「体こそ資本」株式会社Treasure 池田社長が語る、健康を起点に広がる事業のかたち

やりたいことに向かって、全力で走りたい。でも頑張るほどに後回しになりがちなのが、ほかでもない自分自身の体のことではありませんか?
株式会社Treasureの池田真己(いけだ まさき)社長は、自身が体調を崩した経験をきっかけに東洋医学と出会い、その健康への気づきを起点に、いくつもの事業を広げてきた経営者です。東京・東麻布のよもぎ蒸しサロンを軸に、キッチンカーや「飲むよもぎ蒸しYOMOON」など、その活動は幅広く続いています。
今回はそんな池田社長に、これまでの歩みや事業の中身、そして一緒に働きたい人物像まで、じっくりお話を伺いました。読み終わる頃には、「体こそ資本」という言葉が、これからのキャリアを考えるうえでの確かな手がかりに見えてくるはずです。
株式会社Treasure
代表取締役社長 池田真己
大学卒業後、電気メーカーのグループ会社にシステムエンジニアとして入社し、未経験からインフラエンジニアのキャリアを歩む。多いときは月200時間の残業をこなすほど仕事に打ち込んだのち、働き方を見つめ直して転職や独立を経験。営業代行やマーケティング、キャリア支援など幅広い仕事に携わったのちに法人化し、自身の体調をきっかけに出会った東洋医学への思いから、株式会社Treasureでよもぎ蒸しサロンyomogyst〜食べられるよもぎ蒸し®︎ を立ち上げる。現在はサロン運営に加え、キッチンカーや「飲むよもぎ蒸しYOMOON」の展開にも取り組んでいる。
未経験でシステムエンジニアに。月200時間、走り続けた日々

編集部エンジニアからよもぎ蒸しのサロン、さらにキッチンカーまで…と伺うと、いったいどんな道のりを歩んでこられたのか気になります。まずは、社会に出られた頃のことから教えていただけますか?



はい。私は大学を卒業したあと、電気メーカーのグループ会社にシステムエンジニアとして就職しました。インフラエンジニアとして、未経験から仕事を始めましたね。



未経験からのスタートだったんですね。



そうなんです。実は新卒で社会人をスタートしたときは、起業なんてまったく考えていなくて。もう60歳まで、この会社で働いていこうというくらいの気持ちで仕事をしていました。多いときは、月に200時間ほど残業していた時期もありましたね。



200時間、ですか。それはかなりの時間ですね…!



ええ。ただ、上司や同僚にすごく恵まれていたので、なんだか自分も頑張っていこうと思えて。しんどさよりも、前向きな気持ちで走り続けていた感覚でした。



あぁ、環境に恵まれると、大変さも乗り越えていけますよね。まわりの人に恵まれたことが、頑張る原動力になっていたわけですね。若いうちに全力で打ち込める場所があったというのは、それだけで大きな財産だと感じます。
働き方を見つめ直して。たどり着いた東洋医学の世界



全力で仕事に打ち込んでいた日々から、どうして働き方を見つめ直すことになったのでしょうか?



26歳のときに、一度結婚をしたんです。ただ、当時は残業続きの日々で、仕事とプライベートの両立がどうしてもうまくいかなくて。結果的に、短い期間で離婚を経験することになりました。



そうだったんですね…。



仕事を頑張っていれば、家庭もうまくいくと思っていたんです。でも実際は、仕事を優先しすぎて、少しずつ溝ができてしまって。そこで初めて、仕事とプライベートをどう両立していくか、自分の理想の働き方を本気で考えるようになりました。



ご自身の理想に立ち返るきっかけになったんですね。そこから、どう動かれたんですか?



