フリーターから公務員へ転職!試験攻略の現実的な戦略と合格までのロードマップ

「不安定なフリーター生活から抜け出して、安定した公務員になりたい」「でも、職歴がない自分に合格できるのだろうか?」そんな不安を抱えていませんか?
結論として、フリーターから公務員になることは十分に可能です。むしろ、公務員試験は学歴や職歴に関係なく、試験の点数で合否が決まる「実力主義」の世界であるため、フリーターの方にとって最もフェアな逆転のチャンスと言えます。
しかし、決して甘い道のりではありません。数百時間の勉強と、面接対策が必要です。
この記事では、現在フリーターで公務員を目指している方向けに、現役キャリアアドバイザーの視点から、公務員試験のリアルな難易度、必要な勉強時間、そしてフリーターの方が合格を勝ち取るための具体的な戦略を解説します。
阿部 翔大公務員試験は一発逆転の魔法ではありませんが、努力が裏切らない数少ない試験です。私が担当した方の中にも、コンビニバイトを続けながら1年間勉強して、見事に市役所職員になった方が何人もいます。大切なのは、根性論ではなく、正しい情報と計画です。一緒に合格へのロードマップを描いていきましょう。
株式会社MEDISITE キャリアコンサルタント
阿部 翔大


データで見る公務員試験の現実|フリーターから公務員になる難易度は?
まずは敵を知ることから始めましょう。公務員試験の難易度や競争率を、客観的なデータで確認します。
合格率と倍率のデータ
公務員試験と一口に言っても、職種や自治体によって難易度は大きく異なります。主な試験の合格率を見てみましょう。
主な公務員試験の合格率・倍率データ
人事院および各自治体の公表データ(2024年〜2025年実績)に基づきます。
| 試験区分 | 合格率 / 倍率 | 備考 |
|---|---|---|
| 国家公務員 一般職(大卒程度) | 合格率 約43〜48% 受験倍率 2.1〜2.3倍 | 2024年度:受験者17,463人、合格者7,557人(合格率43.3%、倍率2.3倍) 2025年度:受験者18,406人、合格者8,815人(合格率47.9%、倍率2.1倍) |
| 地方公務員(市役所など) | 倍率 4〜7倍程度 | 自治体により大きく異なる。人気自治体は10倍を超えることも。 |
| 警察官・消防官 | 倍率 3〜5倍程度 | 体力試験がある分、筆記の倍率は行政職より低めになる傾向。 |


【参考】
人事院|2024年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況(PDF)
人事院|2025年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)及び専門職試験(大卒程度試験)の合格者発表
各自治体採用試験結果より
合格に必要な勉強時間
公務員試験合格のためには、一般的に以下の勉強時間が必要と言われています。
- 国家一般職・地方上級: 800〜1500時間(期間:7〜12ヶ月)
- 市役所(教養のみ): 300〜600時間(期間:3〜6ヶ月)
- 警察官・消防官: 300時間程度(期間:3ヶ月〜)



1000時間と聞くと気が遠くなるかもしれませんが、これはあくまで目安です。効率よく学習すれば時間は短縮できますし、逆にダラダラやれば2000時間かけても受かりません。フリーターの方は、フルタイム勤務の社会人よりも勉強時間を確保しやすいという強みがあります。この「時間の優位性」を最大限に活かすことが合格への鍵ですよ。
フリーターでも受験資格はあるのか?
基本的に公務員試験に「職歴」の制限はありません。あるのは「年齢制限」のみです。
- 一般枠(大卒程度): 29歳〜35歳が上限の自治体が多い
- 社会人経験者枠: 59歳未満まで受験可能な自治体が増加中



もし一般枠の年齢制限を超えてしまっている場合でも、諦めないでください。社会人経験者採用枠は59歳未満まで受験できる自治体が増えています。また、警察官や消防官は年齢上限が比較的高め(35歳前後まで)に設定されていることが多いです。さらに、国家公務員の経験者採用試験は実質的に年齢制限が撤廃されているケースもあります。複数の自治体・職種の受験要項を横断的にチェックすることで、まだ受けられる試験が見つかる可能性は十分にありますよ。
フリーターが公務員を目指すメリット
苦労して試験勉強をしてまで、公務員を目指す価値はあるのでしょうか。フリーターの方にとって特に大きいメリットを解説します。
1. 圧倒的な雇用の安定性
公務員は法律で身分が保障されており、景気の変動によるリストラや倒産の心配がありません。一度採用されれば、定年まで安心して働き続けることができます。



