一度離れ、4年後に再入社。株式会社OSTAY JAPAN・青山さんが語る、全国300室を1名で統括する“無人・省人化ホテル”の仕組み

大学卒業後、国家公務員として働いていた青山周平さんは、2年で退職し、株式会社OSTAY JAPANへ転職しました。若い時からもっと自分で考え、フットワーク軽く動ける環境で働きたいと思ったことがきっかけだったといいます。

しかし、入社からほどなくしてコロナ禍を迎え、ホテル運営の仕事がストップしてしまいます。青山さんはそこで一度会社を離れ、不動産コンサルティング会社へ転職。4年間経験を積んだのち、2024年12月にOSTAY JAPANへ再入社しています。

一度離れたからこそわかった、規模の小さなスタートアップで働くために必要なこととは。現在担当している不動産投資事業や、無人・省人化ホテル運営の仕組みとあわせて伺いました。

お話を伺った人

株式会社OSTAY JAPAN

マネージャー 青山 周平

東京大学卒業後、国家公務員として2年間勤務。その後、株式会社OSTAY JAPANへ転職し、ホテルの開業支援業務や運営業務を担当する。コロナ禍を機に不動産コンサルティング会社へ転職し、4年間勤務。2024年12月にOSTAY JAPANへ再入社し、現在はアパートメントホテル用途の不動産の取得から商品化、売却までを担う部門に所属。

目次

小さな会社では大きな裁量を持てるが、自分にスキルがないと会社には貢献できない

編集部

青山さんは、大学卒業後に国家公務員として働かれていたんですよね。そこからOSTAY JAPANへ転職されたのは、なぜだったんでしょう?

青山さん

大きな組織で働くというのが自分には合わなくて、2年で辞めました。若い時からもっと自分で裁量を持って、フットワーク軽く動きたいという気持ちがあったんです。大学時代に中国語も勉強していたので、中国人の同僚がいる環境で働きたいという思いもありました。それでOSTAY JAPANに入って、1年くらいホテルの開業支援や運営をしていました。ただ、ちょうどコロナが来て、仕事が全くなくなってしまって。

編集部

あのときは、宿泊業はとくにダメージを受けましたよね…。

青山さん

そうですね。それで、一度会社を離れることになって、別の不動産会社へ転職しました。そのときに思ったことがあって…。

編集部

何を思われたんでしょう?

青山さん

大きな組織が合わなかったから創業したばかりのスタートアップ…OSTAY JAPANに来たんですけど、規模の小さい会社に来たら来たで、専門性やスキルといった自分が貢献できるための武器がないと、大きな裁量を与えてもらっても、思うような成果は出せないんですよね。

編集部

会社の規模の問題ではなかった、と…。

青山さん

不動産業界にいるなら、金融とか法務・税務、建築とか、もう少し幅広い知識や基本的なことを身につけた方がいいなと思いました。それで、その転職先の不動産コンサルティング会社では4年ほど勤務したんですが、本当にいろいろと学ばせてもらいましたね。コロナは大変でしたけど、振り返ってみれば、自分にとっては一度外に出て学ぶタイミングにもなったのかなと思っています。その会社の居心地も良かったのですが、もう一度OSTAY JAPANでチャレンジしてみたい気持ちはありました。

いまは、みんなと共通言語で話せます

編集部

そのOSTAY JAPANに戻ることになったきっかけは、何だったんですか?

青山さん

社長から「戻ってこないか」と連絡が来たんです。それで、今なら自分にも貢献できることがあるかもしれないから、もう一度チャレンジしてみようかな、と思いました。

編集部

社長から連絡が…!かなり信頼されていたんですね。

青山さん

どうなんでしょう(笑)。でも、ありがたいですよね。それで家族にも相談して、社長にも会ってもらって。「信頼できる人たちだからいいんじゃない」とも言ってもらえたので、決意しました。

編集部

戻られてみて、最初に在籍していた頃と比べて、仕事の見え方は変わりましたか?

青山さん

全然違いますね。最初にいた頃は、本当に不動産の知識がなかったんです。でも別の会社を経たことで、たとえば投資家の方へ事業の説明をするときに、何が重要で、何を外してはいけないのかがわかるようになりましたね。土地や建物を見る時のポイントも、多少なりともわかってきました。

編集部

不動産といっても、扱うものはいろいろありますもんね。

青山さん

ホテルなのか、オフィスなのか、レジデンスなのかで、全然違います。そういう基本的な知識を持った状態で戻ってきたので、いまはみんなと共通言語で話せるようになったというのは大きいですね。

ホテルの運営は、IT技術で徹底的に効率化しています

編集部

御社ではどんな事業をされているのか、改めて教えていただけますか?

