをする機会を増やすのは、結構心がけていました。文章を作る力も、わからない言葉を調べる力も、そこで一緒に鍛えられました。

編集部

書くほうが、ごまかしがきかないんですね…。

寺本社長

そうですね。あとは友人にも、「私の英語の文章が間違っていたら指摘してほしい」と常に言っていました。それで指摘をもらっているうちに、少しずつレベルアップしてきたという感じです。

編集部

たしかに、間違いを教えてもらえる相手がいるかどうかは、大きそうです。

寺本社長

大きいと思います。直してもらった分だけ、次に書ける文章が増えていきますから。英語のために特別なことをしたというよりは、本当に、わからないものをそのままにしなかっただけですね。

1日の半分は英語のレッスン、半分は仕事。それで留学費用が0円になります

編集部

連れてくる側のお仕事をされていて、そこから独立されたんですよね。独立のきっかけは何だったんですか?

寺本社長

事業部長になった頃に、自分たちの学校では条件が合わないけれど、他の学校なら合いそうだ、という方がちらほら出てきたんです。だからといってそこで終了にしてしまうと機会損失ですし、それで社内ベンチャーのような形で、留学の代理店を立ち上げさせてもらったんです。

編集部

旅行代理店の、語学留学版のようなものですね。

寺本社長

まさにそういう形です。セブ中の学校と提携させてもらって、留学生を紹介する代わりに、留学費用の一部をいただく契約にしました。自分たちの学校には条件が合わなくても、他の学校に紹介できる流れが生まれたんです。

編集部

その社内ベンチャーが、独立の決め手になったんですか?

寺本社長

はい。会社のお金と組織をお借りして運営していたビジネスですけれども、しっかり黒字にできました。これなら自分で人を集めてやれるな、という確信が持てたんです。独立して最初に代理店契約をしていただいたのも、元々働かせてもらっていた学校でした。

編集部

働いていた学校が、独立後の最初の取引先に…!

寺本社長

そうなんです。独立したいという話は、当時の社長や役員にも伝えていましたので。その学校の、専門の外部代理店のような形からのスタートでしたね。

編集部

そこから、いまの主力になっている留学の仕組みが生まれたんですね。

寺本社長

「0円留学」という名前でやっています。1日の半分は英語のレッスンを受けていただいて、もう半分は弊社で仕事をしていただく。その働いた分の対価を、そのまま留学費用に充てる仕組みですね。

編集部

留学しながら、その費用をご自身で賄うわけですね。

寺本社長

そうですね。弊社ではセブにコールセンターを持っていますので、英語が喋れない状態で来られた方には、まず日本語のお仕事に入っていただきます。そこから早くても3ヶ月、4ヶ月ぐらいかけて、生徒さんのケアや先生のマネジメントなど、英語を使うお仕事に少しずつシフトしていただく形です。

やらない後悔は、やめましょう

編集部

英語が話せない状態で入って、仕事を覚えていけるんですね。ちなみに御社ではいまは、どんな方を募集されていますか?

寺本社長

会社として、幹部の層はしっかりしてきたところがあります。ですのでいま来てほしいのは、まだ若くて、エネルギーはあるけれどどこにぶつけていいかわからない、という方ですね。

編集部

どんな職種からのスタートになりますか?

寺本社長

弊社は入社当初、営業職からスタートしてもらう形です。一部、ITエンジニアのような特殊なスキルをお持ちの方には別の入り口もありますが、基本は営業で、これまでに営業経験がなくても、まったく問題なく採用しています

編集部

未経験からでも、ということですね。エネルギー量重視ということですが、具体的に選考では、どんなところを見られるんですか?

寺本社長

明るく元気に挨拶できる方かどうか、ですね。面接をしていると、挨拶がしっかりできる方とそうでない方は、もうパッとわかってしまうんですよ。

編集部

そこを、いちばん見られているんですね…!

寺本社長

明るくないと、海外に来てから本人がしんどくなってしまいますから。場所も業種も一気に変えて挑戦してみたい、という方には、合っている会社だと思います。

編集部

働く場所もセブ以外にもこれから増えていきそうですが、次の拠点は決まっているんですか?

寺本社長

次はヨーロッパのマルタ共和国と決めています。その先は、セルビアやジョージアも考えていますね。最終的には、世界中に日本人の方が0円留学できる学校を作りたいと思っています。

編集部

留学に興味がある方にとっても、とても夢のあるお話だと思います。それでは最後に、海外で働いてみたいけれど、英語が話せないから無理だと感じてしまっている求職者の方に向けて、一言いただけますか?

寺本社長

働いてみたい場所や職種を一回でも希望として持ってしまうと、挑戦しない限り、やりたいことのまま残ってしまうんですよ。それで40歳、50歳、60歳を迎えることになります。失敗してもいいと思うので、一旦は挑戦したほうがいい。働きたい会社で働けるかはわかりませんけれども、働きたい場所と業種であれば、基本的に働けますから。やらない後悔は、やめましょう

編集部

働きたい場所と業種であれば、基本的に働ける。そう言い切れるのは、ご自身が英語力ゼロのまま海外に渡って、そこから仕事を覚えてこられたからなんですね。英語が話せなくても、海外で働き始めることはできる。そう思うと、最初の一歩はぐっと軽くなります。寺本社長、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

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