フリーターの方からよく聞くのは、「来月もバイトがあるか分からない」「突然シフトを減らされた」という不安です。公務員になれば、こうした雇用の不安定さから完全に解放されます。毎月決まった日に給料が振り込まれ、ボーナスも年2回支給されます。この安心感は、精神的な余裕を生み、人生設計を前向きに考えられるようになる大きな力になりますよ。
2. 社会的信用の高さ
住宅ローンやクレジットカードの審査において、公務員の信用力は絶大です。将来的に結婚やマイホーム購入を考えている方にとって、この「社会的信用」は大きな資産になります。



フリーターのままだと、クレジットカードの審査に落ちたり、賃貸の保証人が必要だったりと、社会的な信用がないことで様々な場面で不便を感じます。公務員になった途端、銀行の態度が変わった、親が安心してくれた、恋人との結婚話が具体的に進んだという声をよく聞きます。肩書きで判断されるのは悔しいかもしれませんが、それが現実です。公務員という肩書きは、人生の選択肢を大きく広げてくれます。
3. 充実した福利厚生とワークライフバランス
完全週休2日制、有給休暇の取得しやすさ、育児休業制度の充実など、民間企業と比較しても高水準の労働環境が整っています。プライベートを大切にしながら働きたい方には最適です。



フリーターの方からよく聞く悩みは、「将来が見えない不安」です。来月のシフト、来年の契約、老後の資金。公務員になれば、その不安が一掃されます。ボーナスが支給され、退職金もあり、将来の設計図が明確に描けるようになります。この精神的な安定こそが、公務員になる最大のメリットかもしれませんね。
フリーターから公務員への3つのルート
自分の年齢や適性に合わせて、最適なルートを選ぶことが合格への近道です。
ルート1:一般枠(大卒程度・高卒程度)で受験する
最も一般的なルートです。30歳前後まではこの枠で受験できる自治体が多いです。
特徴
学歴区分(大卒・高卒)に応じた試験を受ける。筆記試験の配点が高い。
向いている人
20代〜30代前半の方、勉強時間をしっかり確保できる方。
一般枠は最も募集人数が多く、チャンスが広い王道ルートです。年齢制限さえクリアしていれば、職歴に関係なく受験できます。ただし、試験科目が多く勉強範囲が広いため、計画的な学習が必須です。私が担当した方で、コンビニバイトをしながら1年間毎日3〜4時間勉強して、市役所に合格した方がいます。大切なのは継続力です。短期集中よりも、長期戦を覚悟して着実に積み上げていきましょう。
ルート2:社会人経験者採用枠で受験する
民間企業等での職務経験がある人を対象とした枠です。近年、採用枠が拡大しています。
特徴
教養試験のみや論文重視など、筆記の負担が軽い場合がある。
注意点
「正社員経験○年以上」という条件がある場合が多いですが、自治体によっては「週30時間以上のアルバイト経験」を通算して認めるケースもあります。受験要項を必ず確認しましょう。
フリーターの方でも、長期間同じアルバイトを続けている場合は、社会人経験者枠の対象になる可能性があります。例えば、飲食店で3年以上フルタイムで働いていた、塾講師として責任ある立場で勤務していたなど、実質的に社会人と同等の経験があれば認められるケースが増えています。自治体の人事課に問い合わせてみる価値は十分にありますよ。諦めずに確認してみてください。
ルート3:警察官・消防官などの公安職を受験する
行政職に比べて倍率が低く、体力試験が重視される職種です。
特徴
筆記試験の難易度が比較的低い。体力に自信がある人に有利。
向いている人
体を動かすのが好きな人、社会貢献意欲が高い人。
警察官や消防官は、行政職と比べて必要な勉強時間が大幅に短く済みます。3〜6ヶ月の勉強で合格する人も珍しくありません。体力試験は事前にしっかり準備すれば十分対応可能です。特に、スポーツ経験がある方や、体を動かす仕事をしてきた方には狙い目です。デスクワークよりも現場で動く仕事がしたいという方には、非常に向いている職種です。


公務員試験の合格率を上げる具体的な戦略
ただ漫然と勉強するだけでは合格できません。戦略的に攻める必要があります。
独学 vs 予備校の選択をする
フリーターの方には、可能であれば予備校、難しければ「通信講座(スタディングなど)」をおすすめします。独学は情報の取捨選択に時間がかかりすぎるためです。 スタディングなら5〜8万円程度でオンライン動画を視聴でき、時間の融通が利きます。独学よりも安心で、予備校よりもコストが低いです。