青山さん

弊社はアパートメントホテルの運営会社ですが、日本チームは大きく分けて、ホテルの現場を動かす部門と、オーナーとの窓口となる部門があります。ホテルの運営だけではなく、物件を探して、投資商品として仕上げて、投資家の方に購入していただくところのサポートまで一貫してやっています。

編集部

ホテルの運営から、不動産投資の部分まで手がけているんですね。その中でも、御社が運営されているホテルって、一般的なホテルとはかなり違いますよね。 

青山さん

そうですね。弊社のホテルは、無人化・省人化運営が基本で、できるだけ現地スタッフの力に頼らずに、IT技術を駆使したシステムで宿泊客にサービスを提供しています。例えば、部屋の扉にスマートロックがついていて、暗証番号を入力すると部屋に入れる仕組みになっています。もちろん、番号も毎回自動で変わります。

編集部

これまで、ロボットが受付をやるようなホテルには私も泊まった経験があるんですが、効率的な運営を徹底しているんですね…!

青山さん

清掃に関しても特徴があって、従来型のホテルのように清掃員を常時雇用する形ではありません。チェックアウトが発生したら、登録されているスタッフへ通知を出して、「この時間から入れる人はいませんか」と募集するんです。手を挙げてくれた方にお願いするので、Uber Eatsみたいな仕組みになっています。

編集部

必要なときに、必要な場所へ人が入る仕組みなんですね。

青山さん

はい。そういった仕組みがあるので、少ない人数でも運営できるようになっているんです。東京、大阪、京都に合計300室ほどありますが、現場全体を統括しているのは、大阪にいる1名です。

対面のおもてなしが、実は嫌だという人もいる

編集部

そもそも、なぜ人の力に頼らないような形にされたんでしょう?

青山さん

この考え方自体は、実は創業時からあるんですよ。グローバルなスタートアップなので、「おもてなし」のような、日本のホテルのやり方を前提に考えていないところがあるんです。データを見ながら、ITやテクノロジーで効率化できるところは効率化しようと考えています。

編集部

データを見ると、具体的には何がわかるんですか?

青山さん

世界中の若い世代の行動を見ていくと、日本のような対面でのおもてなしを、実は嫌だと感じる人も結構いるんですよ。言語の壁やプライバシーの意識もありますし、それならオンラインのチャットで質問してもらって、テキストで返事をする方がいいのではと考えまして。

編集部

だからホテルのスタッフとの接触が必要最小限になるような仕組みにしたんですね。ちなみに、働いている方も多国籍なんでしょうか。

青山さん

はい。バックオフィスは上海にあり、予約管理システムの開発・保守業務や、投資家の方へ毎月送るレポートの作成もそこで行っています。東南アジア出身のメンバーもいますね。世界中からお客様を集めるので、多言語で対応できるように、戦略的に多国籍なチームにしています。

編集部

そうなんですね。でも、どれだけシステムで効率化しても、現場での対応は必要になりますよね?

青山さん

そこは清掃スタッフをはじめとする弊社のパートナーの方に、臨機応変に対応していただいています。ゲストの方とすれ違ったら笑顔で挨拶するといった基本も含めて、事前にマナーの部分は研修を行ったうえで現場へ入ってもらっています。弊社のパートナーには、外国人の若者も多いんですけど、知らない国で生活して、自分で努力して稼いでいこうという方が多く、すごくやる気があります。弊社のメンバーも多国籍なので、そういう方と信頼関係を築きながら、ともに仕事の質を高めていくことができるという特徴もあります。

言われてやる仕事は、いまはほとんどありません

編集部

現在は社員採用も積極的に進められているそうですが、どんな方に来てほしいですか?

青山さん

今年は2名増やしたいと思っていて、1名は採用できそうな見込みです。一緒に事業を拡大してくれる日本人のメンバーが少ないので、そこも増やしたいと思っています。

編集部

やっぱり、不動産の経験が必要になるんでしょうか?

青山さん

不動産業界は若い方が未経験で入ってくることも全然ありますし、人前で話すことが苦ではない方であれば大丈夫です。ただ、小さい会社なので、目の前の仕事だけではなく、経営に近いところまで一緒に考えてほしいんですよね。不動産の専門的な知識は、入社してからいくらでも教えますので安心してほしいです。

編集部

業界は未経験だとしても、入社するからには視座の高さや主体的に動くことは重要ということですね。

青山さん

そうですね。会社全体を見ながら、「ここだけ良くなればいい」という局所最適ではなく、「みんなのためにどうするのがいいか」という全体最適を考えられる方には向いていると思います。

編集部

青山さんご自身も、そういう働き方をされているんですか?

青山さん

そうですね。自分の頭で考えて動かなければいけないので、大変ではありますけど、それが面白いところでもあります。誰かから言われてやる仕事は、いまはほとんどありません。日々、目の前の仕事に一生懸命取り組んでいて、エピソードを話せるほど余裕がないくらいですけど(笑)。でも逆に、そこまで仕事に集中できるのも、すごく幸せなことだと思っています。

編集部

一度会社を離れ、不動産の知識を身につけたうえで、再び今の会社に戻った青山さん。現在は、自分の担当だけに目を向けるのではなく、会社全体を見ながら、その時々で必要なことを考えて仕事に向き合っています。規模の大きな組織とは違い、一人ひとりが担う範囲も広く、自分の判断や行動が会社の動きにもつながっていく。だからこそ、決められた仕事をこなすだけではない働き方が、今の青山さんにとって当たり前になっているのかもしれません。青山さん、本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。 

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