まずは転職をして、そのあとは個人事業主として、いろいろな働き方に挑戦しました。営業代行やマーケティング、業務改善、販売支援、キャリア支援…本当にさまざまな仕事を経験させていただいて。そこから、法人化もしました。



一気に世界が広がっていったんですね。



はい。ただ、その頃に一度体調を崩してしまって。なかなか原因がわからなかったのですが、東洋医学の施術を紹介していただいて、そこから体調がぐっと良くなったんです。その経験から、将来は東洋医学に携われる何かができたらいいな…と思うようになりました。



ご自身が助けられた経験が、次の道につながったんですね。



そうなんです。実際に私がよもぎ蒸しを受けてみたら、施術時間は15分ほどで、痛みもなく、短い時間で体のメンテナンスができて。そこがすごく気に入り、これを自分でも扱いたいと思ったのが、始まりでした。



自分が心から良いと思えたものだからこそ、事業にできたわけですね。遠回りに見えた経験の一つひとつが、今の入り口につながっているのだと感じます。
温活で全国8000店舗超え。よもぎ蒸しと「飲むよもぎ蒸し」の魅力



ご自身の実感から生まれたよもぎ蒸しのサロンについて、もう少し詳しく伺いたいです。そもそもよもぎ蒸しとは、どんなものなのでしょう?



はい。弊社は東京・東麻布で、よもぎ蒸しのサロンを運営しています。よもぎ蒸しというのは、体にマントを被って、その中でよもぎの蒸気を浴びるものなんです。サウナのような形で、しっかり体が温まります。







マントの中で蒸気を浴びる…想像すると、たしかに気持ちよさそうですね。



体を温めることは今「温活」とも言われていて、自律神経を整えたり、血行を良くしたりすることが期待されているんです。私がお店をオープンした3年ほど前の調査では、よもぎ蒸しのお店は全国で4000店舗くらいでした。それが最近は8000店舗を超えているそうで。



数年で倍ですか。それだけ関心が高まっている分野なんですね。



そうですね。先日はテレビ番組の「ZIP!」でも弊社の店舗を紹介いただきまして。放送を知った方が、そのまま予約につながる確率がぐっと上がったんです。





反響が数字に表れるのはうれしいですね。ちなみに初めての方だと、どのくらいの頻度で通えばいいのか迷いそうですが…。



そこはお客様のお悩みに合わせて提案するよう、スタッフに徹底してもらっています。すっきりしたい、リラックスしたいという方なら月に1回ほど。しっかり体を整えたいという方なら週に1回ほど、といった形で。よもぎ自体は100%のものを一種類だけ使っていますが、通っていただく頻度や物販でのセルフケアも含めて、お一人おひとりに合わせてトータルでサポートしています。



来られる方に合わせて寄り添ってくれるんですね。



はい。それに加えて、この5月からは「飲むよもぎ蒸し」というドリンクも始めました。よもぎ蒸しを家でも体感できるように、工場と共同開発したものなんです。よもぎやハイビスカスを使っていて、「温活・美容・腸活」という3つのコンセプトを取り入れています。美活にこだわって作りました。





飲むタイプなら、サロンに行かなくても手軽に取り入れられそうです。



そうなんです。よもぎ蒸しの前に一本飲んで、体感を高めるブースターとして使ってくださる方も多いですね。今はサロンとオンラインで販売していて、量販店やサロン様での取り扱いに向けた商談も進めているところです。全国の方が普段から手に取れる場所を、これから増やしていきたいと思っています。



暮らしの中に自然と溶け込んでいきそうですね。体を整える選択肢が、日常の手の届く場所まで広がっているのだと感じます。
フードロスに水素エネルギー。「健康が経済を支える」という視点





サロンやドリンクのほかにも、キッチンカーの事業もされていると伺いました。だいぶ毛色が違うようにも思うのですが、どんな経緯だったんですか?



これはコロナ禍のときに、あるオフィスエリアを活性化したいというお話をいただいたのがきっかけでした。私は飲食の経験がなかったので、周りの協力者を募って。どうせやるなら、何か価値あるものにしたいと思ったんです。



価値あるもの、というと?