予備校に通える環境にあるなら、迷わず予備校を選んでください。合格率が段違いに高いです。ただ、お金がない場合でも諦めないでください。通信講座(8万円程度)+図書館で自習+Twitterやネットで情報収集という組み合わせで、約13万円の投資で合格した方もいます。無理な独学で1年を無駄にするよりも、最小限の投資で効率よく学ぶ方が結果的にコスパが良いですよ。
フリーター期間中の時間を最大活用する
アルバイトのシフトを調整し、午前中を勉強時間に充てるなど、生活リズムを試験勉強中心に切り替えましょう。働きながら合格した人の多くは、「朝型」の生活を送っています。
具体的な時間配分例
朝7時起床→午前中3時間勉強→午後バイト(4〜5時間)→夜に復習1時間=計4時間確保。正社員として働いている人は、残業もあるため平日は1〜2時間しか勉強できません。フリーターは勉強時間の確保において圧倒的に有利です。貯金と勉強のバランスを取るため、週3〜4日のバイトで生活費を稼ぎ、残りの時間を全て勉強に投入するのが現実的です。



私が担当した方で、居酒屋バイトを週4日にして、毎朝4時間勉強する生活を8ヶ月続けて市役所に合格した方がいます。夜型から朝型に切り替えるコツは、前日に早く寝ることと、図書館など強制的に集中できる環境に身を置くことです。正社員にはない時間の余裕を最大の武器にして、一気に合格を掴み取りましょう。
面接時はフリーター経験をどう語るかを練る
面接では必ず「なぜ就職せずにフリーターをしていたのか?」と聞かれます。ここで言い訳をするのはNGです。
回答のポイント
- 夢追い型: 「夢(バンド、演劇など)を追いかけていた」→ 夢に区切りをつけた理由(何歳になったら諦める、など明確な基準)と、今は公務員として地域社会に貢献したいという覚悟を具体的に伝える。
- やりたいこと不明型: 「やりたいことが見つからなかった」→ アルバイトを通じて地域社会の課題に気づいた経験(例:飲食店で高齢者のお客様の困りごとを知った、など)と、公務員を目指すようになった経緯を具体的に話す。
- 家庭事情型: 「家族の介護や経済的な理由でフリーターを続けていた」→ その期間を経て状況が改善し、今は安心して公務員として地域に恩返ししたいという前向きな姿勢を示す。



面接官が見ているのは過去ではなく未来です。フリーター経験=マイナスではありません。むしろ、生活に困っている市民の痛みが分かる職員になれる強みです。ネガティブな質問をポジティブに変換する練習を、予備校やエージェントの模擬面接でしっかりやっておきましょう。準備さえすれば、面接は怖くありません。自信を持って臨んでくださいね。
公務員試験に必要な準備
試験科目の全体像
公務員試験は「教養科目」と「専門科目」に分かれます。



特に「数的処理」は出題数が多く、合否を分ける重要科目です。ここを苦手なままにしておくと合格は厳しいです。
教材の選び方とスケジュールの立て方
過去問(スーパー過去問ゼミなどが有名)を徹底的に繰り返す「過去問中心学習」が王道です。最初の3ヶ月で主要科目(数的処理、憲法、民法、経済原論)の基礎を固め、残りの期間で演習と暗記科目を詰め込むスケジュールを立てましょう。



すべての科目を完璧にする必要はありません。公務員試験は満点を取る試験ではなく、6〜7割取れば合格ラインに乗る試験です。「捨て科目」を作る勇気も必要です。例えば、出題数の少ない「物理」や「化学」に時間をかけすぎず、配点の高い「数的処理」や「法律科目」に全力を注ぐ。このメリハリが短期合格の秘訣ですよ。
公務員に向いている人・向いていない人



「安定したいから」という動機は本音としてはOKですが、それだけだと仕事がつまらなく感じるかもしれません。公務員は「全体の奉仕者」です。窓口に来る市民の方の話を親身になって聞けるか、地味な事務作業にも責任感を持てるか。そういった「誠実さ」がある人は、間違いなく公務員に向いていますよ。
向いている人
- コツコツと努力を継続できる人: 長期間の勉強に耐えられる忍耐力がある。
- ルールや決まりを守るのが得意な人: 法令遵守が求められる仕事のため。
- 地域社会に貢献したい人: 利益追求よりも公共の福祉を優先できる。
向いていない可能性がある人
- 成果に応じた高収入を得たい人: 年功序列のため、急激な昇給はない。
- スピーディーな変化を好む人: 前例踏襲が多く、意思決定に時間がかかる。
- 副業で稼ぎたい人: 公務員は原則として副業禁止。
フリーターが公務員を目指す上で知っておくべき注意点
勉強期間中の収入確保の問題
勉強時間を確保するためにバイトを減らすと、収入が減ります。貯金を切り崩すか、親の援助を受けるか、あるいは短時間で効率よく稼げるバイトに切り替えるか、資金計画をしっかり立てておく必要があります。



現実的な資金計画として、週3〜4日のバイト(月8〜10万円程度)で生活を維持しながら勉強する方が多いです。実家暮らしの方は家賃分を貯金や教材費に回せるので有利ですね。一人暮らしの方は、深夜バイトや日雇いではなく、昼間の時給が高いバイト(例:塾講師、事務系派遣など)に切り替えると、短時間で効率よく稼げます。また、失業保険の受給資格がある場合は、ハローワークで職業訓練を受けながら給付金を受け取る方法もあります。お金の不安で勉強に集中できないのは本当にもったいないので、しっかり計画を立ててから始めましょう。
不合格リスクと再受験
どんなに勉強しても、落ちる可能性はあります。いわゆる「公務員浪人」になって何年も勉強を続けると、職歴の空白期間がさらに長くなり、民間企業への就職も難しくなるリスクがあります。「2年やってダメなら民間へ行く」といった期限を決めて挑戦することをおすすめします。



公務員試験は年1回しかチャンスがないため、不合格だとまた1年待つことになります。私が担当した方の中には、3年間挑戦して結局民間企業に就職した方もいますが、その間に20代後半になってしまい、民間の選択肢が減っていました。おすすめなのは、「1年目は全力で公務員試験、2年目は公務員試験と並行して民間企業の就活も視野に入れる」という二段構えの戦略です。公務員試験の勉強で得た法律知識や論理的思考力は、民間企業でも評価されます。決して無駄にはなりませんので、柔軟に選択肢を持っておくと心に余裕が生まれますよ。
公務員の実態(イメージとのギャップ)
「定時帰り」「楽な仕事」というイメージだけで入庁すると、ギャップに苦しむことがあります。部署によっては残業が多く、災害時には休日返上で対応することもあります。



リスクヘッジとして、公務員試験と並行して「民間企業の就職活動」も少し視野に入れておくと良いでしょう。最近は、公務員試験の勉強経験(法律知識や数的処理能力)を評価してくれる民間企業もあります。「これしかない」と思い詰めすぎず、少し心に余裕を持って取り組んでくださいね。
フリーターの方からよくある質問


Q1. 高卒フリーターですが、大卒程度の試験を受けられますか?
A. 自治体によりますが、多くの試験区分は「学歴」ではなく「学力レベル」を示しています。つまり、学歴が大卒でなくても、大卒程度の試験問題を解ける学力があれば受験可能なケースが多いです(要項に「大卒以上の学歴を有する者」と明記されている場合は不可)。
Q2. 面接で「空白期間」について聞かれたらどう答えればいいですか?
A. 嘘をつかず、正直に話すのが一番です。「将来について真剣に考えるための期間だった」「資格取得の勉強をしていた」など、その期間をどう過ごし、何を得たかを具体的に話せれば問題ありません。大切なのは「今は働く意欲がある」としっかり伝えることです。
Q3. 予備校に通うお金がありません。独学でも受かりますか?
A. 受かります。実際に独学で合格している人もたくさんいます。ただし、情報収集能力と自己管理能力が問われます。市販の参考書を活用し、模試だけは予備校で受けて自分の位置を確認するなど、工夫して対策しましょう。
まとめ|フリーターで公務員を目指すことは可能。でも年齢制限がある以上、行動は早めが吉
フリーターから公務員への転職は、決して夢物語ではありません。学歴や経歴に関係なく、努力した人が報われる公平なチャンスがそこにあります。
しかし、合格率は30〜40%程度であり、生半可な気持ちでは太刀打ちできないのも事実です。1000時間の勉強をやり抜く覚悟と、戦略的な計画が必要です。
この記事のポイント総まとめ
- 公務員試験は実力主義。フリーターでも受験資格があれば合格可能
- 勉強時間は約1000時間(1年程度)が目安。長期計画が必須
- 「一般枠」だけでなく「経験者枠」や「公安職」など幅広いルートを検討する
- 面接ではフリーター経験をポジティブなストーリーに変換して伝える
- 独りよがりにならず、予備校やエージェントの力を借りて戦略的に進める



もし、「自分一人で計画を立てるのが不安」「公務員と民間、どっちがいいか迷っている」「面接対策だけ誰かに見てほしい」といった悩みがあれば、ぜひ転職エージェントやキャリアアドバイザーに相談してみてください。公務員試験専門のコースを持つエージェントや、未経験からの就職支援に強いサービスが、あなたの挑戦をサポートしてくれます。