地方創生につながることをしたくて。地方の農家さんで廃棄されてしまうような、フードロスの野菜を仕入れて加工し、販売したんです。しかもエネルギーも電気ではなく、水素エネルギーを使いました。水素エネルギーのNPO法人を立ち上げた方と一緒に、水素で調理するキッチンカーに挑戦してみたんです。



フードロスに、水素エネルギー。かなり先進的な取り組みですね。



ありがたいことに、地方の方をはじめ多くの方に興味を持っていただけて。私自身も、すごく価値のあることだなと感じました。ポップアップなので、今も年に1〜2回ほど、定期的に続けています。



もともと環境やサステナビリティへの意識が強くていらっしゃったんですか?



実は、元々そこまで考えていたわけではないんです。ただ、販売支援の仕事をしていた頃に、SDGsにこだわった商品を扱うメーカーさんとご縁があって。その思いに触れるうちに、自分にもできることがあるんじゃないかと思うようになりました。



人との出会いが、視点を広げてくれたんですね。



そうですね。それに、地球環境という意味でのサステナブルもありますが、私たち自身が健康を持続可能な形で維持していけることも、同じくらい大切だと思っていて。それが結局は、日本経済の発展にもつながっていくと感じているんです。環境のことというより、私たち自身に影響のあることだと捉えています。



健康を、自分ごととして捉えていらっしゃるんですね。「体こそ資本」という原点が、事業の一本の軸になっているのだと感じます。
「努力で、能力は後からついてくる」。未経験の20代へ贈る言葉





ここまで、働き方を見つめ直しながら事業を築いてこられた歩みを伺ってきました。その池田社長から見て、これから未経験で新しい仕事に挑もうとしている20代の方に、伝えたいことはありますか?当メディアの読者にも、興味はあるけれど自分に務まるか不安、という方がとても多いんです。



私自身の経験もそうですし、キャリア支援の仕事に携わってきて感じるのは、理想は人それぞれ違うということなんです。就活のときに一度は考える方が多いと思うのですが、実際に社会人になって、働いてみてから改めて考えることが、私はすごく大事だと思っていて。



働いてみて、初めて見えてくるものもありますよね。



はい。人と話すのが好きなのか、一人で黙々と取り組む事務のような仕事が好きなのか。その仕事の先にどんな理想があるのか。できるかどうかで考えるのではなく、まずは書き出して整理してみるといいと思うんです。そのうえでキャリア相談をしたり、面接で自分の描いていることをぶつけてみたりすると、価値観が重なる会社と出会えることもあります。



なるほど。やる前から「できるか」で線を引かなくていいんですね。



そうなんです。やったことがないことは、なかなか一歩を踏み出しにくいものですよね。でも、理想に向かって頑張っていこうという思いさえあれば、努力で、能力は後からついてくると思っていて。だからこそ、それぞれがまず自分の理想を描いてほしいなと、いつも思いながら仕事をしています。



何度も働き方を選び直してこられた池田社長の言葉だからこそ、その一言がまっすぐ響いてきます。ちなみに、そんな池田社長は、どんな方と一緒に働きたいと考えていらっしゃいますか?



自立心や独立心のある方と一緒に働けたらうれしいですね。「独立されたら困らないの?」と言われることも多いのですが(笑)、私は弊社に来てほしいというより、業界全体を盛り上げていきたいと思っているんです。弊社のサロンで働いた方が独立して別のサロンを作ったとしても、一緒に美容業界を盛り上げていける。そんなコラボができると思っていて。



自分の会社の枠を超えて、業界ごと良くしていきたいという発想なんですね。



ええ。弊社では未経験からスタートした方がとても多いんです。未経験からお店で実績を作って、それをポートフォリオにしてご自身で仕事をしていく方もいます。どの業界でも、頑張る人が増えれば増えるほど、日本経済も良くなっていく。だから、みんなで仕事を頑張って、明るい未来を作りたいという思いが、いつも根っこにあるんです。



うかがっていると、池田社長ご自身が、周りの方への貢献を何より大切にされているのが伝わってきます。今日お話しいただいた、理想を描くことも、業界みんなで前へ進むことも、根っこは一つにつながっているのだと感じました。迷って立ち止まったときに、そっと背中を押してくれるお守りのような言葉になるはずです。池田社長、本日は貴重なお話をありがとうございました。
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